悪魔将軍


分類:悪魔超人
出身:天上界
身長:220cm
体重:162kg
超人強度:1500万パワー
年齢:無始無終
必殺技:地獄の断頭台、地獄の九所封じ、地獄のメリーゴーラウンド等
異名:幽霊超人、悪魔超人界に君臨する魔王、悪魔超人最後の刺客、恐怖の将

「力はサンシャイン、テクニックはザ・ニンジャ、残虐性はジャンクマン、
 宇宙的レスリングはプラネットマン、ボディの強靭さはスニゲーター、
 そしてその実体は……

  悪魔超人最後の刺客、悪魔将軍!!」

+ 担当声優
北川米彦
1983年アニメ版、『超人大全集』(『キングオブデビル(悪魔将軍のテーマ)』)、『CRぱちんこキン肉マン』
柴田秀勝
『ニューヨーク危機一髪!』
稲田徹
『ジェネレーションズ』シリーズ、『マッスルグランプリ』シリーズ

ゆでたまご氏の漫画『キン肉マン』に登場した超人の一人で、アシュラマンなどの悪魔六騎士を束ねる首領。
また、設定上はバッファローマンを始めとする七人の悪魔超人を含む、全ての悪魔超人の頂点に立つ存在である。
部下であるアシュラマンが魔界のプリンス(王族)なので実は部下より格下では?とはたまにネタにされる。
『キン肉マン 77の謎』では魔界の王とは正義超人で言えばキン肉真弓ぐらいの地位であり正体が後述の悪魔将軍より下との事
(ちなみにアシュラマン自身はその結論自体は肯定しつつ自分の父と真弓を一緒にされて憤慨していた)。
超人強度は1000万パワー……と言われていたが実は1500万パワー。
漫画中で1000万パワーと明言されているが、後述のようにストーリー上修正が効かない部分なのでそのままにしてあるだけで、
設定上は前述の1500万パワーである*1。さらに劇場版では2000万パワー。
頭以外の肉体を持たず、アシュラマン達悪魔騎士が融合し鎧を形成する事で肉体の代わりとし、
ボディの硬度も硬度0の柔らかいスネークボディから硬度10のダイヤモンドボディ*2まで自由に変えられる。
悪魔騎士であるサンシャインの力、ザ・ニンジャのテクニック、プラネットマンのスピード、*3
ジャンクマン(ロックマンに同名のキャラがいるが無関係)の残虐性、スニゲーターの強靭さを全て併せ持つ。
さらにキン肉マンに敗北したアシュラマンを処刑し、その肉体を取り込んだ事でさらにパワーアップしてキン肉マンとの試合に臨んだ。

その正体はかつて天上界に君臨していた戦いの神「ゴールドマン」*4
戦いは攻撃重視と考えており、守り重視の弟シルバーマンと共に天上界で名を馳せていた。
しかし、ある子供が発した「ゴールドマンとシルバーマンどちらが強いの?」という何気ない一言を切っ掛けにシルバーマンと対立、
お互いに一歩も譲らぬ戦いを繰り広げ、これを問題視した他の神々が遣わした裁きの神ジャスティス(notスタンドギア)の元、
決闘の末に互いの首を切り落としてしまう。
死後黄金のマスクとして神殿に祭られていたが、兄である自分が弟と相討ちに終わった結果に納得がいかず、
大魔王サタンと手を組み悪魔将軍となった。

原作では赤と紫色、アニメ版・ゲーム版では全身銀色(後述する連載再開後の登場時にはこちらのカラーリングになった)の鎧に包まれているが、
肉体が既に無いので鎧の中は完全な空洞。
それゆえにあらゆる攻撃を受けても痛みを感じず耐え切り、頭一つ分のスペースがあればいかなる技もすり抜けるため、
ヘッドロック等関節技や絞め技が極まらない。
ボディの硬度と相まって、この宇宙に存在するいかなる技をも受け付けないのである。

「バッファローマンよ!この宇宙にあるすべての技に
 わたしはたえることができるのだ!!」

初登場時、盟友であったジェロニモを傷付けられ怒ったキン肉マンに必殺技を放ち重傷を負わせるも、
彼の火事場のクソ力の前に片膝をつかされる。
死んだはずのバッファローマンを蘇生させてキン肉マン対アシュラマン戦のセコンドに付かせるが、
然程役に立たずむしろキン肉マン側に味方するような行動を取っていたた上に、
試合後には「悪魔になるのは一度だけ」と突如ヅラを取る奇行に走り正義超人側に寝返られる。
そしてキン肉マンがキン肉バスターに代わる新必殺技を開発する時間を稼ぐためにバッファローマンが挑んでくるが、
これを完膚なきまでに叩きのめす。
その直後にキン肉ドライバーを完成させて戻ってきたキン肉マンが現れ、最後の死闘を繰り広げる。

「戦いを通して真の友情が得られる……
 そんな甘い正義心が この男をこのような姿にしてしまった!!

