ドラえもん 友情伝説 ザ・ドラえもんズ

【どらえもん ゆうじょうでんせつ ざ どらえもんず】

ジャンル アドベンチャーRPG
対応機種 3DO interactive multiplayer
発売元 小学館
開発元 リバーヒルソフト
発売日 1995年4月7日
定価 7,800円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング 3DO用審査 E(一般向)
判定 なし
ポイント 『ドラえもん』コンテンツに新たな道を拓いた歴史的作品
見た目も性格も個性的なドラえもんの親友達を巡る友情物語
魅力的な本作のキャラはファンから長く愛されることに
ドラえもんシリーズ


概要

3DOにて発売された、ドラえもんのゲーム作品。
誕生間もないドラえもんがロボット学校時代を共に過ごした親友「ドラえもんズ(ドラドラ7)」を巡る物語である。

『ドラえもん』の派生コンテンツ「ドラえもんズ」の原点となったメディアミックス作品であり、3DOというマイナーハードの作品でありながら『ドラえもん』ゲームの代表作の一つに数えられている。

コンテンツとしての『ドラえもんズ』の詳細な解説は余談で後述するものとして、この記事はあくまでゲーム作品として発売時点の基準に立った解説を行う。


あらすじ

西暦2112年9月、聖ネコ型ロボ工作センターでは次々とネコ型お世話ロボットが作り出されてしまいました。そして、われらのドラえもんも、実はここで生まれたのです。
ここで誕生したネコ型お世話ロボットは、人間たちのお世話をする勉強のために、聖ネコ型ロボ学園に通うことになっていました。
もちろん、ドラえもんも例外ではありません。そしてドラえもんは、この学園で大親友と呼べる6人の仲間と出会いました。彼らは永遠の友情を誓いあい、
いつしか、ドラえもんとともに「ドラドラ7」と呼ばれるようになったのです。

ある日、ドラえもんが親友テレカを使って仲間の1人であるドラ・ザ・キッドに連絡しようとしたときのことです。いくら呼び出しても、なぜかドラ・ザ・キッドとの連絡がとれません。
不審に思ったドラえもんはもう1人の仲間、王ドラを呼び出したのですが、同じように連絡がとれません。彼らの身に何かあったのでは?と心配をしていたその時、
大ニュースをもってドラミちゃんがやってきました。

なんと、ドラえもんをのぞいたドラドラ7の仲間たちが、彼らの生まれ故郷とでもいうべき聖ネコ型ロボ工作センターを襲ったというのです。
さらに彼らは、すべてのネコ型ロボットを引き連れてどこかへ姿を消してしまったとも…。

22世紀の未来で何が起こったのか?また、親友たちに何があったのか?

彼らとの友情を取り戻すために、ドラえもんの冒険がいま始まるのです。

(取扱説明書より引用)

ドラドラ7のメンバー

後年の作品と比べると、細部の設定が異なるキャラクターが多い。

  • ドラえもん
    • ご存知主人公。今作では6人との「友情」を取り戻すため奔走する。
  • ドラ・ザ・キッド
    • アメリカンヒーローに憧れアメリカに渡ったカウボーイ風のネコ型ロボット。空気砲を操る。
  • 王ドラ
    • 心優しいカンフーの名人。中華料理も得意らしい。
  • ドラメッド3世
    • 砂漠に水を引いて子供達を喜ばせるのを夢見る魔法使い。
    • 水嫌いや巨大化する設定は作中では描かれていなかった。
      • ただし設定自体は存在していたらしく、いずれも『小学二年生』95年1月号の時点で明かされている。
  • ドラニコフ
    • ロシアの雪国在住。無口。
    • こちらも、丸いものを見るとオオカミのようになってしまう設定はまだ描かれていなかった*1
  • ドラリーニョ
    • サッカーの国・ブラジル在住。劇中でもサッカーにちなんだ発言を何度か行う。
  • エル・マタドーラ
    • 闘牛士モチーフ。敬意を払った戦いを信条としている。

