掛算順序派閥の簡易診断チャート

あなたはどのタイプ?

この「掛算の順序問題」に関して、あなたがどんなスタンスなのかを簡単に診断するチャートです。
設問にYes/Noで答えて、自分がどのタイプに属するのか調べてみましょう。

注意:このタイプ分類は製作者(@yukimicx)の推測により作成されています。綿密な調査の結果ではございません。
この診断結果はあくまでも参考程度であり、自分や相手を「そういう人間だ」と決めつけることのなきよう、くれぐれもご留意ください。
このチャートに関する苦情やご意見はTwitterで@yukimicxまでお寄せください。

このチャートの目的

議論をするにしても、「相手がどのような考えで(背景で)発言しているのか」を理解しなければ、話が噛み合いません。
いつまでも平行線をたどり、不毛な論争となってしまいます。
このチャートは、世間にどのような掛算に関する考え方が存在するかのサンプルを提示し、他者の考えを理解する足掛かりとなることを目指しています。
自分では思いもしないような考え方をする人が、世の中にはいるものです。(参考:掛け算を認識する2種類のメンタルモデル
このチャートがお互いの持っているメンタルモデルの違いに気付くヒントとなれば幸いです。

診断チャート

補足1:「3つのリンゴを乗せたお皿が4つあります」といった場合に、3が”1つ分”、4が”いくつ分”に相当します。
補足2:チャートでタイプが色分けされてますが、これは同じ色のタイプの人を外部から観察すると「同じ考えを持っているように見える」(だろう)という意味です。



結果投票

自分がどのタイプに当てはまったのかを、こちらの投票で教えていただけると幸いです。
(投票前に下記の「タイプの解説」を参照し、自分に当てはまるかどうか確認してみてください)
選択肢 投票
1.純粋積指向 (181)
2.表面的倍指向 (1)
3.便宜的倍指向 (38)
4.刷り込み的倍指向 (2)
5.柔軟倍指向 (16)
6.厳正倍指向 (6)
7.教条主義的倍指向 (4)
8.当てはまるものがない (6)

各タイプの解説

注意:繰り返しになりますが、あくまでも「たぶんこういう傾向があるだろう」という推測です。絶対にそうだと決めつけることのなきよう、ご注意ください。

「倍指向」「積指向」について

村川猛彦さん(@takehikom)のこちらのブログで言及されている、「倍指向」「積指向」という概念を利用させていただきました。
詳細はリンク先をご覧いただくとして、簡単に説明します。
  • 「倍指向」は掛算の基本定義を「aのb倍である」と認識しており、それをa×bと表すと定めています。被乗数(=1つ分)と乗数(=いくつ分、何倍)を区別することにこだわります。(掛け算を認識する2種類のメンタルモデルで言う所の「ターゲットオペレーションモデル」に固執していると思われる)
  • 「積指向」は掛算の基本定義を「aとbの積である」と認識しており、それは(算数の範囲では)a×bでもb×aでも表せます。被乗数と乗数の区別はしませんが、”1つ分”と”いくつ分、何倍”という概念はきちんと認識します。(掛け算を認識する2種類のメンタルモデルで言う所の「アレイグリッドモデル」も含めた、より広範なイメージで理解していると思われる)
どちらの指向であっても、積の概念と倍の概念の両方を取り扱うことができますが、「よって立つ乗法の定義」に違いがあります。
そして、学校教育の世界では「倍指向」がスタンダードになっているそうです。
  • 掛算の導入がまず累加(4×3=4+4+4)から始まるので、倍の概念が基本(の方が都合が良い)
  • 記述順によって乗数と被乗数の区別ができているか判断できる
  • 後で習う割り算への引き継ぎがしやすい
など小学校教育全体を通しての判断のようです。

本来であれば、倍の概念で導入を図ったとしても、その後自然と積の概念に拡張され、より汎用性の高い積の概念をベースとした「積指向」に落ち着くはずで、実際大半の人はそのようになっています。
しかし、一部には心の底から「倍指向」になっている方もいらっしゃるようです。

1.純粋積指向

掛算は積であると認識しており、どのような場合であっても「倍指向」で掛算を考えることがないタイプです。
「掛算で数式の順序にこだわる」ことに強い違和感を覚える人が多いと思われます。

2.表面的倍指向

「積指向」で掛算を理解しているものの、「先生の教えは遵守すべき」と真面目に考えているか、あるいは「守った方が点数もらえてお得」と世渡り上手に考えているタイプ。
理不尽な世の中をそのまま受け入れて、「そういうもんだ」と考えられる、ある意味オトナな人かもしれません。

3.便宜的倍指向

「積指向」で掛算を理解しているが、教育現場における「倍指向」での指導にも理解を示しているタイプ。
(1つ分)×(いくつ分)については、あくまでも子供に理解してもらうための「方便としてのルール」だと考えており、子供がきちんと理解して使っているならば、掛算の記述順にはこだわらない。

4.刷り込み的倍指向

子供のころに「倍指向」で教育され、それをすんなりと受け入れているタイプ。
掛算について特に深く考えたことはない、と思われます。
中には順序固定の指導法:単位サンドイッチ論法のような指導方法の影響で、掛算の順序を入れ替えると世にも奇妙な生き物が出来上がる、と考えている人もいるようです。

5.柔軟倍指向

「倍指向」で掛算を理解しており、教育の現場でもそれを実践しているが、記述順序を間違えた児童へのフォローを欠かさないタイプ。
立式で順序が違った場合には、部分点(三角)にして、赤ペンでその理由を書いて気づいてもらえるようにします。
「3.便宜的倍指向」とよく似ているが、本人が「倍指向」で掛算を理解している点が異なる。

6.厳正倍指向

「倍指向」で掛算を理解しており、教育の現場でもそれを実践している。そして記述順序を間違えた場合には容赦なくペケを与えるタイプ。
立式で順序が違うということは、(1つ分)と(いくつ分)の違いを理解していないものとみなしています。
「7.教条主義的倍指向」と似ていますが、「倍指向」の教育学的な意味をきちんと理解している点が異なります。

7.教条主義的倍指向

とにかく教科書や指導書に、「倍指向」での指導方法が記載されているので、その通りに教えているだけのタイプ。
なぜそのように指導するのか、を深く考えたことはない、と思われます。
当然、立式の順序が違えば、指導書の記載に従って不正解にします。
最終更新:2021年10月19日 16:56
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