「!」

茂みを掻き分ける音を聞いた明は、咄嗟にドラゴンころしに両手を添え、警戒心を露にする。

「...俺はいつでも準備はいいぜ、旦那」

その傍らで、ホル・ホースはまどかを背負ったまま、片手に『皇帝』のスタンドを発現させる。

シン...とあたりは静寂に包まれる。

均衡するこの状況に、明とホル・ホースは、相手もまた警戒しているのであろうことを察した。

「...俺たちはこのゲームには乗っていない。そちらも戦う気がなければ構えを解いてくれ」

明の呼びかけから数秒、静寂が訪れたかと思えば、再び茂みをかきわける音がした。
ほどなくして現れたのは、こげ茶色の肉体を惜しみなくさらした青年を背負う、厳つい顔をしたおじさんというなんとも『濃い』二人だった。

「......」
「......」

睨みあう明とおじさん。
その眼の鋭さと漂わせる雰囲気から、二人は互いに確信する。

この男、ただものではないと。

「......」
「......」

続くにらみ合い。張り詰める空気。
先に動いたのは明だった。

「よかったのかい、旦那」
「ああ。危険人物ならば、赤い首輪の参加者を背負って動くこともないだろう。同じ赤首輪ならなおさらな」

明がドラゴンころしを手放したのを見て、おじさんは小田○正を思わせる綺麗な笑みを浮かべた。




「そうか、あんたたちも病院に向かうのか」
「おじさんのツレが矢に刺されちゃってね」

明とおじさんこと、葛城蓮は、病院へ向かう道すがら、歩きながらの情報交換にシャレ込んでいた。
明はおじさんが野獣先輩を背負っていることから、おじさんは見るからに無力そうな少女を背負っているホルホースのことから、互いに敵意がないと判断。
そこからは特にいがみ合いも無く、驚くほどスムーズに情報交換を進めていた。

「ホル・ホースくんだったか。わざわざ女の子を背負っている辺り、きみは優しいんだな」
「女には敬意を払うべしってのが俺のモットーなんでね。そういうあんたも大概だと思うぜ」
「おじさんは殺しが好きなわけじゃないからね」

友好的に話しかけてくるおじさんのお陰か、赤首輪の参加者がいる状況にも関わらず、一行は和やかな雰囲気で歩みを進めていた。
尤も、ホル・ホースは穏やかな笑顔の下に、己の生存手段を確保したという黒い歓喜を隠しているのだが。

(ツイてるぜ、まさかこんな最高のチャンスに巡りあえるとはよぉ~!!)

ホル・ホースのこの殺し合いにおける目的はあくまでも生存。
主催の言うとおりに最後まで他者を全て殺しまわることでなければ、雅とかいう吸血鬼を殺すことでもない。
そして、この殺し合いでは、赤首輪の参加者を一人殺せばそれで晴れて自由となるというのだから、いまのこの状況はこれ以上とない好機だろう。

目下、彼が狙うターゲットは、おじさんの背で眠る野獣先輩だ。

いまここで、二人の達人を掻い潜りエンペラーで射殺するのはリスクが高い。
ならば、野獣先輩と二人きりになった時に撃てばいい。
そのタイミングも、いま一同が目指している病院であれば掴みやすい。
適当なベッドで寝かせ、『俺が看病するから二人は見張りを頼む』とか言っておけばいい。

己の命惜しさに憎しみも無い相手を殺す。そんなものは殺し屋として日常茶飯事だ。
ここまで同行した明やまどかへの情もほとんどない。せいぜい、頑張って生き残るんだぜと心の中で激励をかけるかもという程度だ。

ホル・ホースは、確かに己にツキがまわってきたことを実感していた。
そう。彼はガラにもなく浮かれていたのだ。

だから、彼は気づけなかったのかもしれない。
目前にまで迫った病院。その一室から、彼らを見据えるひとつの視線があったことに。



病院にたどり着いた明たちは、目に付いた病室を片っ端から捜索していた。、
治療をするにも、他の参加者がいないことを確認してからの方がいいという考えからだ。

そんな折のこと。

ガタン。

ある一室から、椅子を動かすような音が聞こえた。
明とおじさんは互いの得物に手をかけ、警戒心を高める。
彼らから放たれる威圧感は、素人がまともに受ければ身がすくむほどの迫力を醸し出していた。
それが伝わったのか、音の鳴った部屋からは、それ以降なんの音も鳴らなくなった。