特徴

  • 突然闇落ちした6人の親友「ドラドラ7」を助け、黒幕の野望を打ち砕くゲーム。
    • ドラドラ7は後年の作品で主に「ドラえもんズ」と呼ばれているが、本作では「ドラえもんズ」という名称はあくまでサブタイトル上での表現であり、ゲーム内においては「ドラドラ7」という名前でほぼ一貫している*2
    • 公式ジャンルはアドベンチャーRPGとされている(当時の児童誌での宣伝より)。
      • ただし育成の概念は無く、RPGの要素は薄い。
      • レベルアップの概念は存在するが、タイミングはほぼ固定である。
      • 他のあらゆる3DOソフト同様、ゲームというよりも"プレイヤーがインタラクティブに介入できる読み物"という趣が強いのでその点は注意。
  • 背景設定
    • 冒険の舞台はドラえもんのいた22世紀。世界は「ドラドラ7」とその手下によって荒廃しており、いずれもイージーホールと呼ばれる箱庭の世界に潜伏していた。
      • イージーホールとは、生活に疲れた未来の大人たちが現実逃避するために作られた仮想の世界である。そこには西部開拓時代のアメリカや20世紀の中国など、様々な時代の地域をモチーフにした世界が広がっている。
    • ドラえもんとのび太はイージーホールの各世界を周り、それぞれの地域を支配するドラドラ7の面々と戦い、彼らにかけられた洗脳を解いていく。
    • やがて明らかになる黒幕を打ち破ればゲームクリアとなる。
  • 基本的には擬似3Dで描写されたフィールドを移動し、あちこちを歩き回って物を調べたり情報収集をしたりしてゲームを進行させる。
    • 時には、ひみつ道具を使って攻略を進めるシーンもある。
  • 戦闘
    • 本作にはランダムエンカウントが無く、ゲーム中の特定のタイミングで戦闘が発生する。
    • 戦闘システムは『ファイナルファンタジーシリーズ』のATB(アクティブタイムバトル)に近く、リアルタイムで進行する。
    • 画面上部のゲージが時間経過で溜まると、ドラえもんに所持しているひみつ道具を使わせるか、のび太に攻撃させる事ができる。一般的なRPGで例えると、前者が魔法攻撃、後者が通常攻撃のようなものである。
      • ひみつ道具は攻撃に使うものだけでなく、バフ効果があるものやイベント用の必須アイテムなど、さまざまな種類がある。
      • ゲージが満タンの間は、Cボタンを押している間だけ防御が可能である。
    • 敵もまた一定時間ごとに攻撃し、たまに防御を行う場合もある。
    • 相手の行動中に自分の行動を割り込ませることも可能で、その場合は相手の攻撃がキャンセルされる。
      • ただし各行動には発生するまでの前隙が存在するため、全ての行動を封じることは基本的には不可能。
    • ひみつ道具はメニューで設定した6つの中から、好きな物を戦闘中に使用できる。
      • ほぼ全て消耗品で、使用回数を増やすには道中に落ちている物を拾わなければならない。
      • 本作ではゲーム序盤で四次元ポケットを破壊されてしまい、その反動で道具が次元を超えてあちこちに散らばってしまっている。
    • のび太はゲーム序盤で入手する道具「能力いただきリング」の力を使い、ドラドラ7の力を借りて戦う。回数制限は無い。
      • 何も能力を持っていないゲーム序盤は、おもちゃのピストルで応戦する。
    • 敗北しても、その戦闘からコンティニューが可能。設定上はドラえもんがひみつ道具の「逆時計」を使っているという扱いである。
      • 消耗したひみつ道具も元に戻るため、敗北のリスクは殆どない。
      • また敗北のたびに、1/3の確率でランダムにひみつ道具を入手できる。詰んだと思っても、何度もやり直して強力な道具を入手するチャンスがある。

評価点

  • ドラえもんの生い立ちに踏み込んだストーリー
    • 今作は、ドラえもんが生まれた直後のロボット学校時代の仲間たちとの友情が描かれる。
      • 単なる番外編にとどまらず作品設定に関わる物語にもなっていて、キャラゲーとしては豪華すぎる作品である。
    • 冒頭ではのび太がフルボイスでプロローグを語ってくれるが、ドラえもんをよく知るファンであるほど目頭が熱くなること請け合い。
  • 「ドラドラ7」メンバーは個性派揃いで魅力的。
    • 国をモチーフにしたキャッチーなキャラクターデザインは印象に残りやすく、それぞれが親しみやすいキャラクター性を持っている。
      • ゲームの節々では、各メンバーが持っている夢も熱く語られる。
    • いずれも最初は闇落ちした状態で出てくるものの、改心してからは打って変わって人柄の良さが現れ、好感を抱きやすい。
  • 後述する問題点ではシナリオの大きな問題にも触れるが、それ以外は王道をきっちり抑えた作風になっており、当時遊んだプレイヤーからの評価は悪くない。
    • 今作のテーマは友情。本作ではかつての親友が過去の記憶を奪われており、ドラえもんは葛藤しながら事件解決に立ち向かう。
      • 誰もが知っているドラえもんの意外な友人関係が赤裸々に明かされていくのは、本作だけの味わいである。
    • 最初のアメリカ編はこの点が色濃く描かれており、要所要所でドラ・ザ・キッドの変貌に悲しむドラえもんの想いは同情を誘う。
      • ドラ・ザ・キッドの辛い過去と、その穴埋めに奮闘する決着シーンは鮮やか。
  • 当時のアニメ版の作風を徹底的に踏襲している。
    • ドラえもんが原作でもお馴染みのキレッキレな毒舌を吐いたり、小原のび太特有の独特な喋り方がテキストでも再現されていたりと、キャラゲーで重要な原作再現に関しては完璧と言って良い出来栄え。
      • しっかり作風が再現されているため、スタッフが変わった今遊ぶと懐かしい気持ちに浸ることもできる。
    • ドラえもんとのび太の掛け合いは思わずクスッとくるようなものが多くてユーモラス。メインシナリオそっちのけで、街中にあるものを隅から隅まで調べてテキストを読むのも楽しい。
      • たまにメタ発言を吐くのも原作チックである*3
  • 細かなファンサービス
    • 「ぺタリハンド」「常に3mm浮いている」と言った裏設定がシナリオに活かされていたり、当時はややマニアックだったノラミャーコに関する設定を重要なシーンで拾ったり*4、アラブの街で封印された扉を開ける際の言葉があの魔法の呪文だったりと、思わずニヤリとするシーンが所々に仕込まれている。
    • なんと『21エモン』*5のゴンスケがカメオ出演しており、物語の節々で関わってくる。
      • 芋掘りロボットという設定にちなんだ描写がされていたり、金稼ぎに糸目をつけなかったりと、キャラクターがきちんと一貫している。
      • ちなみに彼は本作を皮切りに、『ドラえもんズ』関連の映画では必ずと言っていいほど登場するようになった。
    • 前年公演のミュージカル版『のび太の恐竜』に使われた、かなりマイナーなキャラクターソングを拾っている。
      • この「ラップンロールジャイアン」はシュールな歌詞とゲーム画面のインパクトが強く、曲名で検索すると初出のミュージカルを差し置いて本作の話題ばかり出てくるほど。CD化もされていないようなので、これを聞ける機会はかなり貴重である。
    • 同ミュージカルからはエンディング曲「君にいてほしい」も流用されているが、こちらも名曲と名高く、「友情」をテーマにした本作のシナリオ・結末にもかなりマッチしている。
      • この曲は後に映画『ザ☆ドラえもんズ ムシムシぴょんぴょん大作戦!』(1998年)でも使用されており、そちらで知ったというドラえもんファンも多い。

