ゆっくりいじめ系2515 ゆっくりクジ

春。花見の季節。


街道や公園には桜が見事に咲き誇り、公園では多くの人が桜の木下にビニールシートを敷いて、宴会をしていた。


俺は自転車で街へ出かけていった帰りに、公園によってきた。

理由は、桜の見事な咲き誇りように思わず見とれてしまったからだ。
それに、公園では多くの人のにぎやかな声が聞こえる。

このような声を聞いてしまうと、ついつい自分もそちらに引き寄せられるように行ってしまう。



公園はお祭りとなっていた。
桜の木の下で親子連れや会社の人たちが楽しく花見をしており、公園の道沿いには屋台がたくさん並んでいる。


祭り騒ぎで、屋台を見たら、ついつい屋台のほうへと体が引き寄せられてしまう。
屋台で売られているものは、普通には無い魅力があるのだ。
値段が高いが、花見を楽しむならば気にする必要は無いだろう。


そこで、俺は屋台でまず焼きとうもろこしを注文した

「へい、おまち!!」

おっさんの見事な腕により、綺麗なこげ茶色の焼き目を入れられたとうもろこしは、かけられた醤油の匂いと見事にマッチして、
非常に美味しそうな香りを出していた。
我慢できなくなり、思わずかぶりつく。

「うまい!!」

焼きとうもろこしなんて久しぶりに食べた。あまりの美味しさに思わず口が進んで行く。
気がつくと、もう全部食べていた。

「おうおうおう!!兄ちゃんいい食いっぷりだな!!作った俺もうれしいぜ!!」

どうやら夢中になって食べていたところを一部始終見られてしまった。
思わず赤面するが、屋台のおっさんから褒められてまんざらでもない気分になる。
だが、そんなしあわせー♪な気分をぶち壊す不快な声が聞こえた



「「「ゆっくりしていってね!!!」」」



最近になって急遽現れた不思議生物、ゆっくりだ。
内訳は、れいむ、まりさ、そして子れいむ、子まりさといった親子連れ4匹だ。

現れた最初あたりは、世間はその不思議生物に対して「友好的でもなければ否定的でもない中立的」な立場をとり、
色々とコミュニケーションを図った。

しばらくすると、ゆっくりのペットブームが始まったが、またしばらくすると、ゆっくりの及ぼす害が深刻となり、
世間は「中立的な対応」から一転し、「ペット以外は全て害獣」という対応になった。

ゆっくりが現れたはじめは、虐待をする人が白い目で見られたが、今では制裁対応ならば白い目どころか褒められるようになっている。
どうやら、このゆっくり親子はこの花見の人たちに対して物乞いをしているのだろう。


あたりを見渡すと、花見をしている2歳児をつれた親子連れに、まりさと子まりさがなにやら話しかけているし、
宴会をしているおっさん達のところではれいむが歌を歌っている。

野良ゆっくりは人に対して物乞いをするか、人と接するのを避けるのかのどちらかしか選ばない。

どうやら、この公園にいる野良ゆっくり達は前者のようだ。皆薄汚れて汚いが、顔は必死だ。
明日の食い扶持もままならないのだろうか。


すると、俺と屋台のおっさんのところに現れたゆっくり親子は

「おにーさん!!そのとうもろこしさんちょうだいね!!」
「まりさたちおなかがすいているんだぜ!!」
「「ちょーらいね!!」」

と言って来た。それを見たおっさんは

「おぅ、兄ちゃん。こいつらはゴミのようなものだからな、捨てるんならゴミ箱があるからそこに捨ててきてくれねぇか?
あそこにゆっくり専用ゴミ箱があるからよ」

「でいぶだぢごみじゃないよぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

と、れいむの訴えを無視して、おっさんは俺に指差した方向をみせた。
公園のゴミ箱の横にある、同じゴミ箱。だが、こちらは水が張っており、底にはスクリューが、後ろにはタンクのようなものがあり、
ちょっと近代的なゴミ箱と言ったところだ。

