このページでは2022年発売のWin(Steam)/iOS/Android版と、2023年発売のPS4/Switch版を紹介します。

※Win(Steam)/iOS/Android版は2022/7/5配信のVer1.0.6を基準としております。
オンライン配信によるゲーム内容更新が不定期に行われるため、必ずしも本記事の内容が最新の内容に対応しているとは限りません。

Win(Steam)/iOS/Android版の2024年1月31日更新のVer1.1.0(CS版準拠アップデート)に関する情報は未反映となっています。
アップデートによる評価等の追記は1ヶ月経過してからお願いします。



ファイナルファンタジーVI(ピクセルリマスター)

【ふぁいなるふぁんたじー しっくす】

ジャンル RPG
対応機種 Windows(Steam)
iOS
Android
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 トーセ
発売日 2022年2月24日
定価 Sterm:2,200円 / iOS&Android:2,900円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定(初版) 劣化ゲー
判定(Ver1.0.6以降) 良作
改善
劣化ゲー
ポイント 他のピクリマと比べれば再現度はマシな方だが…
オペラやグラは進化したが、他は退化点が非常に多い
(悪い意味で)ヌルゲー疑惑からの脱却
ファイナルファンタジーシリーズ
ファイナルファンタジー ピクセルリマスターシリーズ
I / II / III / IV / V / VI

概要

2Dドット絵を刷新し、原典に忠実なリメイクとする『ピクセルリマスターシリーズ』として、久しぶりに新作として発売された『ファイナルファンタジーVI』。
原作となるオリジナル版から28年、リメイクだとAndroid版(旧スマホ版)から8年ぶりとなる。
前作である『ファイナルファンタジーV』のピクセルリマスター版があまりにバグだらけだったことを考慮し、2021年中に発売予定だった本作は発売が延期されることとなったのだが…

ピクセルリマスターシリーズ共通仕様

  • ピクセルリマスターFF1からFF6まで同一のゲームエンジンで制作されている。
    • これまでのリメイク版はほぼ移植ベースで制作されていたが作品ごとで内部プログラムの処理が大きく違うため、ゲームの他機種展開など管理を難しくしているとのこと。
      それを容易にするため各作品を同一のゲームエンジン上で新たに再現するという制作手法が取られている。
    • よって一見した見た目やダメージ計算などはあまり変わらなくとも、内部的な処理方法が大きく変わっている。 それにより細かな動きが過去のリメイク作より変わっていたり、過去作数世代にわたり使用できたテクニックなどが再現できないことが多い。
  • 2Dドットグラフィックが渋谷員子氏が手掛けたものへと刷新されている。
    • 全体的にオリジナル版を踏襲したものとなっている。
  • UIの統一。
    • メニュー画面や戦闘画面などのレイアウトがピクセルリマスターシリーズ作品全てで共通したデザインとなっている。
  • フィールドや街・ダンジョン内部での地図が常時表示。
  • 高速化及びオートバトル機能と移動時のダッシュが実装されている。
  • メニュー画面からBGMや天野喜孝氏が手掛けたイラストなどの鑑賞が出来るギャラリー機能がある。
    • モンスター図鑑機能も追加された。こちらは全セーブデータ共通で遭遇したモンスターが埋まっていき、フィールドマップに生息地が描かれていく。
  • 中断セーブの追加
    • 「中断セーブ」と言いながら、実質的には1枠限定のどこでもセーブである。マップ移動時などにオートセーブも行われる。
  • 後期の移植・リメイク版で追加されたダンジョンやアイテム等は基本的には収録されていない。
  • BGMは植松伸夫氏の監修による総アレンジされたものとなっている。
    • オリジナル版のBGMは収録されていない。
  • 多国語言語対応
    • タイトルメニューから他国語*1へのテキスト切り替えが可能。

本作の特徴(原作、リメイク版からの変更点含む)

  • 基本的なパラメーター設定やダメージ計算式はGBA版『ファイナルファンタジーVIアドバンス』およびそれをベースにした旧スマホ版に準じている。
    • GBA版はSFC版の移植+修正+α版という出来であり多くのバグが修正されている。
      • GBA版と同様に物理回避が魔法回避率で判定されているバグなども修正済であり、原作SFCにあったバニシュデスなど有名な裏技も多くは使用できない。
    • ただし他のPR版同様そのほかの細かな変更は多数ある。
    • 二刀流時の「たたかう」では片手ごとのダメージが3/4になっている。
      • 旧スマホ版までは二刀流時(源氏の小手装備時)に片手に武器、片手に盾を装備しているとダメージが3/4になるというよくわからない仕様があった。これを本当は両手に武器時ダメージ3/4の設定ミスだと判断して実装したのだろうか。
    • あばれるで「ネコキック」などの特技にみだれうちや二刀流の連撃が適用されなくなり、1回しか攻撃しなくなった。
    • その他仕様の変更で出来なくなったテクニックなども多いが、上記のような細かな点以外は今までのFF6と変わらないゲームバランスとなっている。
  • 魔法のエフェクトはこれまでピクセルリマスターI~Vで使われていた共通エフェクトではなく、本作のみVI原作のエフェクトが再現されている。
    • ただし一部のエフェクトは共通エフェクトのままとなっている。
    • またデスやバハムートなど原作再現が不十分なものもある。
    • 効果音は多くが変更されているが一部そのままの物もある。
  • 必殺剣は種類を選択後に一定時間ディレイが起こり発動、必殺技は「出す技を選択後に表示されたコマンドを入力、最後の決定ボタンを押すまで何度でも再入力可能」となっている。
    旧スマートフォン版に近い形だが、必殺技はSFC~GBA時代の「斜めをどちらかの方向で代用*2」が可能になっている。
  • 各種マップはGBA版の移植版の物が使用されているものもあるが描き直されているものも多い。
  • 戦闘背景は同じものもあるが多くが新たに描き起こされている。
  • 魔石「ジハード」の名称が宗教問題配慮のためか、『FF9』の海外版の同名魔法に準じた「ドゥームズデイ」に変わっている。*3
  • 全滅したら他のFFシリーズと同じようにゲームオーバーになるようになった。
    • 今まではレベルと経験値を引き継いで再開していたが、その仕様に起因する「飛空艇バグ」などの想定外の動作が存在していたため、今回ついに廃止に至ったと思われる。