賛否両論点

  • ラスボス戦がバランス崩壊気味
+ ネタバレ注意
  • ラスボス戦はのび太がドラドラ7全員の能力を使って戦うのだが、基本的に、ドラリーニョ、王ドラ、ドラメッド3世の3つを組み合わせるだけで簡単に勝てる。
    • ちなみに、表示されるダメージは全て999固定。ただしこれは単なる表示上の限界値で、実際は内部でより高い値が計算されている。
  • ちなみにドラドラ7全員の能力は以下の通り。
  • ドラえもん
    • HPを回復する。
  • ドラ・ザ・キッド
    • 最序盤で能力を使えるときは、即座に攻撃できる空気砲として重宝するが、このラスボス戦ではゆっくり自動で移動するカーソルを合わせる必要があり、はっきり言って下記の王ドラ、ドラメッドの下位互換。
  • ドラニコフ
    • 巨大化して攻撃力を上げる。ビックライトと同じ。
  • エル・マタドーラ
    • バリアを貼る。透明マントと同じ。そのため初見の時には結構役に立つ。
  • ドラリーニョ
    • ドラドラ7最強スキル。攻撃のスピードを上げる、ハッスルねじまきと同じ。これにより後述する王ドラか、ドラメッドと組み合わせると、とんでもないスピードで簡単にハメることが可能。
  • 王ドラ
    • カンフーで攻撃。これと先述したドラリーニョと組み合わせれば、簡単にハメられる。先述したドラ・ザ・キッドの上位互換。
  • ドラメッド3世
    • こちらは魔法攻撃基本的に王ドラと同じ。スピードは王ドラより少し遅いが、こちらでも十分なスピードを持っているため楽にクリアするには十分。
  • ただし初見ではそれぞれの技の効果を手当たり次第に探る必要があるほか、この戦いは直前の通常通りの戦闘を超えた上で勝ち確イベントのように挿入されるため、一概にバランス崩壊とは言えない面もある。