だが、これはゆっくり専用ゴミ箱である。ゆっくりは生命力と繁殖力が高いので、確実に殺処分しないといけないのだ。
そこで編み出されたのがこのゴミ箱。水に弱いゆっくりに対して効果覿面で、確実にしとめるために一定時間おきに底のスクリューが回転する。
溜まった水は、後ろのタンクへとうつされ、公園の水道から新たな水が補充されるといった仕組みだ。




「俺達みたいな食い物を作る連中からすれば、こいつらは目の敵でな。俺はとうもろこし作っていて手が離せねぇからよ。
頼むからなんとかしてくれねぇか?」
「はぁ、わかりました」

といったものの、いきなり殺すというのもなんか気がひける。それに、とうもろこしは全部食べたから、この食べかすくらいならあげてもいいかな。


俺はそう思い、ゆっくり達に食べ終わったとうもろこしをあげた。おっさんはしかめ面をしたが、その様子を見守る

「ゆっ!!おにーさんありがとう!!ゆっくりもらうよ!!」

れいむが俺に礼を言うと、親子たちは一心不乱に食べかすにくらいつき


「「「「むーしゃむーしゃ!!!・・・・・おいしくないぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいい!!!!!」」」」



号泣した。そりゃ、食べ終わった後だからな。おっさんが惚れ惚れするくらい綺麗に食べたのだ、食べる部分なんて全く無い。

「ぷんぷん!!たべれるところなんてぜんぜんないじゃないの!!おにーさんばかなの!!」
「まりささまにとっととおいしいごはんをもってくるんだぜ!!」
「しょーだしょーだ」
「ちねー、やくたたじゅのじじぃはちねー」


うむ、ゲスだな。
ゆっくりになど興味は無いが、こんなにもむかつく言葉を言われて、怒らない人間がいるだろうか?いや、いない。
そう確信した俺は、親まりさを掴むと、ゆっくり用ゴミ箱へともっていった。
まりさは野良であるが、このゴミ箱の恐ろしさは知っていた。他のゆっくりがここに入れられると「おお、ぶざまぶざま」とバカにしていたが、
自分がそのゆっくり達と同じ道を歩んでいるということがわかると、先ほどの強気な態度から一転して命乞いを始めた。

「そそそそ、そこはゆっくりできないんだぜ!!いれるのをやめるんだぜ!!!」
「断る。お前ゲスだし」
「あ、あやまるんだぜ!!だからゆるしてほしいんだぜ!!」
「そうかそうか、謝るのか」
「そ、そうなんだぜ!!ゆるしてほしいんだぜ!!ごめんなさいだぜ!!」



「だが断る」


「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!!!!」
「この俺が最も好むことは、命乞いをしているゆっくりに希望を与えた後絶望させることだ」


決して虐待好きというわけではないが、単にうざいから殺すというだけだ。
身をよじり、涙をひっきりなしに流しながら命乞いをし続けるまりさを、俺は容赦なく専用ゴミ箱にいれた。
だが、まりさは空中で帽子を脱ぎ、下にしいて、見事水に着地した。

ゴミ箱に入れるまでにほんのちょっとしか時間が無かったわけだが、鮮やかな行動であった。

「ゆっゆっゆ!!ばかなじじいだね!!まりさはみずさんにつよいから、ここにいれられてもしなないんだぜ!!」
「そうか、でもそこからどうやってでるんだ?」
「じじいはばかなの?ぴょーんってとべばでれるんだよ?」
「じゃあ、帽子は置き去りなんだな」
「・・・・・ゆ?」

言われてようやく気がついた。このゴミ箱ではまりさ種がこうやって生きながらえるが、出たとしても命と同じくらい大切な帽子を置き去りにするのだ
だから、どちらにせよここに一度入れられたら後は地獄がまっているだけである。
それに気がついたまりさは、カタカタと震え始めて

「ゆゆゆゆ、ゆっぐりでぎないよぉぉぉぉおおおお!!!おにいざんだずげでぐだざいいいいいいい!!!!」

命乞いを始めた。これで何度目かわからない。正直うんざりしてきた

「お前バカだろ。馬鹿にされた相手がみすみす馬鹿にした奴を助けると思っているのか?」
「おねがいじばずぅぅぅぅうううう!!!!あやばりばずがらぁぁぁああああ!!!」
「お前さっきもそういったが反省してなかったじゃないか、だからそこで死ねよ。他の人に迷惑かけるまえに死んどけ」
「やだぁぁぁぁああああ!!!!ゆっぐりじだいぃぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!!」
「まぁ、悲しむな。お前の家族も一緒にさせてやるからさ。えーと、目盛はと・・・・。うん、ちょうどスクリューが動くな」