評価点

  • オペライベントの強化。
    • 原作でも印象的なイベントで、PS版ではムービーも挿入されていたこのイベント、
      本作では2D的表現ながら、単純なドット絵ではなく、立体構造を持たせたドット絵風3Dを用いることで、今まででは表現出来なかった立体感を生み出している。
    • 原作ではボイスパッドによって表現されていたが、本作では本場のオペラ歌手による生歌を収録。それも「日本語・英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語・韓国語」の7言語対応である。
      ちなみにセリス役に関してはオールスター作品などで起用されている桑島法子氏ではなく「即興でやることになったストーリーを勘案し、あえて本職のオペラ歌手ではない人を採用している」とのこと。
      • セリス役以外の人も含めオペラの歌い方じゃなさすぎるなどの声も一部あるが、声が付いたこと自体は概ね好評である。
      • なお、本作で従来作から大きく演出方法が変わっているのはこのイベントのみである。
  • 装備変更の簡易化
    • 崩壊後限定になるが、パーティ外のメンバーの装備や魔石を変更可能になった。
      また魔石に関しては、他者が装備中の魔石を選択すると「該当キャラから外して装備しますか?」と確認が出るようになったため、付け替えがかなり楽になった。
      これに伴い「装備引っ剥がしおじさん」の外す範囲から魔石が除外された。
  • エンディングがオリジナルとほぼ同レベルの尺になっている。
    • なぜこれが評価点に?と思うかもしれないが、FF5までのピクセルリマスターシリーズではスタッフの増加により原作やリメイクよりスタッフロールが非常に長くなっており長くなった部分を別の曲を挿入してで埋めたり、過去の移植(5等も含む)では音連れしていたりしたなど辟易させられていたが、VIはエンディング曲に進行を合わせる必要があったためかスタッフロールのスクロール速度を高速化してエンディング曲に合わせるように対応している。
  • 魔石ボーナスの変更(Ver1.0.6以降)。
    • オリジナル版ではすばやさアップのボーナスがオーディンしかなかったため、「素早さ育成が終わるまでライディーンに進化させられず、それまでクイックが修得出来ない」「知らずに進化させた場合素早さを伸ばす手段がなくなる」という問題があった。
      GBA版やスマホ版では追加魔石のサボテンダー(すばやさ+2)があるのですぐに入手しても問題ないが、追加要素の無い本作では再びこの問題が発生することに。
    • Ver1.0.6にて「オーディンがすばやさ+2(オリジナルは+1)、ケーツハリーがすばやさ+1(オリジナルはボーナス無し)」と変更された。 しっかりやりこむのであれば結局ずっと進化させられないという本質的な部分は変わっていないが、すぐ進化させてしまってもある程度は素早さボーナスを得ることが可能となった。
  • 設定ミスにより、何も攻撃をしないモンスターとなっていた「カオスドラゴン」が、ようやく正しい行動をするようになった。
  • チョコボで移動する際、従来の3D風の表示に加えて、通常のフィールド移動時と同じ見下ろし方の表示にも切り替えられるようになり、操作がしやすくなった。

賛否両論点

  • アレンジBGMについて
    • 本作ではオリジナル版からクラシカルな面をイメージさせるフレーズ、生音源に似せた音色が多かった事もあり、Vまでのピクセルリマスター作品の物よりは強烈な違和感は無いとの声もあるが、それでも正統進化したというよりはアレンジ色の強い楽曲が多く"コレジャナイ感"があるとの声も多く聞かれる。
      多くのBGMにおいて、音が軽くなっているという声がある。
      • 殊更にラスボス戦のBGMの『妖星乱舞』は耳を疑いたくなるほどに劣化が酷い。非常に人気の高い曲であるため、原曲との乖離がかなり大きくなってしまっているのは無視できない。
    • 画面がSFC~PS時代風なので生音音源でのアレンジがあっていない、ゲーム内で鳴らすための編曲でないとの声も多い。
      • オリジナル版では低音部が目立つ楽曲が多数あったが、今作のアレンジは低音部がオリジナル版ほどは目立っていない。このため、プレイヤーの音環境によって楽曲の聴こえ方が大きく変わってくる。この辺りの作りこみ不足も賛否両論の原因の一つだろう。
    • なお、一部の楽曲(『幻獣を守れ!』など)は後半部分が新たに作曲されオリジナル版と比べて長尺になったものも存在する。
  • オリジナル版からの仕様変更が、全体的に「プレイヤー側に不利な」内容が多い
    • ピクセルリマスター版は再現度が重要とされており、本作では原作(SFC版)とは細かいレベルで仕様が異なる点が多いが、大体が「プレイヤー側に不利になる」内容が多い。以下は一例。
      • ガウのあばれるで皆伝の証による乱れ打ちができなくなった(ネコキック乱れ打ちが不可能に)
      • カッパ状態では盗賊のナイフによる「ぶんどる」が発動しなくなった(カッパ装備によるコロシアムでのレアアイテム稼ぎがほぼ不可能に)
      • 源氏の小手による二刀流ダメージが3/4に下方修正(バリアントナイフでカンストダメージに達しないケースが増加)
      • 魔道研究所において、シヴァとイフリートの入れ替わりタイミングでの逃走が不可能に(低レベルでの攻略難易度アップ)
    • 上記のうち、一部はバグ技であったためその改修がされたと考えれば、本作における変更は真っ当だとも考えられる。また、ティナのトランスの仕様変更*4など、ごく一部ではあるが有利な変更点もある。
      しかし、どれも変更しなくとも全体的な評価に影響するようなものではなく、再現度という意味では寧ろ残しておくべきとの意見も多く、上述のような改修が受け入れらないプレイヤーも多い。
      • なお、問題点に記載のコマンドの待機時間の増加についてはプレイヤー側に著しく不利になった。
  • 刷新されたキャラクターのグラフィックについて
    • 今までのFF6作品と違い移動時(真横向き)・戦闘時(若干斜め前向き)で2つのパターンを使い分けているという工夫がされている。
    • 旧スマホ版と同じく、リルムやゴゴ等は天野イラスト準拠のデザインになっている。
    • キャラの配色は原作のデフォルメイラスト準拠のものに変更となった*5他、レイチェルなど形はわかりやすくなっているものも多い。
    • セリスやエドガーが極端に猫背に見える、一部キャラの腕が長く見えすぎておかしいなど造形に違和感があるものも一部ある。
    • 原作SFC版と本作とでオペラのシーンの比較が良く出されていたがそこでもSFC版のキャラドットの方がいいとの声がよく見られた。
    • 今までのピクセルリマスター作品と同じく薄い配色で凹凸が見にくいためのっぺりして見えるという意見は本作でも多い。
      • バージョンアップで多少は改善された。
    • 旧スマホ版と比べれば断然良いという話は多く聞かれるが、それでも原作のほうがよかったという声もよく聞かれる。

