言峰綺礼



誕生日:12月28日
血液型:B型
身長:185cm/193cm
体重:82kg
特技:鍛錬/特になし
好きな物:鍛錬/悲運
苦手な物:独り酒/信頼
天敵:衛宮切嗣
イメージカラー:黒
※(ニ通りあるものは『Zero』/『SN』順)

「喜べ少年。君の願いはようやく叶う」

TYPE-MOONのゲーム『Fate』シリーズの登場人物。初出は『Fate/stay night』。
読みは「ことみね きれい」。担当声優は同じくTYPE-MOON作品でネロ・カオスなどを演じた 中田譲治 氏。
冬木市にある言峰教会を任されている神父にして、遠坂凛の兄弟子かつ第二の師匠であり後見人。そして父親の仇でもあるのだが、凛はその事を知らない。
初期コンセプトは「会った瞬間黒幕と判るヤツ」。

ちなみに『Zero』と『SN』で身長が大きく異なるが、これは『Zero』で「悩める若人」としてキャラクタライズされた際、
『SN』での黒幕をイメージした非常に大柄な体躯ではキャラに合わないと判断されたため。つまり正確に言えば伸びたのではなく縮んだ
まあTM作品だと成長期後に更にグンと背が伸びるなんて珍しくも無いが
また、中田氏がナレーションを務めるNHK BSプレミアムのドキュメンタリー番組『幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー』において、
聖杯やロンギヌスの槍、死海文書を扱った回にて本作を意識した声優ネタをも披露した。


概要

冬木市の聖杯戦争で聖堂教会が初めて介入した第三次聖杯戦争*1の際に、監督役としての任を負った言峰璃正の息子であり、
第五次聖杯戦争において、魔術協会・聖堂教会という二大組織から任命され、
戦いを円滑に進めるための監督役として戦いの隠蔽や後始末、サーヴァントを失ったマスターの保護などを担当している。
しかし、その裏で自らマスターに推薦したバゼット・フラガ・マクレミッツを騙し討ちして令呪とサーヴァントを奪い、
聖杯によって生まれ出るであろう「この世全ての悪」の誕生を見届けるために暗躍していた。

教会の代行者の資格を持ち、魔術に関する知識もある為、死徒や悪魔憑きよりは魔術師狩りとして10年以上戦い抜いた経験を持つ。
もっとも、教会の異端狩りのエリート組織「埋葬機関」所属であるシエルには到底太刀打ちできない程度、との事
(作者曰く、全盛期であった『Fate/Zero』時点ならいい勝負をするとの事)。
信仰心の薄いシエルと違い、こちらは敬虔な信者であり、後述の嗜好を把握した後でもそれは変わらない。
ちなみに妻子持ち。ただし妻とは『Zero』の時点で既に死別している。
は見た目は母親似だが中身は父親似である*2
『タイガーころしあむ』では本編やファンディスクでは実現しなかった親子対面が実現した。
戦闘時は投擲剣・黒鍵と殺人拳レベルに昇華された八極拳を用いる。また、心霊医術の達人でもある。
ただし彼の八極拳は実戦の中で「敵を殺す為の手段」として磨き上げられている為、
彼の父親が極めていた、求道者が修める類の拳法とは全く性質が異なると本人は評価しているとか。

普通の人間が美しいと感じる事柄を美しいと感じられず、多くの人間が醜いと感じる事柄に愛着を感じる生まれながらの破綻者。
人の不幸がなければ幸福を感じる事ができない。神を信じて仕え、人並以上に道徳や倫理を理解し、それが正しいと思いながらも、
自らの生まれついての悪への嗜好を満たすために行動する。悪党ではないが悪人、非道ではないが外道。
若い頃は、一般常識や良識・倫理観が無いわけではなかったためこの自覚に苦しみ、自分の歪みを矯正する事で救われようと試みており、
自分を罰するように厳しい修行に打ち込み、結果として神父としてはかなり優秀な存在となり周りから尊敬されていた。
しかし、妻の死や第四次聖杯戦争での出来事を通して達観し、
第五次時点では自分という生まれついての悪が存在する価値、外れた存在が在りのままに生き続ける事の是非に対する答えを追い求めている。
とはいえ、現在でも神父としての聖務に忠実で、頼み事は断らないし、嘘は吐かない。
彼が執り行った結婚式は新郎新婦が大満足するほど。
ついでに霊体に対しての攻撃力は特化しており、歪ではあるものの彼の信仰心がどれほど揺ぎ無いものであるかを現している。

