カナディアンマン




 種別:正義超人
 出身:カナダ
 身長:265cm
 体重:218kg
 超人強度:100万パワー
 年齢:30歳
 主な必殺技:カナディアンバックブリーカー、永久凍土落とし、アトミック・ボムズ・アウェー
 タッグチーム:ビッグ・ボンバーズ

「チェ……キン肉マンのうすのろめ
 どうせ死ぬんなら黄金のマスクを取り返してから死にゃあよかったんだ!」

+ 担当声優
北川米彦
1983年アニメ版(10、88話)
岸野一彦
1983年アニメ版(68、70話)
戸谷公次
1983年アニメ版(85話)、『キン肉マンジェネレーションズ』

ゆでたまごの名作『キン肉マン』の登場キャラクター。
作品がまだ「対怪獣・対宇宙人の巨大ヒーローもの」だった頃からいるテリーマンは別格として、
「超人同士のレスリングもの」になってすぐの登場の、ロビンマスクと比肩しうる程のキャリアの最古参グループの一人。*1
カナダ国旗をモチーフとした怪力自慢の超人で、普段は木こりとして生活し、心身共に鍛えている。
七人の悪魔超人シリーズにおける正義超人の中では最高値だったウォーズマンと並ぶ超人強度100万パワーを誇る。*2
…のだが、その実体はキン肉マンを代表するかませ・ヘタレキャラである。
数字は同じ100万パワーでもウォーズマンとは鍛え方が違う!精根が違う!理想が違う!決意が違う!…無論、ダメな方向で
超人強度は『ドラゴンボール』の戦闘力とは異なり、超人強度が高い超人=強いとは限らないのである。*3
強いていうなら割り振り方で戦闘力に大きな差が出る、『ポケモン』の合計種族値に近いかもしれない。

連載初期には相等にヘタレだったキン肉マンを筆頭に、精神的に未熟な部分も多かった正義超人達が、
戦いの中で友情を深め成長していく一方で、登場回数を重ねても全く成長しなかったどころか、
次々と身の程を弁えない発言を繰り返していた(本頁に書いてある台詞を参照。作中で堂々と言い放っている)。
この事により、読者からの評価は「弱いくせにプライドと態度だけはデカい超人」になってしまった。

また、作中で登場期間が非常に長い割には戦績が対ロビンマスクの1戦1敗のみ。
『宇宙タッグトーナメント』でやっと二戦目が来るかと思ったら、アシュラマンに名指しで弱小超人呼ばわりされ、
逆上からの返す刀で下の画像の「地獄のコンビネーション」で瞬殺されて以降試合は長らく無かった。
そのため、読者に「口ばっかりデカい超人」というイメージをさらに強く植え付ける結果となった。

彼らの扱いに対しては見解が分かれる所であり、「連載の都合上の被害者」という同情的な声もあれば、
作中の言動と後述する『キン肉マンII世』での行動を含めて「自業自得である」という声も。

+ 読者公募超人
『キン肉マン』の連載開始直後、読者からは多くのファンレターが寄せられたが、
そのファンレターに対して、多忙によりゆでたまご氏が応えられない状態が続いた。
そこで当時の担当者が考えたのが、「読者から送られてきた怪獣を登場させる」という読者参加企画である。
後に怪獣退治から超人レスリングに路線が変更されるとその企画は「超人募集」として引き継がれる事となった。
この「超人募集」には膨大な数の応募があり、
応募されてきた葉書の重みで当時住んでいたアパートの床が抜けてしまった、という逸話があるほど。

読者が考えた超人はサブキャラに留まらず、メインキャラクターとして採用されるに至った超人も多い。
(主要キャラクターであるロビンマスクやラーメンマン等も読者応募による超人である)
上記のように、応募した超人がメインキャラクターに上り詰める事もあれば、
数ページも出番の無いような脇役超人として採用される事もあった。
マンモスマンにたった数コマで殺されてしまった「レオパルドン」等も読者応募超人であり、
その扱いには天と地ほどの差があった。
そして、このカナディアンマンもまた読者応募超人の一人なのである。

なお、トップ画像では斧を手に持っているが、決してそういう超人レスラーではなく、素手で闘っているのでご安心を
(恐らく、カナダのステレオタイプの一つである「木こり」を意識して描かれたと思われる)。
設定上では何気に身長が265cmもあり、バッファローマンやキン肉マンビッグボディよりも巨漢のはずなのだが、作中ではほとんど無視されている。
後年のフィギュア化やゲームでは設定をきちんと反映した結果、
相方のスペシャルマンが設定上小柄な事も相まって、まるで親子のような体格差になってしまっている。
+ 比較画像
両者の体格差に違和感を抱くコメ多数
あれ、ビッグボディより大きいはずじゃ…

後述のウルフマンの読み切り漫画での「いつの間にか倒されていた」という場面では、
カナディアンマンは肩の上に担がれ、スペシャルマンは脇に抱えられるという構図で二人の顔の位置を揃えつつ、身長差が描写されている。
また『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』では対戦相手のパイレートマンに体躯を褒められ、
また同時に参戦しているカレクック(200㎝)よりも一回り大きく描かれている。


経歴

+ 1979~1987年、『II世』
「第20回超人オリンピック編」では予選競技、「月までの往復マラソン」において、
1位のロビンマスク、2位のテリーマンに続く3位でゴールしている。
当然、上位8位までが本戦に出場できるため本戦に進出。一回戦で一位通過のロビンマスクと対戦する。
巨大化し後楽園球場を持ち上げて、先にリングインしていたロビンを球場ごと揺さぶるという、
観客の危険を顧みない超人らしい非常にインパクトのある奇襲攻撃を仕掛け、
応戦のため巨大化したロビン*4を得意技のカナディアンバックブリーカーで苦しめるが敗北。
その後は上野動物園でデートしている姿も見られるなど、この頃がカナディアンマンが最も輝いていた時代であった。

