後は鴉に報告するだけだ。価値のあるものは全て吐き出してしまって、早く、楽になりたい。
有りもしない胃の中身を戻しそうになる。
あれを見てしまったからか、狂った歯車の産む不快な音が頭の中に満ちてゆく。
あれを見てしまったからか、狂った歯車の産む不快な音が頭の中に満ちてゆく。
チクタクチクタクチクタク
違う。…この音は、私は。
「お帰り、私の"語り部"
まさか私が、愛娘のつく嘘に気づかない愚か者だと思ったかい?」
まさか私が、愛娘のつく嘘に気づかない愚か者だと思ったかい?」
ここは夜明けの鴉の秘密施設ではない。
「まぁ、お前はそこが可愛いのだけれどね」
ありがとうお母さん、悪いのは私じゃなかったんですね。
そこまで聞いた私の思考は完全に止まり、
歯車のような博士の嗤い声だけが部屋に響き続けた。
歯車のような博士の嗤い声だけが部屋に響き続けた。