桜井沙羅(仮面ライダーギーツ)

登録日:2023/05/16 Tue 15:46:33
更新日:2024/04/05 Fri 17:22:49
所要時間:約 9 分で読めます






私は十分幸せだよ。健康に元気に、あんたと暮らせたらそれで。



桜井(さくらい)沙羅(さら)とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーギーツ』の登場人物である。


演:志田音々



【概要】

デザイアグランプリ参加者の一人、桜井景和/仮面ライダータイクーンの実姉。
デザイアグランプリのことは知らないごく普通の一般人で、度々ジャマトの襲撃に巻き込まれては景和に助けられている。


【人物像】

楽天的で優しく朗らかな性格。中学生の頃に事故で両親を亡くしており、現在は会社員をしながらアパートで弟と二人暮らししている。
唯一の肉親である景和を大切に思っており、就職活動が難航している彼を気にかけている。
様子の変化にも敏感で、景和がデザグラを脱落したために記憶を消され、性格が変わってしまった際も心配していた。

常識人ではあるものの私生活はズボラなようで、料理や掃除といった家事全般は弟に丸投げしている模様。
乖離編で景和が他のライダーと共同生活を送り、一人暮らしすることになったときはちょっとどころじゃないレベルで部屋が散らかっていた。
加えて16話で景和に「よし! 今日はお姉ちゃんが料理を作ったる!」と言ったそばから「あっ、カップ麵があったぞ」と呟いたり、
20話ではパイナップルの切り方が分からず景和に電話して泣きつくなど、景和と違って料理下手の疑惑がある。まぁそのパイナップルはヤバイ代物だったわけだが。

また、小学生時代の景和の作文を声真似して読んだり、顔パックを顔のように動かしながら喋ったりと、
弟はもちろんのこと、気を許した相手にはひょうきんな一面も見せる。
かたや能天気な姉、かたやしっかり者の弟と対照的な二人だが、
自分の命が危うい時でも見ず知らずの他人を気にかけたり、リアクションがいちいち大げさだったりといった点はよく似ている。

黎明編の頃から鞍馬祢音の大ファンで、景和には日頃から彼女の話題を出して若干煩わしそうにされている。
慟哭編で祢音TVの配信が無くなった際にも駄々っ子のように大きなショックを受けていた。
邂逅編以後はスーパースターになった浮世英寿にも夢中。
そば屋で英寿と祢音に出くわし、景和の知り合いだと知った際には「どうして教えてくれなかったの!?」と詰め寄っている。

とまあ一見するとコメディリリーフのような立ち位置のキャラクターだが、劇中では後述のように幾度となくジャマトの襲撃に巻き込まれ、
なんとか助かりはする主人公たちの関係者補正運こそあるが、命を脅かされたことも少なくない苦労人
ある意味、「仮面ライダーではない一般人がゲームに遭遇するとどうなるか」をその身で体現している人物でもある。


【動向】

黎明編

面接に落ちて気落ちする景和に蕎麦屋でたぬきそばを奢っていたが、食べ始めようとした際にジャマーウォールが出現。
景和と分断された上、突如現れたジャマトに店主の福沢福男が殺害される様を目の当たりにした。
自分はジャマーエリアの外に居たため難は逃れたが、内部に閉じ込められた景和を助け出すことは出来ず、ジャマト達から逃げる彼をただ見ているしかなかった。

邂逅編

ギーツこと浮世英寿の活躍によって世界が救われ、新たなデザイアグランプリが始まった世界。
仮面ライダーに選ばれた景和はタイクーンIDコアに触れて記憶を取り戻した一方、
沙羅は世界のリセットによって黎明編の惨劇を忘れており、景和は彼女にデザグラのことがバレないように生活していくこととなる。

7話ではデザグラでの記録をスマホに録画している景和の部屋にいきなり入って驚かせ、
挙動不審になる弟に「はは~ん!恥ずかしいことじゃない。思春期だもん」という迷言を言い放った。思春期とかそういう年齢過ぎてんじゃないすかね。
夜には福男が営むそば屋に景和と訪れたところ、たまたま英寿と祢音に鉢合わせ、テーブルを囲んでそばを食べることに。
二人と食事出来たことには「人生で一番幸せ」と言うほど大喜びし、彼らと別れた後は「これで最後の晩餐おしまいか……」と残念がっていた。

