桐生一馬


「死にてぇヤツだけ かかって来い!」

セガのゲーム『龍が如く』シリーズの6作目までの主人公。
「きりゅう かずま」と読む。メカゴジラアルター使い東都のライダーとは無関係。
担当声優は 黒田崇矢 氏、少年期は 野島健児 氏。
海外版『1』ではDarryl Kurylo氏が吹き替えを担当しており、『YAKUZA : Like a Dragon』でも続投している。
ファンからは敬意を込めて「桐生さん」、あるいは下記の真島の兄さんに倣い「桐生ちゃん」と呼ばれて親しまれている。

1968年6月17日生まれ。かつては作中の関東最大の暴力団体「東城会」に属する堂島組のヤクザだったが、
物語開始冒頭の事件絡みのあれこれで逮捕された後は堂島組を破門*1となり、そこからも数奇な紆余曲折を経て現在はカタギである。
どこからどう見てもヤクザにしか見えないのでしょっちゅうチンピラに絡まれるけど
堂島組時代は異名として、背中の刺青として彫られている応龍から「堂島の龍」と呼ばれていた。
いかにも極道然とした風貌で近寄り難い威圧感を醸し出しているが、情に篤く強い正義感と面倒見の良さを併せ持つ人物であり、その生き様に魅了される者も多い。
戦闘能力も凄まじいものがあり、作中においては「武装した100人超のヤクザを単身で壊滅させる虎二頭を素手で倒す等々、
軽く人間やめてるレベルの強さを見せ付けており、その力とカリスマ性から神室町の抑止力として君臨している。

…もっとも、神室町の住人を初めとする『如く』世界はモブ含め住人もみんな何処か常人離れしているのだが。
殺意しか感じられない極み技を喰らっても体力がある限りスックと立つチンピラ・ヤンキーは元より、
ティッシュ配りにクロックアップしたり、原付で車のケツに追突しても前転してキレイに着地したり。
桐生はそんな住人達の生活の一ページから強烈なインスピレーションを受け、応用して自分の技にしている事も。…しょっちゅう原型が迷子になるけど

関係者に、かつて桐生が恋した女性の忘れ形見(桐生との間の子供ではない)である澤村遥、
ヤクザ時代から交流があり、ヒロイン相棒として支えてくれる刑事(後に辞職したり復職したりする)の「伊達さん」こと伊達真、
ヤクザ時代の親分であり桐生が育った孤児院のオーナーでもあった、二つの意味で「親」と言える風間新太郎*2
桐生と因縁のある人物の息子であり、ある事件をきっかけに行動を共にする堂島大吾などがいる。
また、東城会きっての武闘派にして奇矯な先輩である「嶋野の狂犬」こと真島吾朗とは浅からぬ因縁を持ち、
互いに「桐生チャン」「真島の兄さん」と呼び合う仲である。

そんな桐生さんだが自由度の高いゲームの主人公にされた都合のせいか好奇心旺盛でノリが良い一面もあり、
「ポケットサーキット」(所謂ミニ四駆的なもの)や「昆虫女王メスキング」(『甲虫王者ムシキング』の公式パロディ)等の子供の遊びに本気でのめり込んだり、
カラオケで熱唱して気合いの入りまくった合いの手を入れたり、ブログの更新に精を出したりと、度々お茶目な一面を見せてくれたりする。