  戦いの結末は生か死だけだ!!」

7人の悪魔超人、黄金のマスクの2編にわたる大ボスだけあって実力は凄まじい。
対戦時点で一度も披露されていないキン肉ドライバーを特訓後のボロボロの肉体を見ただけでどんな技か見切ったと豪語し
(アシュラマン戦の最後の変形ツームストーンドライバーがその原型というヒントはあったが)、
事実、試合開始後執拗にキン肉ドライバーをかけようとするキン肉マンの攻めをことごとく防ぎ切り、
試合の最後にしかキン肉ドライバーの直撃を食らう事は無かった。
ミキサー大帝ゼブラ、サタンクロスと、キン肉ドライバーを破った超人は他にもいるのだが、
ゼブラ以外は実力で破ったとは言い難く、そもそも かけられた技を破る のではなく 技自体にかからない という、
シンプルだが高難度な対処法をとったのは悪魔将軍だけである
(ちなみに試合中盤ようやくキン肉ドライバーを仕掛けるのに成功するのだが、
 リングに激突する前にあっさりスネークボディで脱出された上に地獄の九所封じによる逆襲を食らう羽目になった)。
このキン肉マンの無謀な攻めは、痛みを感じない事を逆手に取って将軍の膝を壊す事を狙った二段構えの攻めだったのだが、
膝を壊された状態からも難なく切り返した上に奇妙なポーズ(一部媒体ではヨガポーズ)であっさりと膝の故障を直してしまう。
その後も硬度10のダイヤモンドボディや逆に硬度0のスネークボディでの変幻自在の攻めを展開し、
ボディを粉砕されても無数のダイヤモンドの飛礫で攻撃した上に(一部媒体では「ダイヤモンドダスト」)、鎧を再形成して復活、
正義超人達をリング下にワープさせてリングを支えさせキン肉マンを精神的にも攻め、地獄の九所封じで半死半生にまで追い詰める。
だが、何度倒れても火事場のクソ力で立ち上がるキン肉マンの姿や、死してなお友を支える友情パワーを見せられ続け、
信じていた悪を疑った事で肉体が蘇ってしまう。
六騎士に自らの肉体を引き千切らせて凌ぐも、悪魔将軍と超人強度が同じ1000万パワー*5のバッファローマンがマスクを被り、
将軍の「実体」となった事で「キン肉ドライバー」を決められ敗北。
その後、黄金のマスクは改心し、シルバーマンの銀のマスクと合体して完全のマスクとなり、傷付いた超人達を復活させた。
以前に切断出術を行い、義足となっていたテリーマンの左足もこの時完治している。
ただし『77の謎』では「義足がくっついて本当の足と同じように動いています」だったり、
同じページで「永遠のパワーのときに元に戻ったかもしれません」と言ってたりと曖昧な書き方で、
後にやっぱり義足だった事になったけど。

+ 劇場版作品では
劇場版作品では五作目『晴れ姿!正義超人』において、「朱天童子」(CV:飯塚昭三)という、
悪魔将軍の先祖を名乗る人物が登場しており、これまた得意技として地獄の断頭台を使用していた。
また、六作目『ニューヨーク危機一髪!』では本人が作品のボスキャラとして再登場する。
これまでの劇場版作品では古代超人やかくれ超人など必ず劇場版限定のオリジナル超人が登場していたため、正に異例の待遇である。

キン肉マンに敗れ去った悪魔超人は怨念の状態で宇宙に漂っており、
スペースシャトルや宇宙ステーションを襲ってエネルギーを蓄えていたが、
やはり悪魔六騎士を失った代償は大きく、体を構成し、再び超人界に殴り込みをかけるだけのパワーは中々溜まらなかった。
そんな最中、大都市ニューヨークの大都会パワーに注目し、黒いガス状になってニューヨークを襲撃、
その場にいた人達のエネルギー(二階堂マリやキン骨マンらも含む)や、
キン肉マンを除く8人の正義超人を吸収し、遂に完全復活を遂げた。

見た目も黒く不気味な姿になり、超人強度も2000万にパワーアップ。オマケにもう一段階の変身も可能になっている。
腹を壊して遅刻したせいで難を逃れたキン肉マンと、4つのビルの上空にかけられたリングで「摩天楼デスマッチ」を行った。
作中描写を見るに、ダイヤモンドボディやスネークボディは失われてしまったようで、普通にキン肉マンの打撃技を受けていたが、
新たに「エンパイアステートボンバー」や「地獄のミュージカル」といった大都会パワーを使用した新技を会得している他
「カーフ・ブランディング」や「タワーブリッジ」「パロ・スペシャル」に「ハリケーンミキサー」、
更に「ベルリンの赤い雨」や「アパッチの雄叫び」、そして「レッグラリアート」に「ルービックキューブ張り手」と、
吸収した8人の正義超人の得意技をも使いこなす。
正に「正義超人全員と悪魔将軍を一遍に敵に回した」と言える状態となっている。

