まりさつむりの記憶 (中編)

☆虐待シーンは前半に集中しています。
 ゆっくり同士の戦闘シーンが含まれます。
 罪のないゆっくりが酷い仕打ちに遭います。
 SSの数だけ設定が存在します。
 ゆっくり達が愛し合います。
お気に召さない方は回れ右!


9月。幻想郷では夏の日差しが弱まり、妖怪の山の頂上付近が紅葉彩られ、秋の訪れを告げていた。
魔法の森の奥深く、人間や獣達もよりつかないその場所で、非常にゆっくりしたゆっくり集落があった。
「みみずさんゆっくりまっててね!!!」
「ちーんぽっ!!!」
「むーしゃむーしゃ、しあわせー!!!」
ゆっくり達は思い思いに狩りを、食事を楽しんでいた。
ゆっくりが集団で狩りをするのは珍しくはない。
取りきれないほどの食糧を手に入れた場合は収穫の少ないゆっくりに分け与えたり、
逆に食事にありつけなかった場合は仲間から譲ってもらうこともできるからだ。
冬ごもりの時期が近づく前に食糧の備蓄を増やし、自身達の体も肥やしていく。
ゆっくりらしからぬ早さである。
「ゆっゆっゆっ!!!ゆっきゅり!!!ゆっきゅり!!!」
中には今年生まれたばかりの幼いゆっくりの姿も見られる。
他の仲間達はもちろん一人前の狩人だとは思っていない。
成ゆっくりを見習いながら狩りをすることで、狩りの仕方を覚えていく。
来年の春には、一人前に狩りをすることができるようになるだろう。


「「「ゆゆっ、ちゅかれたよー!!!」」」
幼ゆっくり達はゆーゆーと息を荒げながら座り込んでしまった。
「そろそろゆっくりきゅうけいするよー!!!」
群れの中の大まりさが叫ぶ。
そんな中、若いまりさが枝に停まった小鳥に目をつけていた。
気づかれないよう軽やかに近くの木を登る。
「ゆーっ!!!」
まりさは、呼吸を整えて小鳥に飛びかかる。が、寸でのところで逃げられてしまう。
「ゆっ!!!ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛」
そのまままりさは地面へと真っ逆さまに落ちていく。
地面は腐葉土が広がっているため、幸い落下のダメージはほとんど無かった。
しかし、その時に帽子が脱げてしまい、集めてきた綺麗な石や貝殻などをぶちまけてしまう。
「ゆゆっ!!!きれいないしだね!!!れいむのものだからゆっくりまっててね!!!」
「ゆゆっ!!!このかいがらはかわいいれいむにぴったりだよ!!!」
その衝撃を聞きつけて続々とゆっくりが集まり、思い思い自分のもの宣言しつつ跳ねまわる。
「ゆーっ・・・。それはまりさのも・・」
言い終わるや否や、大まりさが叫んだ。
「ゆゆっ!!!このまりさはありすのかちゅーしゃを持ってるぜ!!!」
「そっ・・それは・・・」


