二ッ岩マミゾウ


「儂の弾幕変化十番勝負で、みっちりと稽古を付けてやるぞ!」

『東方Project』の登場キャラクター。初出は『東方神霊廟』EX面ボスとしての登場。
由緒正しい化け狸で、「化けさせる程度の能力」を持つ。二つ名は「化け狸 十変化」など。
専用BGMは「佐渡の二ッ岩」及び『東方心綺楼』での「幻想郷の二ッ岩」。

+ 公式イラスト

+ 詳細な原作設定
外の世界の佐渡島で人間と共に長年生き続けた由緒正しい化け狸。
幻想郷で進化してきた妖怪とは異なり、頭に木の葉・大きな尻尾と割と古典的な容姿を持つ。
妖怪撲滅を謳う豊聡耳神子が復活したため、それを妖怪の危機とみた封獣ぬえが、対抗手段として勝手に呼び寄せた。*1
騒ぎの後は命蓮寺に居着いたようで、妖怪の悩みを聞いてくれる頼れる親分として皆に頼りにされているようだ。

佐渡では人間と共に暮らしていたようで、貧しい人物にはお金を貸したり、依頼された仕事をしたりと、
妖怪でありながら人間社会にかなり馴染んでいた。 そのせいか服装もかなり近代的なデザインをしている。
ちゃんと外の人間社会に溶け込んでいるため、忘れ去られ幻想入りしたとは言い難く、
また結界が張ってあるはずの幻想郷で、なぜぬえが彼女を呼ぶ事が出来たのか等、幻想入りには謎が多い。
『求聞口授』を読む限りでは割と行き来は容易そうな印象も受けるが……(後述)。

「佐渡に人間と共に住んでいた」「狐と仲が悪い」等の台詞・設定から、元ネタは日本三名狸の一角「団三郎狸」と思われる。
「二ッ岩大明神」というれっきとした神格持ちの大妖怪である。
マミゾウという名も、狸・ムジナを表す「猯(まみ)」と、人を誑かす魔物を表す「魔魅(まみ)」に、
団三郎の「三」を付けたものと考えられる。

+ 団三郎狸とは?
団三郎狸は、佐渡狸軍団の総元締めであり、
淡路の「芝右衛門狸」、香川の「屋島の禿狸」と並ぶ日本三大狸の一角を謳われる大狸である。
狡知に長け人々に色々ないたずらをする一方、義理人情に篤く佐渡金山で築いた圧倒的な財力を活かし、
金に困った人達には惜し気もなく金を貸していたという。

その名声は全国的なもので、かのジブリアニメ『平成狸合戦ぽんぽこ』では、
四国の六代目金長狸に「佐渡の名高い団三郎先生」と呼ばれている。
金長狸は阿波の狸合戦の一翼を担ったとして知られる狸の雄であるが、
そんな英雄の名を継いだ狸からも「先生」と呼ばれている程であるから、
狸界においてのその実力、カリスマの傑出ぶりたるや推して測るべしと言える。

『神霊廟』での騒ぎの後は幻想郷に居着いたようで、主に命蓮寺や魔法の森で活動している模様。
妖怪達の相談相手になったり、何者かに襲われた時は自ら抗議に向かうなど色々頼りにされているようである。
その一方幻想郷での勢力の拡大にも余念が無く、『鈴奈庵』での宴会シーンや『心綺楼』での戦闘シーンなどの描写から、
幻想郷の化け狸を既に相当数傘下に収めていると思われる。
この辺りの手の早さは流石親分と言った所。

