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メトロイド ドレッド

【めとろいど どれっど】

ジャンル アクション

対応機種 Nintendo Switch
発売元 任天堂
開発元 任天堂
Mercury Steam Entertainment
発売日 2021年10月8日
定価 通常版:6,980円
スペシャルエディション:9,980円
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 良作
ポイント 19年ぶりの2D『メトロイド』
今作は「恐怖」がテーマ
シリーズの物語に区切りがつく
極めて高い完成度
練りに練られた難しさ
かなり執拗なE.M.M.I.
メトロイドシリーズ


概要

E3 2021にて突然発表された『メトロイド』シリーズ最新作。
同イベントで公開されたPVにおいて「METROID 5」と銘打たれている通り、本作はシリーズ4作目『メトロイド フュージョン』以来19年ぶりとなる2Dメトロイド本編の続編であり、満を持して登場した作中時系列上もっとも後となる作品である。
ストーリーは、シリーズ1作目から続く「メトロイド」との関係に終止符を打つ物語が描かれる。
本作のサブタイトルの「DREAD」は英語で「恐怖」を意味し、これまでの『メトロイド』シリーズの醍醐味である「探索」に漂っていた「恐怖」に改めて注目してゲームデザインを行った。

開発は『メトロイド サムスリターンズ』に続きスペインのデベロッパーのMercury Steam Entertainment社が担当している。


ストーリー

生物に寄生して死に至らしめ、DNA情報を元に擬態する、銀河の平穏を脅かすほどの危険生物「X」
不覚にも「X」に寄生されてしまったサムスだったが、メトロイドから生成されたワクチンにより一命を取り留めると同時に、「X」の天敵として唯一対抗できる存在になった。
そしてフルスペック状態のサムスに擬態した「SA-X」との死闘の末、ついに「X」を惑星「SR388」もろとも全滅させることに成功した。

しかし時が経ったある日、あろうことか「X」の存在を示す映像が銀河連邦本部に送信されてきた。
連邦は発信元と見られる未踏の惑星「ZDR」に、調査ロボット「E.M.M.I.」7体からなる特殊部隊を派遣し、実態解明に乗り出したものの、その部隊は「ZDR」到着後原因不明のまま消息を絶ってしまった。

かくして「X」に唯一立ち向かえるサムスはZDRへの調査に赴くこととなったが、
そこにはすでに恐怖の罠が幾重にも仕掛けられていたのである。

(公式サイト「STORY」より。一部省略改変)


特徴

  • 全体的なゲームデザインは『フュージョン』+ 同開発元の前作『リターンズ』にいくつかの新要素を追加したような形となっており、文字通り『メトロイド』シリーズの正統続編と言える作品になっている。

探索

  • 舞台となる惑星ZDRは全9つのエリアに区切られており、それぞれ特定のポイントからのみ別のエリアへ移動できるようになっている。
    • 過去作では惑星の地表から最深部を目指すことが多かったが、今作では逆に最深部から地表のスターシップへの帰還を目指すことになる。
    • 過去作同様エリアごとに環境は大きく異なり、灼熱のエリアもあれば水没したエリアや寒冷地なども存在する。
      • 本作でもサムスのパワードスーツは弱体化された状態から始まるため、本格的な探索のためにはアイテムを習得しパワードスーツの能力を強化することが不可欠となっている。
      • また、一度訪れたエリアであってもストーリー進行で部分的に環境や敵が変化する場合がある。
    • 惑星ZDRの各地にはアクセスステーションが存在し、そこでスターシップに搭載されたAIの「アダム」と通信を行うことでヒントの入手・ストーリーの現況を確認することができる。
      • 言わずもがな、この点は『フュージョン』を踏襲している要素ではあるが、ほぼ一本道に近かった同作に対し後述の通り本作は自由度も高くなっているのも特徴。

E.M.M.I.(エミー)

  • 本作を象徴する特殊ボス。惑星ZDRの各エリアを縦断する特定区間では、銀河連邦が派遣した四足歩行ロボット「 E.M.M.I. (エミー)」が徘徊している。
    • 彼らはサムスの攻撃や移動などで発する物音を遠距離から感知し速やかに接近、視認されれば驚異的な機動性で追跡してくる上に、宇宙最硬質といわれる特殊装甲を持ち通常兵器では傷一つつけられない。
    • 「サムスを徹底的に追い込む追跡者」という点は『フュージョン』のSA-Xに類似した要素だが、攻撃力が高いとは言え数発は攻撃を耐えられたSA-Xとは違い、接触してしまうと即座にゲームオーバーになる。
      • 厳密にはE.M.M.I.との接触後に即死攻撃が発生するため、その際にメレーカウンターを決めれば脱出できるが、カウンター受付猶予が極めて短い上にタイミングがランダムで変化するので狙って決めるのは至難。
    • E.M.M.I.が巡回するのは「E.M.M.I.ゾーン」という区画内のみに限られており、このエリアの外までは追ってこないようになっている。
      • ただし、サムスがE.M.M.I.に視認された状態のままだとゾーンゲートが閉鎖され外へ出れなくなってしまうため、発見された場合はなんとか追跡を振り切る必要がある。
  • 「セントラルユニット」と「オメガキャノン」
    • E.M.M.I.を破壊する唯一の手段、それはE.M.M.I.ゾーン深部にあるマザーコンピューター「セントラルユニット」を破壊し吸収することで取得される特殊武装「オメガキャノン」での攻撃のみである。
    • オメガキャノンを取得後Lボタンを押すと視点が切り替わりTPS視点となる。この状態でYボタンを押すと連射弾「オメガストリーム」、Rボタンを押してチャージしてからYボタンで「オメガブラスター」が発射できるようになる。
    • E.M.M.I.を完全破壊するためには必ずストリームで外殻を破壊してからブラスターでコアを打ち抜くという手順を踏む必要がある。
      • 両方とも使用中はサムスが動けないため、十分な距離を取り、かつE.M.M.I.を狙いやすいルートにうまく陣取って射撃する必要がある。
    • オメガキャノンは一時的に使える武装でE.M.M.I.撃破後は消滅してしまうため、E.M.M.I.ゾーンそれぞれにセントラルユニットが1つずつ用意されている。
      • また、オメガキャノンは外部へ持ち出すことは不可能*1なので、獲得したらただちにケリをつけなければならない。