「第21回超人オリンピック編」の第3予選・新幹線アタック(東京駅から西に向かって新幹線を押す競技)
では小倉駅到達という好記録を残すが、最終予選で失格
その後のインタビューでは「10年前なら優勝できた」とのコメントを残している。
「超人レスリングはパワーの時代は終わった」と振り返るものの、
続く「7人の悪魔超人編」で思い切りパワー系超人のバッファローマンが登場するという間の悪さ。
以降ネプチューンマン、ビッグ・ザ・武道、マンモスマンと大型パワー系超人は連載終了まで登場し続けた……。
そして悪魔超人編でのキン肉マンのピンチに、かつて超人オリンピックで競い合った超人が続々と参戦するも、
カナディアンマンは観客として登場するだけで特に何もしなかった*5
ここから「アイドル超人とその他の雑魚正義超人」の区別が明確になっていき、
カナディアンマンは雑魚正義超人の代表格として何度も紙面に登場しては、
ある時は「著名な正義超人」としての立場からでかい口を叩き、直後に「アイドル超人ではない雑魚超人」として叩き潰されるという、
ヘタレ人生を本格的に歩み始める事になる。

「黄金のマスク編」では、他の正義超人と共にパワーを失い、銀のマスクが生み出した生命維持装置に入る。
スニゲーターを倒すが自らも死亡したキン肉マンに対し、上記の正義超人とは到底思えない台詞を吐いたばかりか、
その発言に「おめえらキン肉マンが戦っとる間そん中で文句いうとっただけじゃなかか!!」と正論を述べたジェロニモに対し、
「なにーこの若造め!」と生命維持装置の中から逆ギレするという情けなさ
(ゆで作品ではこのような発言も別段珍しい事ではないのだが)。
しかし自らの命でキン肉マンを救ったウルフマン(アニメ版ではリキシマン)の死に際して涙ながらに謝罪、改心する。

キン肉マン対プラネットマン戦では、プラネットマンによりキン肉マンの体に描かれたカナダを攻撃され、
老化するように萎んで行き死亡するが、その直後人面疽としてプラネットマンの股間の土星部分に出現。そこを攻撃しろ!
同じく心臓部に出現したウォーズマンの犠牲で、プラネットマンは撃破される。
試合後は人面疽に取り込まれた他の超人達と同じく、プラネットマンのパワーを奪って復活したはずなのだが、
キン肉マン達と共にウォーズマンを救いに彼の体内には飛び込まなかった
これは体内に行くのにロープを掴めるのが5人だけだった、という意味の分からない理由が一応あるのだが、
その後いつの間にか生命維持装置の中に戻っていたのは本当に意味が分からない
なおアニメ版ではこの辺の矛盾を解消するためか人面疽にはならなかった。
そしてキン肉マン対悪魔将軍戦ではリングを支える正義超人の一人として、スペシャルマン、委員長と共に最後まで踏ん張った。
…まぁ、この時カナディアンマンだけは後楽園球場を持ち上げるほどのパワーが戻っていたはずだけどな。
まぁ悪魔将軍の超人強度が1500万パワーと当時としては極大に高い相手だった為に支え切れなかったと、
超好意的な解釈が出来なくも無いが
ただし、ギャグメインだった作風が超人プロレス主体となっていく過程で、省みられなくなった、
あるいは無かった事になった設定(超人は巨大化できる、怪獣と戦っているなど)が多々あるため、
このときに彼の後楽園球場を持ち上げるパワーという設定が生きていたかは甚だ疑問である。





「夢の超人タッグ編」ではスペシャルマンとコンビを組み「ビッグ・ボンバーズ」として出場する。
しかしオープニングセレモニーに乱入してきたアシュラマン・サンシャインのはぐれ悪魔超人コンビに、
「弱体チームには大会参加をご遠慮ねがおうか!」「おまえたちに名誉なんてものがあったのか?」
挑発され、テリーマンが止めたにも拘らず激昂して襲いかかるも文字通り瞬殺された。
要するに、挑発に乗って自分達から手を出して返り討ちにあったのである。哀れビッグ・ボンバーズ。

その後は連載終了までカナディアンマンにモブキャラ以上の出番は特に無かった

週刊少年ジャンプ2008年29号の『キン肉マン』生誕29周年記念の特別読切「キン肉マンの結婚式!!」では、
結婚式にスペシャルマンと共にちゃっかり参加していた。*6

『キン肉マンII世』

ヘラクレス・ファクトリーの教官の一人として登場した。こんな奴でも
さらに息子のカナディアンボーイが登場する。
またスペシャルマンの息子、スペシャルマンJr.も登場するが、いつの間にか悪行超人アナコンダにすり替わられていた
カナディアンボーイと本物のスペシャルマンJr.は超人レスラー養成学校の最終試験まで到達できなかったらしい。
……二人には親父のようにならず、まっすぐに成長して欲しい所である。

