「反逆者(トリーズナー)?」
「ああ!そうだ!!先制のシェルブリット!!!」

カズマは言うが否やジーナに向かって拳で殴りかかるッ!!!

「……」
「なッ!?」
しかし、その反逆の拳はジーナに届かないッ!!!
空気の壁から生えた空気の手がシェルブリットを受け止めたためだ!!!

「くそッ!追撃のシェルブリット!!!」
(何かで受け止められたッ!?)
再度、カズマは距離をとるとシェルブリットで殴り掛かるッ!!!

「なんだ……その程度?」
カズマのシェルブリットは再び受け止められーーーーー

バギッ!!!
「ぐッ!?」
ジーナはフッと余裕の笑みを浮かべ、もう片方生えてきた手でカズマの右頬を殴りつける。
殴られた衝撃でカズマは後ずさりする。

「始めはその破壊力に驚かされたけど、手品のタネが分かれば、怖くもないわ」
「あなたのシェルブリットとやらのちか…ッ!!」

「反撃のシェルブリット!!!」
(やっぱりだ!見えねぇ何かが邪魔してやがる!!)
カズマは体勢を整えると再びシェルブリットで殴り掛かる。

「このッ!!人が喋っている最中でしょ!!!」
空気の手による受け止めと攻撃がカズマに襲い掛かる様子はさしずめ劇の再演。

「ガッ!?」
カズマは殴られてもジーナを睨みつけーーーーー

「不屈のシェルブリット!!!」
執念か大地を踏みしめてシェルブリットをジーナに叩きこむ。

ドガァァァァァアアアアア!!!
(今度は手ごたえありだぜッ!!!)
「……!?」

やはり、カズマの拳はジーナに届かない。
「だから、言ったでしょ?」
ジーナの言葉と同時に空気の手で放たれた連続パンチ!!!

「ぐああああッッッ!!??」
(女の周囲に見えざる何かが……これは一体何なんだ!?)

吹き飛ばされたカズマは店の出入り口に突っ込む!!!
直撃された出入口は煙を放ち数多の野菜は無惨に破壊されたーーーーー

スタスタとジーナは優雅に歩きながらカズマの攻撃について気づきを伝える。
「貴方の攻撃は〇〇と様々な言葉を付け足しているだけで実態は不思議な金属の装甲によるパンチ。いくら、パンチが凄くても、直線状にただ殴りかかるだけなら対処はいくらでもできるわ。……私の見えざる力でね」
(だけど……凄い衝撃ね……あまり何度も直撃はしたくないわ……)

「あ…あ…」
ジーナに拘束されている凪は戦慄している。

(なんだよこのひと!?目に見えない攻撃だなんて敵うわけないだろ!)
女の力は正に理不尽といっても過言ではない。

「推理のシェルブリット!!!」
しかし、凪の顔とは対称にカズマは唇が切れて赤き血を垂らしながらも、シェルブリットを叩きこむッ!!!

ドガァァァ!!!!
当たり前だといわんばかりにカズマの拳は見えざる何かで塞がれるーーーーー

「ふふん♪「推理」とか名づけちゃってるけど、貴方に私の力、見破れるかしら?」
ジーナは頭の帽子を外すと帽子の中にある持ち手を摘まむ。
ギュイイイイイイイイイ!!!!!

帽子から噴出された空気は高速に回転をし刃へ。
おそらく、首を一瞬で斬れるだろう。

ガキィィィィィィィン!!!
カズマはアルターの腕で受け止める。

あまりの衝撃に火花が散る。

「もう、諦めたらどう?あなたの反逆じゃ凪君やほだかちんにひなちんを救うことはできないのよ!」
「絶対にノゥ!俺は反逆者のカズマだぜ?ノゥとしか言わない男だッ!!!」
カズマは勢いよくジーナを蹴る!

ドォン! ズザザザアアア!!!
「…ッ!!!」
蹴りはジーナに届かないが力強い力で押し戻される。

「それに女!アンタの力は推理できだぜッ!!!」
そういうや否やカズマはある食材が詰まった箱を空中に放り投げーーーーーー

「野菜のシェルブリット!!!」

粉砕された箱から飛び出てきた大量のトマトをシェルブリットで殴る!!!
そうーーーーー先ほど、カズマが吹き飛ばされた店は八百屋。

ブッッッシャアアアアアア!!!!!