しかし、何度倒されても復活するキン肉マンの友情パワーの前に、
ニューヨークの魂である「ビッグアップル」が自力で復活し援護した他、
それに感銘を受けた悪魔将軍の内部の正義超人達が、決死の覚悟でキン肉マンにパワーを与える事で一気に形勢が逆転。
最後は48の殺人技 No.3風林火山を決めてからのキン肉ドライバー、そしてそのままリングをブチ破り、
超上空から地面に叩き付けるキン肉バスターというキン肉マンの必殺技3連続による超豪華なコンボを喰らい、遂に完全消滅。
大都会パワーと人々のエネルギーは再び取り戻されたのであった。

…元々ゴールドマンで最後は改心したんじゃなかったんかいとか言わない。
作中ではゴールドマンについては一切語られておらず、本作の悪魔将軍は純粋にサタンそのものなのかもしれない。
余談だが、劇場版の雰囲気に合わせてか、もしくは大都会パワーを吸収したせいか、
これまでに比べてコミカルなシーンも多く見せている
(一応、原作漫画でも悪魔将軍は結構コミカルな場面もあった。特にパイプ椅子による凶器攻撃は長らく語り草になっているほど)。*6

+ 『キン肉マンII世』では
続く『キン肉マンII世』でも、ミートの肉体に憑依して復活しようと企む恐怖の将として登場。
ダイヤモンドボディの設定が、文字通り「ジェネラル・ストーン」の身体を持つ事になり、
「ジェネラル・ストーン」を人間に恨みを持つダメ超人や老いたアシュラマンに与え、
新世代の悪魔超人「悪魔種子」を生み出して正義超人界を襲撃させる。
ミートの体をバラバラにする所は前作の「七人の悪魔超人」編、6人の悪魔超人と戦う構成は「悪魔騎士」編を彷彿とさせる展開。
そして最後の悪魔種子である、悪魔将軍の力で若返ったアシュラマンが万太郎に倒され、いよいよ悪魔将軍登場かと思われたが……。

「バゴア バゴア」

いきなり意味不明の奇声をあげつつ頭部以外復活。万太郎達が取り戻したはずのミートの肉体を奪い取り、
約束を反故にされた正義超人の抗議を(何故かべらんめえ口調で)嘲笑いながらその頭脳も手にせんと迫るが、
悪魔超人としての格闘哲学を巡ってアシュラマンにすら反発され、最後は復活を阻止されて 戦闘しないまま封印された。
前作の最強最大の悪役ぶりから一転、一体何が起きたのかと読者を落胆させた。
ちなみに回想シーンではアシュラマンが大魔王サタンに向かって「将軍様」と呼びかける場面が存在している。
また、新世代超人達は親世代から『黄金のマスク編』を「悪魔将軍が超人パワーをさらに増すために黄金のマスクを奪った」と聞いていたらしい。
つまり前作の偉大な悪魔将軍はあくまでも闘争の神ゴールドマンであって、
今度のバゴア将軍は大魔王サタンそのもので、前のゴールドマン将軍とは別人とも考えられるが、明確な描写・説明はされてはいない。

また他の悪魔六騎士達と同じ写真に映っているなど、融合して生まれたはずの設定も何故か曖昧になってしまった。
……だが、サンシャインが肌身離さず持っていた悪魔超人集合写真はファン感涙の一コマである。
本気でアシュラマン勝ってもいいよと思ったファンもいたほど。

なお、件の大魔王サタン本人も『究極の超人タッグ編』にて劇中で姿を見せている。
……まぁ、時間超人と完璧超人に利用された挙句、用が済んだら速攻で片付けられるという酷い扱いだったが。
やはりゴールドマンやミートのような依り代抜きでは駄目だったのか。

+ 『完璧超人始祖編』では
『完璧超人始祖編』では、表で7人の悪魔超人達が「あのお方」の命により無量大数軍と奮闘する。
一応伏せられてはいたが、その正体は全読者にバレバレであった。
…が、その上でなおストーリーの節目において連載再開後初の2ページ見開きで堂々と超人墓場進軍を宣言した姿は興奮必至である。
上記の事情があるため、初期からバレバレではあるが見開きの次の回でゴールドマンの名が出るまで無量大数軍の中心人物と、
7人の悪魔超人が「あのお方」に触れる度に誰を指して言っているのか読者にも分からないという珍現象も起きたが

前述の通り7人の悪魔超人を陽動で無量大数軍と闘わせる一方で、完璧超人達の本拠地のある超人墓場に侵入。
そこで彼(ゴールドマン)が完璧超人達の始祖(オリジン)の1人“完璧・壱式”であった過去が判明。
理想を重んじるあまり歪んでしまったかつての恩人・超人閻魔を止めるため、
自身と弟を除く残り8人の始祖を抹殺するために行動を開始。
始祖2人を貫禄を見せて圧倒し、部下の6騎士の超人墓場への進入経路を開いた後、一足早く深部へ乗り込んでいった。
+ 完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)の解説
「宇宙超人タッグトーナメント編」で登場した勢力。
完璧(パーフェクト)超人の最上位の存在であり、超人墓場を本拠地にしている。