問題点

  • バグや設定ミスの異常な多さ
    • 現在は改善されてきてはいるが、初期のバージョンでは特別なことをしたわけでもないのに明らかにおかしな挙動に頻繁に遭遇してしまっていた。
      • それは質量ともに、バグが多いとされる初期版(E3版)FF4アドバンスを圧倒的に超えており商品失格というほかないほど。
    • フリーズバグも当然のようにあり、逃げたキャラがかばう、敵のとうそうで味方が逃げる、あばれるの挙動が全体的におかしい、ライトブリンガーの必中設定がない、等々……
    • 崩壊後のある街の特定のマスから外に出ると崩壊前のフィールドに出るなど、ツクール初心者がやりがちといわれる単純なミスによると思われるバグもあるなど、とても書ききれないしこれ以上代表して挙げるというのも難しいほど様々な不具合があったので、もしどのようなバグがあったか興味のある方は下記のサイトやパッチノート、検索サイトなどから各自調べてみてほしい。
    • 現在はある程度まともに遊べる水準までアップデートで修正されているが、現在でも明らかにバグである挙動に遭遇することはそれなりに多い。
      「デバッグ強化のために発売を延期する」としていたが結局ピクセルリマスター版FF5の初期と同等以上にバグが多く、流石に「何のための延期だ」と多くのプレイヤーが怒るのも止むなしな状況であった。
      • 12月末のスクリーンショットの段階でマッシュが棒立ちで爆裂拳を放っていたりする惨状だったので、延期しなければより酷かったとは想像できる。開発スケジュールの設定が甘すぎたのだろう。
      • 現在の水準では比較的短いゲームであるため、修正前のまともでない状態でプレイし終わったユーザーも多かったと思われる。
    • アビリティの細かな仕様が従来のFF6と違いFF5などと同一になっているものも多いが、これはPR版での"仕様"なのか"設定ミス"なのかよくわからない。他のPR版ではアップデートで修正されることが多かった。
      • 二刀流みだれうちが片手ごとに対象を選んでいたものが両手ごとになった、ジャンプが即発動しないなどが該当し、若干ではあるが弱体化している。
    • 現在でも残っているバグや設定ミス、修正されたバグ等はこちらのサイトを参照。
      • 各機種のアップデート情報(パッチノート)も要参照。
      • 膨大な量である事がわかると思うがこれらに書かれていない物も多数存在する(していた)。
  • 難易度の上昇
    • 原作はコンフィグのゲームスピード設定が敵のみに影響していた(つまり、遅い設定にすればするほど、味方のATBゲージスピードは相対的に速くすることができた)が、本作では敵味方全体のスピードに影響するようになった。このため、敵のターンがオリジナル版より早く回ることになった。
    • 加えて、原作と比べて「たたかう」や「アイテム」等基本コマンド以外の待機時間が増えた上、一部アビリティのエフェクト時間が増加した。にもかかわらず、敵専用の特技の待機時間はほぼゼロである。
      これにより、その間に敵側のATBゲージが溜まる時間帯の比率が多くなり、これまた敵側のターンが早く回る原因に。
      • ゲージスピードを最も遅く設定しても、魔法やオリジナルコマンドだとおおよそゲージ30~40%分の待機時間がある。これは原作とは比べ物にならない程長い。
    • これらの影響をモロに受けたのが序盤のディッグアーマー戦。
      • 直前で加入したセリスの「魔封剣」*6で、ディッグアーマーの強力な魔法を防ぎながら戦う、というコンセプトのボス*7だが、魔封剣の待機時間やエフェクトが長くなっているせいで、生身の素早さだと、何と「(受けたらひとたまりもない)魔法が1ターンに2回飛んできて即死」することがある。
        パーティが2人なのでウインドウ開閉技*8が使い辛く、かといってセリスに素早さを高める装備を渡す*9と、逆に攻撃が貧弱になり物理攻撃が多めに飛んできた時にジリ貧になってしまう。
      • そのため、ディッグアーマー戦が低レベル攻略において第一の壁になってしまった。*10*11
  • オープニング演出の大幅な劣化
    • 雪の中重々しく歩みゆく魔導アーマーにスタッフクレジットが表示されるという映画のオープニングさながらの重厚な演出で印象付けていたが、スタッフロールやクレジットがすべて削除された上にスキップ不可なので、魔導アーマーでの歩行シーンが2分間延々と流れ続けるだけという、わびし過ぎるシーンと化してしまった。
    • IVPRの開発室が無くなった件含め、当時のスタッフロールを出すのが難しいというのは理解できるが、せめて今作の開発スタッフの名を出すなどの対処はできなかったのか、という意見もある。
    • そもそも過去作ではスキップできたのに本作のような状況下で不可にしてしまうという不可解な事をしてしまっている点もおかしい。
    • さらにその歩行シーンも今までのFF6と比べても画面のスクロール速度(地面の移動速度)がゆっくりになっており、歩幅と合っておらず地面を滑っているような違和感のあるものとなっている。
      魔導アーマーの歩行動作そのものも、何故かオリジナルと比べて0.7倍ほどスローになっているため、動きが滑らかでなく変なステップを踏んでるようなカクカクとしたおかしな動きとなってしまっている。
  • グラフィックや表現の劣化
    • 今作は明らかに原作SFC版ではなくGBA版や旧スマホ版を参照して作られている。それによりグラフィックや挙動がGBA版で劣化してしまった部分もそのまま引き継いでしまっている。
      • GBA版やスマホ版の開発は本作と同じくトーセであり、その当時の仕様書やデータを使ったと思われる。