問題点

  • 操作感がいまいち
    • 今作はある程度歩くたびにグラフィックの読み込みが入り、0.5秒ほどゲームが止まる事がある。
    • フリーズしたかのような違和感がつきまとい、快適とは言い難い。
  • テキスト上で各セリフの発言者が表示されない
    • このため一部シーンにおいて、ストーリーの理解を妨げることがある。
  • 戦闘のバランスが酷すぎる
    • 十分な調整が行われたのかどうか怪しく、戦闘メインのRPGならクソゲー扱いされてもおかしくない完成度である。
      • 幸い本作はADV寄りの作品で、ゲーム中で戦闘が占める比重が多くないのが救いか。
    • 最大の問題は、ある程度弱った敵がほぼ毎ターン回復行動を取ってくること。
      • その量はこちらの攻撃1~2ターン分に相当するため、まともにダメージを与える事が不可能になる。
      • これにより、ひみつ道具を使って行動を封じたり移動速度を上げたりしないと体力を削ることができない。まともに戦おうと思ったら膨大なプレイ時間を覚悟する必要がある。
      • しかもひみつ道具は消耗品で数も限られており、運が悪いとほぼ手詰まりに。こうなった場合にはわざと何度もゲームオーバーになることで、道具を調達しなければならない。
    • その上ゲーム序盤はほぼ全ての攻撃が完全防御されて殆ど攻撃が通らず、かなりストレスが溜まる。
      • ただし中盤からは「敵がスキを見せたところに攻撃を叩き込む」という『パンチアウト!!』のような戦略性が生まれてきて、この点はある程度緩和される。
    • またバランス崩壊ものの裏技が存在する。
+ 詳細
  • ゲーム後半で手に入るアイテム「コンパクト」を使用すると、敵の攻撃を完封したまま10割コンボを叩き込めてしまう。
    • これはイベント専用アイテムで、普通に使っても一切ダメージが入らない。本来は無駄行動として設定されているものである。
    • しかし使用時に前隙無しで攻撃が発生して相手の攻撃を潰せるうえ、長い攻撃演出中に行動用のゲージが溜まって即座に攻撃を叩き込めるため、これを使うだけで相手は何もする事が出来なくなる。
    • コンパクトはイベント発生前に使ってしまいやすく*6、この裏技にすぐ気付けるのも問題である。
    • またイベント用アイテムゆえに使用回数の制限がないため、これを手に入れた後の戦闘はコンパクト1つでどうにかなってしまう。
    • チート能力ならプレイヤーの意志で封印すべきかもしれないが、上述の通り本作は戦闘バランスが悪くひみつ道具を消耗するため、結局この裏技に頼るのが一番の得策になってしまう。
    • ちなみに、このコンパクトはのび太が拾った何の変哲も無い化粧用品である。ひみつ道具の立場がまるで無いのでは…
  • この裏技を使わないにしても戦闘は基本的に攻撃のスピードを早める「ハッスルねじまき」、相手の時間を止める「ペコペコバッタ」「タンマウォッチ」の2つを最初に打ってのび太で攻撃しまくるコンボが強力で、(先述の裏技ほどではないものの)大半の戦闘はこの2つで簡単にクリアできてしまう。
    • 前者は攻略本でも「便利度ナンバーワン」と強調されていた。筋金入りの強アイテムである。
  • ゲーム終盤(中盤?)以降の展開
    • 本作最大の問題点。終盤では作品の流れ全体をぶち壊しにするあんまりな展開が訪れる。
    • ドラ・ザ・キッド、王ドラ、ドラメッド3世を助け、いよいよ冒険も折り返し地点に来たとき、王ドラからの連絡によって他のドラドラ7メンバーも仲間の救出に向かっている事が判明する。
      • これまでのび太とドラえもんだけの冒険だったのが、かつて助けてきたメンバーも共闘してくれる事となり、物語としても盛り上がるところなのだが……。
+ 後半の展開ネタバレ注意
  • 残り3人(ドラニコフ、ドラリーニョ、エル・マタドーラ)の救出は静止画によるダイジェストで省略され、そのままラスボスの本拠地に乗り込む事になる。
    • この3人を助ける中で起きたドラマは全くと言っていいほど描かれない。プレイヤーは数分程度の紙芝居を見せられるだけで、ナレーションの類もテキストによるあらすじの紹介も一切無い。まるで週刊少年ジャンプの打ち切り漫画を彷彿とさせる大幅カットである。
    • あげくのび太達がビッグ・ザ・ドラという黒幕を既に見つけている前提でどんどん話が進む。
      • 黒幕の名前はこのダイジェスト以前に全く出てきておらず、あまりにも唐突。そのバックストーリーも人物像もゲーム終盤まで描かれないので、盛り上がりに欠ける。
    • こうした省略にもかかわらず、その後ものび太とドラドラ7全員との間に友情がある前提で話が進むため、感動を誘うストーリーにもかかわらずプレイヤーによっては置いてけぼりにされてしまう。
      • それ以外もドラえもんがかなり強引な理由で退場するなど、話の進め方が雑(後述)。
      • 逆にのび太の扱いを始めとした丁寧な部分もあるだけに、完成度を損ねているのが何とも勿体ない。
    • メディアミックスのキャラゲーは納期に限度があるため、今作もその煽りを受けてしまったものと思われる。もう少しやりようがあった気もするが……。
      • 特に今作は小学館の各種児童誌とタイアップしており、連動して漫画作品の掲載も行われていたため、大きな延期はできなかった可能性が高い。
      • ただし、微小な発売延期自体は行われている。当時の雑誌では1995年1月時点で3月20日発売予定と書かれていたのが、翌月には2週間後の4月7日へと変更されていた。最大限許された延期がこの期間だったのだろうか……。
      • このシーン以外にも、全体的にイベントで済ませる戦闘がやたら多かったり、最初に出るドラ・ザ・キッドに比べて王ドラやドラメッド3世は比較的簡素なシナリオに収まっていたり*7、ラストダンジョンに出てくる敵がアラビア編の没案と思しきデザインになっていたりと、開発期間の足りなさを感じさせる部分が随所に見られる。
  • ラスボスに勝った後、目を疑う展開になる。
    + ラスボス戦後の展開ネタバレ注意
  • ラスボスに勝利するとラスボスに対しドラえもんが垂直に上昇し水平に突っ込んでいくという異様な動きをする。
    • その後なんとドラえもんが死んでしまい、イベントで救助した女神に蘇生してもらう展開になる。
      • この時ドラえもんがわざわざ特攻した理由は描かれていないため、展開の強引さが目立つ。