上記の通り由緒正しい大妖怪だが、軽いフレンドリーな話し方や「鍛えてやる」等の発言から分かるように、
強力な妖怪としての自負を持ちつつも親しみやすさを備えた性格。
BGMに付いた原作者のコメントでは、
「何か判った風で偉そうにしているマミゾウ。でもその実体は面白そうな事につい顔を出してしまうだけの妖怪」
と評されている。
人間に「カモ」とルビを振って話す(『神霊廟』)、
付喪神の宴会に迷い込んできた人間に対し凄まじい眼力の一睨みと共に「人間風情が」と罵り威圧する*2(『鈴奈庵』)など、
妖怪らしい危険な一面も窺えるが、それでも問答無用で襲い掛かったりは決してせず、普段は温厚さやノリの良さ、懐の深さの方が目立っている。
一人称は「儂(わし)」で、語尾に「~じゃ」と付く事があるなど全体的に老人口調であり、それもまた温厚そうなイメージを持たせる要因だろうか。
ただ、本人としては口癖のようなものでさほど年寄りのつもりはないらしい。
一方、『心綺楼』では化けた姿が爺むさいと言われて「光栄なこって」と返したり、千歳は超えているはずの雲山を若造扱いするなど、
年寄りである事を肯定するような言動も見られる。

能力の「化けさせる」は、物の姿を本来と違うものに見せる能力。
あくまで化けさせるのであって、化ける能力では無い。
ぬえのものと似ているが、ぬえが相手の認識に依存するのに対して、マミゾウは自分の発想に依存する。
化けさせる対象には自分も含まれるようで、変化「まぬけ巫女の偽調伏」の時には、自身を霊夢に「化けさせ」ている。
しかし自分を化けさせても巨大な尻尾が目立つので看破は容易。ただ尻尾の大きい狸ほど力が強いためバレバレなほど危険とも言える。
本人も妖怪としての格の証にしているのか尻尾を隠す事はしていない。

弾幕は彩色の無い白一色で、外から来たばかりで「美しく魅せる弾幕勝負」には慣れていないようだ。
だが、それを「化狸が変化する際にモクモクと上がる白煙を描写している」と考察する人もいる
(実際、後に『心綺楼』に参戦した際は通常弾幕の1つが煙だった)。
終盤の耐久スペル「マミゾウ化弾幕十変化」では、最大10人に分身する。
変化弾幕の種類も多種多様で弾数も多く、ラストスペルの「ワイルドカーペット」よりも数段キツい。
初期頃はこのスペルを取得しようとするとマミってバグって落ちてしまう事があったが、現在はパッチで解消している。

弾幕アクションゲーム『東方心綺楼』でも登場。
事前には発表されておらず、公式サイトのキャラ紹介にも姿が無いという、俗に言うサプライズ枠として登場した。
ほぼ全キャラクターのルートで、ラスボスの一つ前のステージで現れる。立ち位置的にはこの人に近いポジション。
ルートによって霊夢or白蓮or神子のいずれかに化けて登場し、一度倒した後、正体を現したマミゾウそのものとの戦いになる。
ちなみに初戦での姿形と名前表示は変身後そのものであり、尻尾も隠れているが、BGMがまんま本人のテーマ曲であり、口調も隠す気がさらさら無い。
このマミゾウが化けたキャラのスペルカードはどれも『源平討魔伝』のパロディが含まれており、偽霊夢はボーナスステージのお釈迦様、
偽白蓮は中ボスの琵琶法師をオマージュしている。
巨大化頼朝をオマージュした偽神子に至っては、スペルカード名までたわむれはおわりじゃである(元々『神霊廟』の時にも出ていたセリフだが)。
2戦目のBGMはZUN氏が「佐渡の二ッ岩」をセルフアレンジした曲「幻想郷の二ッ岩」となっている。
条件を満たす事でプレイヤーキャラとして使用出来るようになる。

唯一今回の異変の本質を見抜いており、立ちはだかったのは人気(希望)を集める宗教家や妖怪達の覚悟を試すためである。
化けて見せたのも「宗教の人気など、偽者の悪意で失墜してしまう蜃気楼のようなもの」という事を示すためと、あとは趣味であった。
勝利した相手に異変を収束させるべく、感情が失われた丑三つ時の人里を訪れるよう示唆する。
ただしあるルートでは「誰かに犠牲になってもらい事態を収めるつもりだった」と、
後のストーリーを考えるとラスボスに負ける事が前提とも取れる発言もしている。
またラスボスであり異変の原因である秦こころに対しては、他のキャラ以上に何かと導くような言動を取っており、
後の書籍では異変後も世話を焼いてこころの更正に一役買って出ている=異変解決後のアフターフォローも担うなど、
正にあらゆる方面からこの異変における影の立役者と言える。