それは2ヶ月前、森の中で出会って今は一緒に暮らしている、ありすから預かったものだった。
といっても自身のものではなく、母親の形見である。
「このまりさはきっとほかのゆっくりをころしてたべてるんだ!!!
そんなゆっくりとはゆっくりできないからはやくしね!!!」
「ゆ゛あ゛っ」
大まりさがまりさにタックルを仕掛ける。
放心状態となっていたまりさは成す術もなく吹き飛ばされる。
体制を立て直して向き直るものの、かつての仲間達にその面影はなく、
ゆっくりにしては鬼の形相でまりさを睨みつけていた。
「ゆっ・・・」
まりさは素早く木の裏側に隠れた。
「うらぎりもののまりさはゆっくりでてきてはやくしね!!!」
「ぢーんぼ!!!」
普通のゆっくりだと「どぼじでそん゛な゛ごどい゛う゛の゛ぼおおおおお」とのたまうものだが、
ここで易々とやられてしまってはありすにも迷惑がかかる。
自身の帽子、ありすの形見、それとできる限りコレクションを回収して逃げなくてはならない。
「ゆべしっ!!!」
突如一匹のれいむが吹き飛ばされる。
まりさは素早くコレクションだった茸を回収して再び暗がりの中に消える。
「どこにいったの!!!ゆっくりれいむにあやまってね!!!」
叫びも空しく、まりさは暗闇の中である。
その後まりさに向け十数発の石が飛んで来る。
この戦法にも限界がある。何より飛び道具で撃ち落とされたら一巻の終わりである。
帽子は群れの中心部にあり、取り返すのは難しそうだ。
ありすの形見は大まりさのすぐ傍。ならば・・。
「ゆっへっへ!!まりささまはいいことをおもいついたぜ!!!」
ゆっくりを集めさせると、小声のつもりで何か相談し始めた。
もう少し近くにいれば何か聴き取れそうなものある。
「ゆゆっ!さすがまりさね!!!」
「わかるよー!!!」
大まりさは辺りから枯れ葉を集めるさせると、力を入れて顔を真っ赤にさせた。
「ゆふんっ!!!」
大まりさは小さな火花を吐き出した。広場の中央に集めた枯葉が引火して燃えだす。
「ゆっへっへっへ!!!」
「ゆうううんきれーい♪」
「これがとかいはでいうところのはなびってものね!!!」
何が都会派かはわからないが、大まりさはまりさの帽子に枝を突き刺すと、火の上であぶり始めた。
帽子を失っては宝物集めはおろか、他のゆっくりに命を狙われてしまう。
まりさに焦りの色が隠せない。
「まりささまがじゅうかぞえるまえにでてきたらぼうしはたすかるんだぜ。」
「ゆっ・・・」
「いーちっ!!!にーっ!!!ゆっと・・・つぎなんだっけ・・・」
隙を狙ってまりさが木の裏から飛び出す。しかし時既に遅し。
「ゆ゛ゆ゛ーっ、わからないからもやしちゃうんだぜ!!!」
ゆっくりぶれいんでは通常3以上数えることはできない。
みるみるまりさの帽子が炎に包まれ、煙を上げて勢いよく燃えだす。


ありすは居ても立ってもいられなくなり、森の中へまりさを探しに来ていた。
しかし森の中は薄暗く、多くの木々に視界を遮られている。
その上いくらやかましいゆっくりとはいえど、草や枝葉に吸収されてしまって音が遠くまで通らない。
狩りに行った群れを探すことは容易ではなかった。
ふと人間達が襲撃してきた時と同じ、焦げ臭い匂いがたちこめてきた。
煙が流れてくる方向に一目散に駆け出す。
「あっ・・あれはっ・・・。いけないわっ!!!」


「ち、ちくしょう・・・。ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
まりさが大まりさに向かって決死の体当たりを試みる。
「ゆゆっ!!!ぶべしっ!!!!!!」
大まりさは吹き飛び、後ろに生えていた枝に左目を貫かれ串刺しとなった。
「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ま゛でぃざの゛がわ゛い゛い゛お゛べべがああああああぁぁぁぁぁ・・・・・」
左目からは勢いよく餡子が噴き出ており、汗、涙、鼻水、その他よくわからない汁を吹き出していた。
耳をつんざくような断末魔の叫びではあったが、十秒としないうちに弱まっていく。失餡死だった。
まりさは、形見のかちゅーしゃと紋章を拾い上げて頬張ると、思い耽っていた。
もうゆっくりを殺してしまったためこの群れにはいられない。
帽子を失ったし、ありすともお別れかな・・。
こっそり形見を返して・・・