総評

『ドラえもん』という国民的コンテンツの設定を、大胆にも掘り下げた一作。
あくまで派生作品でありながら、ドラえもんがのび太やセワシと会う前の過去を巡る事ができ、単なるキャラゲーの枠に収まらない作風となっている。
「友情」を巡る物語を通し、身近なようでいて明かされてこなかったドラえもんの意外な一面を楽しむことができるのは、本作だけの大きな魅力である。

ただし、「ドラえもんズ」ブランドを抜きに一本のゲームとして評価しようとすると、後半のプロットが大雑把に投げ出されている点はどうにも見過ごせない問題となっている。
キャラゲーとしての支持は大きいだけに、なんとも惜しい作品である。


本作発売後の「ザ・ドラえもんズ」について

  • 本作発売とほぼ同時に「ドラえもんズ」は『ドラえもん』の派生コンテンツとして展開されていき、大山ドラ後期を代表する人気キャラクターへと成長していった。
    • キャラクターデザインを行った田中道明氏によりコロコロコミックで漫画作品が展開され、先駆けて公開された映画『2112年ドラえもん誕生』で設定に組み込まれたのを皮切りに、劇場版『ドラえもん』では同時上映として中編アニメーションが何本も作られた。
      • これら中編は作品毎に主人公となるメンバーが異なるのも特徴で、ドラえもん以外の全員が最低一度は主役を務めている。ドラえもんは大長編を控えているためか基本脇役で、時にはドラミに立場を譲ることもあった。
      • また、藤子作品らしからぬ美少女ヒロインが度々登場するのも特徴だった*8
      • 時にはテレビスペシャルで専用コーナーが作られた事も何度かあり*9、劇場に足を運ばなかった層も目にする機会は多かった。
      • また、学年誌でも後に『ブラック・ジャック創作秘話』や『新宿セブン』などを手掛ける宮崎まさる氏を原作に招き、大長編にも劣らない壮大なストーリーを展開した『ザ・ドラえもんズ スペシャル』も連載。
      • さらにこちらは作画の三谷幸広氏による『ロボット養成学校編』も連載され、キャラの掘り下げも積極的に行われていた*10
      • そのほか、当時の小学館の児童誌では学習コラムやパズルコーナーにも起用されていた。
    • 結果的に『ドラえもんズ』は長く愛されるキャラクターとなり、逆に後から3DOの本作を知って驚いた当時の子供も少なくない。
      • この7人以外にも中編にて怪盗ドラパン、お菓子職人のジェドーラと言った派生キャラクターも生まれていた。
    • また1990年代末期は『ドラえもん』というコンテンツ自体が大きな盛り上がりを見せていた時期*11でもあり、これも結果的に「子供たちのアイドル」としての側面を後押しした。
    • しかし、2000年を過ぎたあたりから関連スタッフが自重の動きを見せたことでコンテンツは縮小していく。
      • というのも、当時本家ドラえもんのプロデューサーを務めていた別紙壮一氏が「原作と作者の意向を尊重すべき」という根強い考えを持っていた。
      • 『ドラえもんズ』をはじめとするスピンオフ企画の推進に積極的ではなかった*12ことも大きく影響しており、わさドラ世代への声優交代以降は全く存在に触れられなくなった。結果、今では半ば「なかったことにされた」状態である。
      • 当時アニメーション監督を務めた米谷良知(現:米たにヨシトモ)氏によれば、原作ファン(藤子不二雄ファン)から難色を示す声も少なからずあった上に、別紙氏の意向で年々上映時間が短縮されていくなどプログラム内での扱いが悪くなっていった、とのことである。
      • これはアニメが大長編映画との同時上映という形式だったために原作ファンとの住み分けができていなかったことも一因であろう*13
    • それでも80年代末~90年代半ばに生まれた世代からは、20年近く経った今も彼らの復活を望む声がそこかしこで挙がっている。
  • ドラえもんズの終息と入れ替わる形で台頭したのが『ドラベース』であるが、こちらは未だにテレビアニメ化を成し得ていない。

ドラえもんズの初出について

今作は「ドラえもんズ」のデビュー作として扱われることが多いが、実際は複数の解釈があり、資料によっても扱いがバラけている。

よくある解釈が「ドラえもんズのデビュー作は映画『2112年ドラえもん誕生』であって、3DOのゲームはデビュー作ではない」というもの。公表されている時系列(前者が3/4公開、後者が4/7発売)を根拠にそう紹介されることが多いのだが、実はこれは二重の意味で誤りである。