公式書籍『東方鈴奈庵』で登場した際には、まさかの人間姿も披露。二つ名は「捕らぬ狸のディスガイザー」。
主人公本居小鈴が住む貸本屋「鈴奈庵」に足を運び、妖怪である事を隠しながら人間の小鈴に助言したり忠告するなど、
所謂知恵袋妖怪的な知識を授ける役として登場している(その登場頻度もあって準レギュラー扱いされる事も)。
尤も、決して人間の味方をしているわけでもなく、里の人間が自業自得とは言え妖怪に憑依され、
乗っ取られるのを「面白そうだから」と傍観を決め込む等の在り方は、やはり妖怪である。
このため小鈴からは「格好いい」人と憧れを向けられる一方、彼女が人間だと思い込んでいる事や、
「妖怪は信用ならない」といった発言をしている事から、今後の二人の動向に注目が集まっている。

 『東方深秘録』でも『心綺楼』に引き続き登場。
 キャラ選択時の凄く悪そうな顔の通り、汚れ役を買うわ化かしを仕掛けるわと異変解決に向けて暗躍しているのは相変わらずだが、
 異変後は黒幕に温情を持って接する辺りは彼女らしい。
 使用するオカルト名は「M.I.B.(メン・イン・ブラック)」(訳すると不確定名「黒づくめの男達」)。
 秘密裏に人間社会に宇宙人を紛れこませる闇の組織が存在したら…というアメリカの都市伝説で、
 これを題材にした映画も人気を博した
 オカルトアタック使用時も映画のコスプレである黒いスーツに身を包み、
 怪ラストワードでも映画に出てくる記憶消去装置を使用している。

+ 博麗大結界に関する話
こんなボール無くても
 外の世界と行き来することくらい自由自在の儂じゃ」

本作では博麗大結界に関して、
  1. 博麗大結界を越えるには正式な手続きによるものと無理矢理結界に干渉して行うものがある
  2. 正式に結界を越えると定住する。無理矢理結界を越えると一定時間で戻される
といった事が明かされ、ストーリーに大きく関わっている。
強い妖怪ならば正式な結界越えは博麗の巫女の世話にならずとも自力で済ませられるようで、同作では華扇も行っている。
断言は出来ないが、『神霊廟』当時もぬえが自力で結界を越えてマミゾウを呼び、
マミゾウも自力で結界を越えてきたのかもしれない。

蛇足だがこの設定と共に、
「外界の住人が何故か結界を越えて幻想郷にやってきた」系の幻想入りの二次創作が幻想入りしたと考えて差し支えない。
とはいえ、これ以前の作品に「設定と違う」と目くじらを立てるのはお門違いである。
別にこれ以降も妖怪に正式に招かれたり事故で結界に穴が空いてたりすれば済む話だしね!

何気に旧作にいた朝倉理香子に続く、Win版初の眼鏡っ娘でもある。

(以上、ニコニコ大百科などより転載・改変)

+ 二次創作での扱い
登場からまだ日が浅い時期から、二次創作で高い人気を誇る。
上記の名前・親しみやすい性格と設定から、今作における「さん」付けポジションになった模様。
高齢恒例のババア呼ばわりをされるかと思いきや、瞳の下半分にかかるような眼鏡のかけ方は老眼鏡に特有のものなので、
「むしろマミゾウさんは(ババアを超えて)おばあちゃんだろ」とする意見もある。

書籍関連の動向から、所謂「大物の便利キャラ」というポジションも確立しつつある。
以前はこのポジションを担っていた八雲紫に対して立ち位置的に動かしやすく、
大妖怪としての威厳を持つ一方で礼儀も弁え親しみやすさもある性格、
何かを企んでいてもおかしくないが絶妙に胡散臭さが無い事、また里での人間との交流も描かれているなど、
敵でも味方でもしっくりくるボスキャラとして使いやすいからだと思われる。