アニメ版では赤・白ではなく緑・肌色という配色になっていた。
理由は不明だが、「国際色を排すため」「息子と色が被っているため」といった説がある。

『キン肉マンII世 究極の超人タッグ編』

万太郎達新世代超人が過去に戻る「究極の超人タッグ編」では、宇宙超人タッグトーナメントから帰国後、
スペシャルマンと共に故郷で「国賊」「国の恥」「へタレ」「国辱」と人々に罵られ、
しかも自分が経営するジムを暴徒によって破壊された事が明らかとなった。*7
後に単行本巻末の質問コーナーで語られた所によると、あまりに成績が悪いと教わった人間が恥だと感じて暴動を起こすらしい。
捲土重来を賭けて腹をくくり、究極の超人タッグトーナメント・スペシャルリザーブマッチに挑もうとするも、
その相手が時間超人ライトニング&サンダーの「世界五大厄(ファイブ・ディザスターズ)」と解ると、
「リスクが大きすぎる」「また今度と言う事で」と、途端に尻込みするというもはや貫禄の感すらあるヘタレぶりを披露。
結局ブロッケンJr.とジェロニモに出場権を譲り、千載一遇のチャンスを取り逃す。

その後、祖国からの非難を恐れるあまり故郷にも帰らず富士山の樹海で炭焼きでもやりながら隠遁生活を送ろうとしていた時、
キン肉万太郎のパートナーであるキン肉マングレートIIIの正体が人間である事を偶然小耳に挟む。
人間がリングに上がった場合は即座に失格となるため、「今の話は聞かなかった事にしよう」と言うスペシャルマンに対し、
とその正体を委員長に密告し本戦出場を狙うという、正に国辱としか言いようのないド外道っぷりを見せ付ける。
相棒であるはずのスペシャルマンに「馬鹿がー!」という罵声を浴びせて密告を強行する姿勢などから、
これまで以前にも増してカナディアンマンの人間性が疑われる結果となった。
が、流石に正義超人の風上にも置けぬ行為として制裁処置が下される事になってしまった。
具体的にどうなったのかは明示されないまま連載が終了。嗚呼、カナディアンマンはどこへ行く…。
なお、彼らが告発しようとしたグレートIIIの正体は記憶喪失により自分を人間だと思っていた超人だったので密告に特に意味は無かった。*8

+ 2011年以降

完璧超人始祖編

その後、王位争奪編の続きを描く連載が『キン肉マン』の題で再開された。
『完璧超人始祖編』では、キン肉マンは故郷・キン肉星の大王となり、
ロビンマスクらアイドル超人の殆どが療養中で不在という状況で押し寄せてきた完璧超人らを迎え撃つ事になる。
まず先陣を切ったジェロニモがパンチ一発で撃沈した後*9、今度は強敵を前に尻込みする事もなく果敢に立ち向かう。
+ 結果
2ページで倒された。

まあまだ頑張った方であろう。直後にテリーマンから「我が友」として一応フォローはされてるし。
ちなみに、この完璧超人<完裂>マックス・ラジアルの超人強度は4800万パワー。カナディアンマンの48倍勝てるわけがない。
でも95万パワーのテリーマンはこのマックス・ラジアルに辛くも勝利している事を考えると、ますますカナディアンマンの立場が無い…。

さらにウルフマンの引退を描いた読み切りにも登場。
+ そこでは
ウルフマンの断髪式に列席者として姿を見せ、ハサミも入れさせて貰えていたが、
再登場した時にはすでに倒されていた。

この時の相手は「以前からウルフマンと戦おうと思っていたのに引退してしまうので挑戦しに来た」という経緯で、
なんでカナスペがやられなきゃならんのか説明は無い。
断髪式に乱入という暴挙を制止しようとして返り討ちに遭ったんだろうか。

……と、ここまではやはり相も変わらずのヘタレぶりを晒していたカナディアンマン。
同じかませ超人であったウォーズマンやブロッケンJr.やザ・ニンジャが強敵を相手に勝利を挙げて汚名返上を果たしていく中で、
彼らとジェロニモは何の成長も見せずにいたが……。

オメガ・ケンタウリの六鎗客編


「捲土重来のチャンスは来たりーっ!」

『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』にて、前シリーズの主要キャラの大半が封印されてしまった状況で、
新たな敵「オメガ・ケンタウリの六鎗客」に一人で立ち向かうウルフマンの元に、
ティーパックマン、カレクック、ベンキマンと共に救援に駆け付け、
ウルフマンを含めた超人オリンピックファイナリスト正義の5本槍の一人として遂にメイン格で参戦した。

惨殺する事を宣言する六鎗客に尻込みする事なく、
この場にいないスペシャルマンに、「勝利してカナダ国旗を掲げてみせる」と決意を述べながら
自身と同等の体躯を誇る巨漢パイレートマンとの試合に臨んだ。


今までの不甲斐無い自分を恥じ、スペシャルマンと特訓の日々を重ねて格段に実力を増しており、見違えるような技の攻防や、
スペシャルマンの技「フットボールタックル」、新必殺技「リビルト・カナディアンバックブリーカー」を繰り出して健闘する。
また人格面でも大きく成長し、パイレートマンに対する言動以外にも、
先に戦ったティーパックマンの戦死に対して意気消沈しかけた他の3人に発破をかけ、その後もその敗北を馬鹿にする事も無かった。
このように心身ともに急激な成長ぶりを見せてくれたが、酷い評価の時期が長かったためか、
試合中に委員長や実況、更には煽り文からも「あのカナディアンマンが」等と読者の代弁と言わんばかりに色々言われていた。
上記の画像のかっこいい台詞も、元は実況に対する文句から始まった一連の流れの中での台詞である。