アビリティ・アクション

  • サムスの武装やアクションも『フュージョン』までの要素と前作の折半と言った感じで、ミサイル・ボム・各種ビームやスクリューアタックなどサムスの代名詞的装備は一通り登場する。
    • 『リターンズ』と異なる点としてスピードブースターが復活した。これに加え『Other M』にて存在したディフュージョンビームが純粋な2Dメトロイドに初めて登場した。
    • 作中設定と操作性の都合上、ビームの切り替え操作は廃止され、敵を凍結させる手段はアイスミサイルのみとなっている。
  • 新アビリティとして青い地形に張り付けるスパイダーマグネット、スペースジャンプまでの繋ぎとなる二段ジャンプのスピンブースト、高速追尾ミサイルを連続で発射するストームミサイル、十字状に爆発が広がるクロスボムが追加された。
    • また、サムスの基本アクションとしてスライディングが追加された。走行中にZLを押すと進行方向に向かって姿勢を低くして滑ることができる。
      • 敵の一部攻撃を咄嗟に回避できるだけでなく、段差のない閉所をモーフボールに変形せずともくぐり抜けられるようになった。
      • ZLを停止中に押したり、スライディングで長い1マスの通路に入るとモーフボールに変形すると言った操作も統合されている。
    • 前作で導入されたフリーエイムは本作でも続投しているが、本作ではLボタンを押さずに斜めにスティックを入れると走行しながら上下の射角を調整できる「ランニングフリーエイム」になる。
  • メレーカウンター
    • 前作で導入された近接カウンター攻撃。
    • 本作では走りながらカウンターを行うダッシュメレーが可能になった。この場合のみ、敵に直接小ダメージを与えて押しのけることができる。
    • 特定のボス戦でカウンターを成功させた場合、前作同様グラブシーケンスという特殊なアクションへと移行し、連続攻撃でダメージを蓄積させるチャンスが与えられる。
  • エイオンアビリティ
    • こちらも前作にて導入されたサムスの特殊能力で、専用のゲージを使用するアビリティという点では前作に準じるが、前作の4種の能力とは異なる3種の能力が使用可能となっている。
    • エイオンゲージは自動回復するが、満タンにならないと再使用ができなくなった。
      + 詳細
      • ファントムクローク
        • サムスが透明になり、足音もしなくなる。ただし走りと回転ジャンプができなくなり、さらになにかの行動をとっているとゲージ消費速度が早くなる他、ゲージが切れるとライフエネルギーを消費する。エネルギー残1で強制解除される。
          • また使用後のエイオン回復速度は最も遅く、物音のする移動行動を起こさなければゲージ回復が進まない。
        • 基本的にはE.M.M.Iをやり過ごしたり一部のゲートを通過するのに使用するが、通常の敵もビーム・ミサイルを撃つか接触するまでサムスを感知しなくなる。
      • フラッシュシフト
        • サムスが左右のどちらかに瞬間的に高速移動できる能力。
          • 連続で3回まで使える他、エイオンゲージは発動後に約1秒経過すれば一瞬で全回復する。
        • 移動・回避手段として非常に強力だが、移動中無敵ではないため敵の飛び道具等はすり抜けられず、敵に接触する場合は直前で停止する。
      • パルスレーダー
        • 一定時間、周囲の破壊可能なブロックをライトアップする能力。エイオンゲージは効果が切れてから回復し始める。
        • 前作のスキャンパルスとほぼ同様だが、本作ではマップの仕様の都合上全体的な地形の把握はできるためか、周囲の未踏エリアのサーチ機能はなくなっている。

クリア後アンロック要素

  • 高難易度モード解禁
    • ノーマルモードをクリアすると、被ダメージ二倍の「ハードモード」が解禁され、新規データ作成時にのみ上位難易度が選択可能となる。
    • さらに、Ver.2.0.0の無料アップデートを適用した上でハードモードのクリアデータが存在すれば、全ての攻撃への被弾が即死判定となる最高難易度「ドレッドモード」が解禁される。
      • なお、ドレッドモードでも高熱や寒冷地帯でのスリップダメージは通常通りである他、ファントムクロークの維持時間を広げることもできるため、エネルギーが完全に無意味というわけではない。
  • イラストギャラリー
    • ストーリークリアによって「チョウゾーアーカイブ」と「エンディングリワード」の2種類のギャラリーモードも解禁される。
      • チョウゾアーカイブは、サムスが訪れる前に惑星ZDRの各地で起きた出来事を描く裏設定のイラスト集。全解放条件はエリアごとのアイテム回収率それぞれ100%で、順次アートが解放される。 最終エリアに立ち寄って以降は、同色だけでなく別の色のテレポータル同士でも移動ができるようになるため、これを使って各エリアのアイテムを回収していける。
      • エンディングリワードは『プライム』シリーズを除く、歴代作品におけるサムスの活躍を描いたアートを閲覧できる。解放条件にノーマル・ハードの2通りの難易度+3段階のクリアタイムノルマが課されており、ノーマル・ハードをそれぞれゲーム内タイム*2で4時間以内にクリアすることによって全開放となる。
  • ボスラッシュモード
    • Ver.2.1.0の無料アップデートを適用した上で、本編クリアデータ(難易度は不問)が存在すれば、追加コンテンツ「ボスラッシュモード」が解放される。
    • 4種類の個別モードが存在するが、「ドレッドラッシュ」解放には、ゲーム本編の「ドレッドモード」でのクリアが必須となる。
    • なお、バトル中のサムスのスーツ・装備・アビリティは、実際のゲーム進行度を忠実に再現しており、シーケンスブレイク無しでのボス遭遇時に持ち合わせているものしか扱えず、ボス毎にどの能力が使用可能かの記憶力も必要となる。
    • 「ボスラッシュ」
      • ダメージは次戦へ持ち越し+ミサイルは毎戦後全快、という条件で12体のボスとの連戦に挑む。
        サムスが力尽きた場合も直前ボスから再開は可能だが、リトライペナルティとしてクリアタイムが加算される。
    • 「サバイバルラッシュ」
      • 体力は最初から899で、ミサイルの最大弾数も120で固定ながら、
        ダメージもミサイル消耗も持ち越し+サムス敗北or時間切れで即終了、という条件で制限時間内にどれだけボスを倒し続けられるかに挑む。
        初期制限時間は5分だが、ボス撃破とノーダメージ撃破によってタイム延長ボーナスが獲得できるため、極まった腕前ならば数十戦勝利という記録も可能。
    • 「ドレッドラッシュ」
      • 基本ルールはボスラッシュと同じだが、サムスが「ドレッドモード」と同様の一撃即死体質となっている。
        特に回避が困難なボス「エスキュー」が鬼門となる。
    • 「プラクティス」
      • ボスラッシュモード内で、一回以上倒したボス単品とのバトルが可能なモード。
        タイムも計測されるため、各ラッシュモードの撃破タイム短縮や、ゲーム本編の高難度モードで躓いているボス戦の練習に活用できる。