俺はゴミ箱の水の目盛を確認した後、ゴミ箱に必死になって体当たりをしている残されたれいむ親子を持ち上げ

「そんなにまりさにあいたいなら会わしてやるよ」

そういって、ゴミ箱のなかにいれた

「ば、ばりざぁぁぁ!!だずげでっ!!!だずげ!!がぼがぼがぼ・・・」
「で、でいぶぅぅぅぅぅぅううう!!!??」
「おきゃーじゃああああ!!!!!かぽかぽかぽかぽ・・・・」
「まりじゃじにだぐにゃいよぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!こぽこぽこぽ・・・・」
「お、おぢびじゃぁぁぁぁぁあああああああああああん!!!!!!」

愛するれいむは、水の中へと沈んでいき、最愛の2匹の子ゆっくりもれいむの後を追った。
子まりさはまりさと同じく水に浮こうとしたが、落ちてる最中に回転するなどそんな高度な技が子ゆっくりにできるはずもなく沈んでいった。


「あ゛ア゛あ゛ア゛あ゛ア゛あ゛ア゛あ゛ア゛あ゛ア゛あ゛ア゛あ゛ア゛!!!!!!」

とめどなく涙を流すまりさ。どうやらゲスだが、家族を見捨てるほどではないらしい。
だが、そんなことなど俺にはわかるはずもなく、俺はれいむ親子を入れた後のゴミ箱の水の目盛が規定値に達したのを確認した。

「じゃあ、向こうでも仲良くしろよ」

俺がそういって、背中を向けると、ゴミ箱下部のスクリューが回転をし始めた。

「ど、どぼじでみずさんがうごいでいるのぉぉぉぉぉおおお!!!!ゆっぐりじでねぇぇぇ!!!ゆっぐりじでねぇぇぇ!!!!
まりざをゆっぐりざぜでぇぇぇえええええ!!!!!」

しばらく悲鳴が聞こえたが、トプンと音が聞こえた後も、スクリューは回り続けた。
その後、ゴミ箱の後ろのポンプが作動し、水の入れ替えが始まった。
ゴミ箱の水が規定値に達すると、スクリューがセンサーによってそれを感知して回転させるのだ。
こうして、先ほどのまりさのような生き残りも、残さず処分するという寸法である。
そして、回転させた後は綺麗な水に変えて、あとは水が規定値に達するまでその動きを止める。

今日もゴミ箱は正常運転だった。


「おう、兄ちゃんありがとうな。ゲスを消してくれて感謝するぜ。ああいったゲスはどんどん消えていくのがいいよな。
俺も見ていてスカッとするぜ。こいつは面倒ごとを押し付けた駄賃だ、うけとってくれや」

俺はとうもろこし屋のおっちゃんから、ゆっくりを駆除してくれたことのお礼として、半分ほどの大きさの焼きたての焼きとうもろこしをもらった。
おっちゃんは相当目の敵にしていたらしい。俺があのゆっくりの処分をしていた一部始終を全部見ていたが、白い目で見るどころか、
このようなお礼の品まで受け取った。

俺はまた美味そうにそれにかぶりつき、全部食べ終えた後、またゆっくりがねだって来た。
さっきの奴より礼儀はなっていたが、正直うざかったので、今度はなにもやり取りもせずにそのままゴミ箱にいれた。


ふと、目を凝らすと、先ほどの親子連れは親まりさを池に投げ込んでいた。2歳の子供はひっきりなしに泣いている。
どうやら、エサをもらえなかった親まりさは怒りの余り2歳の子供に対して体当たりをしたようだ、
自ら人間の、しかも親の逆鱗にふれるとは、なんと愚かなことか。子まりさが親まりさの名前を叫んでいたが、親子連れは無視してその場を離れた。
きっと、あの子まりさは長くはいきれないだろう。

