ウルトラマンヒカリ





「君に出来た事が、俺に出来ないはずはない。
 俺も君と同じ…“ウルトラマン”なのだから」


 身長:50m(ミクロ化も可能)
 体重:3万8000t
 出身:M78星雲・光の国
 年齢:2万2千歳

円谷プロの特撮作品『ウルトラシリーズ』に登場するウルトラマンの一人。
担当声優は 難波圭一 氏。このwiki的にはアンディ・ボガードアクセル=ロウでお馴染みだろう。

「ブルー族」と呼ばれる青い体を持つウルトラマンで、『ウルトラマンメビウス』にて初登場。
また、主役作としてスピンオフのネット配信ドラマ『ヒカリサーガ』が存在する。
M78ワールドの映像媒体では初となる青いウルトラマンである
(一応、ブルー族の設定自体は以前から雑誌などで存在していた)。
当初はアーブギアと呼ばれる鎧を纏った「ハンターナイトツルギ」として登場したが、
後に鎧を脱着して本来の姿になった際に、防衛組織「GUYS」のアイハラ・リュウにより名付けられた。

元々はM78星雲光の国の宇宙科学技術局に所属する研究者であった。
ウルトラマン』最終話でゾフィーが持ってきた事で有名な、命の固形化技術の発明者でもあり、
この功績により勲章としてスターマークが授けられ、宇宙科学技術局の次期長官に就くなど、高く評価されていた。
また、この時期に宇宙警備隊入隊試験に落ちて失意のまま技術開発局に入ったウルトラマントレギアと出会い、
その才能を見出して教え子としていたという
(トレギアの「トレラアルティガイザー」の発射ポーズが、ヒカリの「ホッドロードシュート」に酷似しているなど、伏線らしき演出が確認できる)。
しかし、この発明を聞き付けたバット星人が技術の開示を求めてきたため、ヒカリ達はこれを断った所、
バット星人らと光の国の間に戦争が勃発し、さらにはその余波が無関係であった地球にまで及んでしまった。



戦争は光の国の勝利で終結したものの、自分の発明が原因で起きてしまったこの事件によってヒカリは自責の念に囚われ、
長官の座を辞して宇宙へ放浪の旅に出る。
旅の中で立ち寄った美しいこりん星惑星アーブと、そこに住む知生体との出会いで立ち直ったヒカリは、
ウルトラマンキングからナイトブレスを授かり、以降はアーブを守る事を誓う。
だがその決意を打ち砕くかのように襲撃してきたボガールによって、ヒカリの抵抗も虚しくアーブは滅ぼされてしまう。
これにより、ヒカリのアーブへの強い情愛はそれを奪ったボガールへの激しい憎悪へと転化し、
喰い殺されたアーブの知生体の怨念を復讐の鎧「アーブギア」として身に纏い、「ハンターナイト ツルギ」と名乗るようになる。
ボガールを追って地球を訪れた際に、丁度ディノゾールとの戦いで命を落とした「GUYS」前隊長セリザワ・カズヤ(演:石川真)を発見し、
地球での活動を容易にする目的で彼と融合した。

この頃のヒカリは復讐に取り憑かれており、ボガールへの報復のためならなりふり構わず、
既に命が無かったとはいえセリザワを平然と「入れ物」呼ばわりし、
大規模な爆発を起こしかねない状態のボガールを地球の被害を気にせず攻撃しようとするなど、
当時地球の防衛にあたっていたメビウスと対立する事もあった。
しかし、メビウスとの交流やセリザワの残留思念に触れる内に、徐々に復讐心で曇っていたウルトラマンの心を取り戻し、
メビウスやGUYSと共にボガールモンスと化したボガールを倒すも、元々戦闘要員ではない彼の体には限界が来ていたため、最終決戦後に力尽きて絶命してしまう。

前述のように蘇生技術に良い記憶が無いため、一度はウルトラの母による助けを断るものの、
ヒカリがこのまま死ぬ事を良しとしなかったセリザワの思いを受け入れ蘇生し、本来の姿を取り戻す。
そして地球に戻り、セリザワの部下であったリュウにより「ウルトラマンヒカリ」と命名され、それからしばらくの間は地球で行動する。
しかし生粋の戦闘要員ではない事が災いしてまたしてもダメージを蓄積していき、ゾフィーから光の国への帰還を促されてしまう。
最初の内こそ光の国への帰還を躊躇していたヒカリであったが、中盤でメビウス達の成長を認め、ナイトブレスを一時的に託し地球を去り、療養する。
その後、宇宙大怪獣ベムスターとの戦いを通して、ゾフィーに宇宙警備隊へとスカウトされ正式な宇宙警備隊員となった後*1
ババルウ星人を追って再度地球に飛来。
最後は地球でエンペラ星人と対決した後、ゾフィーやメビウスと共に光の国へと帰って行った。

