ジャック・クラウザー


"You catch on quick, as expected.
 After all, you and I both know where we come from."

(なるほど…やはりオレとお前はコインの裏表というわけだ)

+ 担当声優
  • 原語版
Jim Ward
『4』『ダークサイド・クロニクルズ』『ザ・マーセナリーズ:3D』
Mike Kovac
『RE:4』

  • 日本語吹替声優
辻井健吾
『RE:4』

Jim氏は『ラチェット&クランク』シリーズのキャプテン・クォーク役等で有名な声優だったが、
2021年にアルツハイマー病の発症とCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染により、残念ながら声優業を引退する事となった。

カプコンの代表作『バイオハザード』シリーズに登場するキャラクター。
他のジャックさん達は勿論の事、クラウザーさん暗黒の帝王でもない。
初出は2004年の『バイオハザード4』。

アメリカ陸軍にいた頃は、多くの作戦を成功させる有能な軍人だった。休日は傭兵稼業も行っており、戦場こそが自らの生き場所だと感じていた。
レオン・S・ケネディの元パートナーでもあり、2年前の負傷を機に除隊したのち事故死したと思われていたが、
実は死を装ってアルバート・ウェスカー率いる「第3の組織」に加わっていた。
組織の命令でロス・イルミナドス教団に潜入したクラウザーは、アメリカ合衆国大統領の娘アシュリー・グラハムを誘拐。
アシュリーを救出しに来たレオンの前に刺客として現れ、迷路のような遺跡内で死闘を繰り広げた。
レオンと自身の関係を“コインの裏表”と表現しており、彼とは非常に近いものを持っていながらも、決して相容れない存在である。
また、組織の同僚であるエイダ・ウォンが別の組織にも属するダブルスパイである事を察し、強く警戒している。

教団への潜入後は自らの意思で寄生体「プラーガ」による肉体改造を受け、超人となった。
寄生体の力を解放する事で、左腕を硬質なブレードに変化させ、凄まじい斬撃を放つ。
ブレードを翼の様に広げる事で盾としての運用も可能で、ロケット弾をも防ぐ
(火炎手榴弾だけは無防備な足元から炎が広がるせいか防げないが)。
ジャック自身も、前述の経歴から高い戦闘力を持ち、特にナイフの扱いに長ける。
爆弾付きの矢を放つアーチェリー、マシンピストル、手榴弾、自爆する小型ロボットなど銃火器を駆使した戦術も多彩。

初登場時のナイフバトルムービーはスキップ不能な上に、不意討ち気味に即死QTEが何度も挟まるので、
ぼんやりとムービーを眺めていたらレオンが斬り殺されゲームオーバーになる初見殺し地帯として悪名高い。
しかしクラウザー自身もナイフでマグナム並の大ダメージを受けて怯む性質を持つ為、
遺跡での直接対決ではナイフで滅多斬りにされ、ゴリ押しで倒される傾向がある。
一方、エイダ編ではナイフが使えないので一転して強敵となる。Wii版以降は使えるのでお察しください

遺跡内では様々な罠を用意してレオンを襲うも切り抜けられ、最後は寄生体の力を解放して挑むも敗北。
そのまま遺跡の爆破に巻き込まれたかに思われたが、PS2移植版以後で追加されたおまけシナリオで実は生存していた事が判明し、裏切り者のエイダを襲撃。
しかし彼女にも敗北し、「随分と立派なモノ(ブレード)を持っているのね、でもガサツな男は好きじゃないの」と嘲笑されながら絶命した。
これならレオンに負けて死んだ方がまだマシだったのでは