宴会をしていたおっさん達はさらにヒートアップしていた。
どうやらお歌をうたっていたれいむを、酔った勢いでいじめていた。中には上司の名前を呟きながら、年の割にはいいパンチを繰り出してる
おっさんもいる。相当ストレスがたまっていたみたいだ。れいむもいいとばっちりを受けたものだ。



花見を十分楽しんだ俺は、屋台がたくさんあるところへと脚を運んだ。


屋台をあちこち見ていると、どれもやりたくなってしまう。
スーパーボールすくいならぬ、ゆっくりすくいとか、金魚釣りならぬ水上まりさ釣り、りんご飴ならぬゆっくり飴などなど。
ゆっくりが現れてからというもの、色々とバリエーションが増えたものだ。一般の人々も実に楽しんでいる。

そこで、俺は一つの屋台を見つけた。それは
「スピードクジ」だった。


最近出た話題のゲームソフトや、ゲーム機本体などを陳列し、くじ引きによって当てるというアレだ。
かくいう俺も、滅多に当たらないそれにいくらつぎ込んだことやら・・・・。


だが、そのクジは、取り扱っているものはゲームソフトやおもちゃではない。
景品はすべてゆっくりだった。

それぞれのゆっくりが透明な箱に入れられている。
だが、サイズの小さい子ゆっくりや赤ゆっくりなどは大きい箱に入れられて、ペットショップのハムスターのごとく何気なしに生活している。
中にはおうたを歌っているものも居るらしいが、防音を施された箱なので、こちらには一切聞こえなかった。

上に掲げられた表をみると、クジには1~150までの番号が割り振られてあり、
1等:1~10、2等:11~30、3等:31~60、4等:61~100、5等:101~150。
となっているようだ。
だが、そのクジの数だけゆっくりがいるというわけではなく、1,2,3等まではその数字内の数の分のクジしかないが、
4等より下は被っている数字がたくさんあるということだ。
まぁ、そうでもしないと、1等が簡単に取られるかもしれない。そういうのはクジをする屋台の常套手段というべきだろう。



「へいらっしゃい!!ゲスから高級ゆっくりまであるよー!!兄ちゃんもやっていかないかい!!??」

立ち止まっていたら、店主に声を掛けられた。答えようとしたところ、外人学生カップルが来て。

「ねえダニエル、ゆっくりがいるよ」
「ワオ!ほんとだ!!」
「ねぇ、このゴールドバッジのゆっくりかわいいね!!あたしほしい!!」
「オウ、愛するステファニーが欲しがっているなら、挑戦するさ!!タイショーこれやらしてください!!」
「おう、異国のにーちゃんがんばれや!!」

日本に留学してきたのだろうか、すごく日本語が上手だった。
そして、ダニエルと呼ばれる青年がクジが入った箱に手を突っ込み、おもむろに一つのクジを引いた

「おう、引いたな!じゃあ、どれどれ・・・・、おめでとう!!3等だ!!」
「WAAAAAAAAAAAAO!!!!」

3等が当たったらしい、景品はシルバーバッジをつけたゆっくりれいむだった。

「どうだいステファニー?」
「すごくかわいいわ!!ゴールドじゃないのが残念だけど、シルバーでも十分いいわ!!」

外人カップルはとても喜びながら、ゆっくりを連れて去っていった。
かなり上等な物を当てたカップルを呆けて見ていた俺を、店主は見計らったように答えた。

「おうおう兄ちゃん!!さっきも見たように、運がよければいいのがあたるぜ!!やってみないかい!?」

と店主に言われ、やることにした。こういうのは当たらないはずだ・・・・。
だが、目の前でああもいいのが当たったのならば、ついついやってみたくなる・・・・。
俺は金を払って、クジを一つひいた。