「ぢっ、ぢーーーんぼぉおおおおおおおおおお!!!」
まりさは放心状態で気づかない。
みょんの放った木の枝が、投げ槍のごとく一直線にまりさに向かっていた。いわゆるぶらんちすぴあーである。
「ま、まりさぁああああああああああ!!!」
このままではまりさに枝が刺さってしまう。影で見守っていたありすが一目散にまりさに体当たりする。
「ゆがっ!!」
まりさはありすの体当たりで吹き飛ばされ、闇の中に消えていった。
「ゆぐっ・・・」
ありすはというと、後頭部に深々と枝を突き刺されてしまった。
「よくもっ・・よくもおおおおおお!!!」
続けてみょんに向けて体当たりを仕掛ける。
「み゛ょん゛!!!!ぺ!!!・・ぺに゛ずっ・・・」
みょんは木に強く頭を打ち付けると、そのまま出餡多量で息を引き取った。
ありすは更に群れに対して向き直る。ゆっくりらしからぬ般若のような形相で、
突き立てられた枝は鬼の角のような様相を醸し出していた。
「「ゆっ!!!ゆっくりにげるよ!!!」」
「ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!でい゛ぶだげわ゛ゆ゛る゛じでえ゛え゛え゛え゛」
「「「「ゆっきゅりできないおねえしゃんはゆっきゅりちね!!!」」」」
ゆっくり達はまだ幼きも含めて十数匹は残っていたが、リーダーを失ったこととありすの形相に恐怖を感じて
蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
リーダーを失ったこの群れが、以後どうなっていったかは誰も知らない。
ゆっくりとはつくづく愚かなものである。
力のあるものの発言一つで、昨日仲間だったものでも平気で殺し合う。
自分は命乞いするくせ、相手の言い分は何一つ聞こうとしない。
ありすはそんなことを考えつつもまりさの集めていた貝殻をほおばると、その場にへたり込んでしまった。


「あ、ありすぅ!!!」
まりさが漸く暗がりから姿を現す。ありすの体当たりは予想外に強烈で、遠くまで吹き飛んでいたらしい。
「ま゛・・・ま゛り゛ざ・・・ま゛り゛ざ・・・」
まりさは、痛みのためか息を荒げるありすを暗がりへと引っ張っていく。
ちょうど身を隠すのに丁度いい木の洞を見つける。
「ありす・・。痛いだろうけどがまんしてね・・。」
まりさはありすに突き刺さった枝を、ゆっくりと慎重に抜いていった。
「ゆ゛っ!!ゆぅううう・・・」
ありすは苦悶に表情を歪めるが、抜き終わると幾分おだやかになった。
そして先ほど回収できた茸をかみ砕くと、ありすの傷口に塗った。
これはドスまりさがドスすぱあくを撃つ時に使う茸でもあり、リラックス効果を持ち傷の回復を早めるのだ。
ありすは何とか歩けるまでに回復した。
「ありす・・。こんなまりさを助けてくれて・・。ありがとう。」
「そんなこんなも無いわ・・。だってまりさはありすにとって・・。」
ありすは何か言いかけていたが押し黙った。
「ま、まずは安全な場所を探さないといけないわね。」


帽子を失ったまりさにとって、面識の無いゆっくりに会うことは命の危険を示していた。
ありすも応急処置はしたものの、決して安全な状態ではない。
どこか食糧が豊富で、他のゆっくりが誰も現れないぷれいすを探さなくてはならない。
しかし運命は無情にも、更なる仕打ちを彼らに与えるのであった。


