仮面ライダーシン







   "変身"への挑戦


 ■スペック
 身長:199.9cm
 体重:90.0kg
 跳躍力:垂直跳び114m、幅跳び232m
 打撃力:最大2.8t
 蹴撃力:最大4.2t
 走力:100mを3.34秒で走破

「行かなきゃ…誰かが助けを求めて…!早くいかなきゃ!!」

+ 担当俳優・声優
石川真(本名及び旧芸名:石川功久)
『真・仮面ライダー 序章』
阿座上洋平
『ライダージェネレーション2』
久保田悠来
『平成ライダー対昭和ライダー』
鈴木賢
『ライダーレボリューション』

久保田氏は呉島貴虎/仮面ライダー斬月を演じた。

仮面ライダー20周年を記念して作られたでも作られたのは21年目*1
通称「ネオライダー」作品の1作目である、東映のオリジナルビデオ作品『真・仮面ライダー序章』の主役ライダー。
作中では名前は呼ばれず、OPテロップでは「真・仮面ライダー」、各種資料などでは便宜上「仮面ライダーシン」と表記されていたが、
仮面ライダーディケイド』の時期に後者に統一された。
後述の通り実際には「仮面ライダー」となる前の姿だったので、そう呼ばれないのも当然ではあったのだが。

変身者は風祭真。身長185cm。体重79kg。25歳。城南大学体育学部卒業。知能指数250。
不治の病の克服のための細胞レベルでの体質改善を目指し、
食事や酵素療法での免疫の強化「レベル1」、人工抗体の投与による細胞強化「レベル2」、
そして既に病気に侵された細胞の復元を目指す「レベル3」などの研究を行っていた
臨床的免疫工学の権威である父の人体実験に協力していたが、
その職場である生化学研究所ISS(Institute of Super Science)は「財団」*2により出資されており、
共同研究者の鬼塚という科学者によって密かに改造手術を施され、人間とバッタの遺伝子を融合させた生体兵器「改造兵士レベル3」となっていた。

オリジナルビデオという媒体かつ作風が大人の視聴者層向けに作られている事もあり、
歴代ライダーの中でもかなりクリーチャー色の強いデザインをしている。
変身のプロセスも、怒り等の感情の高ぶりにより体内のバッタの遺伝子が活性化し、
特殊な物質バッテリゲンが分泌されて身体が徐々に変化していく肉体変化型であり、
特に、最初の変身描写はグロテスクかつリアリティある演出が用いられている。

ゴ・バダー・バのようなバッタの怪人やアナザーアギトのような生々しいライダーが登場するとよく引き合いに出される姿だが、
このあたりの事情は後述。

+ 能力
当時の歴代ライダーがどちらかと言えばサイボーグ系が多いのに対し、
シンは生体兵器としての特徴を強調した外見と能力を持つ。

バッタの生体兵器だけあって強靭な脚力とスピードを誇る。
戦闘スタイルは肉弾戦を中心とした荒々しいものであり、「改造人間レベル2」豪島との戦闘では首を脊椎ごと引き抜くなど、
容赦のなさからもアマゾンギルスの系譜である事が窺える。
専用の道具は持たないが、超振動する両手の爪「ハイバイブ・ネイル」、腕や脚に生えた鋸状の器官「スパイン・カッター」が武器となる。
また、全身がセラミックの5倍の強度を持つ甲殻細胞に覆われており、皮膚は攻撃に対する衝撃の75.0パーセントを吸収・無効化し、
仮に傷を負っても通常の人間の5000倍の細胞増殖にて急速再生する耐久性を持つ。
生体的な能力ゆえに炎を弱点としており、700~800度くらいの高熱には約5分しか耐えられない。
変身
戦闘

また、鬼塚は先に自身もほぼ同じ改造をしており、真は鬼塚との間でバッタの交信能力を持つ
(ただし歴代ライダーのような明確な会話ではなく理性を失い殺戮に走る鬼塚の視界が夢に出る程度であり、
 真相が判明するまで真は自分が犯人なのかと悩む事になる)。
真と鬼塚との顕著な違いとして、眉間の第三の目があり、鬼塚の死の間際の言葉によるとこれが理性を保つ器官のようだ。

