夕凪ツバサ/キュアウィング

登録日:2023/05/07 Sun 20:22:10
更新日:2024/04/06 Sat 19:32:45
所要時間:約 12 分で読めますよ!







もし、僕に最期が訪れるとして、その時に思い出すのは、僕を笑った人達の顔じゃない。
プリンセス、僕を守ろうとしたあなたの顔です。

プリンセス・エル。あなたのナイトが参ります!!




夕凪(ゆうなぎ)ツバサ」とは、『ひろがるスカイ!プリキュア』の登場人物である。



【概要】


異世界・スカイランド出身の12歳の少年。誕生日は5月21日。
一人称は「僕」。
スカイランドに住まう種族「プニバード族」の出身で、鳥と人間の少年の両方の姿を持つ。

鳥の姿はオレンジ色で丸っこく、団子のようにプニプニした体の二頭身で翼が小さい、いわば「マスコット」風。
つぶらな瞳にアホ毛のような髪の毛が生えている。

人間体はウェーブのかかった濃いオレンジ色のボブヘアーに、左目を隠すほどの長い前髪、そして鳥形態と同じようなアホ毛が特徴。
下がり気味の眉のため、大人しめで中性的な印象を受ける。

本格登場の8話以前は、虹ヶ丘ましろの家の門に佇む謎のマスコット風の鳥として登場し、視聴者の間では「謎のグミ鳥」*1と呼ばれていた。OP映像にも第1話の時点で姿を見せていたため、その容姿からキュアウィングに変身する少年の正体ではないかという予測は少なくなかった。
人間態の初登場は8話と遅めで、放送を以ってその姿が初解禁された。本放送で彼のビジュアルが公開された際はファンが急増したという。

本編開始1年前、嵐のスカイランドにて空を飛ぶ練習をしていた際、風に飛ばされ時空の穴に吸い込まれ、人間界に迷い込み、スカイランドに帰れなくなってしまう。
そこで、スカイランド出身のハイパースゴスギレジェンド博学者・虹ヶ丘ヨヨに助けられ、彼女の家に住まわせてもらうことになった。

だが、ツバサは人間界の飛ぶための科学である航空力学に魅せられ、科学の力で空を飛ぶことを夢見、人間界にて空を飛ぶための勉強を始める。
以来、虹ヶ丘邸の一室を借りて、独学で航空力学を学んでいた。
なお、ましろが両親の海外赴任に伴い虹ヶ丘邸に越してきたのは同時期であったが、彼の部屋を鍵のかかった空き部屋と思い、また鳥形態に変身していてやり過ごしていたため、存在を認識していなかった。

そして、本編第8話、ソラ・ハレワタール並びにプリンセス・エルが虹ヶ丘邸に居候するようになってから約2ヶ月後。
エルが一人きりの際に転びそうになった時、彼女を人間態の姿で助け交流を持つようになるが、その日の夜にもう一度密かに会いに行った時にソラに見つかり、存在が発覚した。
当初は誤解もあって「スカイランド人なのになぜ自分とエルが帰れない事情を知りつつも名乗り出なかったのか」という疑問と共に敵の一味ではないかとソラに疑念を持たれ、彼女は学校を休んでツバサを監視するが、エルが歩く練習をしている姿を共に見守る中で、転びそうになった彼女を受け止めようと二人同時に身体が咄嗟に動いた事で、ツバサが悪人ではない事を理解して誤解は解け、彼の夢を知った後はお互いの夢を応援する友達になれた。

その後、カバトンの襲来でエルがソラとましろを追いかけて行った時に彼女を追いかけ、続く第9話でカバトンに捕まってしまい、何とかエルだけでも逃げて欲しいと願うが、それでも2人で逃げる事を諦めないエルに強い感銘を受ける。そして、エルを嘲笑うカバトンに対する怒りが爆発した瞬間、スカイミラージュが出現。エルを守るナイトになりたいという強い想いの元、3人目のプリキュア「キュアウィング」として覚醒した。

