ゆっくりいじめ系3224 マグナキッド

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ゆっくりいじめ系3224 マグナキッド」(2019/11/20 (水) 16:32:36) の最新版変更点

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日曜の朝、都内某所 バイク愛好家たちが集まる小さなサイトのツーリングオフが開かれようとしていた 集合時間10分前、既に来ているメンバーは7人 その輪の中へ、俺は愛車のマグナ50で乗り付けた 「おはよう!マグナキッドです!今日はよろしく!」 元気よく自己紹介する 「…あ、おはようございます」 「マグナキッドさんって高校生なんですよね?若いですね…」 なぜか皆の視線が泳いでいる 「遅くなってスイマセ~ン!」 ZZR1400に乗ったオッサンが大きな声を出しながらやってきた 「幹事のカワサキオヤジです。今日は皆さんよろしくお願いします」 この人が今回のオフの主催者であり、サイトの管理人でもあるカワサキオヤジさんだ 「あ、どうも!マグナキッドっす。よろしく」 俺が挨拶をすると、カワサキオヤジは眉間にシワをよせて、俺とマグナをジロジロと見てきた 「え~っと…マグナキッド君だっけ?君さぁ、今日どこに行くか知ってる?」 「え…?富士山を見ながらそば食うオフっすよね?」 「うん。で、君のバイク…それ原付だよね?」 何が言いたいのかわからない。愛車を原付呼ばわりされてイラっときた俺は言った 「何が言いたいんスか?」 「高速道路に乗るんだけど…原付じゃ乗れないよね?」 「…大丈夫っスよ!ブン回せば皆さんに迷惑かけないくらいのスピードは出ますし」 爆笑の渦が起こった。そしてカワサキオヤジは苦笑いしながら言った 「原付は高速道路を走っちゃダメなんだよ。それにそのスピードメーター見てごらん」 視線を落とす。そこには60km/hが限界のメーターがあった 「高速道路は80~100km/hくらいで流れてるからね。君の原付じゃついて来れないよ(苦笑」 俺は泣きながら家に帰ると、そのまま枕を濡らして眠ってしまった 目を覚ますと午後10時、パソコンの電源を入れてあのサイトを覗いてみる そこの掲示板には、今日のツーリングオフを楽しそうに振り返るメンバーたちの書き込みがあった 俺は偽ハンドルネームを使って『カワサキオヤジ臭ぇんだよ!死ね!』と書き込む。 すぐに管理人からのレスがあった 『マグナ君だね。当サイトのルール通り、君をアク禁にします』 「うぅ…夢か…」 俺はあれからほぼ毎晩のように、あの日の悪夢にうなされている 時計を見ると、午前0時をちょっと過ぎたころだった。冷たい水で顔を洗うと、ベッドに腰掛けてため息をつく 「俺のマグナ…50ccだけど…本当に遅いのか?」 夢に出てくるZZR1400に乗ったあのオヤジは、いつも俺のマグナ50をバカにしやがる、だがどうしても俺にはマグナ50が遅いバイクだとは思えなかった ハーレーと並んでも負けない堂々としたスタイル ホンダが生んだパワフルタフエンジン ライダーの意志と共鳴する4速ミッション こんな素晴らしいバイクが、どうして世の中に認められないのか? 本当に高速道路に乗れないくらい遅いのか? そりゃZZR1400と比べれば、少しは遅いのかもしれないが… 「そうだ!」 頭の中にひとつの提案が浮かんだ 『マグナが速いってことを証明してやる!』 そう決めた俺は、着替えてヘルメットとキーを持つと 家族が起きないように静かに家を出た。相棒に跨ると、あの場所を目指して走り出す マグナ50の実力を試す場所、俺とマグナ50の魂が一つの壁に挑戦する場所、高速道路へと…ウインカーを点滅させ、インターチェンジへと進入していく もちろん原付は高速道路に乗ってはいけないという法律を知らないわけじゃない だけどこれは、俺とマグナ50の挑戦なんだ、もう戻ることなんかできない 発券機から券を抜き取ると、スロットルを全開にして走り出す 「行くぜ!マグナ50の実力を証明してやる!」 初めて走る高速道路 だが親父の車で何度も来ているので、どういう場所かは理解している メーターの針はまもなく60km/hを指そうとしている しかしトラックや車に次々と追い越されていく やっぱりマグナ50は遅いのか…いや、違う!まだ実力は発揮されていない 「まだだ!マグナ50はこんなもんじゃない!」 前傾姿勢になると、前方を走る軽自動車を睨みつける行ける!追いつける!追い越せる! ここからは一瞬が勝負の世界だ 右のミラーを見て、後方からの車がないことを確認する 右のウインカーを出す、そして目視 素早く車線を変更すると、3速に落としてエンジンのパワーを開放する 「行っけぇぇぇぇぇ!!!!!!」 再び4速!並んだ!