太古の昔、超人が争いを繰り返し戦争の絶えない世界を作り出した時代があり、
その惨状を嘆いた神々が全ての超人を滅ぼし世界をリセットしようとした時に、1人の神ザ・マンが、
どうしようもない奴は殺すのも仕方ないが、世界を変えようと努力する正しい心を持つ者まで巻き込むのはいかがなものか
と反対し、一部の超人を救う事を提案。神が超人に直接干渉する事は本来御法度であったのだが、
ザ・マンは神の座を降りて一超人となってまで、自ら選んだ10人の超人を救った。
その10人こそが、世界で初の完璧超人であり、超人墓場の管理者「超人閻魔」となったザ・マンと共に、
争いの無い完璧な世界を作るべく、世界を管理するようになった。
そして、何を隠そう後の悪魔将軍であるゴールドマンと、その弟であるシルバーマンこそが、
その10人の中で真っ先に選ばれた壱式、弐式なのである。

だが、この兄弟は長い年月を経て「完璧」「秩序の形成」という言葉を錦の御旗に、
間接的にだがこの世を管理し留め置こうとして、変化を許さず、超人墓場のシステムなどを作り、
一般の超人を魂さえも管理するようになった超人閻魔を見限り、始祖の座を捨て、
地上で自ら超人達の指導にあたるようになったらしい。
つまり、ゴールドマン&シルバーマン兄弟は、本来は神に最も近い完璧超人であり、
彼らが地上に下りてからの功績を地上の超人が称えた結果、神として祀られた……というのが真相である。

旧作で語られた兄弟喧嘩も長い年月の間に脚色された神話であり、
史実では出奔後に地上の超人を育てる方針で対立していた兄弟を見かねた超人閻魔が始祖の1人・ジャスティスマンを派遣し、
「双方が超人墓場に戻るか、兄弟どちらかの首を差し出せば手を引く」と通告する。
だが、兄弟はあくまで自分達のやり方を貫く事を選び、負けた方の首を差し出すと双方が同意した上で、
自分の手から生やした剣(地獄のメリーゴーランドで使うアレ)で決闘を行い、その結果として両方が死んでしまった。
この時ゴールドマンは「私達兄弟と始祖とは越えられぬ溝がある」と断言するなど、自分と同じ可能性を見たシルバーマンに一定の評価は持っていた。
超人育成の方針は違えど、旧作において「喧嘩前は仲が良かった」と語られているのは、あながち嘘ではないのかもしれない。

なお、地に降りた後ゴールドマンは上記の通り悪魔将軍と名を変え力による覇道を唱え悪魔超人軍を興し、
逆にシルバーマンは友情や和を重視する正義超人の派閥を興したのだが、
公式ファンブック『超人閻魔帳』によると、ゴールドマンが神として祀られる前の生前の事だったらしい。
何故それで正義超人に祀られたのかという疑問ができるが、力に支配された道とはいえ原初の超人界に新たな道を開いた事が功績なのだろうか?
その後、とうとう普通の超人の枠を超えた力を持つ「イレギュラー」な超人を、
危険分子とみなして粛清する事を決定するにまで至ってしまった超人閻魔達を逆に葬り去るべく動き出したのが、
完璧超人始祖編のストーリーである。

また、後にシルバーマンは実は最初はゴールドマンを連れ戻すために地上に降り、彼と語らう中で変心した、
という事実が語られ、弟よりも先見の明があった事が判明した。
あとゴールドマンがいかり肩の上半身アーマーだけを纏ったなんとも微妙な姿も見せた
ついでにゴールドマン単体で悪魔将軍である事が判明した事で、
過去にバッファローマンに稽古を付けていた件や『II世』で見せた集合写真の謎は解けた。
が、ゴールドマン=悪魔超人軍の始祖となると今度はサタンが一体何した人なのかが謎になっている
そして次シリーズである『オメガ・ケンタウリの六鎗客』にて、
かつての悪魔将軍はサタンがゴールドマンの自我を奪っていた事がかなりあっさり明かされた。

ちなみに上記悪魔将軍の活躍を収録したコミックス第46巻だが、1巻丸々キン肉マンの出番は無い
(ついでに次巻47巻も悪魔六騎士と完璧超人始祖との対決が中心だったりするので、第45~46巻の次巻予告では出番が無い事を嘆くキン肉マンの姿が)。
というかカバーも始祖編のストーリーの中心人物も悪魔将軍様である。
ついでに将軍様の台詞も作画も思いっきり気合が入りまくっていてそこにいるだけでカリスマに満ち溢れるほどである

もうタイトルも『悪魔将軍』に変えてもいいんじゃないかな
キン肉マン(=友情パワー=火事場のクソ力)については、
「シルバーマンの方針に先を越された証拠で目障りだが、これこそ嘗ての師が自分達に求めていた力」
と考えており、その師が率先してキン肉マンの粛清に来た事には反対している。
だからと言って正義超人に味方している訳でもヒーローとして戦っている訳でも無く、
ただ純粋に道を違えた超人閻魔を討つと言ったものであり、正に「神と戦う悪魔」だと言える。

ちなみにキン肉マンとネメシスの試合の途中で火事場のクソ力を使ったキン肉ドライバーを見て、
「なかなか懐かしいものを見せてくれる、なぁバッファローマンよ」と、
自分が喰らう原因になったバッファローマンに話題を振るというお茶目な面も見せた。

