ヒトツ鬼(暴太郎戦隊ドンブラザーズ)

登録日:2022/03/28 Sun 00:00:13
更新日:2024/04/19 Fri 11:46:52
所要時間:約 78 分で読めるというお話


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IF アナザー戦隊 アバタロウギア アホの集団 コメント欄ログ化項目 シソツ鬼 スーパー戦隊 センタイギア ヒトツ鬼 ヒトツ鬼ング ベニツ鬼 モンスター化 一周回って愛すべきバカ達 井上敏樹の本気 人攫い 今週の怪人 怪人化 悪趣味 悪鬼 悲しみを退治してゆく 憎めない悪役 戦隊怪人 戦隊悪役 戦隊版アナザーライダー 所要時間30分以上の項目 所要時間60分以上の項目 文字化け 暴太郎戦隊ドンブラザーズ 欲望 歴代戦隊に対するディスペクト 滅ぶべき存在←脳人にとっては 皮肉 神出鬼没 秀逸なデザイン 第三勢力 篠原保 脳人レイヤー 自然現象 討伐対象兼守護対象 負の感情 邪鬼


ヒトツ()とは、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に登場する敵怪人で、今週の怪人枠に当たる。

讎りヲ(概要)

己の強い欲望に取り憑かれた人間に取り憑き、モンスターに変異させる
憑依した人間の欲望を暴走させ、最終的に体を取り込み実体化し、モンスターの姿に変えてしまう。
しかもそのきっかけとなる欲望は、
  • 食欲、怒り、恐怖、困惑といった誰もがごく当たり前に感じるようなありふれたもの
  • 向上心、名誉欲、プロ意識など、程度と方向性次第ではプラスにも働きうるようなもの
であることが殆どで、いつ誰がなってもおかしくないと言ってもいい。
実のところ「人間」とは書いたが欲望を抱えている者であれば誰でも憑依対象になり得る。
強い欲望さえあれば未練を残した地縛霊、ドンブラザーズ、脳人にすら取り憑いてしまい、場合によっては人間の肉体ではなく人間の思念に取り憑く変わり種もいる。

ちなみに本編に出てきたヒトツ鬼のうち3割程がタロウの辛辣な物言いやドンブラザーズの奇行が原因で変貌している。とんでもないマッチポンプ


迚ケ蠕エ(特徴)

最大の特徴は自然発生気味に生まれることであり、メインの敵組織である「脳人」に生み出されている*1わけでもなければ彼らに従う手下というわけでもない。
むしろヒトツ鬼は脳人にとって脳人レイヤーの存在そのものを揺るがしてしまう害獣のようなものであり、彼らからは抹殺・討伐の対象と見做されている。
おまけに脳人はヒトツ鬼のみならずその宿主となった人間も「穢れた存在」と唾棄しており、容赦なく宿主もろともヒトツ鬼を消去してしまう。

強い精神力があればヒトツ鬼に取り憑かれても理性を取り戻し元の人間の姿に戻ることもできるが、そういったことができる人間はごく一握り。
そもそもそれもその場凌ぎの対症療法に過ぎず、確実に倒されない限り何らかの拍子があればヒトツ鬼が暴走させる欲望に飲まれてしまう。
なので確実に元に戻すためには「ヒトツ鬼を倒す」ことが最も手っ取り早く確実な解決策となる。
そしてドンブラザーズに倒され、元に戻った素体の人間は、ヒトツ鬼化の原因となるストレスや負の感情から解放され、明るく前向きになる模様。
ドン31話では宿主が何らかの原因で欲望が満たされると分離し、新たな宿主を探すケースも見られた。

ただしヒトツ鬼を倒す=欲望がなくなるわけではないため、その後はまた似た性格に戻ったり再び別のヒトツ鬼に取り憑かれる者もいる。

総じて一般怪人枠としては歴代でも非常に珍しい、敵組織に与しているわけではない「第三勢力」的なポジションに落ち着いている。


螟冶ヲ(外見)

通常の個体は角を生やした頭にがっしりとした体、紅色や紫蘇色など独特な肌の色といった昔話に登場する鬼を思わせる姿をしているが、時折その上に歴代スーパー戦隊を彷彿とさせる見た目の「スキン」を纏った特殊な個体が出現することもある。