その言葉がフラグになったのか、続く8話ではデザグラの最終戦に巻き込まれてジャマトに襲われる。
駆け付けた景和に一旦は助けられたものの、彼のIDコアに偶然触れた沙羅は、忘れていたとある事実を思い出す。

両親は事故で死んだのではなく、ジャマトに殺害されていたことを

かつて行われたデザイアグランプリで、沙羅はポーンジャマトに惨殺される父と母を目撃していたのだ。*1

その後はポーンジャマトに連れ去られ、大勢の人々とともにラスボスの養分として捕まってしまう。
しかし両親の死の真相を知った上で、家族を救うために覚悟を決めた景和の活躍によって解放された。

最後は、姉を無事に助けられて安堵する景和に「なれてるじゃん……すごい大人に」と言葉をかけ、脱落を宣告され消えていく彼を見届けた。


謀略編・乖離編

英寿が再びデザ神となり、世界のリセットによって沙羅はまたもや記憶を失う。
謀略編の序盤では、デザグラで脱落した影響で人格が少し変わった景和に違和感を覚えていた。
16話ではデザグラのことで密かに思い悩んでいる景和の「もし両親に会えたら嬉しいか」という問いに、
項目冒頭の台詞を言った後、「やめよう。叶わないこと考えても悲しくなるだけだから」と続けている。

乖離編の20話では、爆弾魔ジャマトの人質にされて二度目の命の危機を迎える羽目に
景和に爆弾を解除されてギリギリ助かったものの、この時の景和は姉の危機にかなりの焦りを見せており、
平時は穏やかだが、肉親など大切な存在が脅かされるとなりふり構わなくなるという意外な一面を覗かせた。


慟哭編

デザグラ中止に伴い世界のリセットが行われなかったため、謀略編以後の記憶は引き継いでおり、景和が祢音と知り合いだったことも覚えていた。

お祭りで子供達のためにたこ焼き屋台の店番をするなど平和に暮らしていたが、
今度は終盤の31話にてジャマトグランプリ最終戦・天国と地獄ゲームに巻き込まれる。
大勢の人々が次々に穴へ落とされていく地獄の様相の中でも、小さな少年を励ましたり、落ちかけた女子校生を必死に助けようとしていた。

しかし、かつて両親が目の前で殺されたように、今度は景和が仮面ライダーバッファに突き落とされる瞬間を目撃してしまった

たった一人の家族が手にかけられたショックに、彼女は力無く跪くことしか出来なかった。









以下、物語の根幹にかかわるネタバレ注意


















慕情編

吾妻道長がジャマ神となり、再構築された世界。
ジャマグラから奇跡的に生還した沙羅だったが、弟の景和とは一週間も連絡が取れず、
行方を捜して欲しいとどこかで見覚えのある顔の警察官に訴えていた。
実際のところ景和は道長によってこの世界から消されてしまっていたわけだが、世界のリセットで記憶を失った彼女にはそんなことなど知る由もなかった。
なお、恋人の家に居るのではという警官の推論には「あっ、それはないです」と即否定している。うーんこの弟の理解度の高さ

弟が消えたことの不安は相当大きく、34話では景和がどこかへ去ってしまう悪夢を見るほど擦り減っていた。
そんな中、彼女の前にタイクーンのサポーター・ケケラが現れ、「沙羅がデザイアロワイヤルにエントリーするなら景和を復活させる」と取引を持ち掛けてくる。

それに頷いた沙羅はIDコアに触れて記憶を思い出し、弟が二度と苦しませないために仮面ライダーハクビとしてデザイアロワイヤルに参戦することを決意
沙羅の決意を聞き届けたケケラは、先の約束通りに景和を復活させた。

デザロワが始まってからは最初に祢音と偶然合流し、そこへ襲い掛かってきた五十鈴大智/仮面ライダーナッジスパロウとの勝負に臨む。
しかし、今まで戦いとは無縁の一般人で戦闘経験がなく、手持ちの装備も今となっては型落ちのクローバックルただ一つ。
その上相手は腐っても元デザグラファイナリストでナーゴとも互角以上の実力があるという、初陣にしてはどう考えても強すぎる敵に対抗できるわけもなく、
半ば一方的にボコボコにされた挙句に、変身解除して気絶してしまった。
その場は景和と英寿のおかげで助かったものの、沙羅の思いとは裏腹に景和はケケラの手引きでデザロワに参戦してしまった。
一度はそれについて口論になるも、祢音の仲裁もあって仲直りし、デザグラ存続の為に手を取り合って改めて戦うことになる。