      • 原作FF6はSFC後期の作品でありSFCの機能を最大限引き出して作られた作品であった。それを別ハード、しかも携帯機に移植となったため再現しきれずBGMなど劣化してしまった点が多く、また設定ミスもいくつか見られた。
        またGBAのハードに合わせてきれいに見えるように配色や音質を調整していたようだが、本作はそれも引き継いでしまっている。
    • 各種マップがSFC版よりも明度が高いGBA版の配色に近いものとなっていて少々違和感がある。GBA版はGBAというハードが輝度の低い暗い液晶を使用していたため、それに合わせて修正していたのだと言われている。
      • 特にフィールドマップは明らかにGBA版そのもので、かなりギラついた綺麗とは言えないものとなってしまっている。
    • ラスボスのBGMがシームレスではなくブツ切りで露骨に切り替わる事もGBA版から続く問題である。
      • SFC~PS版が内蔵音源の機能を駆使して実現していた事なので、ストリーミング再生の本作で再現するのが困難であるためと思われるが、それでもSFC版FF6の今でも語り草になる感動する表現だったので再現されていないのは残念極まりない。
        「SEの裏でBGMをフェードイン・フェードアウトさせてシームレス風につなぐ」ぐらいは出来たのではと言われている。
      • そもそも妖星乱舞の第一・第二楽章は、楽曲ループの最終点でタイミング良く全ての楽器が鳴り終わるようになっていて、そのあと同楽章のループ開始点に戻っても、次の楽章に進んでも、いずれにしても自然に繋がるように作曲されている。なので、ただ単純に「第一楽章の敵が全滅したら楽章のループ最後まで再生してから次の楽章を再生する」というプログラムを書けばいいだけであって(実際ピクリマ版のサウンドプレイヤーでも妖星乱舞はちゃんとシームレスに再生されている)、それをしないのはプログラマーの怠慢でしかない。
    • 一部剣と短剣、飛剣のSEが短剣の物となっている。
      • 旧スマホ版でも同じ間違いをしている。これはGBA版で音質の都合上、短剣と剣などが同じSEにしてしまったので移植版である旧スマホ版でも同じにしてしまったからと思われる。
    • 魔列車の最後のイベントで不要な音楽が流れるのもGBA版、スマホ版から引き継いでしまっている。
    • 戦闘時の全体的な挙動がSFC版と比べてGBA版以降の若干もっさりした動きになっている。
    • GBA版でCERO対策として削られたシーン(囚われたセリス関連のイベント)も本作でそのまま踏襲されており、「原典に忠実」という謳い文句に反している。SFC版やPS版のアーカイブス配信版と同じレーティングということもあり擁護も難しい。
      • ただ時代と共にレーティングの基準が見直された可能性もあるため単純比較もしづらいのかもしれないが…
    • 魔大陸に降り立つ時に画面がスクロールしないため落下感や広大さがなくなっているなど本作で初めて発生した劣化点も見受けられる。
    • FF6の飛空艇は、初速は遅く発進すると徐々に加速していく・加速に応じてプロペラが高速回転に変化する…といった凝った挙動でリアルさを感じさせていたのに、PR版では再現されておらず飛行速度もプロペラの回転もずっと一定になってしまっている。
  • エフェクトなどで再現しきれていない、または劣化しているものがある。
    • おぼえたわざの発動エフェクトが白魔法と同一になっている、バハムートの演出が今までは右上から左下に向かってブレスを吐く演出だったものが単に画面中央右から左に吐くだけとなっている、デスなどで死神が表示されないなど。
    • デジョンの「宇宙空間に相手が取り込まれる」特徴的な表現も再現できていない。
    • ケーツハリー召喚や鳳凰の舞等、画面比率の関係もあると思うがスピード感がなく非常にゆっくりで迫力がないものとなっている。
    • エフェクトそのものは多くが再現されている(似せた物になっている)が、効果音の方は本作で変更されている物も多い。
      ナックルでの通常攻撃など軽い音になってしまい迫力がないと感じる物が多くなっている。
      • この辺りの変更により既存プレイヤーも懐かしさを感じにくい、違和感を覚えるようになってしまっている。
      • これらのように単に再現されてないだけでなく違和感がある・動きが悪くなった・原作のほうが見栄えが良いと感じるものも多い。
    • 魔法発動後に詠唱ポーズせずバンザイポーズのままなども気になる点である。
      • 詠唱はポーズだけでなくアニメーションがあったため、テンポの良さと爽快感が持ち味だった原作より劣化していると捉えられる。
    • ダメージの表記や一般及びボスモンスター撃破演出などが原作再現されずピクセルリマスター共通のものとなってしまっている。
    • 今まではダメージ表示中に既に次の動きが始まりテンポや爽快感を感じるものとっていたが、それがなくなり動きの滑らかさが失われている。
      • 上記3点のような点もシステムの共通化という名目を言い訳にした手抜きだとして批判がある。
  • 序盤のボス・バルガスとマッシュの対決は、必殺技「爆裂拳」を使うと、マッシュが既にその技を習得していたことにバルガスは驚いて一撃で倒れる…というイベントバトルだが、PR版は一定量のHPを減らして必殺技のチュートリアルを見終えなければ爆裂拳を使っても倒れなくなっている。
    • このため、「さっきまで爆裂拳を複数回喰らっても平然としていたバルガスが、チュートリアルを終えるといまさら爆裂拳に驚いて倒れる」という明らかにおかしい展開が起こってしまうようになった。