トマトの果汁がベチャベチャとジーナの周囲に降りかかる!!!

「アンタは始め俺の登場の際「否定者」と言葉を使った。つまり、アンタは「何かを否定する」力を持っている。……俺のシェルブリットを見えない壁で否定した正体は空気!!!」

「不変(アンチェンジ)それがアンタの能力だろ?」

「…正解よ。それに辿り着いたのはカズちん、貴方が2人目よ」

ーーーーー組織(ユニオン)元第X席不変(アンチェンジ)ジーナーーーーー

☆彡 ☆彡 ☆彡

「空気のバリアか……通りで俺のシェルブリットが通らねーわけだ」
トマトの果汁が固定化された空気を炙り出した。

「で?その古代遺物 (アーティファクト)の力でどうにかなる?」

「なるッ!!!」
(空気の手は見えれば対処できる。)

「証明のシェルブリット!!!」
空気の手を避けつつ、ジーナの空気バリアに叩き込む!!!

「…バカ力ね……!!」
しかし、衝撃は揺らすだけでジーナに届かないッ!!!

「チッ!!…!?ぐほぉぉおお!?」
空圧の拳がカズマの鳩尾にヒットする。

膝から崩れ落ちるカズマ。

「いい!私の空気の固定は強固よ。これで掴めば凪君のようにカズちんももう動けない。諦めなさい」
「アンタも学習能力がないのか?俺は反逆者だぜ?ノゥ!!」

「強情ねッ!悪いけど、私は貴方よりも長く生きているのよ…忠告するわッあなたの古代遺物 の反逆じゃ、帆高を手助けすることもできないわッ!!」

「小難しいお小言を宣いやがって」
「くらえ、撃滅のシェルブリット!!!」

衝撃がジーナの空気バリアを揺らすッ!

「俺はな年の功ってのがキライだ。何かを始める前に忠告してくる大人を見てると吐き気がしてくる」
「古代遺物 だ?帆高だ?そんなことはどうでもいい。俺はあのババア(神子柴)とケンカをするだけよ!!!」


「本当に反逆と唱えるだけで神子柴やあの神のような存在に勝てると思っているの!?」

「ああ 思っているとも!!!」
カズマは自信満々に答えるッ!!!

「そ…その「根拠」は一体、何なの!?」
ジーナは余りにも自信満々に答えるカズマに動揺する。

「……根拠は」
急遽、カズマの声がしぼんでいく……

「…ないの?」
「ないんだね…」
そんなカズマの様子にジーナと凪は呆れて汗を流す……

「はぁ…気合だけでどうにかなると思っているなんて、ただの馬鹿よ」
失望したように肩を落とすジーナ。

「カズマ……」
凪も心なしか顔が暗くなる……

「その馬鹿を極める!!!」
だが、カズマは高らかに吠えるッ!!!

「青春のシェルブリッド!!!」

「そう何度も同じ攻撃を喰わらないわッ!」
空気の手でカズマのシェルブリッドを受け止めるとーーーーー

「グアアアアア!!!???」
ジーナのもう片方の空気の手で握りしめられるッ!!!

「ここまでね……」
勝利を確信するジーナ。

(くそ、振りほどくことができねぇ!!??)
(あの、女の言う通りなのか……?)