ミニゲームの『ザ・マーセナリーズ』ではプレイアブルキャラクターとして使用可能。
主力武器のアーチェリーは連射性が低いものの単発威力が高く、当てた相手を吹っ飛ばす特性を持つ他、マガジン交換を必要としないのでリロードの隙が無い。
多数の敵に取り囲まれても、最初から所持している閃光手榴弾で怯ませ、体術の「蹴り(2連続回し蹴り)」で薙ぎ倒せる。
もう一つの体術「毒針(膝蹴り)」は使う機会がほぼ無いので存在を知らない者も多い*1
また、一定時間経つと解禁されるプラーガ解放攻撃は即死攻撃であり、高耐久の中ボスすら問答無用で血飛沫に変えてしまう。
弓で雑魚に対処し、中ボスが来たらプラーガ解放で取り巻き諸共始末する豪快な戦い方でスコアを稼げる。

『バイオハザード ザ・マーセナリーズ3D』でもプレイアブルキャラとして使用可能。
プラーガ解放は使えなくなったものの、全キャラで唯一ロケットランチャーを持っている。おい……。
殆どのボスを一発で倒せる威力を誇る反面、弾数はたった2発なので使い所が重要になる。
また、他キャラの武器も使用可能になったので体術の使用機会も増加している。
体術は出しやすく発生が早い「斬りつけ」、威力と攻撃範囲に優れた「タックル」などが追加。
「毒針」も単体ザコ相手の即死攻撃として使いやすくなっており、「蹴り」との使い分けが可能になった。

リメイク版の『RE4』では、発売直前になってもPVなどで出てこない事から登場しないのではと不安の声も上がったが、

「久しぶりだな、新米(ルーキー)
  • ジャック・クラウザー少佐となっており、エージェント候補であったレオンの訓練教官を務めた
    (その経緯からレオンの事を常時新米(ルーキー)と呼んでいる)
  • クラウザーと初遭遇した時のQTEがナイフのみ使用可能な状態での戦闘へ変更
    (『RE4』のナイフは耐久度が設定されており、壊れたまま戦闘に入ってしまった場合の対策なのか、
       戦闘開始地点近くに修理できないタイプのナイフがいくつか置いてある。
       また『RE4』の最高難易度ではパリィの猶予フレームが約3Fしかないが、この戦闘のみ詰み防止のためノーマル並に長くなる)
  • ハヴィエへの作戦がクラウザーが部隊を率いた形になっており、この作戦で本国から十分な支援を得られず部下達を失った事が後に離反した理由になっている
       (救助用のヘリ一機派遣してもらえば解決するレベルだったため、レオンも「あの作戦は許されるものではなかった」と認識している)
  • ウェスカー及びエイダの協力者ではなくなり、アメリカへの復讐のため自ら教団に赴いている。
    また、作中後半の島エリアの武装化は彼が施した事になっている
  • サドラー最終戦でエイダが持ってきたロケットランチャーが、
    『RE4』においては彼がウェスカーが聖体を奪いに来た場合にと調達していた事になっており、思わぬ形でレオンを救った事に
  • 対等の立場であった『4』ではレオンから「昔はいいやつだった」と評されていたのに対し、
    教え子となった『RE4』では「昔から嫌な奴だったが、前のあんたは誇りがあった」と対照的な評価をされている
など、色々と設定が変わりつつも無事続投している。
なおレオンに対しては色々と思う所があり、どういうわけか彼の警官時代の写真を所持している
(レオンの顔がだいぶ汚れているため『RE2』直後なのだとは思うが、証明写真じみた映り方の写真を撮影したのかは謎、
なお政府に召集を受ける場面の回想では私服のため、警官の制服時代にクラウザーとの接点はないと思われる)。

初登場時は地下から脱出を目指すレオンとルイスの隙を突き、背後から投げナイフでルイスに致命傷を負わせる
(この時銃を抜こうとしたレオンに「教えたはずだ、接近戦ではナイフの方が早いとな」と、
 レオンがエイダに言った台詞をそのまま返しており、クラウザーからの受け売りだった事が判明している)。
そして終盤に「最後の教練」として銃にアーチェリー、罠とフル装備でレオンを迎え撃ち、
追いつめられると寄生体の力を使って最後の戦いを挑むも敗北。
自身のナイフでレオンにトドメを刺すように促し、躊躇しながらもクラウザーにトドメを刺すレオンに、
笑みを浮かべつつ、初めて名前を呼びながら事切れた。
そしてレオンは形見のナイフを手にアシュリー救出のため突き進む事となる。売る事ができるのは内緒だ!