ピクセルリマスター共通仕様に起因する問題点

  • GBA版の追加要素は未収録。
    • 崩壊後にイベントの追加、クリア後の追加ダンジョン、それに伴う魔石や装備などが未収録。
    • クリア後の追加ダンジョンはめんどくさい要素が多いという声も無くはなかったが、比較的簡単と言われている原作をはるかに超える強敵との戦闘や成長要素の拡張に新装備と歯ごたえのある好評なコンテンツだったため、未収録の本作は内容が物足りないという声は多く聞かれる。
      • 現在では元となったGBA版が古く、WiiUでのGBA版配信や、追加要素の入ったスマホ版も販売停止と、追加要素ありの作品はいずれも遊びづらく、これらが収録された完全版を求める声が大い。
      • ピクセルリマスター共通の事項ではあるが、これらが収録されていないことでゲーム内容としては28年前まで逆戻りしてしまった。
      • これも今までのPRにも言えるが、これまでの追加要素を廃して原作部分だけの収録に絞っているにもかかわらず原作再現要素も少なく、今までの移植作品と比べて良くなった点もオペラだけに限られ、それどころか様々な点で劣化が見受けられるため、そういった点と合わせて批判される原因となっている。
      • スマホ版の販売ページに決定版とあるがそれに反しているとも言われている。
  • オリジナル版のBGMが収録されていない。
    • ほかのピクセルリマスター作品と同じくアレンジBGMは正統派アレンジという物でもなく賛否両論であるので、SFC時代の雰囲気を再現しようとした本作では当時の音楽でプレイしたいという声は多い。
  • クリアデータの仕様。
    • 本作ではラスボスから2択アイテムの片割れ*12が盗めるため、ED終了後に作るクリアデータではラストバトル後の状況を保存できるようにしてほしいという声が発売前から上がっていたが、結局クリアデータはラストバトル以前の最終セーブ地点の状態から再開される仕様になっている。
    • ラスボスから盗んだアイテムを持って帰ったりできないのはSFC版と同じではあるが、しかしGBA版・旧スマホ版ではラストバトル後の状態を保存できる仕様だったため、後発のPR版でできなくなっているのはやはり劣化点と受け取られることが多い。
  • ソフトリセットがない。
    • 目当てのアイテムが盗めなかった場合など全滅してやり直すなどの手間がかかる。
    • FF5と違ってリターンの魔法もないため余計に煩わしい。
  • タイトルからセーブデータをロードしてのゲーム再開が長くなる場合が多い。
    • 他のピクセルリマスター作品でも見られる症状である。おそらく共通ゲームエンジンの不良によるものだろう。
    • さらに本作固有で「Now Loading」の表記が出ない場合があり、この長めのロードと相まってフリーズを疑うレベルである。
    • 今までのFF6作品ではPS版以外でロードを感じることはなかったため非常に気になる。
  • 原作から再現されていない要素が多い。
    • 左右でのぼうぎょ・チェンジ選択、短縮コマンドやウィンドウカラー設定、必殺剣の名前変更などが該当。
  • 効果音に違和感がある。
    • ピクセルリマスター共通で戦闘時に攻撃などがミスのとき「スッ」、0ダメージや攻撃で回復した時「キン」という効果音が状況関係なく鳴るようになっている。
    • そのため浮いている敵に地震攻撃して0ダメージの時も「キン」と鳴り、そもそも回復した時にも「キン」と鳴るなど違和感のある演出となっている。
      盾で攻撃を防いで「カン」という音がしたあと改めてミス表記とともに「スッ」という音が出るのも同じである。
    • チョコボの鳴き声のように明らかに違う効果音になっているものもある。
  • 魔法詠唱時のMP消費のタイミングがおかしい
    • 旧スマホ版を含め従来は「魔法発動」→「MP消費」→「魔法効果発現」だったが、ピクリマ版は「魔法発動」→「魔法効果発現」→「MP消費」となっている。
    • ダメージ魔法使用時は特に気になることはないが、アスピルを使用した際はピクリマ版ではMP吸収が終わってからMPを消費するので、アスピルを使ってMPを全回復することは絶対にできない。
    • ピクリマ版共通の仕様ではあるのだが、アスピルが非常に有用なFF6においてはささやかだが確実にイライラするポイントとなっている。尤も、詠唱時間の長さのイライラに比べれば大したことないが
  • コントローラー操作に対応していない(Android/iOSのみ)
    • 旧スマホ版FF5やFF6は対応していたのだがピクセルリマスターではどれも対応していない。
    • 移動時の操作性もコントローラー操作と比べればどうしても難がある。
    • 元々がコントローラーで遊ぶ作品だったため対応して欲しかったとの声は多い。