「・・ふっふゆっふふっふ」
怪しげなとも妖しげなともとれる掛声が徐々に近づいてきた。
発情ありすの群れが近づいてくる。しかも5匹も・・!
普段ならともかく、疲れきった今はとてもありすを守りきれそうにない。逃げるべきか・・。
と思うや否や、相手に気付かれてしまっていたようだ。
「うほっ!かわいいありすね!!!とかいはのありすにぴったりだわ!!!」
「あ、ありすはちっともかわいいとはおもわないわよっ!!!でもとかいはのたしなみとして・・」
「ありすのとろんとしたおめめもひかえめなくちもともかぁいいよおおおお!!!」
不思議とまりさには興味を示していない。逆なら対処の仕様があったが、どうするべきか・・!
「ゆっ!このありすをおそうんだったら、まりさ様をたおしてからにするんだぜ!!!」
「ま・・まりさ!?」
まりさも戦いの疲れが抜けきっていない。空元気で精一杯の挑発をする。
が、しかし
「ふんっ!!!ぼうしのないいなかもののまりさにはきょうみないのよ!!!」
「ねぇありすぅ!!!こんやはとかいはのありすとあついよるをすごそうねええええ!!!」
「ありすかぁいいよありすぅ!!!」
挑発は効果を為さない。相手を怒らせることにも至らず、敵のありすの照準はありすから外れることがない。
まりさはとっさの思いつきで、ありすの形見のかちゅーしゃを取り出してありすに付け、
ありすのかちゅーしゃを自分につけた。
するとどうだろう。
「あっありすが・・・!かれいしゅうがするわね!!!」
「いいえししゅうよ!!!きっとあのまりさがありすをころしたのよ!!!」
敵の群れは混乱しだした。そしてまりさに怒りの矛先を向けたようだった。
「ありす・・。今のうちににげるんだ!」
「まりさ・・。それはできないわ・・」
小声でやりとりする。
しかし敵との距離は徐々に詰められてきている。
「「「「「いなかもののまりさはゆっくりしんでね!!!」」」」
ありすがまりさに襲いかかろうとした、その時・・・

びゅんっ!
「「「い゛っ!!!い゛ーあ゛る゛ざん゛っ!!!」」」
びゅんっ!
「「あ゛い゛ん゛づばい゛んっ!!!」」
「ゆ゛っ!!!あ゛り゛ずのどがい゛はなお゛め゛め゛があ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「あ゛り゛ずのう゛づぐじいおはだにきずがあああああああ!!!」
どこからとなく太い枝が次々と飛んできてありす達を貫いた。
「わかるよー!わかるよー!」
「ちぇえええええええん!!!」
まりさが集落で生活していたころ、孤独だったまりさに狩りを教えてくれたちぇんである。
「ありがとうちぇん!!!でもちぇん、どうして?」
「まりさがひどいめにあってたってきいたよー!ちぇんもむれをすてて旅にでるんだよー!」
「他のゆっくりをころしたら・・!?」
「ししょうがでしをたすけるのはとうぜん!わかるよー!」
ちぇんはこの日狩りには出なかったが、後からまりさが命を狙われたという話を聞いた。
自分が一生懸命狩りを叩き込んだ自慢の弟子が突然襲われるような群れ、
自分もゆっくりできるわけがない考えて飛び出してきたのだった。
ちょうど通りかかったところ、発情ありすに襲われそうだったので助けたのであった。
「でもここでおわかれだよ!ちぇんはひとざとのほうにいってみるよー!」
「うん・・。いつかまた会えるといいね!」
「まりさもすみにおけないね!わかるよー!ありすをまもるんだよー!」
そう言うとちぇんは足早に去って行った。
「もうちぇんったら・・」
まりさとありすは少し顔を赤らめていた。


どれだけ歩いただろうか。戦いに疲れた体に鞭打ちゆっくりらしからぬ速さで進んできた。
西の空は燃えるような紅色に染まっている。早く隠れ家を見つけないとれみりゃが動き出してしまう。
「ここならきっとあんぜんだよ!!!」
まりさ達は湖の近くで鍾乳洞を見つけた。中に誰もいないことを確認すると、
湖を臨むようにして2匹はゆっくり腰を下ろした。
「ありす・・。今日はありがとねっ」
そう言い終わるやいなや、まりさはありすの頬に口付けした。
「ちょちょちょっ・・・。まりさずるいよまりさ!!!ゆっ、夕日のせいで顔が真っ赤っかなんだからね!!!」
自分でも何を言っているかわからないくらい、ありすは動揺していた。
いつまでも二人でゆっくりできたら・・。まりさの切なる願いであった。