「よし!ひいたか!!どれどれ・・・・、残念!!5等だ!!」

そういうと、店主は裏から箱に入ったれいむを持ってきた。結構でかい。
試しに蓋を開けてみると

「ゆっ!!おにいさんがれいむのどれいになるひとだね!!とくべつにれいむでゆっくりさせてあげーーー」

やかましかったので、速攻で閉めた。なにやらガタガタ騒いできたが、防音処理をしているので、何を言っているのかわからない。

「おっさん、これゲスじゃん。いらねぇよ」

突き返そうとしたが

「でもよ、兄ちゃん。せっかく当てたんだ、それがどんなにクズであれ、欲しがっている人にあげてみたらどうだい?」

といわれた。なるほど、たしかにそうだ。店主につき返すことも出来るが、そうすれば金を自ら捨てるようなものだ。
どうせなら、欲しがっている人にあげようか、だが、こんなゲスを欲しがる人なんているのか・・・。

そう考えていたら、小学生くらいの一人の少年がこちらを見ていた。気になる目線なので、近づいて話しかけると。

「お兄ちゃん、そのれいむいらないの?」
「ん?これか?ああ、いらないかどうしようかと思っていたんだが・・・、いるかい?」
「うん!!!」

なんと、あっさり承諾。さすがに驚いた俺は尋ねた

「でもこいつはもう成体だし、言うこときかない上にうるさいよ?人間も見下しているし。それでも欲しいの?」
「うん!!僕を虐める奴がいるから、そいつの顔を思い出しながら殴るんだ!!殴ったら訓練にもなるしね!!」

なんと、そういう理由だったとは。この幼さで虐められているとは、同情を禁じえない。
だが、見た感じ、体はかなり鍛えられているし、背中には空手着を背負っていた。なるほど、馬鹿にされないよう力を付けているようだ。
こいつは大物になるだろう。そう感じた俺は、快くれいむをあげた

「お兄ちゃんありがとう!!」

礼を言った少年はさっそくれいむを取り出し

「ゆ!!こんどはなまいきなくそがきだね!!れいむがじょうげかんけいをおしえて」

見事な正拳突きをれいむに叩き込んだ。れいむの顔あたりから白い物体が飛び出した。よくみると歯だった。

「べびぶぼばんびょうなばがあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
「サンドバッグは喋らないよ、黙っていてね。あとでたっぷり練習してあげるから」

そういった少年は、れいむを箱に入れなおし、意気揚々と帰っていった。
あの幼さで、あの鋭い正拳突き・・・・。将来大物になるだろう。

とりあえず、喜ばれたので、もう一回チャレンジしてみようとおもった。

「おう、兄ちゃん。いいことしたなぁ?次はいいのが当たるように祈っているぜ!!」

店主からからかわれたが、俺は気にせず黄金の右腕に念力を込めて、勢いよく引いた。

「おう勢いよかったな!!どれどれ・・・・おっ!!4等じゃねえか!!おめでとう!!この中から掴んでくれ!!」

そういうと、店主は黒塗りの箱を取り出した。クジを入れていた箱と似ているが、外に4等と紙が張られている。
そして、厚手の柔らかい手袋を渡された。これをはめて取り出すらしいが、相当綿を詰めているのか、指が余り動かせない。
力強く握っても、ピンポン玉サイズの隙間ができてしまう。

「おっさん、これ物がつかめないんだけど」
「いいからいいから!それをはめて、この中から一つだけとってくんな!!」

にやついているおっさんをいぶかしげに見ながら、俺は中に手を突っ込み、たくさんあるピンポン玉サイズの柔らかい物の中から一つ取り出した。
手を開いて見てみると、それはとてもかわいらしい赤ちゃんゆっくりれいむだった。


「ゆっきゅちちていっちぇね!!」
「おう兄ちゃんかわいい赤ゆっくりを捕まえたな!!育ててくれや!!!」

なるほど、厚手の手袋をされたのは、手触りによって、自分の欲しい種類のゆっくりを取らせないようにするため、
そして、中に綿をたくさん詰めているのは、間違って握りつぶさないようにするためか。俺は理解し、納得した。
手袋をはずし、自分の手の上に乗せた赤ゆっくりを見た。結構可愛いな、こいつなら育ててみてもいいかな・・・。