悪魔騎士や正義超人の活躍、さらにシルバーマンまで戦いに駆け付ける総力戦の末に完璧超人始祖が全員倒れると、
かつてザ・マンが作った「始祖達全員が超人達の育成は成し遂げられたと認めた時に、祭壇にダンベルを填めて全員消滅する」という装置を使い、
自分もろとも超人閻魔の消滅を試みるが、始祖の一人サイコマンが仲間達を救うため消滅のエネルギーを全て引き受けるよう改造していたため、
悪魔将軍、超人閻魔の両者とも生き残る。

キン肉マンとネメシスの対戦を見届けた後に超人閻魔と直接対決。
完璧超人始祖たちの力をも超える超人閻魔の圧倒的な強さに苦戦を強いられ、地獄の九所封じや地獄の断頭台まで破られてしまう。
しかし、本来感情を持たぬ完璧超人始祖であった彼が対ザ・マン限定で発動した友情パワーにより、
ザ・マンより学んだ硬度10ダイヤモンドパワーをさらに強化し、「硬度10# ロンズデーライトパワー」を発動。
遂に超人閻魔の力を上回り、かつては未完成であった最強の必殺技、「完璧・壱式奥義 神威の断頭台」で決着を付ける。
敗れた超人閻魔はザ・マンであった時の心を思い出すも、戦いの決着として死を望み、悪魔将軍も止めを刺そうとするが、キン肉マンが殺害を阻止。
キン肉マンの懸命の説得を受け入れ、その場での殺害ではなく不老不死の廃止という形で、
両者の運命を「永遠に続くものではなく、いつか終わるもの」として決着を付けた。
そしてキン肉マンに、いつか悪魔超人からの挑戦がある事を示唆すると、悪魔超人達を率いて撤収。
その凱旋の姿は、戦いの中で散っていった多くの悪魔超人達の魂が共にある事を示していた。


主たる必殺技は地獄の九所封じ
超人の持っている9か所の急所(背中、両腕、両足、脳天、腹、手のひら、首)を封じる9種類の技で、
まずはその一の大雪山おとしで背中の急所を封じ、次にその二とその三のスピン・ダブルアーム・ソルトで両腕を連続で攻める。
更にその四とその五のダブル・ニー・クラッシャーで両足を粉砕し、その六のカブト割りで脳天を打ち、
流れるようにその七のストマック・クラッシュで腹の急所を破る。
そしてその八の握手で手のひらの超人の思考能力を司るツボに触れて思考力を奪い、最後にラストワンとして地獄の断頭台を決める。
アニメ版ではその二がスーパー・スピン、その三がダブルアーム・ソルトと明確に分けられた他、
その四が後述の地獄のメリーゴーラウンドのモーションで突進する「地獄のサイクロン」に変わっている。
また、警戒を解くニセの九所封じ(偽その八のパイル・ドライバーと偽その九の超人圧搾機)もある。

中でも強力かつ代表的なのは首を攻める「地獄の断頭台」で、ダブルアームスープレックスの姿勢から
高速回転で上空に投げ飛ばして逆さになった相手の首に自分の膝を落とし、そのまま叩き付ける技。
前述の地獄の九所封じのラストワンでもあるが、単体でもよく使用され、まさに悪魔将軍の代名詞的必殺技でもある。
並の人間の数百倍は頑丈であろう超人たちの首をへし折り葬ってきた物凄い技で、威力が半減した状態でも
キン肉マンを仮死状態に追い込み、試合後も一ヶ月の間40度の高熱に魘される後遺症も残り、今でも傷が残りトラウマになるほど強烈。
『II世』時点でも悪魔将軍の右脚が出現した途端、地獄の断頭台だけを警戒してそれまでの的確な助言ができなくなり周囲の不信を買ってしまうほど。
また息子の万太郎はアシュラマンが使用した不完全な地獄の断頭台にも拘わらず、その威力で半死半生の状態に陥っている。
ちなみに上記の不完全は 悪魔将軍から右脚を借りただけ の状態の事であり、全身十全の状態の悪魔将軍が使ったわけではない。
結果的にこの中途半端な状態の技である事が元で破られる事となる(もし悪魔将軍が使ったならば返せなかったとの事)。
この様にキン肉マン親子が揃って強烈な恐怖を叩き込まれた技となっている。

これ以外にも両手に剣を生やして前方宙返りで突進する「地獄のメリーゴーラウンド」や、
片手のアイアンクローだけでバッファローマンの巨体を軽々と持ち上げる「魔のショーグン・クロー」、
そこからリングに投げ降ろして脳天を叩き付ける「地獄の超特急」、
ロメロスペシャルの状態で高速回転して相手を空高く投げ飛ばす「地獄風車」、
うつぶせに倒れている相手めがけて強力な頭突きをかます「肉弾急降下爆撃」、
軟体を活かして自らの肉体で相手の頭を締め上げて破壊する「スカルクラッシュ」など、強力なものばかり。
オマケに、体が悪魔六騎士で構成されている関係で一時的に六騎士に分離したり、体から六騎士の腕を生やすなどの芸当も可能。