だが、彼が決意を固めてから1ヶ月の特訓だけでは、大きな実力差を埋めるまでには至らなかった。
力尽きたカナディアンマンは敵から降伏勧告を受けるが、
奇しくもかつて彼が支えていたキン肉マンが悪魔将軍に降伏を迫られた時とよく似た態度で拒絶。
共に捲土重来を誓ったスペシャルマンに詫びながら、必殺技「セントエルモスファイヤー」を受けて倒れ、死亡した。
その後は苦戦するウルフマンのもとに他の仲間達と共に魂となって激励し、ウルフマンの逆転勝利へと繋げた。
パワーの発動こそ見られなかったものの、立派な友情の戦士の一員となったのだ。

念願の初勝利にはならなかったものの、これまで見せなかった努力の跡や強い決意は敵方からも賞賛され、*10
これまでの「ヘタレ」「かませ」の汚名を雪ぐ事は叶ったと言えるだろう。
読者から密かに期待されていた、
「ちっカナディアンマンのうすのろ野郎 どうせならパイレートマンを倒してから死にゃあ良かったんだ」の罵声が飛び出すような雰囲気では無く、

むしろ「カナディアンマンよ、わしらはおまえがどんな決断をしようと恨みはせんぞーっ!」
「おまえは今までよく戦ってくれた、ありがとうよカナディアンマン!」の声の方が出そうな雰囲気となった

ついでに煽り文でと書いてカナディアンマンと読ませる愛称(言うまでもなくカナダ国旗、そして額の紋章から)が使用されるようになり、
大勢の何の罪も無い創作キャラクター達が楓(カナディアンマン)とネタにされるという一幕も……
(ニコニコMUGENwikiに載っているキャラクターの中では『月華の剣士』のが該当。ただでさえロックネタで弄られているというのに……)。

またパイレートマンの必殺技「セントエルモスファイヤー」は上下逆さにした相手と背中合わせになって、首に4の字固めを決める、
という技の過程から、股間にカナディアンマンの顔が覗くというプラネットマン戦を彷彿とさせる展開にもなった。

+ 加えて…
幕間として短期連載された「ディープオブマッスル特別編」ではカナディアンマン本人は登場しなかったが、
ステカセキングがカナディアンマンのカセットをセットしたことで教官であるス二ゲーターに
「変身ってのは相手をビビらせるためにやるものなんだ!それをわざわざ弱い超人に変身して相手を喜ばせてどうするんだ――っ!」
と怒られる形で予期せぬ流れ弾を受けることになった。

+ その他の作品
超人達が全て女体化したパラレルワールドを描く、原作者公認のパロディ漫画『キン肉マンレディー』には、
カナディアンマンをモデルにした女カナディアンマン(本名)が登場している。
こちらも、キン骨マンの策略で巨大化して暴れ回らされたり、その他大勢扱いされたりと決して扱いは良くないのだが、
それ以上に同作ではスペシャルマン(女)(これも本名)が被虐担当として毎回文字にするのも躊躇われるような酷い目にあっているため、
それに比べればまあ見せ場がない事もない女カナディアンマンはマシであるとも言える。
…つまり扱いが空気な事は気にするな!

同じく公認のスピンオフ『THE超人様』ではスペシャルマン、プリプリマンと共にメインキャラとなり、
ファミレスで主に三人(+たまにゲスト)でネット上での自分達の扱い等他愛のない事をゆるく喋っている。
カナディアンマンの自慢話にうんざりしている面もあるものの、なんだかんだで仲が良いビッグ・ボンバーズ+プリプリマンの姿が描かれている。
なお、原作の『六鎗客編』にカナディアンマンがメインで登場した事に合わせて、こちらでは試合の間には登場せず、
本家と違い生きていたようで、敗北後にズタボロの姿で戻ってきた。
その姿からは試合中の成長ぶりは嘘のようにかき消えてしまっており、また以前のカナディアンマンに戻ってしまっていた。
六鎗客編よりも前に連載が始まった事もあって、それぞれの作品でのキャラ付けの方向性が正反対だから作者も困ったんだろう……。

3Dプロレスゲーム『キン肉マンジェネレーションズ』では珍しくプレイアブルキャラとして登場。
彼とスペシャルマンの技(ビッグ・ボンバーズのタッグ技含む)は当時の『週刊プレイボーイ』と『Vジャンプ』で募集した読者投稿による物だった。
2Pカラーではアニメ版『II世』が基の緑色になる。

3D格闘ゲーム『マッスルグランプリ』シリーズでは本人はプレイアブルとしては登場しなかったものの、
PS2版『MAX』のストーリーモードではプラネットマンの人面疽に出現したり、試合を観戦したりといった出番があったほか、
『2』にて超必殺技に「ゲェーッ!」と驚くカットインとして顔を出している。
また、ステカセキングが「超人大全集」の一つとしてカナディアンバックブリーカーを拝借している。


余談等

+ ところで
ところでキン肉マンを代表するかませと言えば、「キン肉星王位争奪編」に登場した
運命の五王子の一人であるキン肉マンビッグボディがいるが、実は彼の出身もカナダである
(ちなみにカナダ出身の超人は全部で三人おり、最後の一人はブルドーザーマンという超人で、
 彼は本来の残虐チームの一員でキン肉アタル一人に全員敗れ、殺されている)。
カナディアンマンとビッグボディというキン肉マンを代表する二大かませを輩出した国、カナダ。
また上記にあるようにプラネットマンに真っ先に狙われ、貫かれた国もカナダ。
…ゆではカナダに恨みでもあるのか。
+ しかし……
しかし、そんなカナダ出身の超人にとんでもない奴が紛れ込んでいる。その名はスキーマン
197cm、77kgというスレンダーな体型と、背中に装備したスキー板とストックが印象的な最強の超人だ。