カップリングとしては、公式でぬえと仲が良いのでぬえとは絡ませやすい。
同じく公式ネタで小鈴との絡みもあるが、こちらは当然人間姿のまま絡んでいる事がほとんど。
ただ妖怪である事をバラしても色んな意味で目覚めちゃった小鈴には何の問題も無い的なネタも見かける事がある。
そして見逃せないのが、キツネである八雲藍との関係性だろう。
長らく以外の絡み相手がいなかった藍にとっても彼女の登場は初の「宿命的ライバル」という事になり、
実際おまけのキャラ解説にも「幻想郷の狐と一悶着を起こした」と書かれており、藍とのライバル関係はほぼ公式と見て良いだろう。
ただし公式でのこの事に関する描写はこのテキスト以外では今の所全く見られず、今後の動向に注目が集まっている。

また、マミゾウというインパクト抜群の名前にもネタが事欠かない。
情報公開直後には、名前繋がりからか速攻でマミるイラストが投稿されるほどだった。
こうしたイラストには大抵「巴マミゾウ」「円環の狸」などのタグが付けられている。
実際の名前からして魔魅三(マミさん)なので、何も間違ってはいないのだが。見た目的には早乙女先生っぽいが。
『心綺楼』でも予想通りマミっぽいカラーが登場している。
ご存知の通り、続編で本当にマミるキャラクターが登場する事になるのだが。

戦闘力に関してはいつもの理論で大きめに書かれる事が多い。
『心綺楼』参戦時はとあるスペルで入浴姿を披露というとんでもないサービスをしでかしており、明確に上半身のラインが確認出来るのだが、
肝心の部分はタオルで隠れている(当たり前だが)。
とはいえ確かに「ある」のが確認出来る程度のラインに見える一方で、「明らかに巨乳なマミゾウに化けた子分を蹴飛ばして登場」という登場演出があるため、
少なくとも明らかな巨ではないように描写されているようだ。
R-18方面では狸らしくアレが「すごく…大きいです」している事も。


『東方心綺楼』における二ッ岩マミゾウ

非常に緩慢な動きにティッシュ気味のジャンプ、リーチが長い代わりに発生が遅い打撃技、ゆっくり前進する射撃などを持つ、所謂ダルシム系のキャラ。
また、手下の化け狸に妖怪(この場合の妖怪は東方的な妖怪ではなく、日本古来の伝統的な姿をした妖怪)の姿をさせて攻撃する技が多い。

キャラ固有のシステムである特技は、当初は名前が明かされた無かったが後に「狸穴の大将」であると明かされた。
内容は、上記の手下を使った技には全て喰らい判定が存在し、相手の攻撃を受けると消滅して画面下にある葉っぱの見た目をしたゲージが消滅、
これが全て無くなると「たぬき補給中」と表示されて一定時間対応する技が使えなくなるというもの。ぶっちゃけた話ペルソナゲージ

ちなみに、『心綺楼』で新しく追加されたスペルカードには鳥居から大量の妖怪を呼んで突撃させる変化「百鬼妖界の門」や、
入浴してその湯気で敵を攻撃する変化「分福熱湯風呂」、そして後に追加された相手を一定時間無力な動物に変化させる効果を持ち、
全てのキャラにそれぞれ変身後の姿が用意されている変化「二ッ岩家の裁き」など、
同じ参戦キャラと比較しても特に個性的なものが揃っており、多くのネタを披露してくれている。

+ 性能とその変遷
製品版初期は明らかな調整不足感があり、かなり癖の強い使用感、
そして公式ページやブログなどで紹介されていなかった(実際は参戦そのものがサプライズだったからだろうが)事などから、
かなり酷い評価を受けていた時期もあった。
しかし繰り返されるバージョンアップにより着実にその性能を上げていき、十分戦えるキャラとして徐々に評価されていった。

