ディメンショナルエリア

【名前】 ディメンショナルエリア
【読み方】 でぃめんしょなるえりあ
【登場作品】 『AXESS』『Stream』『光と闇の遺産』『BEAST』『BEAST+』

【詳細】

人間とネットナビの新たな関係を模索する光祐一朗が提唱したディメンショナルエリア理論により実現した空間。

元々は、ネットナビとオペレーターの高いシンクロ率(絆)に基づいた融合現象「クロスフュージョン」のために作られたのだが、Dr.リーガルにより地球に戦慄と恐怖を齎す兵器のような形となってしまった。
理論や設定そのものは、『無印』最終話「ウイルスバスターズ!」にてある程度出ていた。

一応、Dr.ワイリーもかつてはディメンショナルエリアの研究に携わっていたことが『AXESS』第27話「決戦!ネビュラ基地」にてリーガルの口から語られている。
そのため、WWW研究所でディメンショナルコンバーターの作成が可能であり、ダークロイドシェードマンがリーガルへの復讐のため用いていた。

外部からディメンショナルエリア内に侵入することは不可能だが、かなりの速度を伴って突入すると同時にクロスフュージョンすれば侵入可能で、『AXESS』第11話「金庫破りをやっつけろ!」で判明し、後の話やシリーズでも用いられる場合がある。

ちなみに、波長が同じディメンショナルエリア同士が衝突するとすり抜ける。これは『Stream』第41話「極秘指令CF」、第42話「デューオの彗星の下に」で敵味方ともに戦術として用いた。

装置

ディメンショナルエリアの展開には特殊な装置が用いられる。
完成当初は「ディメンショナルコンバーター」と呼ばれる装置が使われていた。
当然ながら、展開に用いている装置が機能停止に陥るとディメンショナルエリアは維持できず解除されてしまう。

ディメンショナルコンバーター(ネビュラ製)

『AXESS』第1話から『Stream』最終話までで長く使われた、ネビュラのボスであるDr.リーガルが作成したディメンショナルコンバーター。
『AXESS』序盤はステルス機能を備えたネビュラ衛星から地球へ放たれたりするが、後半以降は建物の壁や床などから突如現れることが殆どになった。
ディメンショナルエリアの表面は六角形で占められている。

彼の作ったこのコンバーターの特徴として、ウイルスダークロイドの実体化が可能という点がある。
当然ながらこれらは人間世界に対し牙をむく存在であり、リーガルの「地球を戦慄と恐怖で支配する」という野望のために作られた兵器と化している。
さらに、ダークロイドがこのディメンショナルエリア内で実体化すると、ダークチップの副作用を促進するという特性も備わっている。

祐一朗と親交があった際にはリーガルはディメンショナルコンバーターのエネルギー担当をしていたのだが、彼はネビュラのものとして運用するにあたって、コンバーターのエネルギー源を「ネットナビのHP(=ネットナビの生命エネルギー)」とし、ネットナビのHPをエネルギー化するという危険な方法で稼働させていたことが、『AXESS』第23話「戦慄の超エネルギー」で明らかになった*1*2
「ネットナビは人間の支配下にあるべき劣った存在」という、リーガル自身の思想が色濃く出ている要素といえる。

そのため、ディメンショナルコンバーターのエネルギーシステムのサイバーワールドには、燃料にされた末に衰弱死して亡霊となったナビ達が絶えず彷徨っているほか、彼らのプログラムの破片や悲鳴*3も大量に轟いている。*4

つまり、ダークロイド達の実体化は大勢のネットナビ達を人柱にすることで行われていたと同時に、ダークロイド達がひた隠しに隠そうとしていた秘密の正体でもあったのだ。*5
このため光祐一朗からは「こんな悪魔の機械、この世にあってはならない」とまで言われる危険な代物である。

また、ネットナビの他にアステロイドもエネルギー源として使用できるようで、『AXESS』では第2話や第50話で世界各国のサイバーワールドへ誘拐用の円盤を放って燃料(生け贄)となるネットナビ達を大量に捕獲し、『Stream』では最終決戦直前の第50話「バレル大佐」にてアステロイド軍団を50体ほど誘拐している。

