コロコロカービィ

登録日:2022/07/18 Mon 16:27:48
更新日:2023/06/23 Fri 08:23:55
所要時間:約 7 分で読めます




コロコロカービィ』(Kirby Tilt 'n' Tumble)とは、2000年8月23日に任天堂より発売されたゲームボーイカラー(GBC)専用ゲームソフト。
星のカービィシリーズのひとつであるが、HAL研究所開発ではなく、任天堂開発第二部が手掛けている。


概要

本作の操作方法はとても独特。それも従来では考えられなかったゲームボーイ本体を傾けてカービィを動かすというものである。
当然ながらゲーム機本体にジャイロ機能があるわけではない。カートリッジ内に動きセンサーが内蔵されており、これを用いることで世界初の傾け操作メインのゲームが実現したのだ。
「ゲーム機を傾けて遊ぶ」という一ジャンルを築き上げたこともあってか、一時期日本科学未来館にピンクのスケルトンが映える本作のカートリッジが展示されていたこともあった。



ストーリー

カービィはある日、何やら不思議なものを運んでいるデデデ大王ワドルディを見かける。
カービィがその後を追いかけるとプププランド中の星がすっかり無くなっていることに気づく。
デデデによってあちこちに隠された星々を取り返すため、カービィは再び旅に出るのであった…



ゲーム内容

概要でも触れたように、本作はゲームボーイ本体を傾け、カービィを転がすのが主な流れ。このため、カービィの十八番でもある吸い込み、コピー能力は一切使えない。加えてそのままの状態では触れて敵を倒せずこちらが一方的にダメージを喰らってしまう。
特に四肢や能力が封じられている訳でもないのになぜ使わないのかというツッコミをしてはいけない
ではどうやって敵を倒すのかというと、これまたゲームボーイ本体を「ハネアゲ」ることで行う。*1これにより、画面上の敵を倒したり、仕掛けに何らかの影響を与えることができる。この時カービィも同時に跳ね上がるため、手前にあるちょっとした奈落を飛び越えたり空中にあるアイテムを取ることだってできる。ただしブロックの上に直接乗ったり飛び越えることはできないので要注意。この場合は専用の仕掛けを使おう。


ステージのあちこちにはバンパーが設置されている。ちなみに冒頭のストーリーで言及されてた不思議なものはコレのこと。そのまま当たるとカービィが弾かれてしまうが、連続してバンパーに当たることで一定時間無敵状態になることができる。無敵キャンディーを取った時よりも持続時間は短いものの、100%クリアには必須のテクニックとなる。
ちなみに本作は某配管工のように無敵状態で連続して敵やバンパーを倒していくと残機が増えていく。


また、カービィシリーズでは珍しく制限時間が設けられており、当然カウントが0になると1ミス扱いに。50秒を切ると注意勧告がなされ、BGMもハイテンポになる。更に30秒を切ると画面上に大きくカウントダウンが表示されるようになり、焦燥感に駆られる。
制限時間は特定のアイテムを取ることや中間ゲートをくぐった際に回復できる。


全8レベル構成、各レベルに4ステージの全32ステージ*2。最後のステージにはそれぞれボスが待ち構えている。8-4ではラスボスのデデデ大王との決戦。


各ステージに隠されてあるレッドスターを全回収することでエクストラレベルが解放。
ステージの地形こそ一部を除き変わってないものの*3、敵や仕掛けの配置が変更されていたり、初期の制限時間が大幅に減らされた高難易度モードになっている。ハネアゲを利用したタイムパネルの取得が馬鹿にならないので、積極的に活用すべし。


ちなみに本作にはカービィにCVが収録されている。大本眞基子女史の声でカービィがとにかくよく喋る。*4具体的には「えいっ!」「やった!」「うわぁぁ~」など。
ハード性能の都合上CV再生時は一瞬BGMが止まるのはご愛嬌。


さて、肝心の難易度だが、番外編カービィらしく高めになっている。
まず何と言っても特殊な操作形態を採用しているため、少しでも雑に動かすと敵やバンパーに弾かれたり細い通路を通ったりしている時などで落下死することが非常に起こりやすい。お得意のホバリングでそういった事態を回避する、なんてこともできないので常に慎重な傾けを求められる。
おまけに100%クリアに必須なレッドスターもこれまた巧妙な場所に隠されており、高度なテクニックやひらめきが必須。
この他前述のエクストラレベルの制限時間などもあり、100%クリアは至難の業。だがその分達成感はひとしお。是非とも挑戦してみよう。

ボスキャラクター

レベル1、2、4、5、7に登場するチェック柄の球体に一つ目がついたボス。
カービィに体当たりを仕掛けてくる。当たってもこちらにダメージはないが、弾かれて場外に吹っ飛ばされないように気を付けよう。
全部で色違いの4種類がいるが、弱点は共通して目玉。ジャンプ穴からの攻撃をぶちかましてやろう。
なお、個体によっては落下攻撃で足元を脆くしてきたり、まばたきで弱点の目玉を隠す行動パターンを見せるものも。

おなじみの一つ目の雲。レベル3、6に登場する。
クラッコ戦はカービィシリーズ定番のシューティングとなる。
ステージに出現する風船を取ることで、初代のやきいもシューティングのように一定時間常時ホバリング状態となる。Aボタンで空気弾を発射してクラッコにぶつけよう。時間がなくなる前に再び風船を取ることも忘れずに。
また、クラッコ自身も画面をどんどんゴルドーで敷き詰めていくので、早期の決着を心掛けること。ゴルドーでいっぱいになると無敵の即死体当たりを仕掛けてくる。
レベル6では雷攻撃も使ってくる。