そんなマミゾウに「革命」とも言うべきある転機が訪れる。
それはシステムの大きな変更や技追加など全体的にゲーム内容が大幅に弄られたVer1.30時の事である。
具体的には、この時に追加された新スペル「二ッ岩家の裁き」や射撃の上下撃ち分けにより実装された無信仰の8Yと2Y、
あと更新履歴にも表示されておらず何故弄られたかも分からないが拡大の相殺強度がやたらと上がった神信仰のYの3つ。
詳細は以下に記すが、この3つが加わった事でマミゾウの評価が激変、もはや「戦える」とかそういう次元の性能ではなくなり、
凄まじい勢いでそのランクを上げていった。

というわけで、現在Ver1.33では最強キャラの一角とされている。人によっては霧雨魔理沙との二強などとも。

その性能は、前述の通り遅い動きとリーチはあるが発生の遅い打撃で中距離を維持して戦うキャラ。
特に他キャラでは小パンにあたるAは非常に特徴的で、発生は当然最遅(他が大体7~9Fの所を脅威の12F)、
1.31以前は被カウンター属性まで付いていた事もあり、「マミゾウにはB攻撃が二つある」などとネタ交じりに揶揄された事もあった。
とはいえその分リーチ・判定に優れているので、被カウンター属性が消えた今ではむしろ置き打撃として非常に優秀なものとなっている
(まぁ問題はA単体の性能ではなく発生が早い技そのものが存在しない事なのだが)。
他にも大きく踏み込みながら上に大きく判定が出るので攻撃範囲が非常に広く当てれば追撃がしやすいB、
上方180度を完全にカバーし後ろ側で当てれば床バウンドさせるむしろめくりで当てた方が強いという8Bなど、
打撃そのものは範囲やリターンに優れた優秀なものが多い。

そんなマミゾウを強キャラたらしめている要素が射撃、特に無信仰・神信仰におけるY射(通称「煙」)である。
元々煙は相殺強度が非常に強く、長く画面に留まるのでグレイズで抜けて反撃が難しいという、所謂弾の盾として強い代わりに相手に直接当てるのが厳しい、
神信仰はその点を補った代わりに強度が低い、という技だったのだが、パッチ修正で状況は一変。
無信仰は全く同じ性質の射撃を自分の真上or真下に発射する8Y・2Yが追加された事で、相手の頭上や真下を取り能動的に当てにいく事が出来るようになり、
ジャンプキャンセルでの追撃もしやすくなったため、一気に攻撃的な性能に。
神信仰は拡大前の煙の相殺強度が無信仰に次ぐほどに強くなり、発射直後は弾の盾になり生半可な射撃を打ち消し、
拡大後は遠距離でも届く非常に強い制圧能力を発揮する射撃になり、強度の低くなる拡大後に射撃をぶつけようとしても、
その頃にはマミゾウがジャンプキャンセル可能になっているのでグレイズで回避されるという、全方面で隙が少ない強射撃に。
そして、このゲームは仕様上打撃が相手に当たったかどうかに関係なく射撃でキャンセルする事が出来るため、
前述の優秀な打撃のフォローとしても強いのもポイント。

一方でもう一つの通常技であるX射撃は、一旦自分の近くに判定の無い弾を出し、しばらくするとそれが鳥状の弾幕となってゆっくり前進するという技で、
発生が非常に遅い代わりに追いかけて攻めるという事がしやすい。
強度が低くマミゾウの近くが死角になっているなどの弱点もあるが、これも前述の煙と使い分ける事で補う事が出来る。
煙で相手の接近や牽制射撃をせき止め、隙を見付けてこの鳥を設置、場を有利にしてから接近して打撃や煙で引っ掛けにいく、
というのがマミゾウの基本的な戦術である。

他にも地味に固めが強く触った時のプレッシャーが掛けやすい、スキルの6方向版「妖怪カラカッサ変化」で引き寄せられるので、
何か引っ掛けてからのリターンを取り易い、ジャンプがティッシュなおかげで細かい間合い調整がしやすい(これは一長一短か)など、
立ち回り上優秀な点が多く、癖は強いものの使いこなせば立ち回り能力はピカイチである。