評価点

アクションゲームとしての完成度の高さ

  • 手ごわくも達成感のあるボス戦
    • ボス戦は初見で攻撃パターンが読みにくいものが多い上にダメージも高いため、慣れるまではとにかく死にまくる。ただし、攻撃の予備動作は分かりやすい上、対処法も一度覚えれば簡単にできるものが多いため、慣れさえすればノーダメージクリアも安定しうるという、上達を実感しやすい作りになっている。
      • これが最も実感できるのが2周目のプレイだろう。さらに周回していれば、ふと気づくとボスのいくつかを自然とノーダメージで倒していた…なんてことも。ハードモードの違いは被ダメージ倍率だけなので、この点で挑戦意欲も湧きやすい。
      • そしてこれを極限まで突き詰めたのが無被弾チャレンジであるドレッドモード。ボスの攻撃を理解さえすれば、理論上はどのようなパターンを引いたとしてもクリア可能であることは数々のやりこみ動画が実証している。
    • 設定上仕方ないが『リターンズ』は(マルカラとディガーノート、ラスボスを除くと)ひたすらメトロイド及びその進化種と戦うためある程度戦法や背景美術が似通ってしまったが、本作は等身大タイプから超大型の怪物まで個性的なクリーチャーが待ち構え、時には正面から戦ったり、ある時にはステージギミックを利用したりと遊びの幅が大きく広がっており戦っていて楽しい。
      • ボス戦前ムービーも芸が細かいものが多く、中には攻略のヒントがさりげなく仕込まれているものも多い。
    • 裏道に近い攻略手段が用意されているボスも多く、「普通に戦うと苦戦するが、正規ルートではまだ手に入らない能力で極めて楽に撃破できる」という相手も数体存在する。そうした攻略法を探求するのも、本作のボス戦の醍醐味となっている。
      • 後述する強敵のロボット鳥人兵士は普通に進行すると持ち込めないある装備1発で倒せる、クレイド戦ではシリーズお馴染みのある装備を持ち込むと速攻撃破が可能。
      • しかし、実は本作のある新能力を活用してもグラブシーケンスに直行できるなど異様に小ネタが多く仕込まれており、道中ボス戦を実質短縮できるものが多い。
  • ゲームにアクセントをつけるE.M.M.I.ゾーン
    • 「ドレッド(恐怖)」というタイトルの象徴たる要素。他の探索型フォロワー作と比べると、本作は主人公キャラに高い潜在能力が備わっている関係上、移動中の雑魚戦はそこまで苦労しないため、探索中の難所として上手く機能している。
      • 捕まらないようになるべく早く通り抜ける必要があるが、ゾーン内には一旦立ち止まって押さないといけないスイッチや、物音を探知されるにもかかわらずチャージビームでなければ開かないゲート、エリア内の大部分が浸水しているため水中での移動に手間取る地形、といったプレイヤーをいい意味で「じらす」ポイントが用意されている。
      • 視認前はE.M.M.I.が近づくと探知音がゾーン内に響き渡り、いつ発見されてもおかしくない緊張感を煽り、視認後は緊迫感のあるBGMでプレイヤーを追い詰めてくるなど、ホラー的な演出もうまく落とし込んでいる。
      • Joy-conやProコンといったHD振動搭載の正規品を使用している場合は、E.M.M.I.との距離に応じ、サムスの緊張による心拍数の上昇も振動で表現してくれる。
      • E.M.M.I.の探知範囲・追跡能力は個体によって異なり、同じ攻略方法では太刀打ちできないなど、マンネリ化を防ぐ要因にもなっており、逃走・撃破難易度は徐々に跳ね上がっていく。
    • エイオンアビリティの性能もよく練り込まれている。
      • 先述の通りファントムクロークにより視覚と聴覚ではE.M.M.Iに感知されなくなるが、直接触れられてしまえばさすがに捕まってしまう。
      • 行き止まりまで追い込まれてから慌ててファントムクロークを使用してもE.M.M.I.を回避できないため、最後に音を立てた場所からファントムクローク状態で少し身をかわす必要がある。
      • 目の前や足元でぐねぐねと首をくねらせてサムスを探すE.M.M.I.の姿は、何度もプレイして「この状態なら見つからない」と分かっていても緊張せずにはいられない。
      • そして、ファントムクローク使用後にエイオンアビリティを再使用するには、エイオンアビリティを使用していない状態で行動してゲージをMAXまで回復させなくてはならない。
      • 仮に一度ファントムクロークでE.M.M.I.をやり過ごしたとしてもそのあとに足音を立てる危険を冒さなければ透明化は使えず、ゲージがMAXまで回復する前に足音を聞かれてしまえばさらなる窮地に陥ることになる。
      • 某ホラーゲームのキャッチコピーのように一歩歩くことにさえ恐怖を感じるE.M.M.I.ゾーンは、もはやホラーゲームさながらの緊張感で進むことになる。
    • オメガキャノンさえ取得すれば一安心…というわけでもなく、破壊の際にはにじり寄ってくるE.M.M.I.と向かい合って正確に射撃しなければならない。
      • 序盤のE.M.M.I.ゾーンこそ足場が広く削り切れない場合でも一旦逃げて体勢を立て直しやすいが、終盤は足場が狭かったりリカバリーが困難な構造になっており、こちらに迫ってくるE.M.M.I.の恐怖に打ち勝ち的確に倒す必要がある。
      • 何度も窮地に追い込んできたE.M.M.I.を、最後の最後まで油断ならない状況で専用武器を用いて倒した瞬間は大きな爽快感とカタルシスを生み出す。また、倒すと各E.M.M.I.のアビリティも入手でき、どんどん倒したいという欲求も芽生えてくる。
      • 通常の探索での謎解きや戦闘での駆け引きとは違い、限られた場所の中でどこでE.M.M.Iを向かい撃つべきか、如何に捕まらずに撃破するかと言った通常時とは違う頭の捻り方が求められるため、これまでのシリーズとは異なるゲームプレイも楽しめる。
  • 練りに練られた迷いにくくも自由度とテクニックの試しどころがあるマップ
    • 巧みに導線が作られており、現在の能力では通過できない場所を通り道で示しておいて、新能力を獲得した後に想起しやすいようにしたり、一部のゲート*3やギミックで一方通行や一時封鎖にする箇所を適宜作ることで、変なタイミングで後戻りしてしまって迷うという事態を防いでいる。
    • この誘導が実に巧妙なため、人によってはまるで一本道のように感じられてしまうこともあるが、開発スタッフのこだわりにより、一部のアビリティはテクニック次第で先行入手できるルートが(意図せざるものもあるだろうが)あえて残されている。
    • そういったシーケンスブレイクには上記のように「特定のボスが楽勝になる」という見返りがしっかりと設定されており、言わずもがな『スーパーメトロイド』の攻略自由度をリスペクトしているといえる。
      • また、『フュージョン』ではアダムが次に進むべきマップ部屋を逐次教えてくれたため、迷いにくい反面プレイヤー自身がゴールを探すという感覚が薄かった。
      • この点において本作では「現状何をすべきか」は教えてくれるが「具体的にどこに進むか」までは開示しなくなったため、初見のプレイヤーが自身でマップを探索する面白さがしっかりと存在する。
    • アイテムの回収ルートも複数の手段が用意されている箇所がある。これは上述のボス戦特効要素と合わせてタイムアタックを追求する場合のルート取りを奥深くしており、「どう取るか」だけでなく「いつ取るか」まで考えて進路を組むことになる。