ニュージェネレーションシリーズでは、新たな脅威への対応策にウルトラ戦士用の新たな武器やパワーアップアイテムを次々開発するという、
科学者としての経歴を遺憾なく発揮したシリーズでも稀有な立ち位置を築いている。
機械に武器に生命科学にと様々な分野の発明や開発をしており、描写的に何が専門なのか全然分からない活躍ぶりだが、
そこはまあウルトラシリーズの前例も含めて天才科学者にはよくある話である。
完全に新アイテム=ヒカリ制作が定着したことで、ファンからは過労死が心配されていたのだが、
ボイスドラマにて「宇宙科学技術局はほとんどヒカリだけで回している」というガチで過労死しそうな事実が判明した。*2

所謂サブトラマンポジながら『メビウス』及び『ヒカリサーガ』などにおける活躍が印象深く、
元祖青トラマンもといアグルにも負けず劣らずの人気を持つのだが、
その一方で、彼の技術の賜物を巡って戦乱が起きる事も少なくなく、ある種のトラブルメーカー扱いも受けていたりする。
また、ヒカリが宇宙科学技術局の長官から退いたり復讐の念に囚われたりといった事象は、
先述のトレギアが「ベリアルに続いて悪に墜ちた光の国のウルトラマン」となる切っ掛けを生むに至ってしまった。
ヒカリも教え子を闇堕ちさせてしまったことについては悔やんでいるようで、
『運命の衝突』でトレギアの同位体と戦った際もまだ情がある様子を見せていた。

手を十字に組んで放つ光線ナイトシュートや、ナイトブレスから伸びる光の剣ナイトビームブレードなどが主な技で、特に剣の腕は達人級だが、
ナイトブレスなしでも天候を操ったり、光線技ホットロードシュートでベムスターをわざとエネルギーを過剰吸収させて倒すなど、
素の戦闘能力もかなり高い。
また彼の正しい心にアーブの意思が応えたことでアーブギアを自分の意思で纏えるようになり、一種の強化形態のように使えるようになった。
一度エンペラ星人にぶっ壊されたが、時系列的に後に当たる『運命の衝突』で装着していることから、
自己修復機能のようなものがあると推測される。
ただし、上記のように戦闘要員ではないがために長期にわたって戦場に立ち続けると身体にガタが来るため、
いずれの作品でも戦闘に参加するのは短期に留められていることが多い。

+ 発明
  • 命を固形化する技術
昭和『ウルトラ』シリーズで度々見られた技術。
この技術と、ウルトラの母ら銀十字軍のメンバーが開発した命を肉体に定着させる技術(リライブ光線など)により、
ウルトラ戦士達は死者を蘇生させる術を持っている。
とはいえ、確実に蘇らせられるわけではないらしく、メビウスの発言からウルトラ戦士側もむやみに使用してはいけないものと認識しているようである。

  • ナイトティンバー
ウルトラマンヒカリが宇宙を揺るがす危機に備えて自ら開発した魔笛封印剣。
真の力を発揮できるのが、ビクトリアンかつウルトラマンであるウルトラマンビクトリー/ショウのみのため、彼に託された。
ちなみにこの際、自身のスパークドールズを生成するという離れ業(スパークドールズは本来ウルトラ戦士や怪獣自身が変化したもの)を見せたが、
その結果戦闘にはほぼ参加していないにも拘らず、ビクトリーに支えてもらわないと歩けないほどに消耗していた。
強力な浄化の能力を持ち、普段は奇跡のメロディを奏でる横笛型のティンバーモードを取るが、
刃を展開し片手剣型のソードモードに変形させる事でウルトラマンビクトリーナイトへと強化変身させる。
『ウルトラファイトビクトリー』の事件解決後、ヒカリに返却しようとするも、そのままビクトリーに託された。
元々使い道が限られていた事もあってか、ヒカリの発明としては珍しく強奪も悪用もされず、敵にも狙われなかった。
なお上記の通り真の力を発揮できるのはショウのみだが、武器としては問題なく扱えるらしく、ショーではヒカリ自身が必殺技まで使用した事もある。

ちなみにナイトティンバーの音声はヒカリ自身の声である。
何故か妙にテンションが高いが、ヒカリ自身の趣味で吹き込んだのか、ヒカリの声を元にした合成音声の類なのかは不明。

  • ウルトラカプセル+(ジード)ライザー+装填ナックル
ウルトラマンジード』におけるキーアイテム。
「オメガ・アーマゲドン」を起こし、地球へと侵攻してきたウルトラマンベリアルとの戦いを終結させるべく、開発されたアイテムである。
ジードは変身ツールとして使用しているが、本来はゼロビヨンドのように使用者のウルトラマンを強化させるためのアイテムらしい。
ギガファイナライザーとも互換性があるが、これは恐らくギガファイナライザーの方からジードに合わせて最適化したためと思われる。

また怪獣カプセルから怪獣を召喚する機能があるが、これは元から想定された機能なのか、ベリアル側で開発した新機能なのかは不明。

しかし実戦投入する前にダークネスファイブが戦死して実は割と劣勢だったベリアルが「クライシス・インパクト」を起こす強硬策に出てしまい、
その混乱の隙を突かれる形で、ベリアルの部下だったストルム星人に盗まれてしまい、
少なからず痛手を負ったベリアルを復活させるための試みに利用されかける事にもなった。
その後ベリアル側でも量産されたらしく、本来は赤黒のカラーリングだが、一個だけ青いカラーリングのライザーが存在している。