「ゆ!!おにゃかがしゅいたよ!!ごはんをもってきてにぇ!!じじいはしゃっしゃとうごいちぇね!!!なにゆっきゅりちてるにょ?
ばかにゃの?ちびゅっ!!!」

全てを言い終わらぬうちに、握りつぶしてしまった。
ハッ!!ついあのうざったらしいトークを聞いていたら体が反応してしまった!!
これは不味いところを見られたかな・・・。そう顔を伏せようとしたが。

「おうおう兄ちゃん。いい握り潰しっぷりだな!!どうやら赤ゆっくりでもゲスだったみたいだな!!運がよければいいのもあるぜ!!」

店主は怒るどころか笑っていた。白い目で見られるのを覚悟していたが、店主はそんなことはしなかった。
それどころか、さっきより朗らかな笑顔を見せている。俺が潰したのがそんなに面白かったのか?
この店主は変人なんじゃないかと思ってきた。まあ、景品がすべてゆっくりだし、変なところがあるのは仕方ないか。

だが、このまま去ると負けてるような気がしてならなかった。なぜかは知らないが、俺はそう感じた。
俺は金を次々と出し、クジを引いていった。






「残念!!5等のゲスまりさだ!!!かわいがってやんな!!」
「じじい!!さっさとごはんをもってくるんだぜ!!!とっととするぎゃぼっ!!!!」
「惜しい!!4等だ!!赤ゆっくりをとってくんな!!!」
「ありしゅはとかいはにゃのよ!!どれいでいにゃかもにょのぢぢいはとっととありしゅをぷびゅっ!!!」
「また残念!!5等のゲスちぇんだ!!猫好きならがんばって育てな!!!」
「ちぇんはらんしゃまにしかようはないよー、じじいはらんしゃまをとっととさがしてきてに゛ゃっ!!!」
「惜しい!!また4等だ!!」
「まりしゃはとってもおにゃかしゅいたーーー」
「またまた5等だ!!こんどはぱちゅりーだ!!」
「むきゅ、のろまでばかなじじいはとっととまどうしょをもってきてーーーー」
「5等だ!!呪われているのかあんたは!?」
「チンポチンポチんぽちんぽちんぽーーーーーーー」
「4等だ!!また盛大につぶすのか!?」
「れーみゅおにゃかしゅいたよ、じじいはーーーー」
「4等ーーー」
「まりしゃはーーー」
「5等ーーー」
「まりざぁぁぁあああああーーーーーー」
「5等ーー」
「じじいはーーーー」
「4等ーー」
「おにゃかしゅいーー」








何分経っただろうか。

よく見ると、俺の足元にはたくさんのゆっくりの死骸が積まれていた。
店主は俺の行為を咎めるどころか見て楽しんでいる。俺もゆっくりなどに興味はなかったが、こいつらを虐めるとなんか楽しくなってきた。

「おう兄ちゃん、いいつぶしっぷりだったな。疲れただろ、飲めや」

店主はそういうと、俺に冷たい缶コーヒーをくれた。たくさん潰して運動したせいか、喉がカラカラだった。

「で、まだやるかい?」

飲み終えた俺に、店主は尋ねた。一回が安いとはいえ、相当な金をかけていた。気がつくと財布が軽くなっていた。

「おっさん、俺次で最後にするよ」

金も運も使い果たした感じがした。やはりクジなど当たるものではなかった。心の奥で涙を流しながら、俺は店主に告げた。

「ーーー、そうか。じゃあ、これの中から引けや」

そういうと、店主は別の箱を取り出した。中にはクジがたった5つだけ入っていた。

「いいもん見せてくれたお礼だ。この中のクジは、1等から5等までが一つずつ入っている。お前さんの最後の運をかけてみな」


正直、理解できなかった。本来こういった出血大サービスなど行うはずが無い。
だが、この店主は違った。

「お前さんはいいつぶしっぷりを見せてくれたからな。昔の俺を思い出す気分で、気持ちよかったんだぜ。遠慮せずにどれか引け」
「は、はぁ」


正直、店主の考えがわからなかったが、とりあえず何も考えず、無心の状態で引いてみた。
そして、店主に渡さず、自分で開いた。
そこには、「1」と書かれていた。

「・・・・・・あ、1等」

1等を引いたというのに、実感がわかなかった。今まで4,5等だったからか、喜ぶ気などおきなかった。また、5等だろという感じだった。
だが、再度その数字を確認すると。体がどんどん熱くなり、心臓の鼓動が早くなり、脳がエンドルフィンを大量放出していた。