「いい顔になったな…レオン」

『RE4』版マーセナリーズでも当然登場。
サブマシンガンと爆弾矢を放つアーチェリー、そして耐久力無限のナイフを所持。
こちらでの主力はナイフであり、連撃が可能なうえ、連撃中はある程度の攻撃にアーマーがつき、またナイフキルによるボーナスも付与される
(クラウザーのナイフはレオンのものより攻撃力が高いが耐久力は劣る、というもののため、そこに耐久無限と連撃の火力が追加される形となっている)。
アーチェリーは爆発するようになった分使い勝手は良くなったものの、形状の都合リロードができず、構えた際に毎回矢をつがえる必要があるため隙は大きめ。
プラーガ解放は全キャラ共通の「バレットラッシュ」として登場し、片手で薙ぎ払う他、直線状の敵を吹き飛ばす体当たりも使用可能。
突き詰めるとレオン等にスコアで劣る事も多いが、雑魚にはナイフとアーチェリー、ボスにはバレットラッシュと、
総じて初心者でも扱いやすいお手軽強キャラと言えるポジションになっている。
なお、「毒針」はリストラされた

+ クラウザーの過去(ネタバレ注意)
『ダークサイドクロニクルズ』では、『4』の前日譚と言える『オペレーション・ハヴィエ』において現役時代のクラウザーが描かれている。

2002年に南米にて、アムパロを牛耳る犯罪組織のトップであり麻薬王のハヴィエ・ヒダルゴと元アンブレラの関係者が接触したとの情報が入り、
合衆国から派遣されたレオン、ならびにアムパロの案内役である少女マヌエラの護衛役として同行したのが出会いのきっかけである。
レオンに対してはラクーンシティからの生存者と知りつつもその実力に関しては半信半疑に見ていたのだが、
いざ南米に向かえばゾンビやB.O.W.等を前に狼狽えるばかりの自分とは対照的に、事も無げにこれらを始末していくレオンを目の当たりにし、
「大統領直属のエージェントであるレオンと違って自分は捨て駒でしかない」という劣等感に加え、
t-Veronicaにより変異したB.O.W.(正体はマヌエラの母ヒルダ)の攻撃を受け負傷、軍人生命を絶たれる形となってしまう。
マヌエラ自身もt-Veronicaに感染していた事もあって、一時期は彼女を見捨てようかとも考えていたのだが、
ハヴィエと対峙したマヌエラが人間としての意志を保ったままt-Veronicaの力を使いこなした事から超人的な力を渇望するようにもなってしまう
(ただし彼女にこのような行為ができたのは、ハヴィエが拉致した多数の人間の臓器を絶えず移植し続けるという、
 強引で非道な延命処置を受けさせられていたためであり、マヌエラとハヴィエは父娘の関係でもある)。

そして、(グッドエンドの話だが)ハヴィエを倒した後もなお、自分だけ生き残った事を後悔するマヌエラを諭すレオンに対し、
「お前は残酷だ。その娘に新しい生命体としての誇りを与えるべきだ」と心中で強く訴え、本作戦終了後に袂を分かつ事となった
(なおバッドエンドでは、マヌエラはt-Veronicaの媒介である血液を使い過ぎた事で死亡してしまう)。

なお『RE4』では上記の通り展開が大きく異なり、そもそもt-Veronicaが初登場した『コードベロニカ』のRE版が無いため
当然『RE4』ではt-Veronicaやマヌエラが話題に上がる事もなく、『オペレーション・ハヴィエ』の中身もどういうものだったのかは現状不明である
(これに関しては『コードベロニカ』の開発を担当したネクステックが既に解散していた為、
 残念ながらSwitchやPS4等といった次世代機でのプレイが不可能であった事もあり、RE版リメイクはそう簡単な事ではないのだが…)。
少なくともハヴィエの情報を得た記者が告発を試みるが、その前に消されてしまった程、政府にとっては闇に葬りたい出来事だったのは確かである。