更に、触れた物をダイヤモンドに変える「ダイヤの汗」や、霊体を視認する事ができる「将軍透視(デビルスコープ)」を所持するなど、
アニメやゲームのオリジナル技を含め、試合数の少ない敵キャラクターとしては破格の技数を誇っている。
ゲーム作品では技数の都合で実際のプロレス技(作中で使用していない技)を使うキャラクターが多い中、
悪魔将軍はほとんどが劇中で使用した技である所からも技の豊富さが窺える。

完璧超人始祖編ではさらに上位の技も披露し、対ザ・マン限定の力とは言え、これまでの最強をさらに超越する新たな力を見せてくれた。

ゲームでは悪魔将軍の地獄の断頭台とザ・マンの完武・兜砕きを組み合わせたタッグ技「師弟の断兜台」が登場している。
待ってくださいザ・マン! 正気ですか?

前述のように『キン肉マン』において最強の超人と言われており、
キン肉マンスーパーフェニックスやマンモスマンと並ぶ最強の敵にも挙げられる程
(そればかりか、フリーザDIOラオウ戸愚呂(弟)志々雄真実etc…に並ぶジャンプの巨悪キャラと讃えられる事も)。
黒星こそ付けられなかったが、キン肉マンを最も苦しめた超人である。*7
多くの場合、「キン肉マン」の戦いは相手の必殺技を返し打ち破る事で勝利するパターンが非常に多いが、
代表技である地獄の断頭台は作中では正攻法では一切破られておらず、 喰らってしまったら自力ではほぼどうしようもない技 であり、
キン肉マンが耐えられたのも 偶然 片手がロープに当たって威力が減殺できたからと本人から言われている
(なお師であるザ・マンは神威の断頭台に移行する直前の地獄の断頭台を自力で突破しかけていた)。

相手の不調などの要因がなければ、それこそ「火事場のクソ力」で無理矢理耐えるしかない痛烈さで、
これでもなお試合後に後遺症が残る程のダメージを与える。
また、防御方面でも前述のダイヤモンドボディとスネークボディの使い分けや、ヨガポーズによる傷の回復などほぼ隙が無く、
肉体が蘇るというアクシデントやバッファローマンの捨て身の行動、そして黄金のマスクの改心が無ければ、
冗談抜きで一切勝てなかったではないかとすら言われる、正に強敵として有り余る説得力を持った敵なのである。
作中の中盤に登場し、物語が進むに連れて自身よりも高い超人強度を持つ者が多数登場したにも拘らず、
その圧倒的な戦闘能力・悪役としての威厳・終始キン肉マンを苦戦させた数々の技などで読者に強いインパクトを与え、
連載終了まで悪役としての「格」を全く落とさなかったジャンプ漫画に置いて稀有な存在と言える。
II世でやらかしたものの完璧超人始祖編ではまさに第二の主役と言える活躍、圧倒的な強さを見せ付け、
なんと 味方についた前ボスが新シリーズのラスボスを撃破 という偉業を成し遂げた
(それでいて本来の主人公キン肉マンの株も落とさない、見事な作品展開であった)。

後のシリーズで、アシュラマン達が再現した悪魔将軍の肉体の一部を見ただけでキン肉マンが怯えて逃げ出してしまう事もあった。
ロビンマスク、ブラックホール、アシュラマン…と、キン肉マンと二度戦った超人は他にもいるが、
キン肉マンが戦意を喪失するほどのトラウマを残したのは悪魔将軍と自身を秒殺したカメハメの必殺技「バックフィリップ」のみである
(ダメ超人時代とは桁違いの実力を得たためか、カメハメ本人に対しては闘志満々で向かっていっている)。
多くの超人達がかつては残虐さや非道さを持ちながらも、
キン肉マン達と戦う事で「正義」や「純粋に闘いを楽しむ心」に目覚めていったのだが、
悪魔将軍は最後まで冷血非道の悪の集大成で通しており(黄金のマスク自体は改心)、
最強の敵として幾度も名前や姿が登場し、特別な存在である事が示されている。
しかし作者によれば、(直前のアシュラマン戦の反響が凄かったのに比べ)
苦労して生み出したキャラクターにも拘らず連載当時の読者からの反応はあまりなかったという。
連載から20年以上経ち、当時の読者から直接評判を聞く事でようやく人気を実感したそうな。

ちなみに、ジャンプ連載時に初登場した時は現在とデザインが異なっており、次週で現在のデザインに修正された経緯を持つ。
ゆでたまご氏曰く、読者応募の超人を元にデザインしてみたが、どうにもカッコ悪いから描き直したとの事。
単行本などの再収録での初登場シーンは現在のデザインに修正されている。
+ 修正前の姿

超人大全集(キャラクターソング集)に収録されている悪魔将軍のテーマ。
歌うのは我らが水木一郎兄貴で迫力・貫禄共に充分。


「キン肉マンだと…フン!悪魔将軍である私が、正義超人というものを認めたことはない。
 わたしの認めぬ超人たち…それはこの宇宙に、存在することさえあってはならんのだ!」