優れた操作感と多彩なアビリティ

  • 非常に優れた操作感
    • 「リターンズ」から引き続き本作最大の評価点といえるポイント。操作のレスポンスがとてもよく、サムスの挙動もスピーディかつ優美に洗練されており、所作の細部にまでプレイヤーの意思が宿ることだろう。
      • さらに操作性に個人差が出ていたスライドパッドなど3DSの軛もなくなり、自分にあったコントローラーを使うこともできるため、本作の操作感の良さが際立っている。
    • 今回追加された新アクション「スライディング」だが、発売前は「モーフボールがあるんだし、今更スライディングはいらないのでは?」という意見も見受けられた。
      • それに対してはノンストップで走ったり、相手の下をくぐり抜けながら同時に反撃したりと、よりハイスピードなアクションが行える他、きちんとモーフボールでなければ通れない地形も作り分けられており、アクションの幅を広げるという点で良い要素だったと言える。
      • また、これによって「ゲームが始まって最初に取るアイテムはモーフボール」というシリーズのお約束を打破しており、マップデザインの幅を広げることにも成功している。モーフボールとボムの入手は結構中盤にずれ込んでおり、これもなかなかに焦らされる構成になっている。
    • 崖に捕まった瞬間にジャンプボタンを押すと、素早く崖を登ることができる小技「クイックライズ」がある。これを使いこなせれば流れるように高所へ登ることができ、タイムが少しずつ切り詰められていく。
    • 新たに追加されたエイオンアビリティ『フラッシュシフト』も、3回まで連打可能でありながらクールタイムは1秒程度と短くまとまっているため、対応する障害への対応だけでなく短距離における移動手段として極めて強力。空中でも高度を落とさず大きく横移動できるため、キッククライムなどで高度を稼げば意外な高さにまで到達できることも。
      • 入力も「Aボタン+Lスティック左右(逆順可)」とシンプルかつ直感的であり、入手以降のボス戦でも大いに活躍する。一方、ボス戦においてこの能力を活用しないと回避できない攻撃というのは意外にも存在せず、そんな緻密な調整からシーケンスブレイクとしてフラッシュシフトを取らずに進む縛りプレイも可能。
    • 本作のマップはかなり広い(ように見える)ので、マップを開いて次の目的地を確認すると、場合によってはとても遠く面倒に感じてしまうのだが、実際は上記のようにサムスが非常にスピーディに動くため、いざ向かってみると、思ったよりも短時間で到着することが多い。
  • より洗練されたアビリティ
    • 上述通り入手が大幅に遅らされたモーフボールだが、その分前作『リターンズ』では『スプリングボール』として独立していたボール中のジャンプ機能が統合。
    • 前作で導入された「段差のある狭い通路でジャンプボタンを押すとすぐ変形して入る」機能の他、前作では下画面のタッチというやや使いづらい操作だったワンタッチ変形が「空中または立ち止まってZL」に割り当てられ、より使用しやすくなった。フリーエイムで繊細なスティック操作を求められる本作では有り難い仕様である。
    • また、本作では低い段差であればジャンプせずに乗り越えられるようになっており、より快適に走り回れるようになっている*4
    • 復活したスピードブースターについては大幅に仕様改善が行われており、スペースジャンプやスライディング、キッククライムと併用可能になるなど、いくつかのマップでスピードブースターを長時間維持できるように工夫されているため、過去作以上に爽快感がある。
      • 特に今回のスピードブースターは、慣れきったプレイヤーがキッククライム込みで使うと、ピンボールのようにマップ内を跳ね回りながらマップを超高速で横断することもできる。
      • お馴染みの派生技シャインスパークも同様であり、「ダメージを受けても準備状態が解除されない」「下方向も含め8方向への突進ができる」などの改良が行われており、そういった仕様を理解すれば、一部のタンクアイテムが驚くほど簡単に取得できるようになる。
      • さらに、ボスにすらシャインスパークを使用できるようになっており、理論上ちょうど2発(総体力50%の割合ダメージ)で倒せるほどの凄まじい破壊力を与えられている。
      • ボス部屋突入時にチャージするのが基本だが、一部のボスは戦闘の真っ最中にチャージしてシャインスパークで倒せる場合すら存在する。
      • また、上方向のシャインスパークを特定の場面で発動するとカメラアングルが専用のものに変化するという小ネタもある。一見するとスピードブースターを獲得した直後の箇所だけに思えるが、実はそれ以外にも数少ないながら存在する*5
    • 『リターンズ』で追加されたメレーカウンターは強制的に立ち止まってしまうため、テンポを削いでいる側面もあった。本作では走りながら行えるダッシュメレーが追加されたため、スタイリッシュかつスムーズに敵を押しのけて走り抜けられるようになっている。
      • さらにカウンターの合図についても、改めてタイミングを見切らねばならなかった『リターンズ』と違い、光った時点からXボタンを押せば決まるように表示タイミングが自動調整されるようになり*6、より直感的にプレイできるようになった。
    • 同じく『リターンズ』で追加されたエイオンアビリティは、ゲージが自動回復するように変更され、各能力の用途も探索・移動の2点に集約されるなどシンプルな構成に。
    • 基本的にはE.M.M.I.ゾーンではファントムクロークを、移動ではフラッシュシフト、探索にはパルスレーダーと意識すればよく、慣れてくればE.M.M.I.ゾーン内の移動にフラッシュシフトを活用するなどの応用も可能である。
      • 前作では攻撃・防御にも使えると用途が広く、特に回復機会の限られたボス戦ではゲージ管理や各能力の運用には頭を使う必要もあったのだが、本作では概ね煩わしさを解消する方向に転換したと言えるだろう。
    • 『Other M』以降、一撃で倒せる敵が減少して弱体化していたスクリューアタックだが、本作では通常敵の接触ダメージを一切受けず、さらにそのほぼ全てを一撃で撃破可能*7、さらには一部のボスにも相打ちながらダメージを与えられるという、スクリューアタックの原点に立ち戻るような圧倒的な強化がなされている。

美しいグラフィックとSF感あふれるデザイン

  • グラフィックはSwitchで発売されているタイトル内ではトップクラスの出来。生々しいクリーチャーやSFチックな世界観の描写、光の表現などとても美麗。
    • 加えてプレイ中のほぼ全体で60fpsを維持する滑らかさにより、スピーディーなアクション体験を補強している。
  • 前作同様、ボス格の敵にメレーカウンターが成功した場合はグラブシーケンスが発動し、スタイリッシュな戦闘シーンを拝みながら大ダメージを与えるチャンスを得られる。
    • ボスへのトドメ・戦闘後のムービーは、いずれも歴戦の戦士であるサムスがボスを圧倒するという格の違いを強調するムービーとなっており、とにかくカッコいい。
  • 赴くエリアの背景やクリーチャーのバリエーションが多種多様で、美術面に関する世界観の作り込みも凄まじく、細かい所まで抜かり無い。
    • ボス戦時の演出も凝っており、ムービーの無いボスでも登場の仕方が非常に印象的なものも多い。
    • 短時間クリアをやっている場合まず気づきにくいのだが、実は待機モーションがE.M.M.I.ゾーン内外では変化する、ファントムクローク使用中は背景の動物も逃げない、また繰り返し通るマップの背景がゲーム進行に応じて変化するなどゲーム性と直接関係ないような演出にも気が配られている。
  • 新たに描き起こされたパワードスーツのデザインもクールでカッコいい。
    • 時系列上『フュージョン』の一件で有機的になったサムスのスーツがどうなるか、ということに関しては長年ファンの間でも議論になっていた。
    • だが、公式の出した回答は「将来的には往年の無機的な物に戻るが、現在は元のスーツに戻る途中で有機的な部分が残っている」という中間的な設定である。

正統続編たるストーリーとファンサービス

  • オープニングでは『フュージョン』でのあらすじが解説される。
    • その中でも印象的だったシーンが、全て美麗なイラストを用いて再度描きなおされており、前作のプレイヤーは一見の価値がある。
  • 話の本筋自体はこれまで同様「サムスが未知の惑星へ向かい探索し脱出する」というお約束以上の物ではないが、過去作ではほぼマガジンZの漫画版でのみ描かれたサムス自身のルーツと鳥人族についての話がメインストーリーに活かされており、目新しさ自体はしっかりとある。
    • ただし、全てを説明してくれるわけではないため、プレイヤー各々に考察を促す内容が多い。
    • 『リターンズ』のチョウゾメモリー終盤で示された伏線も本作で回収されるため、同作を遊んでいるとストーリーの連続性を楽しめるだろう。
  • 『フュージョン』及び『Other M』では数多くの台詞が用意されていたサムスだが、本作では他作品のようにほとんど喋らなくなっている。
    • そんな本作のサムスの台詞はたったの1シーン。しかしその1シーンが極めて印象深いものとなっており、本作のストーリーを象徴する演出となっている。
    • 一方で、ボス戦などのムービーでのサムスの動きによる表現は意外なほど豊か。『スーパーメトロイド』のような台詞に頼らない形での表現にも拘りが感じられる。
+ そして…(ネタバレ注意)
  • 惑星ZDRには実際にXが封印されていたが、あるイベントを境にXは惑星に解き放たれてしまう。
    • そして、これまでのマップにいた全ての有機生命体は即座にXに寄生され、擬態になってしまう。ここから本作は実質的にメトロイドフュージョン2とも言うべき展開になっていく。
    • 惑星ZDRにXがいた理由は『フュージョン』で危惧されていた内容ほぼそのままであり、サムスこそXに対抗できるが、依然として宇宙そのものには、Xが存在するだけで脅威であるということが本作のストーリー内で描かれる。
    • このように本作は、Xの「敵キャラとしての格」を落とさず、かつ本作からメトロイドを始めたプレイヤーでもXの危険性が理解しやすく、続編ものにおける「前作に存在した脅威」の扱いについて理想的な形になっていると言える。
    • Xのモーションやデザイン、後半のボス格を撃破した際に出てくるコアXなど『フュージョン』のドット絵を違和感なく3Dに落とし込んでおり、同作を遊んだプレイヤーならより楽しめる。
    • また、既存の生物・擬態にさらに他のXが寄生・合体し、両方の性質を併せ持った新生物が誕生するという、Xの設定を無駄なく活かした演出も光る。
  • 最終盤は、すでに宇宙から消えた「メトロイド」という作品タイトル及び『フュージョン』の取扱説明書などで言及されてきたその言葉の意味を改めて回収するような展開になっている。
    • そして事前告知の通り、鳥人族の技術と遺伝子の継承者たるサムス、そして浮遊生命体メトロイドとの関係を描くストーリーは、本作をもって一旦区切りがつくことになる。
  • 後述の通り本作ではリドリーが出ないのだが、代わりにクレイドが実に久々の登場を果たしている。ムービーシーンでのサムスの対応などは必見。