何が最強なのかというと、超人強度が7億パワー
ちなみにこの下には、超人の神が1億パワー、邪悪超人神の力を授かった運命の5王子が同じく1億パワー、
神の座を捨てて超人になった超人閻魔が9999万パワー。
五大邪悪神全員に憑依されたキン肉マンスーパーフェニックスが5億パワーといった具合。
つまり億の単位に突入しているのは神だけであり、7億パワーというのは神7人分の超人強度である。
無茶にも程があると言わざるを得ない(キン肉マンの7000万パワーの10倍、と単純に考えたのだろうか)。

……まぁ当たり前だが本編に登場した超人ではない
コミックス26巻の巻末で読者からのお便りで「自分の考えた超人をキン肉マンと戦わせてほしい」と掲載された超人である。
妙な味のあるイラストと、「7億パワー」のインパクトで当時のキン肉マン読者の間では語り草になっている存在である。

+ 商品化
上記のようにぱっとしない扱いのカナディアンマンだが、2014年3月からは彼のフィギュアが発売された。こんな奴でも。

+ タッグパートナー・スペシャルマン



 分類:正義超人
 出身地:アメリカ東部
 身長:173cm
 体重:86kg
 超人強度:65万パワー
 年齢:20歳
 主な必殺技:フットボールタックル、ハンバーガーヒルドライバー、
       栄光のタッチダウン
 タッグチーム:ビッグ・ボンバーズ

アメリカ出身の超人でアメフト選手のような姿の超人。モデルはこの方だと思われる。
自称「実力者」だがカナディアンマン同様戦績は芳しくなく、第20回超人オリンピックではキン骨マンの妨害に遭い、
第二次予選の「恐竜あげ」を失敗して重傷を負い、予選落ちという結果に終わっている。
ただ、重傷を負いながらも本戦で苦戦する親友のテリーマンの応援に駆け付けたりと脇役の中では出番が多い。
しかし北米・脇役同士という事でカナディアンマンとタッグを組む事になってしまったため、
二人纏めてキン肉マンを代表するヘタレとして認識されてしまっている。

初期では特に外道な発言もなく、上記のテリーマンを応援するエピソードやグレートIIIの正体を知った時の反応のように、
性格的には至極まともな正義超人(そのためかジムを壊された相方と違い石を投げられる程度で済んでいる)であったが、
それ故にカナディアンマンよりも更に出番が少なかった。
数少ない見せ場としては、アメリカ遠征編でザ・マシンガンズと宇宙凶悪コンビの超人タッグ優勝戦に、
カナディアンマンやカレクック、スカイマンといった100人もの脇役正義超人に声をかけ、
超人大応援団を率いてザ・マシンガンズの応援に駆け付けたシーンがある。それだけの人望はあるようだ。
ただ、そんな彼も外道な相棒に毒されたのか、物語最終盤の王位争奪編ではキン肉マンの応援に駆け付けた際に、
「このサバイバル・マッチでお前が優勝したらその王位の座をかけて再び超人オリンピックで戦おうじゃないか!」
と、とんでもない発言をしている。念のため補足すると、ここで言う「王位」とはプロレスの「チャンピオン」などではなく、
文字通り一星を治める「キング」の事である。こ、こいつ話の趣旨を理解してねえ!*11
更に言えば、仮にもキン肉星の大王は事実上正義超人の頂点位であり、
(王座を継ぐのに様々な掟があるとはいえ)基本的に世襲制である。
恐らく悪意は無かったのであろうが、戦いの趣旨を理解し、
友キン肉マンと超人界の未来のために戦った他の正義超人達からすれば脱力しそうな台詞である。
一応キン肉マンは幾つかの大会の王座を持っているので、「その王位」がキン肉マンの持つどれかを指すと取れなくもないが、かなり苦しい解釈である。
後にグレートIIIの正体を知った時も一度は「聞かなかった事に」と言ったのだが、
次の話ではカナディアンマンと組んで密告をしている。もうダメだこいつら。

一応彼(と相方のスペシャルマン)の名誉?のためにかなり好意的に擁護しておくと
第21回超人オリンピック本選出場者の中には知恵の輪マンやキングコブラ等、明らかに彼らより弱いであろう超人もいる。
超人タッグ編においても、アメリカ遠征編でのライバル的立場だったスカルボーズ&デビルマジシャンもロビン達のかませ犬扱いとなっている。
格ゲー風にいうなら(正義超人、という枠内で)ロビンやテリーマン達を上位グループとすると、
彼らやスカイマン他はその一つ下の強さのグループであり、正義超人のみの参加が前提だった夢の超人タッグにおいて、
周りに見劣りするのは確かだが、出場できないというほどのレベルではなかったはずである。
ドラゴンボール』で言うならギランやナムが23回天下一武道会(ピッコロや成長した悟空の参加した大会)に出てきたようなものである。
もっと分かりやすく、世紀末スポーツアクションゲームにおけるトキジャギの実力差、と言った方がいいかもしれない。
……まあ、それでもその傲慢な態度と言動はフォローし切れないが。


「弱体チームだと その言葉とりけせーっ!」


MUGENにおけるカナディアンマン

台車サウザーバイクマンミキサー大帝の作者である牛鬼氏が制作(バイクマンの勝利演出が初出)。
残念ながら現在は公開されていない。
ドットの練習でカナディアンマンを作っていたらいつの間にか一キャラとして完成させてしまったとの事。
ダンの改変キャラなのだが、技が挑発しか存在しないという元キャラよりも酷い事になっていた。