その理由や原因は不明ながら、単に見た目が似ているだけではなく実際にモチーフ戦隊の力を取り込んでいるのか、撃破した際にはモチーフ戦隊のセンタイギアもしくはアバタロウギアをドロップする。
ヒーロー側の戦力をデザインモチーフとする戦隊怪人としては他にネガティブシンジケートが挙げられるが、あちらに比べると色々な面でよりレジェンドヒーローを悪趣味に皮肉ったアンチテーゼ感が強く、
  • モチーフの戦隊を皮肉ったり、モチーフが抱える負の面・闇の部分をことさらに強調したような不気味な外見
  • 変身者が抱える欲望
  • 変身者のストーリー上での行動・立ち位置
などを併せてモチーフの戦隊を醜悪・凶悪にアレンジした存在に仕上がっている。
さながら「戦隊版アナザーライダーあるいは「アナザー戦隊」

ちなみに作劇上、モチーフ戦隊とストーリー・キャラクター性との絡め方には
①脚本が上がってから→モチーフ戦隊を決定
②モチーフ戦隊を決めて→脚本を書き上げる
という 2パターンで決めている。
「おにぎりもピラミッドも三角形だから」「将棋の駒とスーパーカーの見た目が似ているから」等、かなり雑なモチーフ選びも。
本編完結後に発売された公式読本「抱腹絶桃」においてデザイン担当の篠原保氏が語ったところによると、デザインについては元のライダーに寄せていたアナザーライダーとは反対に「同じモチーフやテーマを用いてどこまで元の戦隊から離れられるか」というところを到達点にしていた、とのこと。


閭ス蜉(能力)

ドンブラザーズや脳人同様脳人レイヤーを自由に行動でき、アノーニを呼び寄せたり、固有の特殊能力も行使できるようになる。
中には人間の姿のまま固有能力を使う個体もいる。
また、大多数のヒトツ鬼が持つ特性として、「何らかの力で周囲の人間や物を消し去る」という能力がある*2
このため、ヒトツ鬼が暴れれば暴れるほど人間がどんどん消えていってしまう。

ヒトツ鬼に憑かれてしまう人間の多くはどこにでもいると言うにはクセが強すぎな一般市民なので、力はあっても戦闘には不慣れであることが殆どで基本的にあまり強くない。
中には自分の欲望を叶えることに夢中でそもそも自分が戦闘をしているという自覚すらなさそうな個体までいる。
身も蓋もなく言ってしまうと、平均的な戦闘能力は戦隊シリーズの一般怪人の中でも最弱レベル*3
なので手練かつほぼ一撃必殺の討伐手段を持つ脳人達には到底敵わず、放っておけばあっという間に宿主ごと始末されてしまう。
宿主を助けるにはドンブラザーズが必殺技を使い、脳人達に消される前に自分達の手でヒトツ鬼を倒すしかない。
すなわち、倒すべき敵であると同時に守るべき存在なのだ。

また、戦隊モチーフのアバタロウギアを取り込んでいるヒトツ鬼は倒された直後にそのパワーが脳人レイヤーに積み重なってヒトツ鬼ングと呼ばれる巨大な怪物へと変貌してしまう。


荳?隕ァ(一覧)

通常のヒトツ鬼

特にモチーフのない外見のヒトツ鬼。 
戦隊モデルのヒトツ鬼はこの個体がベースとなっている。要は邪面師ワルド怪人と同じ理屈の造形。

  • ベニツ鬼
身長:185cm
体重:213kg
スキン:紅カラー

ドン1話に登場。
タクシー運転手の破壊の欲望から生まれた紅色モデルのヒトツ鬼。
走行中の車を片手で簡単に破壊できる程の凄まじい怪力を発揮する。
自身のタクシーに乗せた鬼頭はるかに襲いかかったが、バイクに乗って現われたソノイに一刀両断され、消去された。

  • シソツ鬼
俺はもっと強くなる…もっともっとぉぉぉッ!!