  • 『2112年』が本作より先に公開されたのは確かだが、当時の雑誌で『2112年』のドラえもんズは一貫して「ゲーム作品からのゲスト出演」として紹介されており、公的な本格登場ではない。
    • 例を挙げると、『月刊コロコロコミック』95年1月号では映画での登場を「3DOのキャラも登場する」という形で扱っており、『別冊コロコロコミック』94年12月号や『小学三年生』でも映画の方を「ゲスト出演」として扱っている。また『小学一年生』95年4月号では、ドラえもんズが『友情伝説』のキャラであると明言されていた。
      • 実際、この映画のドラえもんズは端役扱いであった。
    • このため小学館は一貫して3DOのゲームを出身作と扱っており、「『友情伝説』はデビュー作ではない」というのは不正確である。
      • 似たような事象が起きているキャラクターにミッキーマウス*14ソニック*15などが挙げられるが、これらは「公式に本格登場した作品」「厳密に初めて顔を出した作品」それぞれについてデビュー作と扱う媒体が混在しており、デビュー作を正式登場に限定する解釈は決して不自然なことではない。
    • ネット上には発売日や映画公開日の情報ばかりが残り、雑誌での記載が残りにくいため、このような誤解が生じたものと見られる。
    • 後年に入り、米たにヨシトモ氏は自身のSNSの中で「元々ゲーム用のオリジナルキャラだった所に連動の話が入った」という旨のコメントを残している(ソース)。
  • そして本格登場以外も含めたデビュー作は『2112年』ではなく、1994年12月1日発売の『小学五年生』『小学六年生』12月号に掲載された今作のコミカライズである(作品詳細は後述)。
  • 以上の点から、ドラえもんズのデビュー作品は「公式の扱いは3DOのゲーム」「厳密に最初に出た作品は今作のタイアップ漫画」ということになり、『2112年』の立ち位置は「ドラえもんズが初めて登場した映画作品」に過ぎない。
    • なお解釈が分かれる都合上、本記事とリンク元の一覧記事では今作を紹介するにあたって「ドラえもんズの"原点"」という表現にとどめている。