S 挑発
2+S 屈挑発
空中でS 空中挑発
236+S 転がり挑発
236236+S 弱体伝説 ゲージ1消費
214214+S 弱体神話 ゲージ3消費

なお、ドットはフリーゲーム『マッスルファイト』のものを参考にして全て手描きで製作したものである。
このゲームは現在でも有志による更新が行われており、MUGENやその他の格ゲー作成エンジンへの移植は許可されていない。
肉マニアでクリエイティヴなムゲナー諸兄はご留意を。

世紀末救世車某大会で知られる郡民氏によるAIが存在する。
兎に角挑発しまくるAIであり、公開後の更新では、AIを導入すると一部のカラーで性能が変化するようにもなっている。
どうなるかは自分で確かめよう。

また、台車サウザーにストライカーとして呼び出されたりもする(世紀末救世車のバットのサウザー版)。
こちらではちゃんと(?)攻撃している。

生意気にも勝利デモが実装されているが、前述の通りカナディアンマン自身は挑発しか出来ないため
こちらから攻撃しなくても勝手に死ぬような相手との戦いか、
もしくはタッグで相方に勝ってもらってかつ自分が生き残るかでもしないと見る事が出来ない。
ちなみに「このうすのろめ」とか「おしい」とか言うのだが、お前にだけには言われたくない。

+ 大会ネタバレ
ふたたびのりものといっしょにたたかうたいかい』の追加枠で、郡民氏製作のAIを搭載され登場。
挑発しか出来ないカナディアンマンに最初は誰も期待はしていなかった。
だが、挑発時の無敵とのりもののゲージ回収率のおかげで無敵挑発しまくってる内に敵がのりものの攻撃によって倒され、
遂には決勝戦まで残ってしまった。
この大会の特徴である「のりものにまかせてガードや無敵で攻撃かわしまくった方が勝つ」を体現したようなキャラであった。

ウルトラ戦士集結!タッグバトル』ではゾフィー兄さんの助っ人として、乱入してきたザラブ星人天才のタッグと戦った。
……が、上の大会とは違う普通のタッグバトルにおいて挑発しかできないキャラが役に立つはずもなく、
両ラウンドともゾフィーは早々に倒されたのに無敵挑発しかしないこいつだけが延々生き残る……という珍光景を見せてくれた。

なにが論外・神・狂だよ!!!弱キャラ大会しろオラァァ!!!』でもタッグのお荷物かと思われたのだが、耐久力自体はまともである事、
そして挑発中の無敵が結構長く攻撃を受けにくい事が幸いし、相方が遠距離戦向けの場合は相手チームの接近を阻止する囮に、
また、相方が倒されても体力に余裕がある事が多いので、無駄に熱い前代未聞の逃げまわり判定勝ちに持ち込もうとする戦いを繰り広げた。
(4:06~)無駄に熱くなった長い戦い
パワーの時代は終わったか…。

その他、本人は直接出場していないが、某大会ではとあるキャラの評価でビッグ・ボンバーズが引き合いに出されている。

2019年には弾丸マックス氏による改変版が公開された。
郡民氏AIをベースにしており、最大の特徴は挑発に攻撃判定が付いたこと動きも相まって非常にウザい。
しかも同梱されたファイルを適用すると挑発が全画面判定化する。
カラー差も更に追加。12Pを選択すると…?
ランクは狂中位とのこと。


出場大会

出演ストーリー



*1
細かく分けるならロビンマスクは1979年49号「日本代表になりた~~いの巻」で初登場、
カナディアンマンの方はその翌週の50号「第一次予選の巻」で登場なのでロビンに次ぐキャリアという事になる
同じ50号ではスペシャルマン、ブロッケンマン(ブロッケンJr.の父)、スカイマン、カニベースなども初登場している。

*2
尤も、この後1000万パワーのバッファローマンを筆頭に、
より超人強度の高い超人が次々に正義超人に仲間入りする事になる。
またキン肉マンの世界にもパワーインフレの波は押し寄せ、その後超人強度の値は跳ね上がり、
そういった連中に比べると初期に登場した超人の超人強度は低い。
ちなみに超人強度が一番高いのはフェニックスを始めとする運命の五王子の1億パワーだが、これは邪悪の神々の力を借りているためなので、
8600万パワーのジ・オメガマン(完璧超人始祖編以降を含めれば9999万パワーのザ・マン)が一番高いと見る向きもある。
スキーマン?聞こえんなぁ
そして一番低いのはカニベースの2パワー。2万ではなく2パワー