+ 原作での活躍
鬼塚から協力を要請されるが拒絶し、CIAに爆破された鬼塚の断末魔のテレパシーが変身を誘発する。
ISSの看護師であった明日香愛との間に子供を授かっており、
実は「財団」の一員であった彼女から全ての真相を伝えられるが、
CIAと「財団」の戦いに巻き込まれ父を喪い、
愛は自暴自棄になったISSの所長・氷室巌に撃たれ、
真は「財団」と戦う意志を固め、氷室を殺害する。
その後「改造人間レベル2」豪島を下し、豪島の爆発から逃れた真は、
異形の顔を持ち、オートレーサーである事からCIAからは「MASKED RIDER」と呼ばれ、
「財団」の実験の成功サンプルとして「財団」とCIAから追われる身となり、
愛との間の胎児、第三の目を持つライダーベビー(ミュータントベビー)と共に逃避行が始まった。

TOP SECRET
TARGET
CODE NAME

 MASKED RIDER

MASKED RIDER

+ 原作以外におけるシン
  • 仮面ライダーSD
OVA『仮面ライダーSD』では、何故かモブ怪人に混ざって彼らしき姿が確認できる
(第三の目もはっきりと確認できる)。

  • スーパーヒーロー大戦シリーズ
2009年の『オールライダー対大ショッカー』以降、所謂オールライダー系映画にも先輩達同様助っ人として登場。
が、やはり歴代ライダー達と並ぶと敵怪人に見えてしまう点をよくネタにされる。
また、専用バイクが無いため、場合によっては一人だけ走って移動していたりする。
一応、『レッツゴー仮面ライダー』での岩石大首領との決戦時には遠めながらバイクに乗っており、
全ライダーの力を結集した大技「オールライダーブレイク」には参加している。

しかし、怪人寄りの造形・外見が仇になったか2021年の『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』の頃には、
経年劣化のせいか1人だけアクションシーンが無い
それどころかアクターが着るのにも無理があったのか、勢揃いの立ちシーンではマネキンに着せて撮影していたとか…。
怪人寄りの造形と劣化の関連性に関しては仮面ライダーシザースの記事も参照されたし。
公開後のイベントでアクションを行っていたことが報告されているが、こちらのスーツもダメージが大きいことがスチール写真から確認出来る。
一度スーツがダメになった後新造された例もあるが故、こちらも何かの機会に…と切に願うばかりである。

+ 映像作品以外におけるシン
  • たかや健二氏の『真・仮面ライダー 序章』
別冊コロコロコミックスペシャル 1992年2月号(44号)に掲載された漫画。
本編の後、事故に遭った氷室の息子に輸血を行うが、
輸血によって一時的に改造兵士の力を得た彼は、「財団」のコウモリ型改造兵士に唆され親の仇と見なして襲ってくる。
氷室少年はやがて副作用で倒れ、激昂した真はコウモリ男を十字架に突き刺して殺す。

  • MASKED RIDER SHIN EDITION
S.I.C. HERO SAGA vol.4書下ろしの小説。
ミュータントベビーこと風祭新視点で進む。
父と同じ改造兵士レベル3の姿に特撮番組『仮面ライダー』(ジオラマを見ると『The First』一号に近い)を模したスーツとバイクを纏い、
仮面ライダーシンとして「財団」やCIAの追手と戦っていた新は、追手の改造兵士を感知する。
&bo){改造兵士はやがて人間の記憶を失うよう作られている}と新による解説が入り、
最後に刺客が改造兵士レベル3即ちである事が明かされる。

ちなみに、『真・仮面ライダー序章』の没案は仮面ライダーのコスプレイヤーが本当に悪と戦う事になる話だったそうな。
直接の関係は無いが、後にこの没案に類似したコンセプトの漫画『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』(作:柴田ヨクサル)が登場している。