「おおおおおおお、おっさんおっさん!!1等!!1等!!!」
「おおおお!!!ついに引いたか!!!おめでとうございまあああああああす!!!!!」

店主は鈴を大音量で鳴らしまくった。途中で、通行人が足を止めたりして、何が起こっているのかを見ていたが、
ゆっくりクジだということに気づくと、すぐに興味をなくした。一般人にとってのゆっくりなどそういうものだ。


「で、で、で、で!!!1等は!!1等はどんな景品なの!?」
「はっはっは、あわてるな兄ちゃん!!いまだしてやるからな!!」

店主がごそごそと動いているのをみて、俺は想像した。
1等だからゴールドバッジかな・・・、頭のいいぱちゅりーなのか、猫みたいにかわいいちぇんか、大量に潰したが、れいむやまりさかもしれない。
もしかしたら、きめぇ丸なのかな・・・。
今陳列されているのは、大半が通常種だ。だから通常種だろうと俺は思っていた、だが・・・



「おめでとう!!1等希少種のゆっくりゆかりんです!!!」
「うわあああああああああああああああああああ!!!まじでぇぇぇぇえええええ!!!!」



予想を超えていた。こういった屋台の商品はあまりいいものが無いと期待していたが、まさかこのようなものが出てくるとは。
喜びと驚きのあまり大声をだしてしまった。そのゆかりんには金に輝くバッジがついていた。これもまたうれしかった。

「ゆっかりしてくださいね!!」

俺はそのゆかりんを大事に抱えて、店主に礼をいい意気揚々と帰っていった。






そのあと、俺とゆかりんはとても楽しく過ごした。学生の俺はゆかりんというとても素晴らしい話し相手のお陰で、めきめき勉学に励み、
いい成績を収めることができた。悲しいことがあっても、ゆかりんが慰めてくれるのはうれしかった。

ゆっくりに興味などわかなかったが、あのゆっくりクジをしていた店主と、そこの景品のゲスゆっくりと出会ってから、
俺はゆっくりに興味を持ち始めた。今ではゆかりんと楽しくゲスを制裁している。虐待って面白いな。
もっと楽しく虐待するために、虐待連盟というのがあるから、所属申請してみようかな。

今楽しく過ごしているのも、あの祭りのお陰だ。今でも祭りがあると、ゆかりんを連れて遊びにいっている。
やはりお祭りは楽しいな。












見事1等を当て、景品の金バッジゆかりんを持ち帰った兄ちゃんを見送った店主は、店じまいをした後タバコをふかした。


「ふぃーっ、今年もいい潰しっぷりが見れたな。これだ、これだよ、これが俺が見たかったものだったんだ」




元は虐待お兄さんとして活躍しているが、最近の虐待ではどうも今ひとつに感じていた。
いつも同じようなことをしているような気がして、マンネリ感がぬぐえなかったのだ。
そこで、考えたのだ。ゆっくりに対して何も思っていない人が、ゆっくりの高慢に怒り潰すのは面白いのではないか?と。

それを何年も前から今までやってきた。結果、自分が虐待するよりも面白いものが見れた。
ゆっくりが死ぬザマを見るのも楽しいが、ゆっくりを潰している人の顔を見るのも楽しかった。さまざまな表情が見れてよかった。

今年は大収穫だ、あの兄ちゃんは実にスカッとする潰しっぷりと、いい表情をしてくれた。実に面白かった。
それに、このクジでゆっくりを大量に潰した人は、後々虐待連盟に顔を出すことが多々あった。きっとあの兄ちゃんも顔を出すだろう。
その時は、なんて顔して会えばいいだろうか。あの兄ちゃんに、俺の持てる虐待の全てを教えたら、どんな風に化けるか。

そう考えると、わくわくしてきた。




これだから、祭りはやめられない。










あとがき


最近近所で祭りがあって、スピードクジに大金出して見事敗北しました。
悔しい!!でもやめられないっ!!





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最終更新:2009年04月20日 23:46
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