セミ人間

円谷プロの特撮作品『ウルトラQ』に登場する宇宙人。別名「宇宙怪人」。
第16話「ガラモンの逆襲」に登場。ウルトラシリーズで初めて登場した侵略者の宇宙人である。
正式な名称は「チルソニア遊星人」だが、この名前で呼ばれる事は少ない。

その名の通り、地球の昆虫であるセミによく似た頭部を持つ宇宙人
(あくまで頭部が似ているだけで、昆虫のような三対六本の肢を持たず、背中に翅の痕跡もない)。
変身能力があり、地球人と寸分変わらぬ姿に擬態できる他、
金属を遠隔で操作する「エスパライザー」という装置を使うなど、
高度な科学技術を持っている文明の異星人である。
反面、本人の戦闘能力は地球人といい勝負な程度の描写で、巨大化する事も無い。

ガラモンを用いた最初の作戦が失敗した事により、
天体物理研究所に保管されていた電子頭脳をエスパライザーで奪還し、
これにより使役した多数のガラモンで一気に地球の制圧を試みた。
しかし、牛山という男性が運転するトラックに同乗させてもらいつつ、
途中のドライブインに牛山を置き去りにしてトラックを強奪して逃亡した先で、
電子頭脳の発する電波を逆探知して来た万城目や警官隊に追いつかれてしまう。
エスパライザーでトラックや警官隊の拳銃を操って攻撃するなど必死に抵抗するも、
万城目らと追ってきた牛山に自分が殺した警官の拳銃で撃たれた事で重傷を負い正体を現す。
瀕死の状態で最後の力を振り絞り湖から浮上してきた宇宙船に両手を振って助けを求めたが、
作戦失敗の責任を取らされ、宇宙船から発射されたビームで焼き殺されてしまった。

バルタン星人に非常に見た目が酷似していたため、スーツ(頭部)はバルタン星人に改造されたという話が長年定説だったが、
2013年頃に、初代バルタン星人の造形担当者の口から「改造した記憶はない」との証言が語られている。
一方で、両目のギミックを担当したスタッフによる「セミ人間を改造した」との証言もあり、
「バルタン星人の改造」「実は(型を流用したと思われる)新造」で説が二分する現状となっている。
少なくとも、デザイナーである成田亨氏に発注された段階では「セミ人間に角とハサミをつけて」という注文であったらしい。
当然ながら、気難しい事で知られる成田氏は「無意味な注文」と嫌悪感を覚えていたらしいが

なお、ウルトラシリーズ最初に登場した侵略者扱いなのは先に述べた通りだが、ガラモンは明確に人造兵器のため、
ウルトラシリーズで最初に怪獣(生体兵器)を用いて侵略を行ったのはボスタングを使役したキール星人という事になっている。

「ぼくら」誌に掲載された絵物語版「SOS富士山」では「ジグリ星人」なる黄色いマフラーを巻いたそっくりな宇宙人が登場。
こちらは侵略の意図はない善良な宇宙人で、富士山火山研究所に不時着したところを救助された恩に報いて巨大化してM1号とタッグを組みゴルゴスと刺し違える。

+ 以降の映像作品におけるセミ人間
ウルトラマントリガー』では「ナースデッセイ開発秘話~特務3課奮闘記~」にて、
TPUの整備部に所属している個体が確認できる。

『ウルトラマンブレーザー』では第9話「オトノホシ」にて筑士芳一、黒岩チッチ、新瀬三智、日暮奏と名乗る4人の個体が登場。
本編の60年前に来訪しガラモンを呼び寄せる装置を起動させた直後に、たまたま訪れた民家の蓄音機から流れる地球の音楽と遭遇。
その旋律に魅了され、侵略活動をほっぽりだして"セミ"プロとして自分達の楽団を結成し、音楽を奏でつつのんびり暮らしていた。
本編10年前には後のSKaRD隊員であるミナミ・アンリとも知り合い、「ツクシのおじさん」として親交を深める事に。
だが、ガラダマが到着してしまったため侵略活動を再開せざるを得なくなり、
音楽にてガラモンを起動させるも暴れさせる事はせず、河原を歩かせるだけに留めていた。
その後予め呼んでいたアンリ隊員により作戦を止めてもらたものの、リーダーであるツクシが腕を負傷。
二度と音楽を奏でる事はできなくなり、事件は幕を閉じた。

筑士芳一を演じた東儀秀樹氏は宮内庁にも務めていた雅楽師で、彼のYouTubeアカウントにて作中で奏でられた2曲を聴く事が出来る。
なお、黒岩チッチの演者もその東儀氏の息子で同じく音楽家として活動している東儀典親氏であり、
「セミプロ」を自称するのはその典親氏が発言していた所からアドリブで組み入れられたとの事。

関連種

  • セミ女
初出は『ウルトラQ dark fantasy』。
正確にはチルソニア遊星人の女性個体である。
ウルトラマンX』に登場した個体は、人間態で口吻を出し樹液を吸うという蝉と同じ生態の描写がある。

  • セミ少女
初出は『ウルトラマンタイガ』。
年少のチルソニア遊星人の女性個体である。
チルソニア遊星人は空蝉から羽化する訳ではないらしい。或いは羽化のプロセスを無くした一種の幼形成熟か?


MUGENにおけるセミ人間

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
広範囲攻撃の「怪電波」が強い他、画面内に一つのみオートで敵を攻撃する拳銃を出現させる「発砲」や、
同じく画面内に一つのみ出せる隕石「ガラダマ」などの技を用いて戦う。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で、「エスパライザー」「銃撃戦」、
一定時間画面内に一体のみ召喚可で自立稼働で敵を攻撃する円盤を出現させる「円盤」の3つ。
なお、7P以降では常に円盤が出現する。
AIもデフォルトで搭載されている。

出場大会



最終更新:2024年01月04日 13:49