その他評価点

  • 充実したマップシステム
    • 大まかに地形を表示するのに加え、画面内に入ったアイテムの位置を取得/未取得で表示したり、ゲート、障害物の種類まで詳しく確認できる。ゲートや障害物などはマップ上で選択すると「アイコンハイライト」が可能。
    • 最近手に入れた能力で突破できるようになった障害をハイライトすることで、新しく開けた道を見つけることができる。
    • ブロックの中などに隠されているアイテムは、その位置の周辺に白く点滅する枠で示されるようになった。直接的に一点を示している訳では無いので、そこからアイテムを探す楽しみも損なっていない。
    • 隠しブロックの向こうにある隠し部屋なども、ブロックを壊さない限り表示されないため、エリア内を探索する必要もちゃんとある。
    • アイテム入手率はマップ画面にエリアごとに表示されているので確認も容易。
    • マップを確認している最中はプレイタイムが進まないため、ゲーム内クリアタイム重視のプレイヤーでも臆せずマップを利用できる。
  • プレイヤーへの配慮
    • メニュー画面には確認しやすいマップ情報だけでなく、アビリティの操作方法が小動画付きの説明でなされていたり、これまでのZDRでの軌跡やアダムからの指示が「ミッションログ」として読む事が出来るようになっており、シリーズ作品の中でもプレイヤーに対する配慮が全体的に行き届いている。
      • またそれだけで無く、初めて行うアクションでは自動的に一時停止し、その際に丁寧な操作説明も挿入されるので、シリーズ初心者でも取っつきやすくなっている。
    • シリーズ恒例として、プレイ時間はメニュー画面表示時とムービー上映時には反映されないうえ、今作はチェックポイントからやり直しになった場合もその分のプレイ時間を巻き戻すようになっている。エンディングリワードを狙う分にはある程度余裕を持ってやりこみに臨むことができる。
      • チェックポイントがない場所でゲームオーバーになったとしても、そのままロードすればその直前に戻されるだけでその分のペナルティは無く、ボス戦でも倒してしまえばその前に戻される事は無いため、ストレス無くゲームを再開できる。
    • スーツが強化されないとダメージを受けてしまう高温・低温のエリアは、従来だとマップで赤・青で表示されるのみだったが、今作ではゲートから熱気や冷気が漏れ出しており、隣の部屋からすぐに視覚的に分かるようになっている。
  • 良質なBGM
    • 各エリアやE.M.M.I.ゾーン・ボス戦のBGMはよく聞くと非常に多彩なバリエーションを誇っており、本作の雰囲気・世界観に没入できる要素として一役買っている。わかりやすい曲調でこそないが、ボス戦のBGMは比較的印象に残るものが多い。
      • 中にはBGMが存在しない場所が存在し、そこでは演出の一環として環境音を流したり、敢えて無音にすると言った手法も取ることでリアリティをうまく引き出しており、グラフィック表現の高さも相まって本当にその場所が実在しているかのように一瞬錯覚させられる。
    • また、オープニングやクレイド戦などでは過去作のBGMをアレンジして起用しているほか、中盤のとあるムービーのBGMには『リターンズ』から引き続き『スーパー』の名曲である「ブリンスタ 赤土湿地エリア」のアレンジ版が使用されており、ファンサービスも欠かしていない。
  • バグや想定外の仕様と思わしき部分に関しても1人プレイ専用ゲーム故か、ゲームの進行が止まってしまうあからさまな不具合以外はそのままにしておく等柔軟な対応をしている(詳細は余談にて記述)。
    • 単純に評価点としていいかは微妙な所ではあるが、本作は特定手順で撃ったビームが壁をすり抜ける(疑似ウェイブビームと呼ばれている)バグなどで特定の障害をスキップでき、かつバグによるシーケンスブレイクをしても進行に支障をきたさない場所が多いため、これら込みでの攻略ルートの幅が非常に広い。
      • とは言え、あまりにもやりすぎるとフラグの未成立や装備の不足などでコツの要るバグテクを安定して使えないと抜け出せない部分や、本当に詰んでしまう場面も存在する。
      • シーケンスブレイクに挑む場合は自己責任で。ちなみにバグを使わないと起こり得ないが、サムスが地形に埋まってしまった場合は即死になる。
    • 例外的に「特定条件下でサムスが無敵化してしまうバグ」に関して修正したことがあったが、これに関してもいわゆるサイレント修正ではなくしっかりと理由を告知した上で修正しており、ユーザー側も納得が行くような真摯な対応を行っている。
    • アップデートにて、クリア後のリザルト画面に表示される情報に、ポーズ中やリトライを含めた総クリアタイムにアイテム回収率、ゲームオーバー回数やセーブ回数、そして倒したボスの数といった様々な項目が追加されている。
      • 「倒したボスの数」については一見表示する必要のない項目だが、バグ技を用いない通常プレイの範疇でも一部ボスを省略可能なことを意識した情報と思われる。