弱点はエネルギーシステムのサイバーワールドにあるコアで、そこを破壊されると機能停止する。
これは『AXESS』第18話にてライカに突き止められ、サーチマンが現実空間を超えて狙撃する「ワープ弾」を用いてコアを破壊し、エリアを解除した。
この際破壊されたコンバーターは科学省とネット警察が回収し調査することになる。*6
その翌々週の第20話ではサーチソウルのロックマンが同様の手段で破壊しようとしたが、既に弱点が克服されており、弾丸がコアに届くことはなかった。

『Stream』第41話では、ディメンショナルエリアをバリア代わりにしてバケットホイールエクスカベーターを守っており、第50話「バレル大佐」でもアステロイドの攻撃にビクともせず耐えるほどに高い防御性能を誇る。

ディメンショナルコンバーター(シェードマン製)

リーガルによりダークロイド達を捨て駒にしていったうえに踏みにじられたシェードマンが、リーガルに復讐するため、WWW研究所を用いて作成したコンバーター。
ディメンショナルエリアの表面はネビュラ製と同じく六角形で占められている。

ウイルスやダークロイドが実体化可能という特性はネビュラ製と同じであるため、エネルギー源なども同様と思われる。
しかし、レーザーマンにより破壊されてしまった。

ディメンショナルコンバーター(科学省製)

『AXESS』第49話にて、科学省側がようやく完成させたコンバーター。
ディメンショナルエリアの表面はネビュラ製と同じく六角形で占められている。

ただし、エネルギーはネビュラ製のものとは違いネットナビに依存しない仕組みとなっているため、出力や強度ではネビュラのものに劣る。
そのため、ダークロイド達の攻撃でディメンショナルエリアを攻撃されるとコンバーターにも大きな負担がかかり、最悪の場合はディメンショナルエリア解除にまで至ってしまう。

街中で展開する場合には「ディメンショナルコンバーター車」と呼ばれる車両に乗せて移動させる。
後述のディメンショナルジェネレーターが完成した後は役目を終え、自動車博物館に展示されていることが『Stream』第27話「ルートさん危機一髪!」で確認できる。
また、ディメンショナルジェネレーターがネオWWWの作戦により使用不能となった『Stream』第39話「クロスフュージョン不能!」ではこのコンバーター車が再利用された。

ディメンショナルジェネレーター(科学省)

『Stream』第3話で完成した装置。
ディメンショナルエリアの表面はオーロラのように波打っている。

デューオの地球抹殺に勘付いたDr.ワイリーが、抹殺を拒んで科学省に間接的に協力する形で設計図を渡し、祐一朗達が完成させた。

ディメンショナルコンバーターとは違い、パラボラアンテナの形をしており4基が科学省の屋上に配備されている。
さらに、アンテナ先端からディメンショナルビームを放つことで国内であればどこにでもディメンショナルエリアを展開できるようになった。
海外に展開する場合には人工衛星を経由してディメンショナルビームを届ける必要があるのだが、これだけではアステロイドに対応しきれないため、アメロッパシャーロにもジェネレーターが新たに配備された。

エネルギー源は「ディメンショナルエレメント」と呼ばれる特殊な基盤となっており、ジェネレーター本体よりもこのディメンショナルエレメントが破壊されることが最も痛手となるほどに超重要。
『Stream』第39話ではアステロイド・ビーストマンの襲撃でジェネレーターが破壊される中、名人が命がけでディメンショナルエレメントを守り抜いている。
ディメンショナルエレメントはディメンショナルコンバーターとの互換性はないのだが、同話にてワイリーが窮地を凌ぐためにコンバーター車を改造し、一時的にコンバーターでもエレメントが使えるようにしていた。

但し、日食の最中は人工衛星が使用不能になるため、その間は人工衛星を利用してのディメンショナルビーム照射ができなくなるという弱点がある。
これに目をつけたネオWWWは、『Stream』第39話「クロスフュージョン不能!」でニホンの日食中に科学省のジェネレーターを破壊し、海外から経由してエリアを展開できない状態の中で、ニホンをアステロイドで襲撃した。