だが、最終戦でバッファによってナーゴ共々IDコアを握りつぶされてしまい敗北。
デザロワ周りの記憶を一切失い、再び日常に戻ることになった。

創世編

英寿が創世の神となって世界が再編された際、元仮面ライダーとしてそれ以前の記憶を取り戻す。
既にIDコアを失っている為、もう変身する事こそできなくなったものの、真に天涯孤独になった祢音の生活面を手伝おうとしたり、
仮面ライダーとして再び戦おうとする景和の為に副業を始めようとする等、元の面倒見の良さを発揮して周りの人々に接していくようになった。


だが、そんな彼女に魔の手が迫っていた。そしてその毒牙に掛かったことで、事態は最悪の展開を迎えるのだった……。


翌朝になっても自宅に戻らず、電話にも出ない沙羅の身を案じる英寿と景和に五十鈴大智が接触。
沙羅の身に危険が迫っていることを察した英寿は景和に沙羅を探すように言う。
時を同じくして道長は街に現れたジャマトのを討伐する。
だが止めを刺されたジャマトが落としたもの、それは沙羅が身につけている髪留めだった。
やがて、駆け付けた景和の目の前で崩れ落ちるジャマトは、沙羅の姿になった。
道長が討伐したのは、複数のジャマトに寄生されて人に戻れなくなった沙羅だったのだ。

駆け付け、自分を抱き起した景和の腕の中で消滅する沙羅。
最愛の姉を失った景和は絶望し、知らなかったとは言え罪のない人を手にかけてしまった道長の心には深い後悔が刻み込まれた。

その後、運営と手を組んだ景和が理想の世界を叶えたことで両親を含めた全ての犠牲者とともに蘇生。
……したのだが、今度は同時に蘇ったギャングライダーが起こした暴動に巻き込まれて両親共々命を落としてしまった。
景和は今度は家族だけを蘇らせるために英寿と対立することになる。

一方道長は沙羅が消滅したのではなく知恵の樹に取り込まれた状態にあったこと、元の世界に戻せば沙羅を救える可能性があることを突き止める。
沙羅を救えることを信じた英寿、道長、祢音によって景和の願いがリセットされ、再び知恵の樹に囚えられた状態になる。
知恵の樹をベロバが世界を滅ぼせるジャマトに変えようとしたことで、ジャマトの養分となり完全に消滅しかけるが、道長がベロバを討伐したことで知恵の樹の変化が止まり消滅を免れる。
そして五十鈴大智が隠し持っていたジャマトの侵食を抑える抗体を投与されたことによって知恵の樹から解放され、ようやく景和の元に戻ることが出来た。*2

全ての戦いが終わった後はライダーだった他の人物と同様に神となった英寿が祀られた神社の絵馬に願い事を書いていたが、
なんと「穏やかな日常」「一生祢音ちゃん推し!」「祢音ちゃんとショッピングに行く」「料理が景和みたいに上手くなる!」「給料UP」「もっと小顔になる!」「海外旅行に絶対行く!」…などの大量の願い事が所狭しと絵馬に書き込まれていた。ヒトツ鬼にならないかが心配である。

【仮面ライダーハクビ】



スーツアクター:五十嵐睦美


桜井沙羅が変身する仮面ライダーで、英語表記は「Hakubi」
モチーフはハクビシンで、頭部「ハクビヘッド」は黒色をベースに白色のラインが差し込まれている。ピンク色の鼻部分がなんともチャーミング。
変身する際はタイクーンのように両腕を体の右で交差させた後、ナーゴのように体の左で獣の前脚のようなポーズを取る。


エントリーフォーム



ENTRY


デザイアドライバーに仮面ライダーハクビIDコアのみを装填して変身した形態。
耳のパーツ「ハクビイヤー」はタイクーンの「タイクーンイヤー」と同じく聴覚装置と衝撃吸収装置を兼ねている。頭部中央に位置するパーソナルアクセサリー「ハクビピュアリティ」は、変身者の第六感に作用してひらめきを強化する機能を持つとされる。
ただ、カタログスペックは劇中登場ライダーの中でも非常に低い部類で、特に格闘面で重要なパンチ力とキック力は登場当時に歴代最弱ライダーと言われた仮面ライダーケイロウさえ下回っている。
一応ジャンプ力と走力はケイロウに優っているものの、他のライダーが全員経験者ばかりのデザイアロワイヤルにおいてゲーム初心者の沙羅は非常に危うい立場にある

なお、パーソナルアクセサリーを持つライダーは仮面ライダーパンクジャック以来で、メイン4ライダー以外では2人目となる。
余談だが、フィーバーフォームは現時点では未登場であるため、フィーバーフォームに変身した際にどのようなバランサー*3が追加されるのかは不明。


レイズバックル単体使用形態

アームドクロー(上半身)



SET

変身!