そして抜いた! マグナ50が軽自動車に勝利した瞬間だった 軽自動車の排気量は660ccある CBR600RRよりも上だということだ その軽自動車に勝ったということはつまり マグナ50は、CBR600RRよりも速いということになる 激しいバトルを終えた俺は この先2kmにあるサービスエリアの看板を見つける 「少し休もうかマグナ50…」 夜のサービスエリアは静寂に包まれていて戦士が休息を取るには最適な場所だった 「俺たち勝ったんだぜ。お前も疲れただろ?ちょっと休もう」 マグナ50を二輪の駐車場に置くと 建物の中へと入り、食堂でうどんを注文する さっきのバトルで、かなりエネルギーを消費したから栄養補給だ。あとでマグナ50にも給油してやろう 今日は頑張ってくれたから、特別にハイオクを入れてやろうかな、そんなことを考えていると、食堂のおばちゃんから声がかかる 「3番のうどんでお待ちのお客さま~」 熱々のうどんを頬張っていると、誰かが俺の肩を叩いた 振り返ると警察官が二人、俺を見下して立っていた 「あっちに停めてある原付は君のか?」 「…原付というか、マグナ50っスけど…」 「ちょっと来い!」 食べかけのうどんを残し、俺はパトカーのほうへと連行された 午前6時、連絡を受けた親父が警察署まで迎えに来た そして殴られた バイクの違反切符を切るたびにあの日の事を思い出す。 あの少年はまだ乗り続けてるのだろうか・・・ 監視センターより無線連絡。 「無灯火のバイクが高速に進入、確認願います。」 ちっ、後1時間で勤務終了なのに。 高速の監視カメラは優秀だ 「了解、確認に向かいます」 赤色回転灯のスイッチを入れスピードを上げる。 また無線が入る 「無灯火バイクは路肩を低速で走行、サービスエリアに入った模様・・」 無線連絡にあったサービスエリアに到着し 該当車両を発見した。 「なんだこれは・・・・原付じゃないか!」 周辺を確認したがドライバーがいない・・・ レストランにヘルメットを持った少年が一人。 「あの子だな」 応援の同僚隊員も加わり、確認に向かう。 「あそこに停めてある原付は君のか?」 ウドンを頬張っている少年が振り返り、キョトンとしている。 「確認したい事があるからこっちに来なさい」 「君、無灯火で高速走行しちゃだめだろう」 「しかも原付じゃないか!原付は高速道路を通行しちゃダメなんだよ?」 「何?マグナ50? 何を言ってんだ?君」 「親に確認するから切符に住所と電話番号書いて」 切符を確認すると 「なんだこの名前、マグナキッド?」 「お前は何を言ってるんだ?」 「あ!違反車両の原付を消してマグナ50って書くんじゃない!」 「何故泣いている!鼻水拭きなさい!」 数時間後にマグナキッドを名乗るこの子の親が到着 父親に殴られたその顔には鼻水ではなく 鼻血が垂れていた。 俺はNS-1に乗っている。 原付だけど速いし、 峠では最強だと思う。 事実峠ではスクーターをバンバン抜かせるし、どんなコーナーだって俺が一番上手い。 俺はこの峠の主なんだ。 「そろそろ行くか・・・」 バトルスーツに着替え、俺は走り出した。 峠の頂上に辿り着くと、そこにはマグナ50に乗った男がいた。 マグナの男はこちらに気づき、 近寄ってきた。 「いつもここで走ってるの?」 「ああ。俺はここの主だ。」 「俺のマグナと勝負しないか。CBR600RRよりも 速いぜ」 俺はこの発言に何かひっかかるものを感じていた。 「いいだろう。麓のうどん屋がゴールだ。」 「あの夕日が山に隠れたら、バトルスタートだ」 うなるN1のエンジン。 一方、マグナは重低音を奏でていた。 ここには俺たちしかいない。 これは命がけのバトルだ。 「負けた方がうどんをおごる。それでどうだ?」 「いいだろう。」 夕日が山に隠れる! 俺とN1は勢いよく飛び出した。 20、30、4 0・・・どんどんスピードが上がっていく 後ろを見るとマグナは小さくなっていた 「いける!」 俺はこの峠を知り尽くしている。 だから誰も勝てない。 しかし、それは一瞬の出来事だった。 前から来たおばちゃんトゥデイを避けたはいいが、俺はバランスを失い転倒してしまった。 「・・・」 遠のく意識。 おばちゃんトゥデイは見えなくなっ ていた。 「おい!大丈夫か!」 男の声で気が付いた。 ここは・・・?俺は死んだのか? 「おい!」 マグナの男が俺を介抱してくれていた。俺は気を失っていただけだった。 「N1!」 N1は草むらに突っ込んで止まっていた。 フォークは曲がり、カウルは割れていた。 N1は死んでしまった。俺は泣いた。 「N1はお前を守ったんだよ」 マグナの男が言った。 「俺もいままでこいつと色々なことをした。高速を走ったりもしたんだ。こいつは俺の一生の相棒なんだ。」 高速・・・ まさか! 俺は恐る恐る聞いてみた 「お前はまさか・・・ マグナキッドか?」 「そうさ。俺はマグナキッドさ。」 俺は驚愕した。 あのネットで話題になったマグナキッドが実在したとは! [[このSSに感想を付ける>感想フォーム]] #vote(しあわせー![31],それなりー[8],つぎにきたいするよ![73])
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