夕日が湖に隠れようとしており、辺りは徐々に薄暗くなってきた。
「ね、ねぇ・・・まりさ・・?」
ありすがゆっくりと口を開く。
「ありす・・・なぁに?」
「一度しか言わないから、ちゃんと聞いててね・・」
まりさはゆゆっと頭の上に疑問符を浮かべている。
「ありすね・・。今すぐまりさの子供が欲しいの!!!」
「ゆっ・・!いまなんて・・!?」
「いっ、一度しか言わないって言ったじゃない!!!
もうそろそろありす、まりさとお別れしなきゃいけないみたいなの・・。」
「ゆっ・・?ゆゆっ!?」
ありすは自分に死期が近づいていることを悟っていた。
先ほどありすの体に突き刺さった木の槍は、即死には至らなかったものの
ゆっくりの生命活動を司る、文字通りコアと呼ぶべき器官を傷つけていた。
ぱっと見はただの餡子やカスタードと区別がつかないが、ゆっくりの生命力となる魔力に加え、
生命維持に必要な酵素を作り出している。
ありすはもはや長く生きることはできないであろう。
「ど、どぼじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
まりさは少しの嬉しさと、悲しさと絶望が入り混じり、餡子脳は壊れんばかりであった。
「ありすね・・。前のむれでお母さんがころされてから、ずっと一人で生きていくつもりだったの。」
ありすがゆっくりと語りだした。
「お母さんは身を捨ててありすを助けてくれた。
でも森の中で一人で暮らしていくのはとても寂しくて、怖かったわ。
このまま一人ぼっちなら生きていく楽しみもないな、って・・。
そんな時に、まりさが現われてありすを助けてくれたのよ。
さいしょは他のゆっくりになんてもう会いたくなかった。
そんなありすなのにまりさは・・・。」
ありすはまりさから視線を逸らして、恥ずかしがりながら続けた。
「あ、ありすね・・・。まりさが大好きなんだから!!!」
「・・・!!」
「こんな時になってから言うのもずるいかな・・。
ありすうれしかったんだ。まりさはありすに生きていく楽しさを教えてくれた。
一生けんめいありすのために食事を集めて来てくれた。
それなのにありすまりさに何もしてあげられなくて・・。」
「そ、そんなことないんだぜ。ま、まりさだって・・。
まりさのかぞくはみんなれみりゃに食べられてしまって・・。
ずっといっしょにゆっくりできるなかまがほしかった。
だからありすのこと・・。ぜったいしなせたくなかったよ。
ありすはまりさにいろんなことおしえてくれて、とってもやさしくて・・。
それなのにありすはまりさのせいで・・。まりさのせいで・・。」
突然ありすはまりさの頬に口づけした。
「さっきのお返し。まりさがいなかったらここまで生きてこれなかった。
ありすは幸せだよ。まりさに会えて本当によかった・・。」
「あっ、ありすぅ・・!」