なお、彼は他人の不幸で愉悦を感じるためサディストだと思われがちだが、実際は自らの不幸も喜びに変えるマゾヒストでもある。
そんなわけで彼の最大の悦びは「自分が愛する人を自らの手で苦しめる」である。業が深い。

なお彼がこれらの嗜好を自覚したタイミングは作品によって差異があり、
『SN』では妻を失った際に「自分で殺せなかった」事を悔いた事で自覚した事になっているが、
『Zero』ではそれよりも後、第四時聖杯戦争の最中に師匠、遠坂時臣のサーヴァントであるアーチャーに唆された事で目覚めたという展開になっている。
これについては、『Zero』時点の言峰は妻の死によって気付いた自分の性癖をまだ受け入れる事ができておらず、
妻に関する記憶を歪めているという説明がなされている。
いずれにせよ、劇中における衛宮士郎との会話などから自分の嗜好を受け止めた後もなお、
心のどこかでは「普通の感性を持つ人間として生きたかった」と考えていた模様。

なお、綺礼の母親は不明。
父親の璃正も作中で描かれている理性的な人物像に反して、神父なのに実子が居り、
しかも綺礼が巡礼中に生まれているなど経歴に不審な点が見られるが、詳細は明かされていない。*3

また、彼を語る上で欠かせないのが麻婆豆腐
冬木の中華料理店「泰山」の常連であり、殺人的な辛さの麻婆豆腐を大粒の汗をかきながらも平然と頬張る様は違う意味で何かが破綻している。
そんなインパクトから付いたアダ名は「麻婆神父」。むべなるかな。
ちなみにあくまでも「泰山の麻婆」が好きとの事だが、スピンオフ漫画『衛宮さんちの今日のごはん』によれば麻婆以外の激辛料理も嗜むようだ。

容姿は社長と菌糸類が共に愛して止まないバンドである「SOFT BALLET(ソフトバレエ)」のボーカル、遠藤遼一氏がモデル。
更に厳密に言えば、解散後「THE ENDS」名義でソロデビューした頃の遠藤氏との事。

+ 契約サーヴァント
ランサーアーチャーに関しては個別項目参照。

  • アサシン
第四次聖杯戦争で綺礼に召喚されたサーヴァント。
暗殺教団の教主「山の翁」を務めた1人で、「百貌のハサン」の異名をとる暗殺者。
型月世界において十九代に渡って存在する「ハサン・サッバーハ」の中でこのハサンは十九代目。
即ち最後の「ハサン・サッバーハ」とされている
(もう1人同じ時代に「他の代のハサンの奥義を全て取得した候補者」がいたが、
 新たな奇跡を生み出す事ができなかった事、その力・性格を教団が恐れた事から百貌の方が襲名する事になった)。

生前は多重人格者であり、それぞれの人格が別々の特技を持っていたため、卓越して秀でた才は無いがあらゆる事態に対応できる多芸さが売りだった。
当時精神病と定義されていなかったそれは、彼らにとって歴代のハサンが持っていた秘伝に並ぶ「能力」であり、同一人物とは思えぬほど多彩な能力を誇り、
老若男女ありとあらゆる変装もこなすため、その実態は側近すらも掴めなかった程であった。
死後に英霊となってからは、生前と異なり肉体という枷に縛られなくなったことで、人格ごとに自身の霊的ポテンシャルの分割を行い、
別の個体として活動する、つまり群にして個、個にして群の「群体型」とでも言うべき特性”宝具「妄想幻像(ザバーニーヤ)」”を獲得。
それを活かした人海戦術が持ち味だが、一つの霊基を複数に分割しているため一体一体の戦闘力はタダでさえ弱いアサシンクラスの中でも更に心許ない。
それでも一般的なマスターよりは強い上、気配遮断のスキルだけは分割しても劣化しないため、
マスター殺しに徹すれば聖杯戦争に勝利し得るだけのポテンシャルは持っていた。だが──。