賛否両論点

シリーズ経験者でも唸る高難易度

  • 決して簡単なゲームではない
    • 上述の通り「達成感のある難しさ」かつ「迷いにくい探索要素」と作り自体は丁寧であることは間違いないのだが、ボス戦自体はかなりの難易度となっている。
      • 特に槍玉にあがりやすいのが中ボスのロボット鳥人兵。全体的に攻撃モーションがコンパクトで無駄がなく、見てから反応が困難なほど隙が少ない。そのくせ攻撃は出が速いもの、判定が大きいもの、長射程なものと一通り揃っており、サムスの位置や距離に合わせて適宜使い分けてくる。
      • なんとサムスのジャンプや落下地点、移動を先読みして攻撃してくることも多々あり、まるで高難度の格闘ゲームをやらされている気分になる。
      • さらに戦闘中は回復機会も撃破時以外に存在しない。ただでさえ強力なボスなのだが複数回登場するうえ後半は2体同時に出現する。
    • 通常の雑魚敵から受けるダメージもなかなかに高く、ダッシュメレーをうまく活用しないと倒しにくい敵も存在するため、この手のゲームの初心者にはやや厳しいと感じる声が少なくなく、玄人向けと評する声もある。
    • 鳥人兵士や実験体のストーリーでは、あろうことかボスを倒すまで、後戻りすることができない。それ以前に取り逃がしたアイテムがあったりすると、多少不利な状態で戦うことになる。初見だと当然気付かないため、アイテム回収は新しいアビリティを入手したら適宜行う必要がある。
      • これでも『リターンズ』よりは回復アイテムの出現量が増えたりと若干易化しているのだが、『フュージョン』や『ゼロミッション』と比べると相変わらず厳しいという意見も多い。
    • 過去作では、直行だと苦戦するボスでも寄り道してアイテムを多く回収していけば楽になるというバランスだったが、現状取れるアイテムを全回収しても尚苦戦するほどのシビアさは『リターンズ』から相変わらずである。
    • こういった声に応えて、アップデートによりボスの攻撃力が緩和されるいわゆるイージーモードに相当する「ルーキーモード」と、超高難易度の隠しモード「ドレッドモード」が追加され、本作の高い難易度につまずいていた人への配慮と、ハードでも物足りないやり込み派への間口を一気に広げた。
      • ルーキーモードであればボス敵からのダメージ量が減り、かつミサイルが増えるため弾切れの心配も薄くなったが、それでも難しいという声は多い。
      • 発売当初はルーキーモードがなく、現在よりもさらに難易度が高かった。ボス戦で負けた際にロード画面に出てくる「避けられない攻撃はない。よく観察して、突破口を探せ。」は本作を象徴するTIPSとして話題となった。
    • 上記の通りボス戦・雑魚戦ともに難易度が高めではあるが、コンティニューすれば直前からすぐやり直せる*8ため、ストレスは感じにくい設計である。
    • もともとアクションが多彩のため操作が煩雑になりがちなシリーズでもあるが、今作は『スーパー』・GC版『プライム』・『サムスリターンズ』未満、『ゼロミッション』以上になっている。繰り返し押して切り替える操作がないようにまとめられているものの、最終的には方向キーとRスティック以外のボタンを無駄なく使い分けさせることになる。
  • ファントムクロークの活用難易度
    • 前述の通り、「感知ゲートの通過時」と「E.M.M.Iゾーン通過時」に主に使うことになるが…。
    • 前者はそもそも数が少なく、アルタリア以外で使うことがほぼない(他にも使う機会が少ないアビリティ自体は存在するが、ファントムクロークは入手が早いにもかかわらず少ない)。
    • 使う頻度的には後者の方が多いと思われるが、「動くとエイオンを大量に消費する」「走ることができなくなる」という制約があるため、やり過ごすことはできるが逃げるのには向いてないという無視できない欠点を持つ。
    • ゾーンは広いため、歩いて通過するのは向いていない。それでいて、透明化してもサムスの方にやってくることがある(つまり、やり過ごせるかどうかは運次第)上、触れると普通に捕まってゲームオーバー。
      • エイオンを貯めてふたたびファントムクロークを発動させるためには動く必要があるため、それでE.M.M.Iに気づかれる可能性も十分ある。そもそもエイオンが尽きるまでにやり過ごすことができるかどうかも怪しい。仮にやり過ごすことができても、近くにE.M.M.Iがいる可能性が高く、解除後に追いかけられることも少なくない。
    • 個体によるが、E.M.M.Iから逃げること自体はそこまで難しくなく、捕まってもゾーンの入り口からスタートするだけなので、やり直しが特段面倒という訳でもない。
    • 早い話、ファントムクロークなんか使わず、普通に走って出口を目指した方が安全な可能性すらある。後半になればフラッシュシフトも手に入るため、ファントムクロークの存在意義が更に奪われる。
      • 序盤から「E.M.M.Iゾーンでは逃げて、出口を目指すのが最適解」と言われているにもかかわらず、役立つはずのファントムクロークが足を引っ張っている。
    • ただし、ルートを理解した上でのタイムアタックにおいては話は別。ファントムクロークを用いて気付かれずに素通りすることが最速となる箇所もある。
    • 上級テクニックではあるが、グラップリングビームやマグネットサーフェスでは速度が低下しない仕様を上手く使い、雑魚敵を強行突破するなどの手法が用いられる場合もある。
    • 総じて、ファントムクロークの問題点は「序盤から手に入るのに反して活用難易度が高い」ことと言えるだろう。
  • E.M.M.Iの存在
    • 最初こそ恐怖感を煽られるが、それに慣れてしまうと「絶対にどうすることもできない敵に探索に水を差される」という煩わしさを感じる人もいる。E.M.M.I.ゾーンは構造が複雑なため、ただでさえ探索が難しい場所であるのも拍車をかけている。
      • 逃走完了の寸前のところで捕まってしまい、またゾーンの外からやり直しといった事象も珍しくないため、ストレスのたまるプレイヤーも少なくない。
      • タイムアタックでは、E.M.M.I.の攻略方法が個体によってどんどん難しくなるだけでなく、不規則な動きも相まって厄介な存在となる。
      • E.M.M.I.ゾーンの出入口が最初からマップに反映されている点も、突入や逃走の準備がしやすい反面、緊迫感が薄れている面もある。
    • E.M.M.I.を凌げるファントムクロークも、適切な位置とゲージ管理が求められるので安直に使えるものではない。捕まってリスタートするデメリットがほぼ無いのもあり、簡単に突破できるパターンを引くまで何度も特攻するという雑なプレイに陥りがち。
    • 特に後半のE.M.M.I.はその性能から、タイムアタックをしていなくとも全速力でゾーンの最適ルートを駆け抜けるのが正解になってくる。
      + 終盤のE.M.M.I.は…
    • 後半はゾーンの広域が浸水していてサムスの動きが鈍くなったり、視界に入ったサムスを凍結させる能力を持つ*9など、あらゆる要因で接近される前に最速でゾーンを抜けると言う選択肢しか取れなくなっていく。
      • 特に最後のE.M.M.I.ゾーンは全域が聴覚探知範囲に収まる+壁の奥を透視する能力を持つため、「隠れる」という行為が根本的に不可能となっている。
      • ここまでに取得してきたアビリティを駆使すれば素早く突破しやすいマップになっているのだが、序盤のゾーンのように「慎重に、気づかれないように進むステルスアクション」として認識している限り突破の糸口はかなり見つかりにくいと思われる。

若干説明不足なストーリー描写

  • OPでざっと前提知識となる『フュージョン』のストーリーを解説してくれるのだが、それでも本作のストーリーはシリーズ初心者にはやや内容がわかりづらいという声は一定数存在する。
    • ストーリー描写がアダムの独白のみでほぼ説明され、設定用語集などもない。
      • もう少しシリーズ初心者に向けた鳥人族とサムスとの関係やアダムの出自に関する設定、そして銀河連邦といったキャラクターや世界観の前提知識の説明もあってもよかったかもしれない。
      • ただし、話の大枠的には上記の通り「探索して脱出」なので話そのものが難解すぎるということはない。
  • 『フュージョン』の最終盤において、サムスは銀河連邦に対する重大な命令違反に及んだのだが、これに関する処遇などはゲーム内外双方に解説がなく続きものとして見た場合やや話が飛んだように感じる。
    • これに関しては前作作中においても「役人連中にも話が判る人間はいる」と言及されており不問になりえる可能性自体は残されていたが、本作中では結局解説がないままである。
    • もっとも本作から入ったユーザー視点で考えるならば大きな問題点でもないと言える。
  • 最終盤の展開。
    + ラスボス撃破後の展開(ネタバレ注意)
    • 「ラスボスがいつからサムスの行動に介入していたか」という部分が謎のままとなっている。
      • サムスが自分のもとに辿り着くように誘導していたともとれるし、そういう行動に移したのは最後だけという解釈もできる。下記の通りエンディング後の会話がないため、結局いつからなのかは不明のまま。
    • 大半のシリーズの通例として、ラスボスを撃破すると自爆装置が作動して惑星から脱出を目指す事になる…のだが、惑星の破壊という最終目的は示唆されるものの自爆装置に関する説明が一切無く、唐突感がある。お約束だからとりあえず入れたとも取られかねない。
      • Xはその危険性から蔓延してしまった惑星は丸ごと爆破する以外の対処法がほぼ取れないためラスボスが念のため用意していたとしても不自然ではないが、作中では特にノータッチ。
    • また、本作では『フュージョン』などのような脱出後の会話シーンは存在しない。ゲームクリアの達成感の余韻を崩さない一方で、ストーリー的にはやや味気ない部分もある。
      • このため、ラストシーンのとある行動にも詳しい結論は出されておらず、人によって解釈が分かれがち。良くも悪くも想像の余地を残した構成となっている。
    • これまたシリーズの恒例だった、「クリアタイムに応じて最後のサムスの姿が変わり、ベストエンディングならスーツを脱ぐ」といった演出が存在しない。後述の指摘にも関連するが、クリアタイムを縮める楽しみがやや薄れたとも言える。
      • 『ゼロミッション』以降はいわゆるゼロスーツサムスの姿が固定されお馴染みになったこともあり、今更同じ姿を出しても…という判断をした可能性はある。
      • なお、ゼロスーツサムスの演出は「エンディングリワード」の1枚絵によって補完されており、ご褒美として存在していないわけではない。