気がついたら2匹はゆっくりと頬ずりしあっていた。
最初は優しく、そしてゆっくりと熱を帯びてきた。
「ま、まりさもしあわせー!」
「ま、まりさ、まりさぁ!もっともっとそばにきて!」
「あ、ありす!ゆっ!!!ゆっゆっゆっゆっ・・・」
2匹の振動が共鳴し、お互いを心地よく高鳴らせていった。
まりさはありすに口づけすると、ありすの口内に舌を伸ばした。
ありすも負けずに舌を絡ませる。
「ん、んんっ、ちゅぱっ、はぁはぁ・・。」
「も、もうっ、まりさったら・・。」
2匹はゆっくりと口を離した。両者とも頬は紅潮し、すっかり出来上がってしまっているようだ。
まりさはありすの足と顎の間辺りをゆっくりと舐めだした。
「ひゅっ!!ま、まりさぁ・・・。」
ありすはまりさの舌を伝って近づくと、まりさに強くしがみついた。
「あ、ありすっ・・。まりさこわれちゃう・・・。」
2匹の全身は、よだれとも汗ともよくわからない液で覆われてきた。
顔をぺたっとつけた体勢から2匹は体ごと少し上を向き、生殖孔のある顎と足の間を突き合わせた。
交尾も本番である。
「まりさまりさまりさまりさああああ!!!あんああんあんああんあん!!!」
「あ、ありす・・。ありすかわいいよありすぅ!!!だ、だいすきだよ!!!」
「ま、まりさのばかぁ!ずっ!ずるいよっ!あっ!あっ!ゆっゆっゆっゆっ!!!」
「おかおが、まっかな、ありすも、か、かわいっ!ゆっ!ゆっ!ゆっゆっゆっ・・・」
2匹の理性は徐々に失われてきた。その振動はゆっくりと、確実に速まってくる。
「あ゛、あ゛り゛ず!ま゛っま゛り゛ざも゛う゛がま゛ん゛でぎな゛いよ゛!!!」
「ま゛り゛ざい゛い゛よ゛ま゛り゛ざ、あ゛り゛ずも゛い゛っち゛ゃい゛ぞお゛!!!」
「「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっゆっゆっゆっゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆゆゆゆ・・・・」」
そして一気に絶頂へと達する。
「ま゛り゛ざああああああああああああああ」
「あ゛り゛ずううううううううううううううううう」
「「すっきりー!!!」」
2匹にとって、最初で最後のすっきりー!となるのである。


「ゆっ・・、ゆっ・・、ゆふぅ・・ゆふぅ・・」
まりさは比較的早く落ち着きを取り戻す。雄役であったようだ。
「まっ、まりさぁ・・。」
続いてありすも落ち着きを取り戻した。
「ありすからの、最後のぷれぜんとだよ・・。大切にしてね・・。」
「ゆゆっ!?」
ありすはしばらく苦痛に顔を歪めると、ぽんっぽんっぽんっと
拳大の真っ白で真ん丸な卵を3個、産みだした。言わば鳥類や爬虫類型の出産である。
ありすには考えがあった。
今後のまりさのことを考えると、まりさににんっしんさせるわけにはいかない。
ありすがにんっしんっするにしても、植物型、哺乳類型ではありすにとって食糧が必要になり、
これから冬ごもりの時期であるためまりさの足手まといになってしまう。
その結果、孵化するまで簡単に持ち運ぶことができる卵という選択肢になった。
母体ゆっくりにとっては、雛の卵黄のための糖や脂肪、硬い殻を作るための
大量のミネラルを一度に失うため負担は非常に大きい。
2匹は気づいていないが、親ぱちゅりーから餡を分けられたありすが母体になることで
餡の性質を受け継ぎ、知能が高くなりやすい点でもメリットがある。
「きっとありすににてとかいはな子にそだつよ!!!」
まりさはゆっくりと卵達を見つめていた。


気づけば日がすっかり落ち、辺りはすっかり暗くなっていた。
「ま、まりさぁ・・・。」
「ゆゆっ?」


「ありすね・・・・ねむくなって・・・きちゃ・・った・・・の・・・・。」

「あ・・・、ありすぅ・・・?」



「まりさ・・・・・・あっという間・・・だった・・・けど・・・一緒に・・・いてくれて・・・ありがと・・・。






ありすはね・・・まりさに・・・会えて・・・すごく・・・しあわ・・・せ・・・・・・」







「あ゛っ、あ゛りずう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う・・・」








おやすみ・・・、まりさ・・・・・・・・・・・・








ありすの目はゆっくりと閉じ、命の灯は儚く消え去っていった。
その後まりさは、しばらくありすの前に突っ伏してゆーゆーと大粒の涙を流していたが、
戦闘と移動と交尾の疲れには勝てず深い眠りに落ちていった。
運命の女神がいたとしたら、そろそろ虫の居所が良くなりはしただろうか?
いや、ゆっくりに神など無い。
ありすとの束の間の愛を育んだ世界は、無残にも過酷な最終決戦場へと変化を遂げるのであった・・・!





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最終更新:2022年05月03日 15:38