ARMED CLAW

READY FIGHT

クローバックルをデザイアドライバーの右側に装填して変身した形態。
互い研ぐことで切れ味が増すブレード型の拡張武装「レイズクロー」を両腕に装備する。

初変身は34話。GMライダーとギガントバックルを除けば、小型バックル装備を使うライダーの登場は15話のバッファ アームドプロペラゾンビ以来19話ぶりとなる*4
ナッジスパロウ戦で使用したが、変身者の力量差に加えてモンスターフォームとの圧倒的なスペック差もあり、一方的な惨敗を喫してしまった。
他の参加者が軒並み大型バックルを所持している事を考えると、ライダー同士の戦闘でこの形態しか使えないのはあまりに心許ないだろう。
これが通常のデザイアグランプリならまだ何とかなったかもしれないが、現在のジャマトは物語序盤よりも遥かにパワーアップしている以上、ジャマトと戦うにしてもかなり厳しいのは想像に難くない。


  • クローストライク

CLAW STRIKE

クローバックルの爪をスライドして発動。
35話ではレイズクローから黄色の斬撃を飛ばすが、当然ながら対ライダーにおける防御力も異常に高いバッファには傷一つ付かなかった。


スペック表

形態 身長(cm) 体重(kg) パンチ力(t) キック力(t) ジャンプ力(m/ひと跳び) 走力(秒/100m)
エントリーフォーム 190 64.3 0.5 1.2 4.3 9.2
アームドクロー 65.4


【余談】

  • 演者の志田音々氏は、同年放送の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でオニシスター/鬼頭はるか役を演じた志田こはく氏の実姉である。たまによく出す叫び声や20話で見せた驚く顔は妹そっくりと一部で評判。後、完璧人間と縁が出来たと言う共通点も。
    • 登場時期こそ被らなかったが、ニチアサ同期の作品で姉妹それぞれが戦士の役を演じることとなった。

  • 仮面ライダーハクビの頭部スーツは仮面ライダーレターの改造。角が耳に変わったためぱっと見は分かりづらいが、パーツの凹凸等が一致している。
    • スーツアクターの五十嵐睦美氏は同作でレターを演じている他、前作『仮面ライダーリバイス』ではラブコフのスーツアクターも務めた。またボコボコにされている……

  • 言うまでもなく、ハクビシンがモチーフの仮面ライダーは史上初。怪人のモチーフとしてもニチアサでは前例が無い。
    • ハクビシンは見た目がタヌキに似ているが、タヌキと違いハクビシンはジャコウネコ科に属する動物。タイクーンとナーゴをミックスしたような変身ポーズなのも、ある意味で理に適っている。
    • なお、ハクビシンの別称は『ムジナ』。アナグマを主に指す言葉だが、タヌキやハクビシンの事もそう呼ぶことがあり、年を経ることで人を化かすとされている生き物の一つ。
      加えて「同じ穴のムジナ」という言葉があるが、これは『一見無関係に見えても同類(の悪党)』という意味。
      弟を消した敵と共にデザイアロワイヤルという穴に入ってしまった沙羅は、一体何に『化ける』のだろうか……。


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  • 会社員
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最終更新:2024年04月05日 17:22

*1 そのデザグラはライダーが全滅したためミッションは失敗となり、両親は蘇らず沙羅は記憶を失った。なお、公式サイトの裏話によれば景和は盲腸で入院していたために居合わせなかったらしい。

*2 劇中での描写はなかったが、同じく知恵の樹に取り込まれた他の人々も解放された模様。

*3 各ライダーが保有するパーソナルアクセサリーが強化された金色のアクセサリー

*4 フィーバースロットバックルを使わず小型バックルで変身したライダーに絞れば、11話のケイロウ アームドプロペラ以来23話ぶり。