総評

当初の予定より2か月程度遅れて発売されたが、結局ピクセルリマスター版『FF4』や『FF5』と同じ失敗を繰り返し、バグや設定ミスだらけという「未完成で製品失格」というほかない酷い状態でリリースされてしまった。
更に、原作にはない大幅なタイムラグによって雑に難易度が上がってしまった点もいただけない。

バグ以外でも旧スマホ版や原典のSFC版と比較しても劣化している部分や賛否が分かれる点が多々あり、めぼしい新要素も気合の入った生歌オペラぐらいであり、進化したとは言い難い状態になっている。現在の修正版であればある程度FF6としてプレイ可能な状況にはなっているが、依然として多くの不具合や劣化点が残っている。特に映像美や演出が大きく評価されたFF6でそこが劣化しているのは問題である。これらにより特に今までFF6をプレイした方からは否定的な意見が多く聞かれる出来となっており"リマスター"としては非常に出来が悪いと言わざるを得なく、本作は「FF6の決定版」と言うには程遠い作品となっている。

ただ、ほかのピクセルリマスター作品よりも再現度はまだマシな方でゲームバランスも深入りしなければ大まかにはそのまま、致命的なバグは大体修正されてまともに遊べるようにはなってきたため、最近になってFF6を知り「追加要素もなし、劣化版でもいいからとりあえず手軽にサクッとプレイしたい」という人であれば現在最も手軽に遊べる本作を選んでみるのもよいかもしれない。今までを知らなければPS版程度でのFF6体験はできるだろうか。

しかし結局は"FF6を今一番手軽に遊べるから仕方なく選ぶ"という作品でしかないため、今現在遊びにくくはなっているが原作のFF6に思い入れがある人や当時の真に「傑作」としての雰囲気を知りたい人はSFC版やPS版を、歯ごたえのある難易度・完全版としてのゲーム性を求める方はGBA版(旧スマホ版含む)を遊んだ方が良いだろう。


余談

  • 年内発売予定との表記が変わらぬままの2021年12月17日、ファミ通によるYouTube配信にて本作の情報が出された。
    だがその内容はわずか数枚のスクリーンショットのみで動画はない上、その内のある一枚はギラギラしたGBA版そのままのフィールドマップ、またある一枚はマッシュが棒立ちで爆裂拳を放っているという悪い意味で衝撃的な物であった。
    その後12月21日「入念にデバッグを行うため発売を2022年2月に予定している」という旨の発表がなされ当初の予定より発売が2か月ほど遅れることとなったのだが…
  • 発売9日前の2月13日に公表された海外公式Twitterによるトレーラーでは「魔列車をメテオストライクで投げても反転しない」「キャラクターの動きがコマ数不足でカクカクしている」という状況で多くのユーザーから速攻で突っ込まれてしまった。
    メテオストライクの反転は発売6日前の2月18日に修正をかけるとアナウンスがされた。
    この時点でこのような惨状だったため、多くのプレイヤーに大きな不安が生まれていたが、その不安は完全に的中してしまい、非常にバグが多い未完成品だったのは上記の通り。
    この惨状はSNSや多くのまとめサイト、FF6の低歩数などで知られる有名なプレイヤーによる配信などで拡散され多くの人の目に触れることになってしまった。
  • 前述のように本作のオペラは7ヵ国語対応の生歌収録とかなり力が入っているのだが、これはオリジナル版を手掛けた音楽監修の植松伸夫からの「可能であれば、少しでも多くの国の方々に笑顔になってもらいたい」という希望によるものであることがインタビューで明かされている
    • 制作陣もなんとか多言語での収録がしたいという想いが固まる中、ドット絵で描かれるシーンにリアルな歌声が重なると浮いてしまうのではないかという懸念を払拭するため、(PC/スマホ版の)ピクセルリマスターシリーズを手掛ける秋山利夫プロデューサーが一大決心をしてオペライベント専属の開発チームを立ち上げ、キャラクターは2D・背景は3Dという現在の形式を実現したとのこと。
    • これにより、オペライベントについては文句なしのクオリティに仕上がっている。…のだが、比較的序盤の1イベントでしかないオペラだけにここまで力を割くなら他の箇所にも力を入れて欲しかったという声も少なくない。
  • 本作をもって予定されていた全てのピクセルリマスター作品が発売されたが、現時点ではただ社内の共通エンジンで本編部分だけを漠然と再現してみたというだけで、昔からFF作品の大ファンであるユーザーに刺さる懐かしさを感じさせる要素もなく、作り変えにより不具合や再現不足も大量に発生、再現を抜きにしても演出性が落ちてしまった表現も多数見受けられゲーム性における新体験や特別良くなった点もほぼ無いと、ユーザー側にはメリットのない不完全に組み上げられた作品群となってしまっている。
    • ナンバリングのシリーズ作品と言ってもドラゴンクエストなどと違い、共通しているものは技やアイテムの名前ぐらいでシステム・計算式・パラメーター設定などが各作品間で大きく異なっている6作品を一から共通のゲームエンジンで一度に短期間で再現しようという企画自体が失敗だったのではと言われている。
  • 本作発売に伴い、旧スマートフォン版の販売は終了となった。
    • 本文の通り、比較して本作がバグ増量の縮小版でしかないことからGBA版基準の旧スマホ版の配信再開を望む声も見られる。
    • 原作SFC版やGBA版のアーカイブ版を現行機種でも新たに配信してほしいとの声も多く見られる。
  • Wii U版のニンテンドーeショップで追加要素が収録されているGBA版のVCが購入できたが、こちらも2023年3月28日をもって終了となった。
  • 下記の通りPS4/Switch版が発売された。PC/スマホ版へのアップデートは着手はしているようだが半年以上たっても行われておらず不信感が広がっている。
    • 既に本作をプレイしたユーザーの中には「Steam版やスマホ版のピクセルリマスター版は有料デバッグだったのか」などと不信感をあらわにする声がネットのそこかしこで挙がっている*13
    • インタビュー内でスマホの対応が難しいとの事を言っているが、それならばPC版だけでも先にアップデートできるのではないかと言われている。
    • かつての公式サイトQ&Aには他機種展開を容易にするために共通のゲームエンジンで作り直すことにしたとの記述があったが、結局直ちにアップデートが反映させられていないと、この点からも様々なものを失ってまで作り替えた事に疑問を呈されている。
    • 同じピクセルリマスターでも、PC/スマホ版を手掛けたのは秋山利夫P、一方でSwitch/PS4版は後述のように琢磨尚文Pと、それぞれ担当プロデューサーが異なることも影響している可能性がある。(仮にそうだとしてもそのような体制としてしまいユーザーに迷惑をかけていること自体が問題だと思うが。)