人間界での生活が続く中、名字があった方が便利だとして、あげはと共に「夕凪」の名字を考え、第26話で「夕凪ツバサ」と初めて名乗った。なお、公式サイトやグッズなどでは当初から「夕凪ツバサ」と表記されている。また、EDのテロップは第25話まで「ツバサ」表記だった。


【人物】


普段は温厚で大人しい性格だが、自分の夢に関しては頑固で強い意志を持つ大の努力家。年上などには基本的に敬語で話すが、家族や敵に対してはタメ口で話す。

プニバード族とは大昔、人間同様の知能と芸術能力、そして人間の姿への変身能力を持つことを引き換えに飛行能力を失った種族であり、幼い頃は「飛べる」とは思っていなかった。
だが幼い頃、父親のカケルと一緒に遊覧鳥に乗っていた時、風に煽られて空中に落下してしまう。それを救ったのは飛べないはずのカケルだった。
息子を助けるのに無我夢中で翼をはためかせたカケルは見事に彼を救い、それを見たツバサは空を飛ぶことに強い憧れを抱くようになった。

だが、「プニバード族は空を飛べない」という一般常識から外れた夢は周囲の子供達からは馬鹿にされるばかりで、当の本人である父もまた、あの時どうして飛べたのかを深く考える気はなく、理解はされなかった。
それでもなお、彼は夢を叶えるための努力を欠かさず、飛ぶための練習を何度失敗しても試し続けた。
人間界に迷い込んだ際は航空力学の学習に勤しみ、諦めることをしなかった。

反面、夢の実現のためには周りが見えなくなる傾向にあり、危険な嵐の日にも練習して人間界に飛ばされたり、両親の健在にもかかわらず勉強のためスカイランドには帰らなかったりと危うい一面もある。なお、ミラーパッドの通信機能で両親には自分の無事を知らせており、現在も連絡を取り合っている様子。

そんな彼だが、21話で屋敷の大掃除に参加したことがきっかけで長らく航空力学の本を読んでいないことに気づき、プリキュアの力で空が飛べるようになったことで自身の夢を見失ったような状態になってしまった。*2
だが、その後のヨヨとの問答やランボーグとの戦いなどを経たことで、ひとまずはあらゆることを勉強して知識を広げる方向に落ち着いた。その際ヨヨから多数の本とともにミラーパッドを譲り受けた。

同じ夢を持つ者としてソラの夢を応援し、また自分も応援されている。
そんなソラが第22・23話において、シャララ隊長を確実に救う術がない事に絶望して変身能力を失った末、現実から逃げるように自分の夢を諦めてスカイランドに帰ってしまった時には「何で一言相談してくれなかったんだ...」と怒りと悔しさが入り混じった感情を露わにし、見守ることを主張するましろとは対照的に、スカイランドの実家まで行ってソラを説得しようとした*3。だが、スカイランドに到着した頃にはソラは外出しており、母親のレミから今のソラを受け入れてほしいと懇願されると、逆に自分が泣き出しそうになり、結果的に付き添いのあげはに諭される形で引き返した。

後の第42話においてもこの件を引きずっており、ちょうど彼が研究していたキラキラエナジーの研究成果を持ち帰るべく虹ヶ丘邸を訪問していたシャララ隊長に悩みを打ち明けつつも、今回は一人で考えて自分一人で答えを見つけたい旨を告げていたソラに対して「またですか!?」と前置きした上で、悩みを一人で抱え込もうとする彼女の姿勢を非難している。しかし、ソラなりに前向きに考えた末の結論である事を知ると、「僕らで相談に乗れる事があったらしてくださいよ」と彼女の決意を受け入れたのだった。

エルの成長を見守るうちに彼女が大切な存在となっていき、一緒に捕まった際に何度失敗してもツバサを大切に思い、必死で守ろうとしたエルを逆に守りたいと思うようになる。当初は彼女を「エルちゃん」と呼んでいたが、プリキュアへの覚醒と同時にエルの「ナイト」として彼女への忠義を誓ったのを境に、基本的に「プリンセス」と呼んだり、敬語で話すようになった。エルがピンチに陥った時などにメンバーが一斉に彼女の名前を呼ぶ際、他の3人が「エルちゃん」なのに対してツバサ/ウィングは一貫して「プリンセス」呼びしているが、ソラたちとの会話の中で彼女に言及する時は、第13話・第31話のように「エルちゃん」と呼ぶ事もある。ただ、エルをやや盲目気味に構いすぎて扱いが少々雑にされることもある。