MUGENにおける悪魔将軍

メガルギッシュ氏による手描きのものが存在。無限ロダで公開されていた(現在は閉鎖に伴い入手不可)。
ボス性能の投げキャラをイメージして作られたもので、能力値も若干高め。
ライフは3000に設定されているが、通常時は1000に低下した状態からスタートする。
技の種類も豊富で、ダウン時追撃用の技や、六騎士をストライカーとして呼びだすものまで多種多様。
でも、裏切られたり味方に当たったりするものもあるのでご注意を。

カラーによって性能が変化し、1~6Pはある程度自重した性能になっているが、
7~12Pはボスモードで、ラウンド数で体力や技性能が変化する。
1ラウンド目はライフ1000で、飛び道具を無効するがまだ苦戦はしない。
しかし2ラウンド目ではライフが3000になり技性能も向上する。AIも強化されるのでより凶悪に。
3ラウンド目以降はライフ2000になり、残りライフによって性能が変化する。
残りライフ1500以上だと飛び道具だけでなく投げも無効化する極悪性能だが、減らしていくと投げ無効が消え、
500以下になると焦り出して飛び道具も効くようになる。

ボスモード時かつ2ラウンド時以降にしか使えない技もあり、足元がダイヤモンド化して技の威力を上げる「ダイヤモンドの汗」や、
より限定された状況下でのみ使用可能な「地獄の九所封じ」などがそれ。
後者は9ゲージ使用かつ、技の特定のタイミングでコマンド入力し繋げていくコンボ技で、
演出がやたら長く入力失敗時にはペナルティがある。
9ゲージ無くても使用できるが、技の途中で詰む上にペナルティもあるので使用は非推奨。

ちなみに、技の一つ「地獄の断頭台」には専用のアニメーションを設定する事ができる。
8905番に画像を登録する事で可能なので、興味のある人はやってみるといいかもしれない。

また、ですからー氏製作のアストロに彼のボイスが使用されている。



出場大会



*1
しかし、悪魔将軍との戦いにおいて将軍が本気を出したと思しき場面でテリーマンが、
「気をつけろ、キン肉マン!ヤツは今までの2倍、3倍、いや6倍パワーアップしているぞ!」という解説をしてくれている。
これが本当だとすると悪魔将軍の本気の超人強度は1500万パワーを基準にすると9000万となり、
邪悪の神から力を与えられ1億パワーとなった運命の5王子、神から超人に降りて9999万パワーとなった超人閻魔を除けば
II世に登場する超人まで含めても最強となる。
ゴールドマンも神様だったのに1億パワーじゃないのはおかしい? 『完璧超人始祖編』で完璧超人だった事が後付け発覚したので多分それが理由。

以上の事を踏まえて考えると、各媒体において悪魔将軍の超人強度が異なる点もある程度は納得できるのではなかろうか。
ゆでだから考えるだけ無駄だと思うけど

*2
あまり知られていないが、文字通りダイヤモンドの体を持つ「ダイヤマン」も存在する。ただし本編未登場。
+ そんな彼のプロフィールはこちら。
超人強度:65万パワー
出身地:南アフリカ
特に目立った活躍はないが、ボディの硬さだけならあの悪魔将軍にも匹敵する!
それが唯一の自慢だったが、ある日将軍様に「硬度10は超人界で自分1人」と豪語されてしまった!
これが彼の人生最大の屈辱だったらしい…。
(『新世代超人(ニュージェネレーション)VS伝説超人(レジェンド)』キン消しモードより引用)

『完璧超人始祖編』では、彼らしき超人が過去に弱い者虐めをしていて完璧超人始祖に征伐された下等超人として回想に登場し、
“完璧・漆式”ガンマンの拳で首を圧し折られている。
また“完璧・拾式”サイコマンの回想では、無量大数軍の権利を剥奪されたネプチューンキングに付いていった手下の中にいる。

また、『夢の超人タッグ編』で登場した完璧超人ケンダマンも超人硬度10ダイヤモンドボディの持ち主である。
ケンダマンの超人硬度10+超人強度1500万パワーはある意味悪魔将軍と互角のスペックと言えなくもない。
ちなみにネプチューンマンもクロスボンバーを使用する際に「硬度10ダイアモンドアーム!」と叫んでいる。
ネプチューンマンのそれは一時的な物であるだろうが、数あるツープラトンの極致の一つである
クロスボンバーの威力を見れば納得いく設定である。
マグネット・パワーの存在が明らかになってからは「マグネット・パワー+」と叫んでいるが、
喧嘩ボンバーを使用した際にダイヤモンドアームを使っているため、両方を併用してクロスボンバーを放っていたのかもしれない。