薄めなやりこみ要素

  • 発売当初のやり込み要素は「チョウゾアーカイブス」と「エンディングリワード」のみであった。
    • もっとも、過去作もやり込み要素はその程度のものであり、何度も周回してクリアタイムを縮めていくのがやり込み要素とも言える。エンディングリワードの解放条件もその点を意識していると思われる。
      • アップデートにて、ドレッドモードとボスラッシュモードが追加されたため、この点についてはある程度改善されたと言える。

その他賛否両論点

  • E.M.M.Iのアビリティのバリエーションは高いが、サムス捕獲後の動作が全て同じという点は残念だという声もある。
  • シリーズを象徴するボスキャラクターであるリドリーが姿も名前も出てこないのは彼の登場を期待していたファンから残念がる声も聞かれた。
    • 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』でリドリーが初参戦したのが記憶に新しい時期でもあり、『スマブラ』のリドリーから『メトロイド』に興味を持ったプレイヤー・ボスとしてのリドリーと戦いたかったというユーザーも少なからずいたものと思われる。
    • ただし、過去作のように何か理由をつけて復活するにも、今回はさすがにリドリーと接点が全くない勢力が相手なので出そうとすれば設定的な無理が生じるのは見えている。
    • シリーズを追っているファンからは逆にリドリー復活に対するマンネリ感もあるため、出ないだけでマイナス点となりうるとは言えないだろう。
    • リドリーが登場しないため、当然ながら人気の高いリドリー戦のBGMも本作では未収録となっている。

問題点

  • 上記のグラフィックとハイスピードアクションを支えるためやむを得ない部分ではあるのだが、エリア間のロード時間はそれなりにかかる。
    • 本作はゲートの通過やスピードブースター使用時に間が入るのを防止するため、エリア全体を一度にまとめて読み込んでいるのが理由と思われる。
    • ロード中はエレベーターやシャトルなどの移動設備を利用しているサムスが表示される。これ自体はシリーズ伝統の演出ではあるのだが、今作ではセーブデータを読み込んだ際やコンティニューのロードでTIPSが表示されるというよくあるシステムも存在するため、エリア間のロード中もこちらを読ませればよかったのではないかという意見もある。
  • 著しくコントローラーに負担を掛けるスピードブースターの仕様
    • 本作ではスピードブースターの発動に『スーパー』以来のコマンド入力が必要となるのだが、それが「移動中にLスティックを押し込む*10」という不可解な割り当てである。
    • Switchの純正コントローラーはJoy-Conもプロコンも長らくスティックの耐久性に不安が指摘されていたため、神経質に捉えられた。
    • スピードブースターが必要とされるシチュエーションは、本作では比較的簡略化の余地があるが『メトロイド』シリーズを通して難易度が高めの操作を要求されるのが常である。
      • 慣れるまでは試行回数を重ねる必要があるが、Lスティックの寿命的に心配になると言われた。
  • マップ確認で、既に取得したアイテムや解決済みの仕掛けはアイコンの色が若干薄くなるのだが、本当に若干のレベルであり、加えてアイテム、ゲート、仕掛けなどが全て1つのマップに密集するように配置されている箇所も少なくないため未取得のアイテム・未解決の仕掛けが分かり辛い。
    • アイコンハイライト機能では逆に未解決のものにしか絞ることができないなど、「今は無理だが後で取りに行ける」アイテムや謎解きが醍醐味である本シリーズでは無視できない問題点がある。
    • 取得していないアイテムが存在する場合は、存在する場所が点滅するが、厳密には行ったことがあって取得していない場所のみ点滅するという仕様になっている。
    • つまり、マップで暗くなっている部分に取り逃がしたアイテムがある場合は点滅しない。そのせいで、一部のアイテムは見つけること自体が難しい。
  • ミッションログの仕様
    • ミッションログの中にはアダムからの指示や、惑星内での軌跡などが時系列順に入り混じった状態で表示されるが、何故かそれぞれの情報ごとに小分けして分類できる機能が存在しない。
      • 目当ての情報を再確認する時に一々ログ全体からスクロールして探さなくてはならず、やや不便。
  • 一部要素の省略
    • 『リターンズ』には専用amiiboによる解禁要素として「サウンドテスト」と、外見をフュージョンスーツに変えてプレイできる高難易度モード「フュージョンモード」が存在していた。しかし、本作ではサウンドテスト機能も、スーツを変えてプレイできる別モードも収録されていない。
      • 関連amiiboとの連動機能と、本作に合わせて発売されたamiiboも存在するが、読み込み時の効果は「エネルギーまたはミサイルタンクの増加」と、通常プレイを小さくサポートする程度に留まっている。
    • 前作の項目で指摘されているように、影響の大きい要素の解禁に専用amiiboが必須となるのは問題点にもなり得たため、あえて小規模な要素に変更したのだと思われる。
      • しかし、シリーズ内でもサウンドテストなどを標準搭載していた作品は存在しており、これらを一切収録しない形をとったのは少々残念と言える。
  • オープニングが飛ばせない
    • 本作のムービーは初見時では全てスキップ不可だが、それ以降からは可能になる。しかし、オープニングのみ何故かスキップができない*11。オープニングは時系列上の前作『フュージョン』をおさらいする内容である為か、そこそこな長さ。
    • 本作は周回プレイを推奨するゲームデザインとなっているため、やや煩わしく感じる。
    • オープニングが終わった時点でオートセーブされオープニング終了済みのデータが残せるので、それをコピーすることで対策できるが、同一データで周回する場合は避けられない。
  • 難易度がプレイ途中に変えられない
    • 本作では難易度設定が可能なのがニューゲーム選択時のみであり、プレイ途中に詰まってしまった時ははじめからやり直すか自力で突破するしかなくなる。
    • これはver.2.0.0以前からの仕様であるが、ハードモードはそもそもノーマルモードをクリアした人向けであり、それほど問題ではなかった。
    • 初心者救済としてのルーキーモードと一撃死するために詰まりやすいドレッドモードが追加されたことでより問題点として目立つ形になったといえる。
  • ラスボス戦終了後のとある必須操作が分かりづらい
    + ネタバレ注意
    • ラスボス戦終了後、異形の姿に変異したラスボスに特殊ビームを照射してトドメを刺すというイベント戦闘が入る。這い寄ってくるラスボスに一定時間特殊ビームを照射し続ければ勝利、ビームを発射しないまま一定時間が経つとサムスがラスボスに喰われてゲームオーバーとなる。
    • 特殊ビームの発射方法は、「Yボタンを押し続けている間発射され続ける」というシンプルなものなのだが、この時、視点がオメガキャノン入手後のLボタンを押した時のようなTPS視点に強制的に変更されてしまう。
    • そのため、E.M.M.I.討伐時のオメガブラスターと同様に「特殊ビームの撃ち方もRボタンでチャージしてからYボタンで発射」と誤解を招きやすい。最後の最後で操作の違いに手間取り、ゲームオーバーになったプレイヤーも多い。