子供扱いされることを嫌っており、自分を基本的に「少年」と呼んで可愛がる聖あげはには少し苦手意識を抱いている。
ソラやましろには礼儀正しく振舞っているものの、あげは相手には生意気な年相応の少年としての一面を覗かせ、逆に彼女に翻弄されている。
しかし、あげはからは能力を買われており、一定の信頼はある様子。

ソラシド市に来てから餃子が好物になったらしく、第22話では「こちらの世界が生み出した究極のグルメ」と評していたほど。


【家族】

どちらも第15話にて人間態を披露している。

  • カケル
CV:鳥海勝美
父親。職業は画家だが売れていないらしい。
ツバサが空を飛ぶ目標となった理由の張本人だが、彼自身は飛べた理由を分かっておらず、飛ぶのはもうこりごりだとして息子の夢に理解を示そうとしなかった。*4
第15話で、ツバサがスカイランドに帰郷している事を国王からの連絡で知ると、プワと共に王宮を訪れて1年ぶりの再会を果たす。実家に顔を出さなかった事は親として叱責した一方で、その場に居合わせたましろをツバサが人間界で一緒に暮らしてたと言ったことで、人間界でツバサがましろと結婚していたのだと思い込んでしまった。なお、ツバサが(変身時に)空を飛べるようになったのを知ったかどうかは触れられなかった。
後に第46話にて、アンダーグ帝国による攻撃に備え、キラキラエナジーで生成されたミラーパッドバリアで守られるスカイランド王都へと妻共々避難している。

  • プワ
CV:佐藤聡美
母親。第10話の回想シーンから登場し、第15話より正式登場。
思春期の息子に甘く、未だに「ちゃん」付けで呼んで可愛がっており、ツバサは少し鬱陶しがっている。ツバサがましろと人間界で暮らしてたと知ると、恋人はまだツバサには早いと言った。
誕生日には息子の好物であるお菓子・ヤーキターイ*5を作ってあげている。


【キュアウィング】



スカイミラージュ!トーンコネクト!


ひろがるチェンジ!


ウィング!

きらめきホップ!

HOP

さわやかステップ!

STEP

はればれジャンプ!

JUMP

天高くひろがる勇気!キュアウィング!

ツバサが変身するプリキュア。イメージカラーはオレンジ。
歴代プリキュアの中でも、イメージカラーが橙色だと明言された最初のプリキュアであり、レギュラープリキュア初の男子プリキュアである。

長い前髪がなくなり、アホ毛はトサカ風に跳ねたまま、全体的にショートヘアーとなり快活な印象にイメチェンする。
眉毛も、吊り上がり気味となり大きく印象が変わる。
小さなシルクハットを被り、燕尾服風の上半身、そして大きな翼を思わせるヒップカバーにショートパンツと、紳士性と少年らしさを併せ持ったカッコよさを強調したプリキュアとなった。
その筋のお姉様方受けも非常に高く、特に右太ももには謎のピンク色のリボンが巻かれ、それに拍車をかけているらしい。

戦闘スタイルは飛行能力を駆使した高機動・一撃離脱型。
高速飛行により敵を撹乱し、キック等で瞬時に攻撃してダメージを与える。
更に飛行タイプのランボーグにも有効であり、キュアスカイ、キュアプリズムが飛べないため大いに重宝されている。

アイテム

  • スカイミラージュ/ミラージュペン
メインの変身アイテム。
スカイの項目を参照。

  • スカイトーン
スカイミラージュと共に生成されたもう一つの変身アイテム。
手のひらサイズの宝石のような形をしており、キュアウィングへの変身には、橙色の「スカイトーンウィング」を使用する。
なお、これらのアイテムは妖精ポジであるエルちゃんから完全に独立しており、離れていても使える。