+ 余談
当時、特撮は冬の時代であり東映の特撮部門も「子供だまし」と社内で冷遇された時期で、
それを打開すべく本作はこれまで制作されていた子供の層をターゲットとした特撮作品とは一線を画す「大人向け特撮作品」というコンセプトで作られ、
『序章』というタイトル通り、当初は3~5話を想定したシリーズ化を目指していた。
本来ならばそのシリーズでアーマーを纏ってバイクにまたがり、
仮面を手にして我々が良く知る「仮面ライダー」の姿=「仮面ライダーガイアとなる事が予定されていた。
シンの姿が怪物と形容せざるを得ないモノであるのも、仮面を被った異形の戦士という仮面ライダー本来のコンセプトへの回帰を目指していたのである。
いわば前々作『仮面ライダーBLACK』第一話の10秒ほどと、その後の変身シーンで一瞬登場するバッタ男の段階だったのである。
しかし本作が想定以上に好評であったため、1993年に仮面ライダー映画の公開が決まった際に『真』の続編は検討されつつも、
「前作品見なければ分からない続編モノよりも、新規さんでも気軽に見れる完全新作の方が良いのでは」という主張が通り、
劇場版で『真』の続編が制作される事は無く打ち切りとなってしまった。
もっとも、それを経て作られた同じネオライダー作品『仮面ライダーZO』の評価は非常に高かったため、方針としては間違いなく成功の部類であったが。

なお、『真』『ZO』『J』のネオライダー3作品は、登場した時期は間違いなく平成時代であるのだが、
仮面ライダークウガ』を始めとする所謂「平成ライダー」には含まれず、便宜上「昭和ライダー」の方に分類されている。
その為、平成ライダー20周年記念作である『仮面ライダージオウ』には出演せず、
代わりにジオウの劇場版『Over Quartzer』にて、ネオライダーの力(歴史)を受け継いだ(奪った)仮面ライダー、
「仮面ライダーゾンジス」が登場した(名前はJ、ZO、SINを並べ替えてZONJIS)。
また、「ガイア」の名前は『クウガ』の初期案や小説『仮面ライダーEVE』などでも使われており、
制作側としても原作者直々のプロジェクトが埋もれたままにしておく事は憚られたであろう背景が垣間見える。
なお、本作が志向した「残虐・性的描写を盛り込んだ大人向けの仮面ライダー」という路線は後の『仮面ライダーアマゾンズ』に受け継がれており、
一部本作のオマージュとも取れる設定も登場している。

余談中の余談だが、 真を演じた石川巧久氏は、本作の後、「功久(かつひさ)という読みが難しい」事から役名と同じ「石川真」を芸名とし、
ウルトラマンメビウス』ではウルトラマンヒカリであるセリザワを演じている。


MUGENにおける仮面ライダーシン

(0w0)あーぱー姫の改変でお馴染みの真崎アスカ(亜-人)氏によるキャラが公開中。
イントロでランダムに発生する変身シーン等、秀逸な手描きのドットで製作されている。

Vシオン等からのモーションや技のトレースが多いためかスピードと回避に特化したガン攻めタイプの性能をしており、
敵の攻撃をジャンプや移動攻撃技等で掻い潜りながら奇襲を仕掛け、相手を怯ませたら『メルブラ』ばりのエリアルコンボで畳みかける戦法が基本となる。
そのため、弾幕キャラや遠距離主体のキャラには滅法強い。
一方で単純な防御能力自体はであり、切り返しに使える技が喰らい抜けバーストしか無いため、如何に近接戦で優位に立てるかが重要である。
一応再生能力の原作再現として自動回復も付いているが、一般のキャラでも普通に削る事ができるため油断は禁物。
さらに特殊やられも豊富で、ブリス謎ジャム裸エプロン等も搭載されている。

+ 主な技

必殺技

  • ハイバイブネイル(奇襲)
相手に向かって1回転して飛び込むと同時にハイバイブネイルで切り裂く技。弱強の2種が存在。
飛び道具無敵で、クリーンヒット時は一定時間硬直するためコンボ始動パーツとして非常に優秀。
元ネタは『仮面ライダー シティウォーズ』の同名の必殺技。

  • ハイバイブネイル(コンボ)
ハイバイブネイルを生やした手刀を繰り出す、連打コンボが可能な乱舞技。こちらも弱強があり、飛び道具無敵。
元ネタは恐らくこちら

  • スパインカッター
スパインカッターが生えた上腕部を前方に突き出して高速突進し、ヒットした相手を打ち上げる中段技。
空中版は相手を画面端まで吹き飛ばす挙動になる。こちらも弱強があり、飛び道具無敵。