ファイナルファンタジーVI(ピクセルリマスター・CS版)

【ふぁいなるふぁんたじー しっくす】 ※データはSteam・スマートフォン版との違いのみ記載

対応機種 プレイステーション4
Nintendo Switch
発売日 2023年4月20日
定価 2,200円
判定 良作
劣化ゲー
ポイント 新システムブースト機能は好評
原曲追加などPCスマホから改善点は多数
それでも見られるバグ
基本削減版である事の解決もされていない

概要(CS版)

各ゲーム機向けに調整を施した移植。PCスマホ版時から多くの修正追加がなされている。

更なる変更点

  • オープニングに原典同様のスタッフロールが復活しスキップできるようになった。
    • リマスター版スタッフが表示されている。
      • 魔導アーマーの動きがおかしい点は改善されていない。
  • 姿が見えなかったデスゲイズが『VII』のアルテマウェポンとのようにシンボルエンカウント化され、不意にエンカウントしてしまったり逆に探し回らなくてもよくなった。
  • カイエンの必殺剣命名が再び可能となった。
  • 魔石ボーナスのさらなる変更
    • 上記PCスマホ版Ver1.0.6以降の変更点であるオーディン(素早さ+1→+2)、ケーツハリー(なし→素早さ+1)を反映した上で、
      CS版では新たに魔石ライディーンのレベルアップボーナスが力+2→「素早さ+2」に変更され、PCスマホ版で変更されたオーディンとボーナスが同等になったことで、進化のデメリットが消滅した。
    • なお、元々の「力+2」については新たに魔石アレクサンダーのボーナスとして新規追加(オリジナルやPCスマホ版はボーナス無し)されている。
  • ラストバトルのBGM「妖星乱舞」が、原典同様に各楽章がシームレスに繋がるように変更された。PS版以外の移植で初めての復活となる。
    • 次の形態へ移った後、前のBGMを最後まで流しきってから戦闘途中で次のBGMへ移行して切り替わる形になる。
    • これはCS版を手掛けた琢磨Pが特にこだわったポイントとして名指しでインタビューで挙げられていた。
  • BGMを原作(スーパーファミコン版)のものに設定できるようになった。サウンドテスト機能でも原曲が聞ける。(ピクセルリマスター共通)
  • 戦闘コマンドにおいて左右でぼうぎょ・チェンジ選択が復活した。(ピクセルリマスター4/5/6共通)
  • スタートボタンからタイトルに戻れるようになった(ピクセルリマスター共通)
  • 経験値・ギル・魔法習得値を0(なし)~4倍に変更したり、エンカウントON/OFFに切り替えられるブースト機能が実装された、最初から使用可能。(ピクセルリマスター共通)
    • 習得値を0にできることで低レベルクリアの挑戦がしやすくなったり、数倍にできることで育成の時間短縮できたりと好評である。
    • 『VII』~『XI』のような戦闘中無敵、ダメージ9999固定化のようなチートみたいな機能ではなくそういった機能もない。
  • FC/SFC時代のフォントをイメージしたピクセルフォントが実装され設定で切り替えられるようになった。(ピクセルリマスター共通)
  • その他様々な修正、変更が行われている。

評価点(CS版)

  • 新システムブースト機能
    • 原作におけるやり込みの恒例だった低レベル攻略、育成がやりやすくなっている。
    • 原作や過去の移植版では実質不可能だったゲームスタート時から一切レベルを上げないままラスボス戦まで行く事も可能となっていると今までと違う遊び方ができるようになった。
    • 育成の手間も大きく減らすことができる。
      • FF6は最強育成において低レベル攻略が必須となっているため、ただのやり込みだけでなく最強育成にもブースト機能は相性が抜群。その後の育成にも大いに活用できる。
  • 元のSFC版により近く遊びやすくなったところが増えている。
    • 細かいところでは二刀流でのダメージ減衰がなくなっている。
    • 上記にあるように原作音楽を選べるようになったことでより原作の雰囲気に近い状態でプレイできる。特に原曲は最初(PC/スマホ版)から入れとけとの声がものすごく聞かれる待望の要素となっている。
    • 根本的な解決になっていなかった魔石の素早さボーナスの変更だが進化後のライディーンも素早さ+2に変更されたことで気軽に進化できるようになった。

問題点(CS版)