*3
それでは超人強度の大小は無意味なのかというと、そういう訳でもない。
そもそも超人強度は明確に超人の何を数値化した物なのかはっきりしないため分かりづらいが、
超人強度が高い超人の方が基本的には強いと考えて差し支えはない
(死亡した超人に超人強度を分け与え復活させる事ができるので、生命エネルギーに近いのかもしれない)。
ただし、戦闘力に大差があるとまともな戦闘どころか敵に傷を負わせる事すら難しい『ドラゴンボール』などと異なり、
超人強度が低い超人でも高い超人と互角以上に戦う事は可能である。
また超人強度は一度決定されると特別な要因がなければ生涯変化する事はないという。
+ バッファローマン おまえをうわまわる1200万パワーだーーっ!!
作者公認の謎本『キン肉マン 77の謎』によると、最終的に勝敗に結び付くものは「テクニック」であるらしい
(本編中でも七人の悪魔超人編で解説者が「超人強度は変わらない、だから超人達は技を磨くのだ」といった意味の事を言っている)。
実際に少年時代のフェニックスはテクニックでキン肉族新王子決定マッチに優勝しており、
バッファローマンは己のローテクを補うためにサタンと契約しパワーを手に入れた。
超人強度が変化しないからこそ、超人は力をカバーするために努力し技を磨いていくのである。
ロビンマスクの「ロビン戦法」などその最たる物だろう
(実際にロビンマスクは自分と9904万パワー差のあるキン肉マンマリポーサを破っている)。
よく「ゆで理論」と言われネタにされる事の多いウォーズマンの「1200万パワースクリュードライバー」も、
自分の10倍の超人強度を持つバッファローマンとの差をテクニックで埋めたという証であると言える。
また同じく「77の謎」ではキン肉マン史上最強の超人はキン肉マンの師プリンス・カメハメの全盛期だと明言されている。
カメハメの超人強度は95万パワー。作中での超人強度は決して高いとは言えない。
しかしカメハメがキン肉マンに伝授した格闘スタイル技の数々がキン肉マンを変えた事を思えば、
超人の真の強さを決めるのは超人強度などではない事がはっきりと分かる。

そう考えると、せっかく超人強度に恵まれているのに全くパッとしないカナディアンマンは、
自慢のパワーに胡座をかいて研鑽を怠っていたのが原因と言える。
「六鎗客編」のパイレートマン戦ではカナディアンマン自身が「今までの自分は活かす術を知らず、宝の持ち腐れだった」という事を認めている。

ちなみに主人公であるキン肉マンの超人強度は95万パワー(ただしキン肉マンは「火事場のクソ力」で変化する)。
超人強度がキン肉マン以下の超人はたくさんいるのだが、初期のキン肉マンはへぼ超人呼ばわりであった。
『キン肉マン』には後付け設定が多いため分かりにくいが、結果的に超人強度の大小のみで超人の強さは決まらない、
と端的に示す好例になったと言えるだろう。
臆病者のダメ超人・キン肉マンがそれでも抱き続けたヒーローへの情熱と、仲間達との絆が、
超人強度の数値だけでは測れない彼の輝かしい戦績を生んだのである。

*4
ここは本作で「巨大化した超人同士のプロレス技の応酬」が描かれた希少なシーンでもある。
路線変更の直後にはキン肉マンとロビンマスクが初めて出会い会話するシーンで双方が巨大化状態だったりと、
巨大化要素は残すつもりがあったらしい事が窺えるのだが、その後に扱いが変わって巨大化はすっかり鳴りを潜めるようになった。

*5
ただし、バッファローマン達との戦いはミートを助けるためという目的もあるが、
あくまで超人オリンピック現チャンプキン肉マンのタイトル防衛マッチという形式で始まっており、当然ながらキン肉マンのみが戦う資格がある。
同じ正義超人のペンタゴンは「できる事なら一緒に戦ってやりたい」と悔しそうにしていたように、
何もしなかった(挑戦者と戦う資格が無かった)のはカナディアンマンだけではない。

また、そうしたルール上・立場上の障害を乗り越えてでも「チャンピオンに挑戦するならまず自分達を倒して見せろ」と、
キン肉マンのために命を捨てて参戦したテリーマン達の友情パワーが素晴らしいものだという描写に一役買っているのだ。

*6
いかにも戦友の晴れの舞台に参加する良い場面……なのだが、
この時キン肉マンは地球での住居だった公園に建てたボロいほったて小屋キン肉ハウスが取り壊されるというデマを流し、
テリー達正義超人を集め、結婚前の別れのスパーリングを行っている。
本編では実現する事の無かったキン肉マンvsブロッケンJr.などの対戦が行われ、最後はテリーマンと心ゆくまで闘いを繰り広げた。
つまりキン肉マンにとってテリーマン達苦楽を共にした親友カナディアンマン&スペシャルマン他の正義超人
という構図になる。文字通り生死を共にした仲間なので当たり前と言えば当たり前だが。

尤も、結婚式に間に合わないと王位剥奪の可能性すらあったので、
テリーマン達苦楽を共にした親友>王位と嫁>=カナディアンマン&スペシャルマン他の正義超人
という事態であったりもする。
『キン肉マン』では王位や正義超人軍幕僚長、参謀といった公的な立場よりも私的な友情を優先するという図式が何度も描かれている。
こうした行動を実現する事は現実には難しいが、だからこそ読者は本当にやってしまう姿に憧れ、成し遂げてしまう姿に感動するのだろう。

*7
実は『キン肉マン』の時点でも、
カニベースが予選のじゃんけんでキン肉マンに破れた事で国辱扱いになったと怨み節を述べている。
それどころか、ロビンマスクやキン肉万太郎も超人オリンピック決勝まで進んだのに負けたら国辱扱いで石を投げ付けられているため、
予選落ちなら当然とも言える。準優勝でも国辱って…正義超人の99%が国辱じゃないか?