実は使用できるのはウルトラマンだけ、というセキュリティもあるのだが、よりによって相手がウルトラマンであるベリアルのため、
ベリアルの力を借りる事で、ウルトラマンに無関係の人物でも使用可能になってしまっている。

またウルトラカプセルをリードするのに使用する(ジード)ライザーはウルトラマンキングと同じ声だが、
テンションも声色も全く違うため合成音声だと思われる。
ヒカリがボイスチェンジャーで吹き込んだ可能性もあるが

カプセルのデザインが拳を突き上げるウルトラマンで固定されている等、
ナイトティンバーの件と合わせて、案外ヒカリがお茶目なのかもしれない。
どう考えてもそんな余裕がある状況ではなかったけど

『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』にて開発。
ゴーデス細胞を植えつけられたウルトラマンマックスを救うため、ソラと呼ばれるウルトラウーマンと共に3日足らずで開発。
十分な治療効果を示した。
ちなみにリブットが「君の作った抗体のおかげだ」と、幼馴染のソラにだけ礼を言う場面では大人の対応で見守っていた

  • ウルトラゼットライザー+ウルトラメダル
ウルトラマンZ』に登場するアイテム。
急造品であったウルトラカプセル及びライザーの発展版であり、同様に本来は変身道具ではなく強化ツールであり、
武器としての用途もある他、メダルの組み合わせによっては形態変化だけでなく光線や光刃を射出できる。
またライザーでは装填ナックルの方に用意されていた通信機能も集約されている。
デビルスプリンターによる怪獣災害の増加に対応するために製作された。
ゼットの名を冠しているのは、ウルトラマンゼットが被験者として開発に携わっていたためである。
ちなみにベリアル以外のメダルがあるウルトラマンは、開発の際に実際に光の国まで来てもらったらしい。
ウルトラマン3人分の力を扱えるため、2人分使用するライザーよりも性能は上であり、
また、かつてウルトラカプセル及びライザーが複製されて敵に利用された反省からか、
ウルトラアクセスカードによる使用者承認機能も備えられ、セキュリティ面も強化されている。
セレブロもジャグラーもアクセスカード共々ライザーを複製する技術があったので、あまり意味が無かったが
なおこのアイテムの開発経緯は「三分の一人前の実力しかないゼットを心配したゼロがヒカリに頼み込んだ」という、
親馬鹿ならぬ師匠馬鹿によるものであった。


MUGENにおけるウルトラマンヒカリ

BlackCat氏とWoz氏による共同製作のキャラが公開中。
ナイトビームブレードによる接近戦が非常に強力なキャラとなっている。
『ヒカリサーガ』でベムスターに行った片手投げなど、細かい原作再現も完備。
加えて超必殺技は「ナイトシュート」やナイトビームブレードの斬撃だけでなく、
メビウスを呼び出して光線を同時発射する技も搭載されている。
2021年1月には、更新によりアーブギアを纏うモードチェンジ技が実装された。
AIもデフォルトで搭載されている。
旧バージョン
最新版(DLは下記の動画から)

出場大会

出演ストーリー



*1
少なくとも『メビウス』時点ではブルー族の宇宙警備隊員はいないとメビウスが言及しているが、
『トレギア物語/青い影』の描写を見る限りブルー族が入隊を志願する事に偏見や制約があるわけではなく、
単純な事実としてヒカリの入隊まで入隊試験に合格できたブルー族が1人もいなかっただけらしい
(設定では、ブルー族はレッド族やシルバー族と比べて知力が高い代わりに戦闘は苦手とされている(あくまでもウルトラ族の基準でだが)。
 一方でレッド族は逆で、シルバー族はバランス型)。

また、ゾフィーに次ぐ年長者ではあるが、上記の経歴からウルトラ兄弟としての立場はメビウスと一緒に末弟扱いである。
どうせ増えるだろうから末弟では無くなるだろうけど
とは言え、本人はベテランという事もあり、他の戦士とは互いに対等に振舞っており、
特に年が近いゾフィーとは、出奔前からの長年の友人という間柄が強調されている。
逆にメビウスは基本的に敬語口調が多いのに、最初の出会いが敵対的だった名残りや地球で共に戦った仲間意識からか、
ヒカリがかなり歳上でキャリア持ちなのにも拘らずタメ口で接するという、彼としては珍しい態度を取っている。

*2
彼以外に有能な科学者といったらトレギアとソラくらいであり、トレギアは出奔、ソラはヒカリ自身の推薦で出向してしまっている。
そもそも昭和シリーズの頃は児童誌で「ウルトラブレスレットはゾフィーが開発した」と語られていたりと、
光の国は科学者ポジションと呼べるキャラがヒカリ登場まで皆無という、宇宙科学技術局は完全な人材不足であった。
さらにゲネガーグの襲撃によって宇宙科学技術局が大打撃を受けてほぼ機能停止状態に陥り、
再建に向けて彼の双肩にのしかかる負担はますます大きくなってしまった……。


最終更新:2024年02月14日 14:15