スペルは前述の通り、「二ッ岩家の裁き(通称裁き)」がぶっちぎりで優秀。というか壊れの域
これは元ネタにならい、キセルから出した煙(ダメージ無し)をヒットさせると相手を変身させ、
一定時間相手はジャンプと歩きしか出来なくなりガードも出来ず、代わりにマミゾウも攻撃技をA攻撃とB攻撃しか出せなくなるという状態になるというもの。
このスペルが強いとされる所以は圧倒的なリターンの高さであり、効果時間を最大限に活用し、全く無抵抗の相手に打撃を当てていくと、
最高で+5700という凄まじいダメージが、当然コンボ補正を完全に無視して追加される(根性値は別)。
ヒットさせられた相手は前に動いてマミゾウと重なる、ジャンプするなどで攻撃を回避しリターンを減らす事が出来るので、
さすがに上記のダメージを実践で決めるのは無理があるのだが、逆に言えば相手側にはそれぐらいしか取れる対策がない。
よって、使い慣れたプレイヤーのマミゾウならA連を1~2セット程度は平気で当てて来るため、それだけで+2000~3000後半は固い。
つまり2500~3000程度のダメージのコンボでスタンを取り、これに繋げるだけで実質5000以上のダメージは平気で取れてしまう。
これは後宣言(コンボでスタンを取り、そのスタン中に宣言→発動で繋げる事。本来は大きく補正が掛かる)のダメージとしては相当破格である。
そしてこのスペルの凄い所は、その圧倒的なリターンを持ちながらも分不相応に当てやすい事。
発生は並だが大抵のスタンから安定して繋げられる程度には早く、初段の煙の判定が大きいので外しづらい。
そしてその性質上、中央でカス当たりしてもそこまで痛手にはならないので、
所謂「リターンは高い代わりに当てる状況を選ぶ」という事がほとんど無いのである。

+ 余談
ちなみに、裁きと時を同じくして追加されたスキル「妖怪オモカゲ変化」は、
対戦相手に化けて様々な技を繰り出す(つまり対戦相手によって技の内容が変わる)という非常にトリッキーなもので、
本来は段階を踏まないと使えない聖白蓮古明地こいしなどの技も直接出せるなど、パッチ公開前のSSの段階から様々な物議を醸したが、
案の定忘れられていった。オモカゲと裁き、どこで差が付いたのか。単純に使いづらすぎるから

また、他二つのスペルもかなり優秀。
「分福熱湯風呂」はコンボで使うと裁きほどではないにしても前宣言・後宣言を問わず安定したリターンが得られ、
「百鬼妖怪の門」は宣言済み・端背負いという限定された状況ではあるが、非常に発生が早い無敵切り返しとして機能するので、
どちらもプレッシャーが非常に大きい。
何より裁きが苦手な生宣言による駆け引きをカバーしているという事もあり、裁きとの二枚構成でセットされるのが定石となっている。
こうしたスペルの優秀さ、選択肢の豊富さもマミゾウの評価を支えている重要な要素といえる。

ラストワードは「八百八狸囃子」。ゆったりと前進し相手にヒットするとロックして無数のマミゾウ(偽)で袋叩きにするダークネスイリュージョン的な技。
さすがにガード不能ではないが、入力直後から前進して少し経つまでの長い無敵時間がある。この技の特徴としては何といってもその威力で、
6400と単純なダメージなら全キャラでも二番目(ちなみに一番はテーレッテー)。
ちなみにそのSEと時期柄のためか「液キャベ」という俗称があったりなかったり(元ネタは『UMVC3』のたぬきアライグマ空耳)。