  • GBA版からの追加要素は無いままなど、ブースト機能を除いて過去移植作と比べて優れてる点があまりない点は変わっていない。
  • テレビモニターのサイズにもよるのか、会話ウインドウが全体的に小さめで見にくい。
  • 復活した左右でのぼうぎょ・チェンジ機能について、オリジナル版では小さなウインドウで別個表示される形式だったが、本作ではメインコマンド欄と同じサイズのウインドウ内に表示されるため、実用性は問題ないものの少々違和感がある。
  • モンスターやボス撃破演出やダメージ表示の表現がピクセルリマスター共通のまま変わっていないなど変更を求める声が聞かれる部分もそのままにされてしまっている箇所がまだまだ多い。
  • 場面切り替えをする際に飛空艇が突如現在位置から遠く離れた位置にワープして進行不可能になるなど、やはりバグが見られている。
    • CS版でも時々フリーズした等の声が上がっている。
  • ラストバトルのBGM「妖星乱舞」がシームレスに繋がるようになったのは上述した通りで、これ自体は評価点なのだが、オリジナルBGMに設定している場合だと第1楽章→第2楽章の繋ぎのタイミングに不具合があり、曲の途中でぶつ切りになった不自然な繋がり方となってしまっている。なお、他の箇所や、アレンジBGMに設定している場合は問題ない。
    • おそらく切り替えのタイミングをアレンジBGMの方に合わせてしまったためと推測される。

総評(CS版)

PCスマホ版から改善項目こそ多くあるのだが、やはり過去の原作や移植作から見て劣化した部分は残り、雰囲気を損なったままの箇所も多いため、そのあたりを気にする人に対してはあまり勧められない、という事は変わっていない。
ただし追加されたブースト機能がやり込みや育成に対して極めて効果的で、本編部分だけなら今までにない新しい遊び方ができるため、問題点に目をつぶれるなら活用してプレイする価値はあるだろう。

余談(CS版)

  • 2023年4月19日にファミ通で公開されたプロデューサーへのインタビューによると、これらの変更点はPS4/Switch版の制作にあたり、入れ替わりで務めた新たなプロデューサー(『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』のCoプロデューサーも務めた琢磨尚文P)が改めて提案したことにより実現できたことが語られている。
    • PC/スマホ版で批判されていたオープニングのスタッフロールのカットに関しては、リマスター版のスタッフを記載したとしてもユーザーには見慣れない面々だったため、PC/スマホ版側のスタッフはあえて入れない判断をしていたらしいとのことだが、今回のSwitch/PS4版では琢磨Pが「映画的に魅せる手法」としてやはりスタッフロールは外せないとして、植松伸夫氏を始めオリジナル版からも関わっているスタッフ陣のほうから表示される配慮を加えた上で演出を復活させたことが語られている。なお、PC/スマホ版のスタッフがなぜスタッフロールも無い延々とした雪原歩きをスキップ不可としたのかは語られなかった
  • なお、Switch/PS4版の変更をPC/スマホ版へ反映させるアップデートの準備は既に着手しているとのこと。ただまだしばらく時間が必要のようだ。上記インタビューでは特にスマホへの移植に制約が多く苦戦が予測されていることが語られている。

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最終更新:2024年04月19日 10:44

*1 対応言語は日本語/英語/フランス語/イタリア語/ドイツ語/スペイン語/ロシア語/ブラジル・ポルトガル語/タイ語/韓国語/中国語・簡体字/中国語・繁体字となっている。

*2 オーラキャノンのコマンドは本来下、左下、左だが下、下、左or下、左、左でも成立する。

*3 「ジハード」はイスラム教における聖戦を意味するため、昨今の時勢を考慮すると変更もやむなしと言える。なお、元々のFF6海外版では既に変更されていたのだが、そちらは「Crusader(クルセイダー)」となっていた。

*4 トランス発動後、効果が切れる前に戦闘終了させた場合、トランス時間を消費することなく次戦以降も同様に使用することができる。つまり、毎回効果が切れる前に戦闘終了させさえすれば、使い放題となる

*5 髪色が金髪から緑色になったガウやイラスト準拠のカラフルなカラーリングになったケフカなどが解りやすい。

*6 発動から1回限り、魔法を無効化して自身のMPに変換するセリス固有のコマンド

*7 戦闘突入直後に、"ディッグアーマーの魔法を受けたらひとたまりもないから、魔法は魔封剣でひきつけろ"と説明がある

*8 行動時に時間が流れるが、コマンドの詳細のウインドウを空けている間はATBゲージが止まるのを利用し、敵側の行動中は詳細ウインドウを閉め、味方の行動中は空けておくことで、ATBゲージの蓄積を有利にする技

*9 直前で手に入るエルメスの靴を装備させる

*10 ちなみに、レベルアップでは素早さはアップせず、多少レベルアップしたところでディッグアーマーの魔法が直撃したらほぼ即死には変わらないため、通常プレイにおいてもほぼ第一の壁となっている

*11 特定の魔石を装備した状態のレベルアップの回数が最終的な強さに直結するFF6では、低レベル攻略はただの縛りプレイではなく、最強育成における必須要素となっている

*12 魔石ラグナロックの対択であるラグナロク。

*13 過去にスクエニの和田社長の「ユーザーにデバッグさせれば経費が浮く」などの、FFブランドをかさにきたユーザーを軽視する態度があらわになった事が尾を引いている。また、近年のスクエニはスクウェア全盛期の作品に頼りがちな傾向があり、その移植作にも『手抜き』が度々見られがち(一例を挙げるならSteam版のリリース当初の『クロノ・トリガー』や『クロノ・クロス』のリマスター版)な為、「過去の名作に頼るのはまだいいが、その名作を侮辱するようなものを平然とリリースするな」と、ユーザーからのスクエニへの不信感が強まっているという背景もある。なお、Steam版『クロノ・トリガー』のプロデューサーは本作と同じく秋山利夫氏であった