《なんじゃ、カズマ……反逆はここまでなのか?》
「ッ!?」
それは、神子柴に誘われる直前に出会った人物ーーーーー


《ワシはお前に託したと思ったから安心して死ねたのじゃぞ?》
声の正体。アルター仙人ーーーーー

カッ!!
「きゃ!?」
カズマから突如放たれた光にジーナは怯み、空気の手で掴んだカズマを振りほどいてしまう。

「まだ、立ち上がるの…?」
「当たり前だ…俺はまだ…やれる…」

「また、お得意の「反逆」の言葉で何とかするつもり?貴方のシェルブリットじゃ、私を変えることはできない」
「……」

「貴方の反逆はここまでよ。私は変わらない。このまま、帆高ちんと陽菜ちんを出会わせることはさせず、私は元の世界へ戻り、最愛の人(テッドちん)の側に寄り添うーーーー

「…ッ、カズマァァァァアアアアア!」

「「!!??」」
凪の大声にジーナとカズマは静止する。

「さっきから何手間取ってんだよ!!俺の「反逆」を引き受けてくれんだろッ!?だったら、俺をトマトまみれにしたんだから、こんなところで躓くなよ!!!」

拘束されながらもカズマの反逆をずっと見ていた凪の叱咤激励ーーーーー

「へっ……威勢のいいボウズだ……だが、嫌いじゃねぇぜ!!!」
「今の俺じゃ駄目なら変化すりゃいいんだろうが!!!」
カズマはアルターの拳を握るッ!!!

(何?この空気が振動する様はッ!?」
ジーナは周囲一帯の空気が振動していることに驚愕するッ!!!

「使わせてもらうぜ、じいさん!!!」
腕を頭上高く上げるとーーーーー

「s.CRY.ed!!!」

カッ!!!雨降り続けて光を遮断したこの街に光が包み込む!!!

《がんばるんじゃぞ…》
その光を眺めつつ今度こそアルター仙人は姿を消すーーーーー

ゴオオオオオオオボボドオオオオ!!!!!

「!!!!!????」
(カズちん…ッ!)
「これが…カズマの新しい反逆者のアルター…」
凪はゴクリと唾を飲みこむーーーーー

「こ…これが変化したカズちんのアルター……」
(明らかに先ほどとは違う!とてつもない力を感じるわ……)
ジーナの化粧を流すかのような汗が一筋タラリと流れ落ちるーーーーー

「ああ、そうだーーー!!こいつが俺のーーー『凄いアルター』だッ!!!」

「ハイブリット……」
「あ?」
ジーナがカズマのアルターを見て呟く。
今まで右腕だけだったのが、両手足に胸部・顔とアルター箇所が広がっていることから連想したのだろうーーーーー

「組み合わせって意味だよ。正確にはハイブリッドだけどね……」
ジーナの呟きを凪が補足する。

「いいねぇ、その名前気に入ったぜ『ハイブリット』!!!」

「ッ!いくら古代遺物 を変化させても空気の壁はカズちんの攻撃を受け付けないッ!物理攻撃が私に届くことはないのよッ!いい加減に分かりなさいッ!」

「分かんねぇ!!」
カズマは拳を振り上げると殴りかかる。

「また、バカの一つ覚えね!!」
ジーナは空気の手でもう一度受け止めようとするがーーーーー

(えっ!?)
カズマはハイブリットをーーーーー

「地面をッ!?」
そう、拳の先は空気バリアではなくーーーーー

「地砕きのハイブリット!!!」
ジーナ周辺の地面を狙った!!!

「しまッ!!」
不変の防御力はたとえ、制限を受けていても驚異的。
そこで、カズマはジーナの空気バリアよりもはるかに脆い地面を狙ったのだ!!!

グア。
空気バリアがーーーーー

(空気の壁の穴がッ!!??)
地面が砕かれ、唯一、歩行用に穴が開いている空気の部分がカズマの目の前に移動しーーーーー

「カズちん!!!」
「あばよ不変」
拳をグッと固く握りしめてーーーーー

「変化のハイブリット!!!」

「きゃああああああああ!!!!!」
とてつもない爆音が周囲一帯に響き渡るッ!!!!!!