余談

  • エンディングはドラドラ7の設定が流れるがエル・マタドーラのみ流れない。友情をテーマにした作品でこの仕打ちは…。
  • 本作の脚本を担当したのは、初期『FF』シリーズで有名な小説家の寺田憲史氏であり、後にドラえもんズのアニメ作品の「ロボット学校七不思議!?」や「怪盗ドラパン謎の挑戦状!」でも脚本も手掛けている。
    • 氏は本作と同時期に出版された小説の後書きで、「次世代機で容量の壁が無くなったことで、せっかく書いたシナリオが「そんな容量ありませんよ」と言われなくて済む」と喜んでいたのだが…。結果として、容量ではなく納期の壁に阻まれてしまったのは皮肉としか言いようがない。
  • 開発スタッフについて
    • 今作のメインプログラマーを務めていたのはなんと、後のレベルファイブ社長・日野晃博氏である。
      • リバーヒルソフトに在籍していたこと自体はそれなりに有名なのだが、本作の開発に関わっていたことはあまり周知されていない(2023年1月現在)。
      • 後年、レベルファイブは小学館とタイアップして様々なコンテンツを提供することになる。先駆けて今作でも同じことをしていたのは、何とも不思議な縁である。
    • スタッフロールの内容からすると、今作の開発は3DO初期の主要タイトル『ドクターハウザー』のチームによって行われている。
      • その発売日が1994年4月29日だったことから、『ドラえもんズ』の開発期間は11ヶ月程度しか与えられていなかったことがわかる。
      • しかも今作のアフレコは1994年11月15日に行われている(『月刊コロコロコミック』95年1月号より)。劇中のボイスに不自然な編集や矛盾などは見受けられないため、今作のシナリオはこの時点で確定していた可能性が高く、かなり切迫したスケジュールだったようだ。
    • 『ハウザー』のスタッフロールも併せて読み取ると、この開発チームはたった11人程度しかいなかったらしい。
      • そのうち1人はオープニングムービー担当に回されていた(なんと外注ではない)上に、1人はサウンド担当だったため、実際のマンパワーはさらに減る。グラフィック担当3人にプログラマー3人という、かなりの少数体制だったらしい。
      • このスタッフは後にPSソフト『OverBlood』を開発しているが、そちらは本作より長いスパンと『ドクターハウザー』のノウハウがありながら、ボリュームの少なさを指摘されている。開発力に限界のあるチームだったのは間違いないようだ。
      • このインディーズ規模のスタッフで、ノウハウの無い独自システムの新作RPGを作らせるというのはかなり無理がある。なぜ小学館は大掛かりなタイアップをここに任せたのか、理由はわかっていない。
  • 意外なことに、発売前のコロコロコミック読者の期待値は意外と低かった。
    • 具体的に言うと、読者の期待度を示すアンケート結果*16は直前のSFC版『3』が2188ポイント(発売直前の94年12月号)だったのに対し、発表直後のドラえもんズは869ポイント(95年1月号)、956ポイント(同年2月号)と、半分にも満たなかった。
      • おそらく、SFCと3DOの普及率による差が現れたものと思われる。
    • しかし問題はその後である。実はこの2月号の特集記事では、本記事で最大の問題点として挙げた内容が既に載っていたのである。
+ 折りたたみ部分のネタバレ注意
  • この時の記事にはアメリカ、中国、アラブのステージ紹介が載っていたのだが、その横には「3つのワールドをクリアーすると最終画面に!そこには恐ろしい敵が……!」とキッチリ書かれていた。
    • つまり「RPGにもかかわらず冒険の舞台が3つ+αしかない」というのが、発売前から明かされていたのである。
    • それも各ステージはドラえもんズの3人と紐付けられており、勘の良い読者であれば「残り3人はどうなった!?」と不穏な空気を察するのは難しくなかった。
  • この情報が載って以降、一番盛り上がるであろう発売前後も含め、『ドラえもんズ』が誌面のランキングに載ることは二度と無かった。
    • もちろんこれだけがランキング結果の要因とは限らない点には注意。たとえば戦闘システムは発売が近づいても詳しく明かされておらず、どういうRPGなのかは不明瞭なままであった。
    • 今風に言うなら、当時の小学生は"地雷臭"を感じ取っていたという事なのだろう。
    • 結果的に前評判を下げた本作だが、売り逃げされずに正直な情報を伝えてもらえたのは救いだったかもしれない。
  • 最終的にキャラゲーとして高い支持を得た本作だが、海外ゲーム誌「NEXT GENERATION」95年7月号では首を傾げるような酷評が行われたことがある(参考動画)。
    • その評価は同年のソフトで59作品にしか付かなかった1/5点だったのだが、その理由は「日本語がわからなくても遊べるゲームだが、日本語がわからないとせいぜい7,8歳くらいの子供しか熱中できない」というものであった。
      • 確かに3DOはリージョンフリーだが、だからといって日本語を知らないのに日本のRPGを遊んで批判するのは暴挙では……?
      • ただしこのカルチャーギャップには、「ストーリー面の評価は高いがゲーム部分の出来は良くない」という本作の特徴が良く表れているかもしれない。
  • 今作の攻略本は「3DOまんが版」という名義で発売されており、全ページの2/3が漫画で構成されている。
    • 攻略本としてはクリアに必要な最低限の情報が載っている程度で、有用な情報はひみつ道具の入手場所と各効果くらい。ほぼ漫画のおまけとなっている。
    • 収録された漫画は2作あり、いずれも発売前に描かれたものの再録。元はそれぞれ『小学五年生』『小学六年生』95年1〜3月号、『別冊コロコロコミック』95年2月号・4月号に掲載された。
      • ゲーム版のストーリーをなぞっているのは前者。雑誌掲載時はアメリカ編のコミカライズとして描かれ、結末はゲームに任せる形で省略された。
      • なお『五年生』『六年生』で内容の差異はない。
      • 『別コロ』版は「ゲームの原作」という扱いで掲載されていたが、実際のストーリーはゲームと一切関係なく、『スーパー戦隊シリーズ』などに見られる形だけの原作表記に近い)。
    • 『五・六年生』版は攻略本収録にあたって大きく加筆されており、ラスボスとの決着がゲームと異なる形で描かれている。
      • この掲載作では、序盤に出てきた「能力いただきリング」がその後一切出てこないという不自然な事になっている。実はこれは本誌掲載版シナリオの名残で、元々は物語終盤にこれを装着したのび太が原作通り最終決戦に挑んでいた。
    • ゲーム未所持の子供達にも需要が大きかったようで、なんとゲーム発売から2年後、3DOが業界から撤退して久しい97年8月20日になって第二版が増刷されている*17
      • 初版は表紙側のそでに『友情伝説』の広告が書かれていたのだが、第二版は『ドラえもんズ』単行本の宣伝に差し替えられている。
      • ネット上でも「ゲームは持っていなかったが攻略本だけ持っていた」という声が散見されており、当時のドラえもんズ人気の高さがうかがえる。
  • 人気コンテンツの原点ゆえにファングッズとしての価値は高く、本作は中古市場でプレミア価格(1〜2万円)で取引されている。
    • 3DOが不振に終わったこともあり、ドラえもんズの知名度に対してこのソフトを遊んだことがある人はかなり少なく、当時のドラえもんファンであれば魅力的に映るソフトとなっている。
      • ドラえもんズを知らない世代であっても、ドラえもんズを既に知っているファンには味わえない新鮮な楽しみが待っているので、ドラえもんファンなら世代を問わず遊ぶ意義のあるソフトである。
      • ただし高い値段で購入するのであれば、本記事で挙げた難点がある事も留意した方が良いかもしれない。
    • こうした背景もあり、3DOを代表するソフトとしても『ストIIX』や『Dの食卓』に劣らない知名度を誇っている。
      • 少し値が張ってもいいのなら、これから3DOを遊ぶ人はハードを代表するソフトの一つとして購入の選択肢に入れてみてはいかがだろうか。
  • ドラえもんの3DOソフトとしては、今作以外にも『ドラえもん・ひみつ道具アタック!』と呼ばれる非売品が存在する。
    • これは先述のミュージカル(一部会場のみ)で展示されていたソフトだったという。開場してから開園するまでの間、整理券を配られた観客がプレイできたとのこと。
      • 小学館の児童誌では「ここだけでしか遊べないソフト」と強調されており、完全オリジナルの非売品だった。
    • ストーリーは「白亜紀に遊びに来たのび太たちが"恐竜大帝"という悪役に誘拐され、ドラえもんが助けに行く」というものであった。
    • コロコロコミックに掲載された画面写真には3×4のパネルを使った神経衰弱と思しきゲームが映っている。正確な内容は不明だが、パネルをめくって出てくるひみつ道具を揃えるミニゲームだったようである。
      • 3DOらしく、ひみつ道具はプリレンダリング3DCGで表現されていた。
    • ROMの流出などは起きておらず、2023年現在プレイする方法は無い*18。インターネット上にも今作のプレイ体験談などは全く無く、ほぼ幻のソフトとなっている。
      • 3DOマガジンが取材した会場には、わずか20本しか展示されていなかったようである。
    • 参考資料:94年7〜8月に出た小学館の各児童誌、3DOマガジン94年9-10号
+ タグ編集
  • タグ:
  • ドラえもん
  • リバーヒルソフト
  • 小学館
  • ADV