CV:八頭司悠友(ドン1話)
身長:185cm
体重:217kg
スキン:紫蘇カラー

ドン1話及びスピンオフに登場。
ドン1話でははるかの同級生・吉岡(通称・よっぴー)の「卓球でもっと強くなりたい」という欲望から生まれた紫蘇色モデルのヒトツ鬼。
はるかが漫画賞を受賞した時から既に取り憑かれており、校舎裏で作った釘ラケット片手に同じ卓球部の花村や高校生チャンピオンの高木リョウ、金メダリストの春日誠に挑んではテーブルテニヌ人並み外れた運動能力で次々と負かせていき、最終的にヒトツ鬼化。
説得するはるかを一蹴するが、最後は現われたソノイによって釘ラケットを遺して消去されてしまう。

仮面ライダー電王』とのコラボ動画「目指せ!ドン王」では3話にわたって登場したが、いずれの個体も最後は同時攻撃で撃破されている。ちなみにプリンの話は律儀に聞いていた
さらに『ドンブラザーズmeetsセンパイジャー』でも登場。
アノーニを引き連れていたがアバターチェンジしたドンモモタロウに蹴散らされ、最後は自身もドンモモタロウとオニシスターの攻撃で倒された。

戦隊モデルのヒトツ鬼


戦隊モデルのヒトツ鬼は変身の際に文字化けした戦隊の名前と赤く染まったエンブレムがエフェクトとして表示される。
また変身時や攻撃の演出は当時のSEや演出をほぼ完全に再現しためちゃくちゃ丁寧なものになっている。

ドン1話~10話




ドン11話~20話




ドン21話~30話




ドン31話~40話




ドン41話~ドン最終話



番外編



その他のヒトツ鬼

  • 煙突
スピンオフ『コレがドンブラザーズの名乗りだ!暴太郎のホントの姿!?』に登場。
上記の烈車鬼と同型のスキンに覆われているが、素体がシソツ鬼になっている他、本編映像流用の都合上でなんとソノイの得物『一級剣バロンソード』と同型の剣を持っている点が異なる。
欲望や宿主に関しては一切不明。
高笑いしながら人々を襲っていたが、戦隊らしい変身と戦隊らしい名乗りと戦隊らしい連携を発揮したドンブラザーズの敵ではなかった。直後にいつものノリに戻るけど。
RPGでたまにある『重要なボス敵の色違いが後になって通常エンカウントの雑魚として登場する』パターンを彷彿とさせる。

  • 氷河

CV:大谷秀一郎
スピンオフ『爆竜戦隊アバレンジャーwithドンブラザーズ』に登場。
名前通り氷の結晶を思わせる青く角張ったスキンを纏ったシソツ鬼ベースのヒトツ鬼。右腕が氷でできた剣か槍の穂先のような形状に変化している。
煙突鬼同様欲望や宿主については不明だが、「キンキンキーン!」と叫びながら敵に斬りかかるなど言動は割とコミカル。
一方自分そっちのけで仲間割れを始めたドンモモタロウとサルブラザーに困惑した様子で呼びかけようとするなどヒトツ鬼にしては理性的な面も。
出現直後はドンモモタロウ相手に派手な斬り合いを演じていたほか、口から吐く冷気でアバレッドアバレブルーを一瞬とはいえ氷漬けにしてしまうなど戦闘能力はそれなりの様子。

地下駐車場らしき場所でドンモモタロウと交戦していたが、そこに「タロウに勝って近頃の体調不良の元を断つ」と意気込むサルブラザーと偶然喫茶どんぶらを訪ねていたアバレッド・アバレブルーが乱入。
アバレっぷりに定評のある2大戦隊の連携(?)を前にしてはなす術もなく、最後はサルブラザーの「暴れ猿パンチ」を顔面に受けてカリスマ整体師による治療のついでに倒されてしまった。

しかし、その時にできた空間の裂け目から、新たなトリノイド「アバレンゲッコー」が現れ…。

スーツは超新星鬼、武器はコオリワルドの装備していた「ツラランス」の流用。
直接的には特定のスーパー戦隊と関係のない器物モチーフのヒトツ鬼だが、寒色ベースのカラーリングや武器と一体化した右腕、口癖や冷気を操る能力などから察するに、映画『爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中!』における最大の敵・バクレンオーがモチーフの一つなのではないかとも言われている。


菴呵ォ(余談)

  • デザインを担当したのは篠原保。『手裏剣戦隊ニンニンジャー』『動物戦隊ジュウオウジャー』『機界戦隊ゼンカイジャー』では幹部を担当していたが、一般怪人をメインで担当するのは『烈車戦隊トッキュウジャー』以来8年振りである。

  • 名前は「人憑き」をもじったものと思われる。

  • テレ朝公式のヒトツ鬼の公式の説明文の最後には、烈車鬼以降「むかしむかし…」で始まる、ヒトツ鬼になった人の過去を綴った説明文や、モチーフとなった戦隊にまつわるワード(決め台詞や劇中の用語、主題歌の歌詞など)に、「どんどん」という文字が盛り込まれている。