弱点は、やはり気軽に出せる発生の早い技が存在せず追い詰められると非常に辛いという事。
ただ、これに関しては全体的に固めが弱くチキガが強いゲームシステムに助けられている感がある。
また性能の性質上、有利~五分の状況なら非常に強いが人気が不利になるなど「追いかけなければいけない状況」にはかなり弱いのも欠点。
非常に性能が高いのは確かだが、このような明確に苦手な場面が存在するマミゾウはやや評価がブレがちな所があり、
また立ち回りにおける強みが偏っているため、意外なキャラに苦戦を強いられる事もあったりする。

+ 二ッ岩家の裁きについて
元ネタを知る者には今更な話だが、この技は性能とは別に「相手キャラをマスコットのような動物に変える」というお楽しみ要素もある。
以下は各キャラクターと変身後の姿の相関。



MUGENにおける二ッ岩マミゾウ

+ minoo氏製作
  • minoo氏製作
手描き東方キャラでお馴染みのminoo氏による、黄昏ドット改変のもの。
毎度の如く霊力ゲージではなくパワーゲージを使用して弾幕を張る。
EXボスとあって技の性能は全体的に高め。突進、射撃、設置技と各種揃っており、リーチにも優れる。
そして、自らを氏製作の他のキャラに化けさせて攻撃する技もある。
化けられるのは村紗小傘響子の4種。
順にキャンセル出来る仕様があり、パワーゲージの消費やタイミングの難しさといった問題はあるものの決まれば強力。

欠点はDEFが少し低く、切り返しに乏しく対空も少ない等守りに弱い事。
またゲージの消費量が多く、超必はコンボにも組み込めない等の制約もある。
いかに的確に攻めるかがカギになるだろう。
デフォルトAIは未搭載だが、エトワール氏によって外部AIが製作されている。

+ エトワール氏製作
  • エトワール氏製作
上記minoo氏版マミゾウのAI作者でもあるエトワール氏によるもの。
ドットはのもれ氏のものが使用されている。
見ての通り公式と言われても違和感が無い程に綺麗なドットで、かつ滑らかに動く。

アカツキ電光戦記』仕様となっており、突進技は無いが空中制動力と飛び道具による置き攻めが強いキャラを目指したとの事。
『アカツキ』の操作性やシステムは基本的に各種搭載されている。
ガードキャンセル攻性防禦設定や演出設定なども可能。
また、デフォルトでAIが搭載されている。強さは「少し甘め」との事。
プレイヤー操作

+ RicePigeon氏製作
  • RicePigeon氏製作
MUGEN1.0以降専用。
こちらもスプライトはのもれ氏のものを使用。『心綺楼』以降の弾幕アクションゲームに準じた技を多く取り入れている。
基本的には弱中強の3ボタンで攻撃を行う。ショートカットボタンが付いており、ダッシュ・Y+Z・X+Y+Zをボタン一押しで入力出来る。
また、4枚の葉っぱの特殊ゲージが搭載されており、超必殺技で妖怪に変身する度に1枚消費される。
全ての葉っぱを消費すると一定時間経過で回復するまでは超必殺技が使えなくなるため注意。

出場大会

更新停止中
凍結

出演ストーリー

プレイヤー操作

実況付きP操作 Tarie配信(67キャラ目操作キャラ)


*1
何故「勝手に」かというと、聖白蓮の意図したものでないからである。
ぬえ当人は白蓮への恩返しのつもりで、かねてから旧知の仲である彼女を呼んだのだが、
元々団結力の無い妖怪達では、彼女一人増えた所で大して変わらないため、
結果的に白蓮の仕事を増やす事になっただけだった。

*2
ただし、このシーンは人間側(魔理沙)が真夜中に妖怪(付喪神)の行列に付いていくという、
相手が危険な妖怪だった場合、最悪殺されかねないような軽率な行動を取った結果でもあるので、
むしろ妖怪の危険性を理解させるために声を荒げて警告している、という意見もある。
例えるなら「忍び込んできた子供を本気で怒鳴り散らす老人」と言った所だろうか。もちろん宴会を邪魔された事に純粋に怒っているのもあるだろうが。
実際、顔見知りで「戦える人間」である事を知っている魔理沙だという事が分かると、コロッと態度を軟化させている。


最終更新:2023年10月17日 15:46