  • デデデ大王
プププランド中の星を再び奪った張本人にして本作のラスボス。レベル8で待ち構えている。
自慢のハンマーをブーメランのように投げたり、突進して攻撃を仕掛けてくる。
普段は星のかけらの力で無敵状態になっており、ダメージを与えることができないが、突進後の隙をついて大砲で突撃すると一時的に無敵状態が解除。ゲームボーイを傾け大砲を動かし、デデデに照準を合わせて攻撃しよう。
倒したあとは涙をこぼしてカービィに慰められている。
なお、この作品を最後にカービィファイターズZが発売されるまでの14年間もの間、デデデ自身がラスボスを務めることは一切なかった。*5
また、SDX以降の作品でデデデ大王のテーマのサビなし版が使われた珍しいソフトでもある。他には本作発売から17年後のすいこみ大作戦のみ。


ちなみに一面ボスでおなじみのウィスピーウッズさんは、今作では別のレベルへ飛ばしてくれるワープ土管的なポジションとなり、敵として登場することはない。



ミニゲーム

ステージ中にあるブルースターを取ってゴールすることで、5種類のミニゲームの中から1つを選んでプレイできる。また、スコアに応じてカービィの残機を増やすことができる。条件を満たせばいつでもプレイすることがが可能。

  • カービィバルーン
ゲームボーイを傾け照準を合わせ、風船を打ち抜く。
連続で割るとコンボとなり点数もアップ。
デデデの風船を割ると残り時間が回復する。

  • カービィのハードルレース
Aボタンを連打して走り、跳ね上げでハードルを飛び越えてデデデよりも早くゴールしよう。
ハードル走と言ってる割にデデデ側のレーンにはハードルは一切ない。…ずるい。
ちなみにBGMはグリーングリーンズのアレンジ。

  • ダンス・ザ・カービィ
振付を覚えてゲームボーイを正しい順番で傾けよう。
レッスンが増えるたびに覚える向きも多くなるので、割と難しい。
ただし時間制限はないので、紙にメモして乗り切るという手もある。
エクストラモードだと…?

  • カービィのマルチボール
複数のボールカービィを穴へ1つずつ入れていく。
ちょっとでも雑に傾けると穴から飛び出すので、繊細な傾きが必要。

  • カービィのフリフリチキンレース
ニワトリとどれだけ崖キワキワまで迫れるかを競う文字通りのチキンレース。
左キーとAボタンを押したままゲームボーイを振りまくりパワーを溜めよう。
あまり溜めすぎると崖から転落するので注意。
左右の傾きで微調整が可能。



余談

  • 本作は動きセンサーカートリッジの構造上、ゲームボーイアドバンスSPで遊ぼうとすると傾き操作が反転してしまうため、基本的にはゲームボーイカラー又は通常のゲームボーイアドバンスでしか遊べない。
    一方周辺機器のゲームボーイプレーヤーではどうなのかと言われると…一応遊べる。この場合総重量1kg超のゲームキューブ本体をぶん回すという、見てる側は腹筋崩壊かつやってる側の体力も消耗しやすい変態特異的なプレイスタイルとなる。
    何を血迷ったのか、このゲームキューブを用いたレギュレーションのRTA走者も一定数存在し、海外のSpeedrun.comにもこのレギュレーションが認められている。*6

  • 本作は元々傾きセンサーを利用するゲームであることが最初にあり、カービィとは無関係のゲームとして開発されていたが、試行錯誤を重ねるうちにカービィをプレイヤーにすることが決まったらしい。
    他にも案としてヨッシーゴロン族も候補に挙がったという。

  • ゲームキューブにて一時期本作の続編が開発されていた時期があった。
    ゲームボーイアドバンスをコントローラー代わりにする連動ソフトの一環としていたが、紆余曲折あり、結局開発中止となってしまった。
    そして本作発売から22年後、星のカービィ ディスカバリーにて本作を意識したサブゲーム「コロコロ!タマコロカービィ」が登場。
    こちらもコントローラーを傾けて操作するのだが、裏ステージのゲキムズが鬼畜極まりなく、「殺殺!魂殺カービィ」などとよく言われる。

  • 後年登場したカービィのグルメフェスはカービィを転がすという根本的な内容こそ共通しているものの、あちらはスティック操作のみ対応している点に加え、コピー能力(の派生形)もしっかり登場している。また、本作出典のBGMの多数が初アレンジを施されている。

  • 特殊なカートリッジを採用している故か、過去一度もバーチャルコンソール等での配信の機会に恵まれず、以降も移植は絶望的か…
    と思われていたが、2023年6月6日にゲームボーイ Nintendo Switch Onlineにて念願の23年越しとなる初移植を果たした。勿論Switch本体かジャイロ操作対応のコントローラーを傾けることで問題なく遊ぶことができる。
    これによって、普通に遊んだり動画配信をするハードルが大幅に下がったのは朗報だろう。もうゲームキューブをぶん回さなくて済むよ!やったね!


追記・修正はゲームキューブ本体を傾けながらお願いします。

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最終更新:2023年06月23日 08:23

*1 動きセンサー自体にZ軸の変化の読み取り機能はなく、動作の急激な変化で判定をするという仕組みのようであり、ゲームボーイ本体を素早く降るなどの動作でも可能。

*2 エクストラを含めると計64ステージ。

*3 2-4ではステージの全長が長くなっている。

*4 原理は氏の音声波形を分析して、それをゲームボーイ音源で鳴らすというもの。同様の手法はポケットモンスター ピカチュウでも見られた。

*5 そもそもこれから後の作品では彼が事件の黒幕になると言う事自体がなく、ラスボスになったとしてもカービィとの純粋な直接対決の延長線上でその役目になっているからである。

*6 寧ろ映像を記録して残すことがRTAの前提条件なため、現状はSpeedrun.com等ではこの記録しか存在しない。