  • 冥殿


……外のカラス五月蝿ぇなぁ……昨日徹夜で掲示板してたから眠いんだよ糞…
…う〜わ……まじウゼェ……イヤホンイヤホン……

あ〜やっぱこの音楽は最高だわww後で録画したアニメ観よww
外の小学生うっせぇな……ギャーギャー騒ぎやがって……
……? やっと静かになったか……ったく……さ〜てネットでもすっか……www

う〜わマジアンチウゼェ……あのアニメは現代社会の厳しさを批判しているんだっつの…
…それぐらいわかれや池沼が。

……つか腹減ったな……ババァは昨日飯持ってきてなかったし…
…クソッ…子供をなんだと思ってんだ……?ったくマジ死ねよ……
……さ〜て憂さ晴らしにお気に入りの項目追記・修正でもすっか……www

あっ…こいつ俺の追記・修正勝手に消しやがって…

俺はWiki籠りだ……俺が一番追記・修正するんだァーッ!!

蜀・谿ソ謌ヲ髫(冥殿戦隊)

CV:あなた
身長:257cm
体重:550kg
スキン:ドジっ子管理人
ベース:ベニツ鬼
むかしむかし:Wiki籠りはアニヲタWiki(仮)で追記・修正した記事がウケず、ツラァイ(ツヴァイ)思いをしていたそうな…

とあるWiki籠りから生まれた、冥殿モデルのヒトツ鬼。「この項目をもっと面白くしたい」という欲望を叶えようとする。
人を超えた追記・修正の鬼となり、楽しい項目をどんどん書いていった。
モンスター化すると、つまらない項目のを突いて良項目になるよう養生(幼女)する。異議を唱える者は通報ビームで容赦なく垢BANしてしまう。
「ヘンシュウジャーギア」をドロップする。



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最終更新:2024年04月19日 11:46

*1 ヒトツ鬼に取り憑かれている人間に脳人が干渉をして強制的に変貌させるということもあるが、これは所謂「膿を出す」行為である。

*2 主に自身の体内に吸収する形で消し去るパターンが多い。

*3 ただし、格闘家や忍者(自称)、つよしなど戦い慣れした人間が宿主になることもあり、そうでなくとも欲望やモチーフとなった戦隊次第で厄介な能力を身につけていることもあるので強い個体がいないわけではなく実力はまちまちと言える。

*4 劇中のエフェクトではこう表記されている。この文字化けを直すと正確には「怪盗戦隊」になる。

*5 前者は大和の叔父の森真理夫、後者はジュウオウシャーク/セラとその演者の柳美稀氏から。

*6 東映公式サイトより。名前の由来は『ゴーカイジャー』本編のキーワードである「大いなる力」と「レンジャーキー」、及び本作メインライターの井上敏樹からか。

*7 基本的には19歳までに入会し、26歳までに四段昇格しなければプロ棋士にはなれないため。

*8 ドン14話時点では半透明なシルエットのみ。

*9 美奈子を守る分身として最初からこの姿で登場するため、登場時の演出は省かれている。

*10 ドンドラゴクウ・ドントラボルトのスーツアクターを担当。

*11 『ダイレンジャー』本編での魔拳士ジン関連のエピソードは本作メインライターの井上御大が担当していた。

*12 「アメリカの忍者」で検索をかけたところ、カワサキのバイク「ニンジャ」ばかりがヒットしたそう

*13 はるかには叔母がいるが、他の4人には兄弟や親の存在が確認されていない。

*14 Case File 14とCase File 22。元になった話は前者の方。

*15 この時、名乗り最後の超電子頭脳が光る演出が再現されているが、なぜかイエローとピンクの色が逆転している。

*16 ちなみにこの会社の社名は「新帝国貿易」で、部長が誉めた資料は「バイオ粒子テクノロジーの活用 蔭山エリアの都市開発について」。小野の提出した資料は「シルバ(ー)世代のための街づくり」。表紙に描かれたカットは赤・緑・青・黄・桃のロボットとこれまたバイオマンの5人と同じカラーリングである。

*17 ご丁寧に男女比も3:2になっている。

*18 2021年11月頃に右膝の半月板と靱帯の損傷が発覚し、手術の為に休業を宣言。本作が放送された2022年頃はリハビリに専念していた。

*19 『バトル』部分がないのは劇中のエフェクトそのまま。また「J」は全角でないとこの文字化けにはならない。