ちなみに前述の通りカタギなのだが(前日譚である『0 誓いの場所』を除く)、英題は『Yakuza』となっている*3

+ 原作の解説
本作は『GTA』シリーズ等の様にオープンワールドゲームとなっており、
「大人向けエンタテインメント作品」をコンセプトに製作されたゲームである。
主な舞台である神室町はまんま新宿の「歌舞伎町」がモデルとなっており、続編では大阪札幌広島等にまで舞台が広がっている。
訪れる事が出来る店の中には実在企業のものも含まれているのが一種のお約束となっており、
戦うだけでなく、カラオケをしたりゲームを遊んだり食べ歩きをしたりと、自由度が高いゲーム性となっている。
シンボルエンカウントとなっており、敵と目を合わせる事で戦闘に入る。
おかげで舐められているのかと突っ込むプレイヤーも
渡哲也氏やビートたけし氏や竹内力氏等、豪華俳優を起用しているのも特徴であり、
『4』以降はゲーム中の顔も本人に寄せたものになっている。
そのせいで『4』の移植版や後述の『JUDGE EYES』では声と顔を取り直すハメになったけど
外伝作として関ヶ原の戦い直後の江戸時代を舞台とした時代劇『見参!』(桐生の役柄は宮本武蔵)、
まさかのゾンビゲーと化した『OF THE END』、再び時代劇となる幕末が舞台の『維新!』(役柄は坂本竜馬/斎藤一)が、
また、2018年には『北斗の拳』とコラボした『北斗が如く』が発売されている。
ちなみに過去作のリメイク版は『極』シリーズとして発売されており、新規ストーリー等の要素が追加されている。
この他、世界観を共有した番外作として『クロヒョウ』シリーズ、木村拓哉氏を主人公に据えたキムタクが如く『JUDGE EYES』シリーズが存在する。
なお、『6』までのジャンルはアクションだったのだが、主人公が交代した『7』ではRPGに変更されている。

ネット上では「 俺は誓って殺しはやってません(ちかころ) 」や、
サブストーリーに登場する変てこな響きの専門用語が飛び交う色々アウトなインチキ宗教「ムナンチョヘペトナス教」、
海外で一大ミームと化した挿入歌「 ばかみたい 」が有名。
また、2021年7月に惜しまれながらも引退したホロライブ所属のVtuber「 桐生ココ 」は彼の大ファンを公言しており
(通称「『龍が如く』で日本語を学んだ女」)、
ゲーム内で釣りをする合同企画では『OF THE END』で合流する前提で下準備をしていたのに、
他の三人が別のゲームを起動した挙句そっちで合流してしまったために企画崩れになった事も。
よく分かる「龍が如くで日本語を学んだ女」

クロスオーバー作品『PROJECT X ZONE2:BRAVE NEW WORLD』(以下『PXZ2』)では、ゾンビゲームとしてスピンオフされた『OF THE END』の名義で参戦。
出典作品同様に神室町に現れたゾンビ相手に真島吾朗と共に戦っており、ゾンビハザードの元凶を追ってプレイヤー一行に加入する。
本編ではなくスピンオフからの参戦になったのは「元々本編からの客演は考えていない」という原作サイドの意向*4があった事や、
本編と地続きのパラレルワールドという設定、ゾンビゲー故に様々な武器を使えるゲーム的な汎用性、今後の外伝作に与える影響など、
様々な要因を考慮した結果、『OF THE END』が最適解だったという事がインタビューなどで語られている。


MUGENにおける桐生一馬

『PXZ2』のドット絵を用いたものが3体確認されており、いずれもMUGEN1.0以降専用。
時にはゾンビやクリーチャーのみならず、カタギの衆を平然と銃火器で弾いたり刀で斬り捨てたりするが気にするな!
これは上述の通り『PXZ2』の桐生さんは『OF THE END』準拠だから……と言いたい所だが、本編ナンバリングでも普通に銃や武器が使用可能だったりする。
まあナンバリングでも相手は死んでいないし、桐生さんの事だからきっと手加減しているのだろう。なので誓って殺しはやってません。

+ Jamesx15氏製作
  • Jamesx15氏製作
Acey氏による『MVC』風テンプレートを用いて製作されており、スーパージャンプやエリアルレイヴ、アドバンシングガードが可能。
『PXZ2』で使用していた銃火器や「ドスの極み」「蓮家閃気掌」、居合い斬りの「秘剣・荒れ牛」等を用いて戦う。
秘剣・荒れ牛が乱舞超必殺技の〆になっているなどアレンジされており、きちんと格ゲー風に落とし込まれてはいるのだが、
如何せん相方である真島の兄さんがいないので技が少なく、キャラのサイズもちょっと小さかったりで少々地味なのは否めない。
AIは搭載されていない。