+ 『完璧超人始祖編』におけるダイヤモンドパワーの話
“完璧・参式”ミラージュマンも左手のカレイドスコープドリルをダイヤモンドに変質させる能力を身に付け、
悪魔将軍に立ち向かったが、悪魔将軍はこれを余裕で受け止め、手刀一発でもぎ取った。
悪魔将軍曰く「こんなものはダイヤモンドパワーと呼べる代物ではない」との事で、同じダイヤモンドパワーでも大きな差があるようである。
本人や完璧超人始祖たちの台詞によればダイヤモンドパワーは元々師匠にあたるザ・マンの能力で、
ゴールドマンが初めてそれを学び取り、かつ互角まで高められたようだ。
ザ・マンはゴールドマンと硬度こそ互角なものの、素の身体能力の差があったため、ダイヤモンドパワー同士では悪魔将軍が当たり負けをしてしまっていた。

*3
最初に悪魔六騎士の悪魔将軍内での役割が提示された時はプラネットマンの担当は「スピード」だったのだが、
その後の悪魔将軍の台詞では上記の通り「宇宙的レスリング」になっている。
後に登場した五大邪悪神がそれぞれ司る五つの格闘のエッセンスの内「飛翔」を担当する部分なのだろう。
「飛翔」の他、「知性」がゴールドマン、「強力」がサンシャイン、「技巧」がザ・ニンジャ、「残虐」がジャンクマンという顔ぶれ。
……ボディの強靱さ、「耐久性」を司る邪悪神は居ないのか。防御関係は正義の神の中にシルバーマンがいるからか?

*4
『キン肉マンII世』で、過去に超人の神々が格闘場「ヘラクレスの掌」を建造。
続いて格闘場「ヘラクレスの足の裏」も建造してみたものの、
あまりのデザインの酷さのため封印したというアホなエピソードがある。
この「ヘラクレスの足の裏」を建造する神々の中に、在りし日のゴールドマンの姿が確認できる。……なにやってんだアンタ。

*5
この時の台詞は「たしか悪魔将軍のパワーは1000万パワー」となっている。
そのため、この設定の齟齬の解説をする時に「バッファローマンの勘違い」と言われてしまう事が多い。

なお、素体となるゴールドマンの超人強度は五大邪悪神と同じ一億パワーと推測される。
悪魔将軍となったために超人強度が激減したと考えられるのだが、
この漫画では超人強度=戦闘能力ではないので一概に弱体化したと言い切れるものではない。
ゆでたまご両先生は、ラスボスであるキン肉マンスーパーフェニックスより悪魔将軍の方が強い、
悪魔将軍が全ての超人の中で最強とインタビューで断言している。若い頃のカメハメが最強とかいう話はどこにいった
+ などと思っていたら
先にも述べた通り、『完璧超人始祖編』にて悪魔将軍ことゴールドマンとその弟シルバーマンは、
10人の完璧超人始祖メンバーである事が判明。
完璧超人になった際に神から超人になった男から不老不死の肉体を授かってこそいるものの、ゴールドマンも元々は一介の超人。
「超人強度は生まれた時から変わらない」の法則が超人から神になった場合にも適応されるとすれば、
悪魔将軍の超人強度が1億でないのも納得である。

*6
……チンケなのはどっちだと言わざるを得ない。

だが本人は硬度10ダイヤモンドパワーで殴ることができるので実は素手よりも手加減しているただのパフォーマンスだとか、
これは大魔王サタンによって理性を失った状態でやった事で悪いのは全部サタンのせいだとか、
後に完璧超人始祖という設定が加わったので完璧超人はいかなる場合においても凶器を使わないのが掟では無かったのかとか、
悪魔超人に転身したのでもう完璧超人時代の掟は関係無いとか、
この時は観客席はかなり遠くにあり、リングの周囲に都合良くパイプ椅子が置いてあった様子は無いのでこのパイプ椅子は天のダンベルを変化させた代物だとか、
数億年の間修行を重ねてきた悪魔将軍がたったの10年間でキン肉マンが対等な敵手に成長する事を見込んだ物凄い高評価だとか、
『II世』の時代で何故かべらんめぇ口調でバゴアバゴア言ってたのも実はキャラ崩壊でも何でもなく割と素だったんじゃないかとか、
とにかくネタがネタを呼んでいるシーンである。

*7
だが、後にキン肉マンが「最も苦手とする超人」として脳裏に浮かべたのは強敵・悪魔将軍ではなく、
師匠であるプリンス・カメハメであった。
全盛期のカメハメはゆで公認の最強超人なので格としては充分ではあるのだが、
「心理的に苦手としていた相手」としては意外な展開である。
地獄の断頭台のトラウマよりバック・フィリップのトラウマの方が強かったのだろうか。

もしも王位争奪編の最終盤で吐血するほど疲労し尽くし、火事場のクソ力を失っていたキン肉マンの前に、
カメハメではなく悪魔将軍が現れたら……と想像するのも恐ろしい話だが、
頭脳となるゴールドマン、肉体を形成する悪魔六騎士の内アシュラマンとザ・ニンジャが正義超人陣営に鞍替えしており
サンシャイン、ジャンクマン、スニゲーターはオメガマンにハントされて恨んでいただろうから、
キン肉マンじゃなくてフェニックス陣営に襲いかかる可能性があり、グダグダになったかもしれない。やっぱりカメハメで良かった


最終更新:2024年01月30日 00:11