互いに沈黙して数分。このままでは拉致があかないと判断した明が口を開いた。

「俺たちは殺し合いに乗るつもりはない。ただ、仲間の治療をするためにここに寄っただけだ」
「なにか証拠はあるのかよ」

明への返答はすぐに返ってきた。

「腕に怪我をした男が一人、こん睡状態の女の子と男が一人ずつだ。完全な治療はできなくても応急処置くらいはしてやりたいと思っている」
「ハッ、そのこん睡状態の奴らが死体かもしれねえだろ」

声の感じからしてまだ若い少年だと明たちは判断する。

「...あんたが警戒心が高いのはわかった。なら、せめてどこかの部屋のベッドだけでも貸してくれないか」
「イヤだね。ここは俺たちが...あ?まあそうだけどよ...ッわかッたよ。おい、お前らからこっちに来るなら話くらいは聞いてやるよ」

随分と上から目線なガキだと思いつつ、何事か相談するかのような口ぶりから、複数人があの部屋に留まっているのだろうかと推測する。
明とおじさんは目配せしつつ、慎重に距離を詰めていく。

扉の閉められた部屋に踏み込むなどどんな罠が待ち受けているかわかったものじゃない。
歴戦の戦士である明とホル・ホース、数多のAVに出演してきたおじさんもそのことを解っているが故に、口に出さずとも自然と足並みを揃えることができた。

扉に手をかける明が振り返り、おじさんとホル・ホースに目配せし、三人でコクリと頷き合うと、おじさんは刀に手をかけ、ホルホースは銃を構える。
そして、明はドキドキと高鳴る鼓動を堪え、扉を開いた。

「よお。わざわざこんなところまでご苦労さんなこッた」

先ほどの返答の主と思える少年が、大げさに両手を挙げヘラヘラと笑みを浮かべ明たちを迎え入れた。
一足先に部屋に足を踏み入れた明は、目線だけを動かし部屋の人間を確認する。

おろおろと戸惑いを見せる着物の美少女が一人。
こちらを心配げな眼で見つめる少女が一人。
その少女の肩を抱き寄せ、へらへらと笑う少年を不快気に見る少年が一人。
そして、こちらに背を向けたまま窓の外を見つめる学ランの巨漢が一人。
何れもまどかの知り合いにも当てはまらない者たちだ。

次いで、部屋になにか仕掛けがないかを確認しようとしたその時だ。

「どうしたんだい、ホル・ホースくん」
「い、いや、チョイと忘れ物しちまってよ。ちょっくら行ってくるぜ」

ホル・ホースは青ざめ、まどかをそっと床におろし、額に脂汗を滲ませながら、おじさんに断りをいれ、早々に場から離れようと捲くし立てる。
どうしたのかと問おうとする明に、しかし他の声が被せられる。

「そうか。ソイツは災難だったな。だがこんな得体の知れねえ場所でたかだか忘れ物の為に一人で行動するなんざてめーらしくねえじゃねえか...なあ、ホル・ホース」

その声に、ホル・ホースの身体がビクリと跳ね、その場に縫い付けられたかのように静止した。

「ホル・ホース、あんたの知り合いなのか?」
「い、いや、その...」

今回ばかりはさしものホル・ホースも冷や汗が止まらなかった。
なぜこのタイミングで、この施設に、よりにもよって空条承太郎がいるのか。
数分前までの浮かれていた自分にエンペラーをぶち込んで成り代わりたいとさえ思えるほどの不運だ。

どうにか誤魔化せないかと必死に模索するが...

「大した仲じゃあねえさ。俺の仲間がソイツに撃たれたってだけの関係だ」

ふんだんに敵意を塗りたくられた言葉に、ホル・ホースは思わずグッと言葉を詰まらせる。
やはりというべきか、承太郎は自分を相当に警戒し敵視している。
そしてそれを知られるということは...