+ Nexus Games氏(Nexus Gaming氏)製作
  • Nexus Games氏(Nexus Gaming氏)製作
コンプゲー『SEGA vs CAPCOM: Next Generation of Heroes』仕様の桐生さん。
現在は海外サイト「The Mugen Multiverse」にて代理公開されている。
他の桐生達と比べてスーツや靴の色調がやや明るめなのが特徴。
また、UnoShe氏の「Uno Tag System」にも対応している。

上記Jamesx15氏のものと同様に原作で使用していた技を駆使して戦うが、やはり真島の兄さんは不在。
こちらの秘剣・荒れ牛は単体の超必殺技となっており、コンボにこそ組み込めないがガード不能で5割と非常に強力。
ちなみに技全般にコンボ補正が掛かっていないらしく、簡単なコンボでとんでもない火力を叩き出せてしまったりする。
システム自体は『MVC』系に近く、スーパージャンプやエリアルレイヴが可能。
…が仕様に若干の癖があり、打ち上げ攻撃は立ち・しゃがみ両方の状態から出せる(モーション自体は共通)のだが、
立ち状態からヒットさせた場合、本家『MVC』のように追尾してくれないので注意。
加えてReadmeの類も付属していないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。
AIは搭載されていない。

+ Brergrsart氏製作
  • Brergrsart氏製作
Me and the Boys等のカオスな改変キャラで知られるBrergrsart氏による桐生さんで、1.0用と1.1用の2種類が公開中。
なんと初代『龍が如く』のリメイク『龍が如く 極』の再現に挑戦した意欲作である。
ドットの大幅な描き足しやエフェクトの追加によって再現された数々の残虐ファイトヒートアクション(原作で言う所の必殺技)は必見。
原作の映像を用いたカットインもある等、非常に気合の入った作りになっているが、それだけに容量も大きいので注意。
ちなみにこのページで紹介している桐生さんの中では一番背が高い。
なお、コマンドリストは本体に同梱されておらず、公開ページから飛べるリンク先で入手する必要がある。

基本となる「チンピラ」、火力が低く投げ技も持たないが手数と機動力に優れる「ラッシュ」、
動きこそ鈍重だが、バイクや自販機をぶん回す等のパワフルな戦法が持ち味の「壊し屋」、
そして後述の条件を満たす事で解禁される「堂島の龍」の4つのスタイルを切り替えて戦う。
中でも堂島の龍スタイルは見た目はアレだが高性能な飛び道具「カジキ砲」「ボウルの極み」、
攻撃速度が遅いキャラならこれだけで完封可能なカウンター技「古牧流・虎落とし」、高性能かつ高威力な投げ超必「究極の極み」等々、
非常に強力な技を所持しており、他のスタイルとは一線を画す強さを誇る。
各スタイルごとの性能をしっかりと把握して使い分ける事が重要になってくるが、
基本的にはボタン連打で繰り出せる「ラッシュコンボ」を軸に接近戦を挑んでいく事になるだろう。
なお、人操作での試合開始時はチンピラスタイルに固定されており、以降はラウンド終了時に選択されていたスタイルが適用される模様。
この他にも全スタイル共通の技として銃火器による飛び道具、スーパーアーマー付きのドスの極みや秘剣・荒れ牛を持つ他、
「白虎の気位」等の原作における能力強化スキルも再現されており、試合中に条件を満たすとゲージを増やす事が出来る。

また、ストライカーとして真島の兄さんがマンホールゴミ箱から出現して援護してくれる。
なんだそらと思う方もいるだろうが、これこそ『極』の目玉システム「どこでも真島」(注:公式名称)の再現である。
なお、原作では誇張抜きにあらゆる所で真島の兄さんが桐生さんに襲い掛かってくるので、これでもまだマイルドな部類だったりする。
そして、この「どこでも真島」を使う毎に専用のゲージが溜まっていき、満タンになると前述の堂島の龍スタイルが解禁される。
もちろんストライカーとしても非常に頼りになるので、積極的に呼び出していきたい所。

