Castlevania Advance Collection

【きゃっする ゔぁにあ あどばんす これくしょん】

ジャンル アクション
対応機種 Nintendo Switch
Windows(Steam)
PlayStation 4
Xbox One
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 M2
発売日 2021年9月24日
定価 2,200円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
備考 全プラットフォームダウンロード専用
PS5、XSX/Sでの後方互換対応。
判定 良作
ポイント 入手困難になりかけていた作品の揃い踏み
GBA作品に混ざってなぜか収録されている『XX』
悪魔城ドラキュラシリーズ

概要

  • 悪魔城ドラキュラシリーズのうち、ゲームボーイアドバンスで発売された探索型悪魔城『Circle of the Moon』『白夜の協奏曲』『暁月の円舞曲』に加え、ボーナスとしてSFCで発売された『悪魔城ドラキュラXX』の計4本を最新ハードにセット移植した作品である。
    • いずれも現行機で遊ぶ手段が一切なく、実機以外では生産終了済みの前世代機であるWiiUバーチャルコンソールでしか復刻されなかった作品である。
      • 2,200円という価格は本作収録タイトルのVC版合計価格よりも800円近く安く、かなりお手頃。
    • また実機ソフトに関してはいずれもプレミア化が著しく、入手困難な状況にある。
      比較的入手しやすい『CotM』ですら7,000円超えはザラであり、他の3タイトルはまず1万円を超えてしまうほどになっている。
  • いずれのタイトルも日本版・北米版・欧州版の3リージョンが収録されている。
    単純に言語設定としてエミュレーター側で該当部分を書き換えているのではなく、各リージョンのROMをエミュレーターで起動という扱いらしく、セーブデータも各リージョンごとに独立して保存されるため共用はできない。

収録タイトル

タイトル別の評価は各記事を参照。

タイトル 海外版 概要 判定
悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon Castlevania: Circle of the Moon(北米版)
Castlevania(欧州版)
GBAロンチタイトルにして高い評価を得た傑作。
難易度もかなり硬派。
キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲 Castlevania: Harmony of Dissionance 月下の夜想曲のスタッフによる作品。
突如復活した悪魔城に、宿命を背負ったベルモンドが乗り込む。
キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲 Castlevania: Aria of Sorrow キャッスルヴァニアは新たな舞台と時代へ。
悪魔城に導かれた少年が、魔物の魂を操る力を得た理由とは。
悪魔城ドラキュラXX Castlevania: Dracula X(北米版)
Castlevania: Vampire's Kiss(欧州版)
血と宿命のラスト・バトル。
リヒター・ベルモンドは、宿命の戦いに挑む。
なし

評価点

  • 問題のない移植度。
    • エミュレーションによる過去作移植には定評のあるM2だが、コナミのゲームにおいてはエミュレーション特有のバグが残るなど若干相性が悪い傾向にあった。
      しかし本作は目を付けるほどの問題点はなく、実機で再現する既存バグ含めて完成度の高い移植が成されている。
      発売直後には白夜RTAプレイヤーが、移植元同様に約30秒でマクシームモードをクリアするプレイ録画を公開していた*1他、Speedrun.comでのタイムも実機やWiiUVCとまとめて集計になった*2
  • 一定時間の巻き戻し、クイックセーブ&ロード等の快適性の追求。
    • 特に巻き戻し機能を使う事で、「敵のHPを削っておく→目的のモノを落とさなかったら巻き戻し」と、ドロップアイテムや『CotM』のDSSカード、『暁月』のソウルなどの入手が格段に楽になる。また巻き戻し機能を使わないというプレイヤーのためにポーズメニューで巻き戻し機能をON/OFFにする事ができる。
    • 本作にも簡易的ながらM2ガジェットが搭載。「この敵はDSSカードを持っている」「このエリアに固定アイテムが○個あって×個取得している」「このモンスターからソウルは取得しているか」など、極々限られた項目ではあるが、それの有り無しで快適性はかなり上がる。
  • アイテム等の図鑑機能。
    • 一番恩恵が大きいのは『CotM』。GBA版では手当り次第試すしかなかったDSSの発動条件や発動後の効果などがバッチリ確認可能。 見たい組み合わせの所に移動させるまでに、他の組み合わせのネタバレを喰らうという弱点もあるが。
  • キーコンフィグは各タイトルのポーズメニュー(=エミュレーター側)で行うため、原作の問題点であったマクシームモード(『白夜』)やユリウスモード(『暁月』)でキーコンフィグができない点が改善された。
    • 細かい所ではあるが、PC版でゲームを終了ボタンを押す際、LB+RBを押しながら終了を押すことでアプリを直接終了させることが出来るようになった*3
  • ボーナスとして今まで公開されていなかったアート等の資料が付属。
    • 特に今作では原作のパッケージや説明書をスキャンしたものが収録されている。前作にあたる『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』では収録作品について一部説明不足な面があったが、今作はこのおかげでシステム面などの説明が不足することはなくなった。
    • また、ミュージックモードが追加されており、収録作の楽曲を自由に聴けるようになった。過去の『アニバーサリーコレクションシリーズ』では楽譜のみの収録だったので、改善と言える。
  • サウンドは実機再現に加え、サンプリングレートを上げたハイレゾ版との切替が可能。
    • 実機版はエミュレーションによる音源だが、ハイレゾ版はストリーム再生。Steam版の場合インストールフォルダにwma形式でそのまま入っているので、ゲームを起動しなくともサントラとして取り出せる。