ディメンショナルジェネレーター(ビヨンダード)

『BEAST』から登場する並行世界「ビヨンダード」でも、ビヨンダードの光正*7博士のディメンショナルエリア研究所と、ビヨンダードのDr.ワイリー*8のワイリー研究所に配備されている。
ワイリー研究所のディメンショナルエリアの表面は六角形で占められている。

ビヨンダードの光正やリーガルは、人間とネットナビの新たなる関係を実現するためにディメンショナルエリア実験を行おうとしていた。

しかし、Dr.ワイリーは自分自身が最強の肉体を得て復活し世界を支配するという野望を実現するため、光正らの実験を利用。
ディメンショナルコンバーターのサイバーワールドに獣化因子を注ぎ込み、2つの研究所の2基のジェネレーターのビームでビヨンダード全土に獣化因子をまき散らした結果、ビヨンダードは天変地異が発生し、ウイルスやネットナビが実体化できる世界となったうえ、2種類の獣化因子「グレイガ」「ファルザー」、彼らの配下「ゾアノロイド」達が争う獣化因子戦争が勃発してしまった。

『BEAST』第21話にて、ディメンショナルエリア研究所に現れたファルザーに対抗するため、アイリスが研究所のジェネレーターを攻撃用に転用した。ファルザーの撃退には成功するが、ジェネレーターは使用不能に陥ってしまう。

『BEAST』最終話では、ビヨンダードのワイリーが世界中に獣化因子をまき散らした経緯を祐一朗が突き止め、シンクロナイザー・トリルと一体化し獣化因子の抗体となったロックマンの力を全く同じ手段で世界に射出することで、獣化因子を消し去るという手段を見出した。
前述の通り第21話でディメンショナル研究所のジェネレーターが停止してしまったため、科学省のディメンショナルジェネレーターのディメンショナルビームをフォッサアンビエンス*9に打ち込むことで代用した。

『BEAST』最終話で獣化因子は消え去って獣化因子戦争も集結したのだが、『BEAST+』第13話「穴掘り野郎がやってきた!」でビヨンダードからこちらの世界へやってきてしまった堀杉土太郎ミスタープレスの言動から、ビヨンダードでは今も現実世界でネットナビなどが実体化できる状態は続いているようである。

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最終更新:2024年01月13日 15:35

*1 いわばネビュラ製のディメンショナルコンバーターはネットナビを生きた燃料(生け贄)にすることで稼働する危険な機械で、祐一朗はこの原理を「ネットナビを喰らって(捕食して)動いていたんだ」と表現した。また、アニメ第1期『無印』に登場したゴスペル(ボス)とは「ネットナビを捕食する」という共通点がある。

*2 『BEAST+』第12話「電撃探検隊」では、エレキ伯爵の実家の隠し通路のシステムがネビュラのディメンショナルコンバーターと同じ方法で稼働しており、トマホークマンとガッツマンがペラペラにプレスされる形でほとんどのHPを燃料として吸収されてしまったが、ロックマンはカワリミ、エレキマンはセットロッドを使用することで上手く対処した。

*3 現実世界の生物でいう死体の肉片や残留思念

*4 加えてロックマンは幽霊が苦手であるため、ディメンショナルコンバーターのエネルギーシステムのサイバーワールドに行くことには気が進まず、亡霊ナビ達に遭遇した時は恐怖のあまりPETの画面端に隠れて怯えていた。(炎山曰くブルースも同じ体験をしていた模様)

*5 この一連の真実を知った熱斗は、ダークロイド達の実体化のために多くの罪なきネットナビ達の命が奪われていたことに「ひどすぎる」と強いショックを受けていた。

*6 だが、第23話「戦慄の超エネルギー」でリーガルがネット警察の手にわたるのを防ぐためにあえて修理した後、ゆりこの手引きでロックマンにインストールされている解除キーをコピーして侵入してきたスパークマンに破壊されてしまった。

*7 既に故人で人造頭脳

*8 こちらも既に故人で人造頭脳

*9 こちらの世界とビヨンダードを繋ぐ次元の亀裂