☆彡 ☆彡 ☆彡

パチパチパチ……カズマの渾身のハイブリットの威力は物凄く強大で周囲の建物までも破壊するほどだった。

「ゲホッ!ゲホッ!!……!?カズマ!」
ジーナの空気の手から解放された凪は上空から投げ飛ばされたが、大きな外傷は残らなかった。凪は周囲を見渡すとカズマとジーナの姿を見つけることが出来たーーーーー

「どうだ?変化も悪くねぇんじゃねぇか?」
「ふふ……そう……ね……」
地面に仰向けで倒れこんでいるジーナとそれを見下ろすカズマの姿ーーーーー

「あんた……どうして俺を助けてくれたの……?」
カズマとジーナの側に駆け寄った凪はジーナに疑問を質問する。

そう、カズマのハイブリットにより一度、空気の手は消滅して凪を解放した。地面に激突すれば大きな怪我を負うリスクは充分にあったのだが、ジーナは大やけどと衝撃による打撲の痛みを負いながらも再び空気の手を構成すると凪を守るクッションとしたのだーーーーー

「ふふ……さぁ……どうして……かしら……カズちんの反逆……に変化させら……れちゃった……のか……な……」

「もう行って……アンチエイジングが切れて……き……た」
「醜い……しわくちゃ……の顔を見せた……くない……わ」
化粧が剥がれ落ち、本来のーーー66歳の素顔がーーーーー

「をいをいをい!あんたのその面、俺は嫌いじゃねぇぜ!!…・・シワの数で女の魅力は変わらない」
カズマはニッと本音を伝える。

「ふふ……テッドちん……の次に素敵なお……とこ……ね」
「ねぇ…カズちん……お願いがあるの……」
「私の代わりに……神子柴と神をぶっとばして……」
それは、不変だった少女が変わった証ーーーーー

「……」

「不変……あんたの名は?」
「……ジーナ……すて……きな名前で……しょ」

「ああ!素敵な名だ。ジーナ」
「ジーナが名付けた「ハイブリット」であのババアと神を殴ってやるから安心しろ」
それは、ジーナの反逆をその身に背負う覚悟ーーーーー

「ふふ……たのん……だ……わよ……」
力尽きるのかジーナの瞼は徐々に閉じていきーーーーー

「テッドちん……ラックちん……私……変われた……よ」

不変は再び死(さいこうのおわり)をもらえたのか笑顔で斃れたーーーーー

【ジーナ@アンデッドアンラック  死亡】

☆彡 ☆彡 ☆彡

「……」
斃れたジーナをただ静かに、見つめる凪ーーーーー

「悔いなく死ねるのはなかなかねぇ。ボウズ、お前もジーナのこの姿をよく目に刻み付けておけよ」
カズマは静かに黙とうを捧げるーーーーー

「わかった……それと、カズマ」
「ん?」
「おれはボウズじゃない。凪だ」
凪の心強い目ーーーーー

「よろしくな、……凪」
カズマは凪の名を言うと同時に右手を差し出す。

「うん。よろしく……カズマ」
「あいよ」
カズマと凪は互いに漢の握手を交わす。

ーーーーーー反逆者は2人になった!!!

☆彡 ☆彡 ☆彡

ザッ!ザッ!!ザッ!!!ーーーーーー

とりあえず、一度休憩も兼ねて手ごろな場所までカズマと凪は歩きだすーーーーー

(……)
俺は生き抜く泥を啜っても生き抜く!!

そのために闘うーーーーー

神ーーーーーーこれほど反逆し甲斐のある相手もいねーな

そう思うだろ?あんたも!!

【C-6/深夜/一日目】

【カズマ@スクライド(漫画版)】
[状態]、疲労(中) ダメージ(中)
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3
[行動方針]
基本方針:この殺し合いに反逆する
0:凪と行動を共にする。
1:ジーナの反逆を背負う

※参戦時期は『s.CRY.ed』を刻まれた後です。
※『s.CRY.ed』によりカズマのアルターは進化しました。

【天野凪@天気の子】
[状態]疲労(小) トマト汁まみれ
[装備]双眼鏡@現実
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3 ランダム支給品1~2 (ジーナの)
[行動方針]
基本方針:姉ちゃん(天野陽菜)を助ける。
0:帆高や姉ちゃんを助けに行きたい。
1:カズマと共に反逆する

※参戦時期は逮捕されて以降です。

58:見据えてる視線の先にある殺意の目 投下順 60:想【のろい】
時系列順 61:だから、一緒にいてほしい
前話 名前 次話
22:その運命に――― カズマ
天野凪
ジーナ GAME OVER
最終更新:2021年08月18日 15:06