賛否両論点

  • 探索型ではなくGBA出典でもない『XX』の存在が浮いている。
    • 同作は『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』から抜けていたので、収録するならこの機会しか無かったとはいえ、やはり「探索型3本に面クリア型が1本混ざる」「アドバンスコレクションなのにアドバンスでは無いタイトルが混ざる」というのはまるで数合わせで収録されたような異物感がある。
    • とはいえ同作自体の出来は悪くなく、単純にタイトルが4作も入っているという点から見れば嬉しい。さらに、今回収録されたことでSFC以前の面クリア作品はX68000版を除いてほぼ全てが現行機種に移植されたことになり、その意義は決して小さくない。

問題点

  • 画面モードによってはガジェットの表示と画面表示が被る。
    • 『暁月』で起こるが、アイテム取得表示とガジェットの敵表示が被ってしまい、何を取ったのかわかりにくい。
  • 操作性も原作に忠実なため、原作でやや操作性に難があった『CotM』のダッシュや『白夜』のハイジャンプ等についても、簡略化などの機能は一切搭載されていない。
  • PC版は起動時、前回の終了状態に関わらず必ずウィンドウモードで起動する。1920×1080のFHD環境であればほぼ全画面サイズで起動するとはいえ、タイトルバーを隠すために毎回Alt+Enterが必要となる。

総評

「メトロイドヴァニア」が高い人気を高めている現代において、その「ヴァニア」側のタイトルが勢揃いとなっている。
プレイが困難になりつつあった中、このGBA3部作が現行機でプレイ出来るようになった意義は大きい。
アイテム図鑑等の完備により遊びやすさも増しており、今から探索型悪魔城に触れてみようというプレイヤーにもオススメできる作品と言えよう。


余談

  • 日本での初報はNintendo Direct 2021.9.24にてサプライズ的に行われ、即日販売開始となった。
    一応、海外では「オーストラリアでレーティング審査が行われた」という形で、発売の予定があることは確認されていた。
  • 本作以前に同様のコレクションゲームとして、GBAで『白夜』と『暁月』の2本を収録した『Castlevania Doublepack』が存在した。日本未発売。
    • 発売された2006年はGBA末期だった為に販売本数が少なく、オリジナル版同様プレミア価格になっている。
    • 遊戯王』や『タートルズ』にも同様のGBA作品のダブルパックが発売されている。こちらも日本では未発売。

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最終更新:2022年09月13日 02:02

*1 このタイムでクリアするために必要な壁抜けや多段ヒットバグが残っている証明となる。ちなみにNintendoSwitchの録画機能は最大30秒間であり、極まれば無編集で収まるようになる。

*2 同じタイトルでも実機と移植版でタイムが変わりすぎる場合は別部門として集計されることになる。例えばスーパーマリオ3Dコレクションのサンシャイン・ギャラクシーは実機部門とは区別されて集計されていた。

*3 悪魔城アニバまではAlt+F4で強制終了しないとアプリを落とせなかった。

*4 現在は別のゲームが間に入るようになったが、両作が大見出し扱いなのは変わらない。