アニメ版のEDやDVDのオマケ映像を見る限り生前は男性だったようだが、『FGO』では青髪の女性(通称「アサ子」)が全人格の代表として登場する。

+ 他作品の言峰
『hollow ataraxia』では第五次聖杯戦争で死亡した事になっており、『SN』の主要人物の中で唯一登場しない。
『SN』で死亡したはずの他の人物は生存しているのに、彼だけが死亡している事が『hollow』の世界観のヒントになっている。
『Fate/EXTRA』では、本編での彼を元にした運営NPCの一人であり、上級AIたちをまとめる監督役として登場。
続編の『Fate/EXTRA-CCC』でも登場しているが、
主人公達と共にBBによって月の裏側に引き込まれた際に、役割(ロール)が書き換えられた事で、購買店員にされている。

『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』では第3部『ドライ!!』から登場。
『プリヤ』の基準世界ではなく美遊の居た平行世界の住人で、何故か閑散とした冬木の街でラーメン屋(という名の麻婆屋)を営んでいる。もちろん激辛。
作者曰く、この世界では何故か「食」に答えを見出したとの事。
一応この世界でも聖杯戦争の監督役を務めており、様々な事情にも精通しているが、本人は敢えて語らずの姿勢を貫いている。

Fate/Grand Order』では、第2部序盤において唐突の登場を果たす。
聖堂教会から査問団顧問としてカルデアに派遣された代行者と思われていたが、
実は新たな敵「異星の神」の手先であり、殺戮猟兵を率いてカルデアを壊滅に追い込み、
主人公の仲間だった大勢のカルデア職員を殺害し、ダ・ヴィンチを消滅させるという大暴挙に及んだ。
その正体は人間ではなくサーヴァント「グレゴリー・ラスプーチン」。
より正確に言えば、言峰綺礼の肉体を器にラスプーチンが同化した疑似サーヴァント「アルターエゴ」である。
『FGO』の世界でも言峰綺礼は存在していたらしいが、2004年の時点で死亡したという。
しかし、聖堂教会の報告書において「遺体はその場で焼失して回収されていない」事が確認されている。
2004年とは『FGO』の世界でカルデアの先々代所長・マリスビリー・アニムスフィアが冬木で聖杯戦争に参加した時期であり、
『SN』の世界と同じように聖杯戦争絡みで死亡したと思われるが詳細は不明。

ラスプーチンの人格は、ロシア異聞帯にて生前面識のあったアナスタシアが獣国の皇女となったのを見届けた事で、
生前の未練を晴らしたために、言峰の人格に霊基の肉体を丸々譲り渡して消滅。
以降は綺礼の人格が主体となり、英霊ラスプーチンの能力を持った言峰綺礼ともいうべき存在と化している。
徒歩でシャドウ・ボーダーに追いつく程度に足が速く等、原作以上に身体能力が向上している。
手足が巨大化したり禁断の花園に引きずり込んだりはしない…多分
5.5章でリンボが、6章で千子村正が退場、(一応の共闘関係にあった)コヤンスカヤもツングースカで和解に近い形で決着が付き、
6.5章で存在が明かされた、アルターエゴではない他の異星の神の使徒2騎も同章で退場し、さらに7章にて使徒のリーダー格だった1騎も消えてしまったため、
7章終了時点で「異星のサーヴァントは通常の聖杯戦争と同様に7騎いる」と判明し、「オーディオ・コール」でようやく動き出した1騎を除き、
2部終了まで唯一生き残った異星の使徒となっている。


ユニットとしては、2部開始から相当経過した2023年1月についに満を持して実装された。
カード構成はArts型で、宝具「零れ氾く暗黒心臓」は「悪」属性特攻効果を持つ他、発動時に自身のArtsカード性能アップさせ、
やけど付与、延焼付与、呪い付与、呪厄付与、「善」特性の敵を確率で即死させる、スリップダメージ満載な全体攻撃となっている。

綺礼の登場以前から概念礼装としてイラストが描かれている他、激辛麻婆豆腐も登場している(効果は回復量アップ)。

ニコニコ動画では自分や師匠と同じ声で喋るどす黒い悪の神父との中の人ネタや、
『Zero』で披露したアゾット剣(これも『FGO』に礼装として登場)がネタにされる他、
静画では『FGO』に登場してほしいサーヴァントや水着回で来てほしい水着のイラストが投稿されて、後に実装が発表された際に、
「ニコニコ預言者」のタグと本項冒頭の台詞が書き込まれる。
ちなみに、激辛麻婆豆腐をはじめとする礼装を担当した絵師がニコニコ静画に仕事絵を投稿している。