結果、一時的とは言え、ロビンマスクがアイドル超人から残虐超人に転向、アメリカ遠征編での再戦に敗れ、
続く超人オリンピック編では姿を変えて弟子の残虐超人ウォーズマンをキン肉マン打倒のために送り込み、
ウォーズマンがキン肉マンに敗れると「ウスノロヤロー」呼ばわりするほどの悪役に転落。
…続く悪魔超人編では何事も無かったかのように正義超人陣営で戦っているが。
尤も、当時の残虐超人はファイトスタイルが残虐なだけであり(残虐超人時代のラーメンマンもリングを降りれば紳士と言われていた)、
正義超人の祭典「超人オリンピック」にも国を背負って出場できる正義超人なので(心情的にはともかく)陣営的には問題無い。
あくまでも正義超人の範囲内で、普通の正義超人と残虐超人に別れていたのである。
なのに『II世』だと悪魔超人と同じ悪行超人陣営になって正義超人を恨んでいる設定になってしまったが
万太郎も悪行超人に襲われる一般人を「ボクよりもっと強い奴に助けてもらいなよ」と見殺しにしていたりする。
肉世界の観客は悪魔超人よりも冷酷非情とはよく言われる事。

*8
さらに言えば告発を受けた委員長は「再リザーブマッチは時間と金の無駄」と完全否定しており、
仮にグレートIIIが本当に人間であっても彼らが本戦に出場する事は無かっただろう。
しかも本当に人間かどうかを確認したりはせず、「試合形式を過酷なデスマッチにすれば人間なら逃げ出すはず」という雑な判別法で、
既に覚悟を決めていたグレートIIIは(まだ自分を人間だと思っていたにもかかわらず)普通に出場している。
試合が経過しグレートIIIの正体が判明した際は超人データベースと照合して一旦は失格にしようとしたものの、
対戦相手である2000万パワーズが制止すると結局試合を続行させているため、そもそも人間は即失格というルールがまともに運用されていない事が窺い知れる。

*9
この時にジェロニモを撃破したのは、襲来してきた完璧・無量大数軍の中でも別格の強者ストロング・ザ・武道であり、
一蹴されたとはいえジェロニモの株が下がったとは言いづらい。
しかも正確にはパンチでふっ飛ばされた後に他の無量大数軍からも集中攻撃を受けるという極めて不利な状況であった事も明記しておきたい。
むしろ、あれだけの攻撃を立て続けに食らって死ななかった事の方が凄い。
とはいえ扱いが悪かった事に違いはなく、武道からアパッチのおたけびを「まともに浴びてはたまったものではない」と評価されたのが唯一の救いか。
+ 重大なネタバレ
ストーリーが進んで明かされたストロング・ザ・武道の正体……
それは超人墓場を管理する超人閻魔であり神の座を降りて超人となった偉大なる始祖「ザ・マン」であった。
悪魔将軍ことゴールドマンを含めた10人の完璧超人始祖の師匠であり、彼らを鍛え上げた偉大なる男。
超人強度は9999万。パワー・スピード・テクニック全てが悪魔将軍と同じかそれ以上。
堕ちたりとはいえ慢心も油断もないメンタル。そして悪魔将軍と同じ硬度10ダイヤモンドパワー。
強力かつ多彩な必殺技を持ち、中でも完璧・零式奥義「千兵殲滅落とし」はあの悪魔将軍ですら脱出不可・防御不可であり、
食らった際にはあわやKO負け寸前という所まで追い詰められた。
ぶっちゃけジェロニモではどうやっても勝てる相手ではない……というより、
アイドル超人どころか主人公のキン肉マンですら勝てないだろう異次元の強さを持つキン肉マン世界最強の漢である。
よりにもよってファーストコンタクトでこんなラスボスに目を付けられた時点で詰みであり、いくら何でも相手が悪すぎた……。

*10
パイレートマンは、とにかく勝たなければならないと気が急いていたカナディアンマンと対照的に余裕のある戦いぶりで、
「相手の技を受ける」「相手の強さを褒める」というプロレスの試合の進め方が上手く、読者からはそこに好感を抱かれるほど。
一方カナディアンマンの戦いぶりは「強大な敵に立ち向かうヒーロー」としては間違っていないものの、
プロレスラーとしてはそれだけではいけなかったのである。
カナディアンマンの活躍も、対戦相手が彼をさっさと片付けてしまうはぐれ悪魔コンビやマックス・ラジアルではなく、
「相手の強さをきちんと際立たせてくれて、その上で、それ以上の強さを見せて倒す」という、
プロレスの王道を弁えたパイレートマンだったからという点は少なからず影響している事だろう。
ジャスティスマンはこいつを見習うべきである
そしてこのパイレートマンのある種の舐めプとも取れる戦い方は、実は「追い詰める事で火事場のクソ力=友情パワーを引き出す」と言う目的もあった。
だがカナディアンマンは友情パワー発動のキーであるキン肉マンとの関わりが薄すぎて
スペシャルマンとの友情がかなり協調されながらも友情パワーを使えずに終わってしまった。あの時うすのろ野郎とか言わなきゃ良かったのに
(同じくキン肉マンとの接点が薄いながら友情パワーを使用したキャラとしてザ・ニンジャもいるが、
 彼はキン肉マンの実兄で同じく友情パワーを持つキン肉アタルとチームメイトとして関わっていたので問題はない)
ちなみにセントエルモスファイアーが完全に極まった際に「許してくれ…」というカナディアンマンの言葉を聞き、当初は命乞いと思い拒否したが、
それが捲土重来を誓ったスペシャルマンへの謝罪と気付いた際にはそれ以上何も言わずにトドメを刺し、彼なりの言葉でカナディアンマンの健闘を讃えている。

ちなみに、この花も実もある豪傑パイレートマンの超人強度は8000万パワー。キン肉マンの火事場のクソ力すら圧倒する。
しかもマグネット・パワーも使える。どう考えてもカナディアンマンじゃ無理だった……。

*11
2014年以降発行の単行本や電子書籍では、
「このサバイバル・マッチに勝ち、堂々と王位について次の超人オリンピックでまた我々と戦おうではないか!」と、
惜しくも(?)修正されている。


最終更新:2023年11月20日 22:27