使用技


  • ひろがるウィングアタック

キュアウィングの必殺技。
最大加速で飛行し、敵に体当たりする。主に敵の動きを止めるために用いられ、浄化技として使われたのは第11話が初。
ウィングのイメージカラーに合わせて、背景の演出は夕焼け空になる。
スカイとプリズムは必殺技の名前を「ヒーローガール……」と伸ばすのに対し、ウィングは男の子のためか「ひろがる!」と短く言い切る。


【余談】


  • 前述した通り、プリキュア史上初の、レギュラー陣の中の男子プリキュアとして、大々的に報じられた。
    なお、男性である事が発表される前から公開されていたキービジュアルでは腹ばい飛行するキュアウィングを上(背中側)から見下ろす構図*6になっていたので、服が右前でズボンであることが分からないようになっていたので一応サプライズのつもりだったらしい。
    歴代の中でも男子プリキュアは、『HUGっと!プリキュア』の若宮アンリ/キュアアンフィニが公式プリキュアとしては初めてだが、あくまでゲスト扱いだった。
    その後、『デリシャスパーティ・プリキュア』のブラックペッパーといった「レギュラー陣の中の男子戦闘要員」が登場したのを経て、遂に初のレギュラー男性からプリキュアが登場した。
    なお、キュアアンフィニ以前にも、キュアファイヤーキュアゴリラ、キュアセバスチャンなどギャグ扱いとしての男性プリキュアは登場していた。
  • ちなみに男子プリキュアのインパクトが強すぎるため見落とされがちだが、初期メンバー扱いされている妖精キュアも地味にシリーズ初である。
  • 演じる村瀬歩氏は、『Go!プリンセスプリキュア』において、春野はるか/キュアフローラを惑わすためにクローズが見せた幻影の王子としてプリキュア初出演。
    こちらはどちらかというと悪役に近い役柄だった。
    なお、村瀬氏はいち視聴者として『Goプリ』の大ファンであるとのこと。
  • 同じニチアサキッズタイムの『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』とは、「歴代で女性しかいなかったレギュラー陣初の男性戦士」「名前が『ツバサ』」「CVが村瀬歩」と、3人のメンバーと特徴が一致しており、「ドンブラと縁が出来た」と一部のファンでは囁かれている。???「プリキュアになりなさい、ムラサメ…」
  • 髪色と中の人も相俟って某バレーボール漫画主人公を連想した視聴者も多かったもよう。
  • 関連のなりきりアイテムは、スカイトーンウィングが「変身スカイミラージュ キュアウィング&キュアバタフライ」「スカイトーンセットウィング&バタフライ*7」として発売されている。ただし、変身プリチュームは2023年8月現在未発売となっており、一般販売ではなくプレミアムバンダイでの販売が発表されている。
    キュアウィングのプリキュアスタイル(植毛ドール)も発売されていない、プリキュアコーデドールに関してはキュアウィングとプニバードはあるのに夕凪ツバサのパーツが付属されていないなど、玩具面で不遇な扱いを受けている。
    一方『プリキュア』のキッズコスメラインである「Pretty Holic」では男子キャラだからといって別にハブられているわけではなく、イメージカラーのマニキュアなどが発売されている。
  • 作中では最後まで人間界で学校に通う事は無かった。学校に通わなかったプリキュアは『ヒーリングっど・プリキュア』の風鈴アスミ/キュアアース以来3年ぶりとなる。



プリンセス・エル、あなたのナイトが追記・修正します!

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最終更新:2024年04月06日 19:32

*1 プリキュアグミの商品画像でビジュアルが初公開されていたため。

*2 ヨヨからは「今までの努力が無駄になったように感じた?」と指摘されている。

*3 誤解のないように言うと、彼も決してソラの辛さが理解できなかったわけではない。理解していたからこそ、自分たちに相談もせずに実家に帰ってしまったソラの身勝手さが許せなかったのである。

*4 結局のところ、どうして飛べたのかは最後まで分からないまま最終回を迎えてしまった。

*5 人間界のたい焼きに酷似したお菓子。スカイランドのみに存在する。

*6 公式サイトの「キャラクター→キュアウィング→プリキュア」で見れる

*7 前者のスカイトーン単品セット。