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月09日 17:26

*1 ドラメッド同様に雑誌では明かされており、劇中のムービーでもそれを示唆するシーンがある。

*2 スタッフのミスなのか、序盤で「ドラえもんズ」と呼んでいるシーンがテキスト上で存在する。

*3 背景の時計の針が動いていないのを「ドットの都合」と言い張るなど。

*4 この設定は、同時期公開の『2112年ドラえもん誕生』でもきちんと描かれている。

*5 ドラえもんと同じ藤子不二雄原作の作品。

*6 戦闘の直前で「コンパクトを使えば相手の洗脳が解ける」という話が出てくるのだが、使うべきタイミングに具体的な指示がない。道具がジリ貧になってしまい、一か八かで使ってとんでもない効果を発揮することが起こり得る。もちろん道具をしっかり整えていて、これまでのイベントの通りに弱ってきたら使うと理解している場合にはこの裏技に気づかない場合もあるのだが。

*7 エピソード開始から助けるまでのプレイ時間も、ドラ・ザ・キッドに比べて残り2人はそれぞれ半分程度しかない。

*8 ただ、その中で『ムシムシぴょんぴょん大作戦!』のヒロインは当時流行っていたガングロのコギャル風で、美少女とは言い難いキャラだった。

*9 例えば当時のクリスマススペシャル「クリスマスだよ!ドラえもん」では幕間コーナーとしてドラえもんズの活躍(?)を描いた短編が用意されていた。

*10 三谷氏はコロコロでもキッドと王ドラを主人公とした『最新ドラえもんひみつ百科』を連載していた。

*11 『ドラゴンボール』終了後かつ『ワンピース』アニメ化前で競争相手の集英社にキラーコンテンツが無かったこと、原作者死去で再評価の機運が高まっていたこと、『ポケモン』ブームによって小学館のコンテンツを目にする機会が増えていたことなどが加わり、映画『ドラえもん のび太の南海大冒険』がシリーズ最大のヒットを記録するなどのムーブメントがあった。

*12 加えて、原作の作風からかけ離れた『ドラえもんズ』そのものにも「ドラえもんズは藤子作品ではない」という否定的なコメントを残していた。

*13 元々ドラえもんズシリーズは30分の上映時間が与えられていたが、1998年より『帰ってきたドラえもん』を始めとする感動中編シリーズが同時上映作品として加わったため、ドラえもんズシリーズは15分に短縮されることとなる。特に2002年の劇場版の事実上の最終作となる同時上映では僅か7分しかなく、メンバー達も一切セリフ無しで、ストーリーも極めておざなりなものだった。

*14 公式には映画『蒸気船ウィリー』がデビュー作とされているが、実際はそれ以前に公開された試写会版『飛行機狂』で既に出演している。

*15 一般的にはシリーズ1作目『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』がデビュー作とされているが、実はその前に稼働したアーケードゲーム『ラッドモビール』にゲスト出演しており、こちらをデビュー作とみなす場合もある(『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』など)。

*16 当時のコロコロコミックでは「欲しいゲーム」「期待のゲーム」をアンケートで集計しており、ポイント上位の10作品が公表されていた。

*17 第二版の奥付より確認。ちなみに3DO最後のソフトは1996年半ばの発売で、同年はソフトの弾もほとんど無かった。

*18 3DOでは店舗展示用の中島みゆきプロモーション用ソフトが中古市場に流れ、高値で取引されている例がある。こちらはレコード店用に100本、家電量販店用に1500本しか生産されていない。この他にも自衛隊やトヨタのプロモーション用に作られたROMの所持報告がネットに上がっている。