鴻は声なり。臚は伝なり。伝声を以ってする所、九賓贊導するなり。(漢官解詁)

 大鴻臚とは、とは、朝廷職官である。九卿の一つに数えられ、現代の大臣に相当する。諸侯、及び朝廷に帰順した蛮夷の管理を司る。
 単に鴻臚とも称される。

目次




歴史


 故は典客と謂い、秦官であった。漢はこれを継ぐ。
 景帝中六年、更名して大行令とする。
 武帝太初元年、大鴻臚と更名する。主爵都尉を罷めて右扶風とし、列侯を主る職責を大鴻臚に移管する。
 成帝河平元年、典属国を罷め、その職掌(蛮夷の降者を主る)を大鴻臚と併せる。
 王莽、改めて曰く典楽。
 中興して大鴻臚と復す。




(前漢)
 、一人。中二千石、銀印青綬。

(後漢)
 九卿、一人。中二千石、銀印青綬。



職掌


(前漢)
 諸々の帰義蛮夷を掌る。

(後漢)
周礼』の象胥である。
 諸侯及び四方の帰義蛮夷を掌る。
 その郊廟には、礼を行い、贊導する。行事を請い、可となれば、以って羣司に命ず。諸王が入朝すれば、に当たり迎え、その礼儀を典ず。
 和帝永元十年、大匠応順の上言によって、郡国の上計、四方の来ることを(ただ)すこと、またこれに属す。
 皇子が王を拜すれば、贊して印綬を授く。及び、諸侯、諸侯の嗣子、及び四方夷狄の封者を拜し、臺下に鴻臚が召してこれを拜す。王が薨ずれば、則ち使としてこれを弔し、及び王嗣を拜す。



属吏


大鴻臚丞

(前漢)
 有り、秩千石。

(後漢)
 一人、秩比千石。


員吏

(後漢)
 五十五人。
 その六人は四科、二人は二百石。文学は六人で百石。一人は斗食、十四人は佐,六人は騎吏、十五人は学事、五人は官医



属官


行人

 武帝太初元年、更名して大行と為す。後漢もそれを継ぐ。

  • 行人令
 一人。

  • 行人丞
 一人。


大行

 諸郎を主る。
 齋祠の九賓の儐贊(賓贊)を主る。また公室を有し、中都官斗食以下の調(発し選ぶこと)を主る。功次にて相補す。

  • 大行令
 一人。秩六百石。

  • 大行丞
 一人。

  • 治礼郎
 四十七人。
 大行郎、また謁者の如く。形貌を舉すこと兼ねる。

  • 員吏四十人。
 その四人は四科。五人が二百石。文学が五人で百石。九人が斗食,六人が佐,六人が学事,十二人が守学事。


譯官

 中興して省く。

  • 譯官令
 一人。

  • 譯官丞
 有り


別火

 武帝太初元年、初めて置く。
 獄令官,主治改火の事を治めるを主る。
 馬融曰く、「周書月令に更火の文有り。春、榆柳の火を取り,夏、棗杏の火を取り,季夏、桑柘の火を取り,秋、柞楢の火を取り,冬槐檀の火を取り。一年の中,鑽火おのおの木を異とす,故に曰く『 改火』。」
 中興して省く。

  • 別火令
 一人。

  • 別火丞
 有り。


郡国邸

 京師にある諸郡国の邸を主る。
 初め、少府に属す。中ば中尉に属し、後に大鴻臚に属す。
 中興して長・丞を省き、ただ郎に郡邸を治すことを令す。

  • 邸長
 一人。
 前漢のみ。

  • 邸丞
 有り。
 前漢のみ。



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関連項目・人物



詳説






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最終更新:2015年01月08日 01:38