勝ちポーズの一つではどこからともなく飛んできたマイク片手に、
前述の「ばかみたい」をはじめとする原作で披露した様々な曲を熱唱してくれる。
また、稀に真島の兄さんがマイクを横取りして「24時間シンデレラ」を熱唱するパターンもある。

AIはデフォルトで搭載されている。
人操作時とは異なり試合開始時にランダムでスタイルが決定される他、MUGEN本体の難易度に比例して強さが変化する仕様となっている。
本体レベル6辺りまでの強さは並~強程度なのだが、レベル7から格段に強くなり、
最大レベル時は推定で凶(凶下位~凶中位?)クラスに達するので適宜調整しておこう。
とはいえ、いずれのレベルでも堂島の龍スタイルの有無で強さが大きく左右されるため、全ては真島の兄さんの頑張りにかかっていると言える。
特にレベル6まではラッシュコンボを完走しないで反撃を受ける場合が多く(特にラッシュスタイルが顕著)、
かつスタイル変更もAIの気分次第なので、堂島の龍解禁前に倒されてしまう事もしばしば。

2022年11月の更新によって究極の極みなど一部の技が弱体化され、それに伴いAIの強さも調整された。
特にMUGEN本体のAIレベルが6以下だと真島の兄さんを呼ぶ頻度が下がるため、より強さに直結するようになっている。
従来の強さの桐生さんもオリジナル版(ファイル名は「KiryuKiwami」)として別途公開されているので、必要に応じて使い分けよう。
紹介動画(公開先へのリンク有り)


これらの他に、『PXZ2』のドットを改変した『GTAV』の主人公、マイケル・デサンタが公開されている。


「運が悪かったんだよ …お前等は」

出場大会



*1
彼が犯した事になった罪は本来絶縁(=永久追放処分)に相当する大罪であり、
桐生自身も破門(=復帰できる可能性がある追放処分)で済まされている事を疑問視する発言をしている。
『極』では桐生が逮捕されている間の「空白の10年」が錦山視点で描かれており、
そこで桐生が破門で済まされている理由にも触れられている。

*2
読みは「かざま しんたろう」だが、海外版では「ふうま しんたろう」に変更されている(風間組も同上)。
これは海外の人には「一馬(Ka"zu"ma)」と「風間(Ka"za"ma)」の判別が付きづらい事による配慮。
だが、現地の声優による吹き替えがされた『1』以外は音声はそのままだったりする。

*3
意外に思われるかもしれないが本シリーズは基本的に極道社会を舞台にしながら、その操作キャラは一貫して(名目上は)「カタギ」である。
開始時点で現役であっても必ず何かしらの理由で(あるいは一時的に)組から抜けるか、あるいは既に現役引退した身であったりする。
これは前日譚である『0』においても変わらず、また『7』の春日一番や一部作品の真島の兄さんなど桐生一馬以外の操作キャラクターにおいても適用されている。
恐らく現役のその筋の人間を主人公に据えるのは流石に色々と不味いのだろう。
まぁ「今の俺はカタギだ」とか言っても作中で誰一人としてまともに取り合ってくれないけどね

*4
関連事項として、シリーズ総合監督の名越稔洋氏が過去のインタビューで「桐生が『スマブラ』に参戦するか」という質問を受けた際、
「桜井(政博)さんが欲しがらないだろう(笑)。言われるなら全然いいですよ。でも彼がほしがらない、たぶん。」
「我々は多くのリクエストを受けます…
 もちろん例外はありますが、格闘ゲームには通常女性キャラクターが登場しますし、
 個人的には桐生が女性を襲う姿はあまり見たくありません」(※英語の翻訳)
と語っている。


最終更新:2023年09月01日 15:37