MUGENにおけるジャック・クラウザー

armin_iuf氏が製作したMUGEN1.0以降専用キャラが存在する。
現在は下記の動画の他、海外サイト「The Mugen Multiverse」で代理公開されている。
必殺技の「krauser-Robot」が優秀で、相手に追従して自動で起爆するので、切り返しに役立つ。
超必殺技の「hyper1」は、スタングレネードで怯ませた隙に相手の背後に回ってナイフで首を掻き切る技。
発動時無敵なうえに攻撃範囲が広くガード不能だが、ジャンプで無効化されてしまう初見殺しな性能を持つ。
「hyper2」はナイフで連続攻撃する非ロック系の乱舞技。「hyper3」はサブマシンガンの乱射だが発射間隔が長くコンボが途切れてしまうのが難点。
3ゲージ超必殺技の「ultra combo」はお馴染みのプラーガ解放攻撃で、腕をブレードに変えて突撃する。
「毒針」は残念ながら搭載されていない。一応ジャンプ弱キックは膝蹴りだが

強クラス相当のAIがデフォルトで搭載されており、前述の「krauser-Robot」を使った立ち回りを中心に攻めていく。
外部AIはホルン氏によるものが公開されており、恒例のコンボ・立ち回り・反応・ガードレベルを設定可能。
こちらも想定ランクは強との事。
紹介動画(公開先へのリンク有り)。
お相手はarmin_iuf氏のジル・バレンタイン

他にはcarpa5氏がDCヒーロー「ワイルドドッグ」をガワ替えキャラとして公開している。
ボイスはそのままなのでヴィランに見えてしまうが、気にするな!
紹介動画(公開先へのリンク有り)


"You're cruel, Leon. Couldn't you make her feel proud.
 She has a whole new life ahead of her."

(お前は残酷だ、レオン。彼女に誇りを与えるべきだ。新たな生命体が誕生したというのに。)

"There's nothing left to say. For you and I,
 Leon…We're merely different sides of the same coin."

(これ以上何も言うまい。しょせん、俺とお前はコインの裏表なのかもしれない)

出場大会



*1
「毒針」は敵の脚部を攻撃して怯ませると発動可能になるのだが、
アーチェリーに当たった敵は吹っ飛んでダウンするので怯み状態にならない。
クラウザーが敵を脚部怯みにする手段はナイフだけだが、敵に近付いて脚を斬るのはリスクが高すぎるし、
時間も手間もかかり過ぎるのでスコア稼ぎにも使えず、「使う意味がない」という結論にならざるを得ない
一応ザコ相手には即死技ではあるが、アーチェリーでヘッドショットすれば高確率でクリティカル(即死)だし、
矢が無い場合でさえ、複数の敵を吹っ飛ばせる「蹴り」を出すため頭を斬る方が賢明な選択肢と言える。
中ボス戦に使おうにもチェーンソー姉妹には専用仕様で耐えられ、他の中ボスには発動自体ができないので威力を活かす機会もない……。
あと、「毒針」という名前だが、前述の通りただの膝蹴りなので別に敵を毒状態にする効果なども無い。
というか、この場合の「毒針」は文字通りの意味ではなく、プロレスの「毒針エルボー(エルボー・ドロップ)」と同じ用法と考えるのが自然だろう。
また、脚部攻撃で怯む確率は100%ではないので、クラウザーに限らず脚部怯み始動の体術は使い勝手が悪い。

『ザ・マーセナリーズ3D』では上述の通りハンドガンやサブマシンガンが使用可能になっており、
脚部怯みの発生確率も100%に向上したので、毒針の使いやすさも増している。


最終更新:2024年04月19日 14:24