  • 真ライダー返し
当身技。打撃と飛び道具を取る事が可能。
打撃の場合は相手ステートを奪い、コンボに繋げる事が可能。飛び道具の場合は体力とゲージを微量で回復させる。
こちらも弱強があり、強版は投げも取れる壊れ性能。
劇中でも相手の勢いを逆手に取った投げ技を駆使する事が多かったため、そういった挙動が元ネタだと思われる。

1ゲージ消費技

  • ハイバイブネイル
ハイバイブネイル(コンボ)の強化版。
ただし、こちらは始動が相手ロックである事と、最後に昇龍拳で打ち上げ通常空中攻撃に繋げられる事が大きな違い。

  • スパインカッター
スパインカッターの強化版。
ただし、地上版ではヒット後相手を打ち上げない点、ヒット後に自分と相手が赤背景の影として表示され、
出血と同時に元々の攻撃力(相手体力の1/4)に自身の蓄積ダメージ量半分を上乗せしたダメージを与える点が必殺技版と異なる。
演出といいどう見ても直死の魔眼に見えてしまうのはご愛顧。
元ネタは『シティウォーズ』の同名の必殺技。

  • 真ライダーパンチ
運送技。運送する時間が長いほどダメージ量が増すようになっている。空中でも使用可能。
元ネタは劇中で改造兵士レベル2を吹き飛ばしたジャンピングパンチ。

  • 真ライダーキック
コマンド投げセブンスヘブン
相手を上空まで打ち上げてロックし、自身も飛び上がり画面から消えた後、超高速で全画面かつ四方八方からキックを繰り出す技。
また、キックの判定は非ロックの相手にもヒットするため、タッグで使う際も非常に優秀。
元ネタは恐らく、次々と遮蔽物に飛び移りレベル2を翻弄したときの挙動にセブンスヘブンでアレンジしたものかと思われる。

3ゲージ消費技

  • ハイバイブネイル&スパインカッター
全ゲージを消費して放つ最強技。
「スパインカッターによる通り魔切り→相手を上空まで打ち上げ→上空までジャンプ
 →超高速でハイバイブネイルやスパインカッターで乱れ引っ掻き→カットインと同時に相手の頸動脈を3回引き裂く」
といった挙動で相手に大ダメージを与える。

相手の頸動脈を引き裂くモーションの後に、自分と相手が赤背景の影として表示され、
出血と同時に元々の攻撃力(相手体力の1/2、高カラーでは即死)に自身の蓄積ダメージ量を上乗せしたダメージを与える。

元ネタは『ガンバライド』や『ライダージェネレーション』シリーズの同名の必殺技だが、
『ガンバライド』の映像を挿入するなど元ネタをコンパクトに複合させた演出はファン必見。
また、処刑用BGMとして「青空のナミダ」が流れるが、彼の境遇と歌詞が地味にマッチしているため何とも絶妙な味を醸し出している。
理由は長らく不明だったが、 氏のツイートでの発言 によると「氏なりのシンの応援歌」であるようだ。
ガンバライド版
出番は4:23から

AIもデフォルトで搭載済み。
移動攻撃技で飛び道具を回避しながら接近し、コンボを叩き込んでくるため中々手強い。

また、特殊カラーとして凶最上位以上の11P~12Pが搭載されている。
11Pはゲージ回復、12Pはゲジマユ補正OFFとなっており、いずれもゲージMAXかつ相手を喰らいステートに移行させたら即死技を放つようになっている。
通常カラー(旧版)
特殊カラー(11p)

出場大会

非表示


*1
正確な20周年は『ウルトラマン25周年と重なるため、ぶつかるのを避けたらしい。

*2
表向きは巨大企業だが裏では世界支配を企てている。
劇中では関係者も「財団」としか呼ばず、何財団なのかは未だ不明。
Xとの関連は不明。財団X登場回の脚本家によれば「財団から名前だけ取った」との事。
資料によっては、両者に何らかの関係性があるとも考察されている。
ちなみに詳細不明の敵対組織(CIAか?)に石ノ森章太郎御大が所属している。


最終更新:2023年10月11日 18:38