格闘ゲームにおける言峰綺礼

格闘ゲームでは『Fate/unlimited codes』にタイムリリースキャラクターの一人として登場。
「凛の八極拳の師」という設定から、八極拳で戦うゴリゴリの近接キャラに仕上がっている。

中距離では弾数制の飛び道具「黒鍵投擲」で牽制しつつ、機を見て飛び込んで近距離の読み合いに持ち込み、
壁際に追い込んで高火力のコンボを叩き込むのがコンセプト。
今作の非サーヴァントキャラに共通する点として徒手空拳がメインなためリーチが短く、武器持ちが多い各種サーヴァントや、
飛び道具が主体のキャラには苦戦を強いられるものの、近距離に踏み込んだときの強さはピカイチ。
コマンド入力で3連撃までコンボを繋げていく連続技「裡門頂肘」「打開」「斧刃脚」やコマンド投げ「天頭墜」など近距離での手数は多く、
ここにリフレクトキャンセルからの通常投げなどを絡めた怒涛の攻めを見切るのは困難。

また、言峰といえば壁際の相手を連続で「連環腿」で蹴り上げて拘束するループコンボ、通称リフティングが有名。
C連環腿で相手の魔力ゲージを削って魔力開放によるコンボ脱出をさせない、かつ「黒鍵投擲」による補正切りからの超必殺技で大ダメージを狙えるという、
優秀なコンボとなっている。

前述したリーチの短さや、牽制・コンボ中継に使う「黒鍵投擲」が10発の弾数制で乱発しにくいという弱点はあるものの、
近距離に持ち込んだ際の攻め能力とコンボ火力の高さからダイヤを引っくり返す事も多く、ダイヤでは強キャラグループの次点~中堅上位に置かれる事が多い。


MUGENにおける言峰綺礼

複数の製作者による「Dry-Mugen」で共同製作されたキャラが公開中。
JUS』風ドットで製作されたMUGEN1.1専用のちびキャラである。
原作同様に黒鍵、八極拳を用いた攻撃を行い、遠近共にバランスが取れている。
必殺技は溜め技が多いのが特徴となっている。
超必殺技では聖杯の泥を用いた技を使用する。エフェクトが禍々しく、見栄えも良い。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から

これ以前にもCV譲治の夢魔のストライカーとしてMUGEN入りしていた。


出場大会

  • 「[大会] [言峰綺礼]」をタグに含むページは1つもありません。

出演ストーリー



*1
1860年頃に起きた第二次聖杯戦争の参加者達が、
揃いも揃ってルール無視の殺し合いした末に勝者が決する事なく全滅ENDになったため、
アインツベルンが教会に聖遺物を監督するようにけしかけ、形式上の監督役を置いてより細かなルールが決められた。

なお、この第三次聖杯戦争の出来事により、
  • 「復讐者」が召喚され、戦いの過程で小聖杯が破壊される→『stay night』
    • アメリカ政府の介入があり、三次アサシンのマスターがシステムの一部を持ち帰る+α→『氷室の天地 strange Fake』
  • 本来呼ばれるはずの無い日本鯖の魔人アーチャーが召喚される+α→『帝都聖杯奇譚
  • 「裁定者」が召喚されるが、ナチスドイツが世界一の科学力で物理的に大聖杯を奪取→『Apocrypha
という形で各作品に分岐する
(1970年から分岐した『EXTRA』と、2004年に第一次聖杯戦争が起きた『FGO』は別ルート、
 『Requiem』に至っては、2020年現在ではまだ繋がりが不明瞭)。

*2
彼の娘は『SN』の半年後を描いた『hollow ataraxia』にヒロインとして登場している。
……のだが、言峰の妻の没年とその時点で連れ添った期間などから逆算していくと、
言峰が妻と結婚したのは『SN』の15年前という事になり、そこに「アダルトゲームのヒロインは18歳以上」という不文律を加味すると、
言峰が聖職者として極めて不適切な事をやらかしたという事実が判明してしまう。
このためか、当初は第四次聖杯戦争時点で20代前半とされていたのが、後に28歳だったと変更された。

*3
ただし設定の上ではあくまでも聖堂教会は「異端は排すべし」とする一部の過激派信者が立ち上げた分派という扱いであり、
一般的なカトリックの教義を当て嵌める事の是非に関してはファンの間でも議論がある。
そもそも平然と四肢が千切れ飛ぶようなエロゲに出てくる組織という時点で色々と察するべき


最終更新:2024年01月22日 21:22