総評

シリーズとしての伝統の継承、既存の要素の拡張、新たな要素の追加。
これらの続編に求められるべきファクターを高いレベルで兼ね備えており、さりとて名作の焼き直しに留まらず新たな体験を確立させた。
『メトロイド』シリーズに限らず、続編ものとして1つの模範となりうるハイクオリティの傑作である。

黎明期より無数の作品が生まれていった2D探索アクションというジャンルの代名詞という重い役目を引き継いだ本作は、現代の技術で妥協せずに「動き、倒し、先に進む」というゲームとしての原初的な楽しさを突き詰めたものになっている。
決して簡単ではないが、だからこそプレイヤーの心を熱くさせ、また次に遊び直したときにはっきりと上達を感じることもできることだろう。

Mercury Steam Entertainment社のシリーズに対する理解力と類稀なるセンスにより、「宇宙最強の戦士であるサムス・アランの健在ぶりと進化」が表現されている。
そんな本作は、極上のインタラクティブ体験をもたらしてくれる「ゲームらしいゲーム」に相応しい骨太な一作と言えるだろう。


本作の開発経緯

  • 『メトロイド ドレッド』という名前が初めて世に出たのは実は2005年にも遡る。
    • 当初はDS用ソフトとして開発されていたのだが、技術的理由により断念。そして2015年に再びプロジェクトが始動したのだが、こちらも断念してしまった。
    • また、海外版『メトロイドプライム3』では本作の開発を暗示するかのようなスキャン文章が存在していたが、このことについてはレトロスタジオが否定する声明を出すに至り、日本語版では修正が入っている。
    • 今作でようやく実現できたのは、『リターンズ』を開発したMercury Steam Entertainment社の『メトロイド』シリーズに関する深い理解と開発力に寄るものが大きいという。
      • なお、『メトロイド』本編シリーズの物語は本作で区切りが付いたが、『プライム』シリーズ等は今後も続くと公式で明言されている。

余談

  • その完成度の高さから、2021年12月に発表された「The Game Awards 2021」にて「Best Action/Adventure Game」を受賞した。
  • TETRIS 99』とのコラボ祭を開催していた。
  • 奇しくも元祖「メトロイドヴァニア」の片割れである『悪魔城ドラキュラ』シリーズも、最新作『Castlevania Advance Collection』が約2週間前に発売された。
    • 任天堂側も意識していたようで、『Castlevania Advance Collection』の発売直後に「探索型アクションゲームであそぶ」という特集ページを公開した。
      トップが予約開始していた本作だが、『Castlevania Advance Collection』もしっかりと大見出しで含まれており、まさしく「メトロイドヴァニア」が肩を並べるラインナップとなっている。
  • 19年ぶりの完全新作ということで国内外の熱心なプレイヤーによる研究・検証やRTAへの挑戦が盛んに行われており、中にはバグを使ったタイムアタック用テクニックも多数発見されている。
    • 上述の通り「特定の手順と角度で*12ビームを撃つと、ウェイブビームなどがなくても壁の裏の爆発物に当てられる」「水中で特定の手順を絡めてボムジャンプをすると通常より高く上がれる」「バグの組み合わせにより画面カメラの動きを止め、普段行けない進み方をする」「特定の手順からシャインスパークを行うとサムスが床をすり抜けてしまう」といった大小さまざまなバグが見つかり、タイムアタックに取り入れられている。
    • さらには、非常に簡単な操作でサムスが無敵になるというバグまで存在していたが、こちらはVer.1.0.3にて修正された。
    • その際「通常のプレイで起こり得てしまう場合があるため、修正する判断をしました」(抜粋)というコメントを出しており、裏を返せば「意図しなければ起こり得ないバグについては容認する」という姿勢を見出したとも言え、ユーザーからは概ね支持を得ている。
      • 事実、それ以外はゲームが進行不可能になったり強制終了してしまうようなバグの修正にとどまっており、現在もタイム短縮のためのバグは積極的に使用されていたり、またごく一部のもののみ使用するレギュレーション*13も定着している。
  • 発売後の2021年10月28日より、本作の体験版が配信された。
    • 当時は週末にハロウィンを控えており、配信に際して公開されたイラストには、サムスのバイザーを模したジャック・オー・ランタンと共に「ハロウィンは『メトロイド』で恐怖体験」というキャッチコピーが添えられている。
    • ゲーム序盤のみで、当初は2体目のE.M.M.I.を撃破した後のルートにあるゾーンゲートを通ると終了する。データセーブも不可能。
      • なんとシーケンスブレイクが可能。上手く立ち回れば体験版では本来交戦できないはずのボスを撃破することができるが、演出面での不具合がある上、ボスを倒した直後にエラーによって強制終了してしまうため、挑戦は自己責任で。
    • またVer.2.0.0と同日に体験版アップデートも配信。以降は正式に序盤ボス戦までプレイできるようになった。
  • 本作は、発売から2022年3月末までに全世界合計290万本のセールスを記録した。
    • GC版『メトロイドプライム』の284万本を上回り、『メトロイド』シリーズの中で最も売れたタイトルとなった。
+ ラストスパートのあるポイントについて
  • 最後の脱出パートである場所を通過した際、実はよく見ると鳥人族の脱出艇が姿を消している。
    • このため、鳥人族に擬態したXが惑星外に流出してしまった疑惑がある。
+ タグ編集
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  • メトロイドヴァニア
  • 任天堂
  • メトロイド

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最終更新:2024年04月22日 16:00

*1 常にE.M.M.I.が視認状態になってゲートが閉鎖されるため。

*2 ゲーム内計測はリアルタイムよりもかなりズレる。洗練されたプレイヤーの場合はリアルタイム計測に15分ほど加算されたゲーム内タイムが出やすい。

*3 これまでの一方通行ギミックはシャッターなど専用のオブジェを使うことが多く、ウェイブビームで無効化できる場合も多かったが、本作はゲートの片方にカバーが付いていないものとして統合されている。

*4 過去作では『Other M』で導入されていたが、純粋な2Dメトロイドには初めての登場となる。

*5 ボス戦にも1つだけある。

*6 カウンターの合図の表示タイミングが変わることに関しては遠くから突進してくる敵がわかりやすい。

*7 炎柱など一部の攻撃は受ける。

*8 『リターンズ』と同様、チェックポイントや前回セーブへの巻き戻しは任意でも行える。

*9 しかも凍結すると大ダメージを受ける上に音でE.M.M.I.を引き寄せてしまう。

*10 トグル式であり、押しっぱなしの必要はない。

*11 惑星に突入するムービーからは可能になる。

*12 現在主流の疑似ウェイブビームは「スライディング中に回転ジャンプしながらビーム」「ダッシュメレーからそのままフリーエイム → ZLでモーフボールになってチャージビーム開放」の2通り。

*13 No Major Glitchesと呼ばれ他多くのゲームにも見られる、壁抜けなどのゲームの進行に多大な影響を与えるバグを禁止するRTA部門。