「...それは本当なのか」

当然、味方だと思っていた奴からは懐疑の眼で見られてしまうわけだ。

カチャリ、と鍔鳴りの音がした。ホル・ホースの背後でおじさんが刀を構えた音だ。

ホル・ホースは己の置かれた状況を顧みる。
恐らく、ここにいた面子は承太郎から自分の情報を聞いているだろう。
そして、こちらの手の内にあった明からは疑われ、おじさんは既に臨戦態勢に入っている。
残るはおじさんの背で眠る男と眠るまどか。
当然、かかわりのない男は除外し、残るはまどか一人だ。
だが、彼女一人が味方になってくれたところでどうする?いや、そもそも、彼女も彼女で承太郎の仲間を撃ったと聞かされればこちらから離れてしまうだろう。

(ヤベエぜチクショー!!この状況、日本じゃ四面楚歌っつったか?どう切り抜けりゃあいいんだよぉ~~!!)

ダラダラと冷や汗を流し言葉を詰まらせるホル・ホース。
必死にベストな回答を模索するも、時間は有限だ。誰も彼もが律儀に待ってくれるわけではない。

「答えられないってことは、そういうことなんだな?お前、おじさんに嘘ついたのか」

背中越しにも伝わるおじさんの殺気がホル・ホースの背中を射抜く。
それにつられ、ホル・ホースは咄嗟に口を開いてしまった。

「た、たしかに俺は承太郎の仲間のアヴドゥルを撃ったぜ。だが、あいつは生きてたし後遺症もなくピンピンしてたんだぜ!?いまだって承太郎がここに連れてこられなけりゃあ一緒に旅をしてるくらいだ!」
「撃ったのは本当なんだな」
「う、ぐ...」

明からの追求により、ますますホル・ホースの立場は無くなっていく。
これで味方はいなくなった。もしもこの立場に置かれたのが元相棒のJ・ガイルのような奴なら本性を現して戦うなり逃げるなりするだろう。
だが、ホル・ホースは常に№2の男。誰かと組んでこそ力を発揮するとかけば聞こえはいいが、言い方を変えれば一人でできることなどたかがしれている。
絶体絶命のこの状況においても、リアリストである彼には、やぶれかぶれの特攻に踏み切ることはできなかった。

だが、そんな臆病に思えるほどの慎重さが、生への道を示すこともある。

「―――だ、だめっ!!」

甲高い声が響き渡った。
いつの間にか眼を覚ましていたまどかは、寝起きで覚束ない足取りで立ち上がろうとし、力が入りきらず転んでしまう。
何故、ホル・ホースが追い立てられるように孤立しているのか。何故、見知らぬ人たちが皆ホルホースに敵意を向けているのか。
彼女は事の顛末をなにも理解していない。
ただ、自分を助けてくれた彼がこのままでは危ないこと。それだけは辛うじて理解できた。

どうにか立ち上がったまどかは、ホル・ホースを庇うかのように、両手を左右に広げ彼の前に立った。

「やめて...ホル・ホースさんを虐めないで...!」

普段は優柔不断な彼女がこうも積極的に動けたのは、放送で呼ばれた巴マミと志筑仁美の存在が大きい。
大切な存在である彼女達の死は、まどかから喪失の恐怖を刻み込んだ。
その恐怖は、止める言葉を捜すよりも先に行動を選択した。

「......」

無言で見下ろしてくる承太郎の視線にまどかの足が震えあがる。
恐い。承太郎から向けられるのが殺意や怒りではないのはわかるにせよ、ただでさえ激しい身長差や彼生来の目の鋭さのせいもあり、必要以上の威圧感を覚えてしまう。
けれど、ここで折れればホル・ホースが危ないかもしれない。
まどかはくだけそうになる腰をどうにか奮いあがらせ、承太郎の視線に正面から向き合った。

「...すまないが、俺もまどかと同意見だ」

明が振り返り、まどかの隣にずいっと並び立つ。

「あんたの仲間が撃たれたというのは事実だろうし、それに怒ることを咎めることはできない。
だが、この男は曲がりなりにも俺やまどかを身体を張って助けてくれた。そんな男を見捨てるような真似はできない」

明は目を瞑り、頭を下げる。

「どういうつもりだ」
「この人数の女子供を守っているあたり、恐らくあんたも殺し合いには賛同していないのだろう。
だが、ホル・ホースを殺すつもりなら、俺はあんたや葛城と戦わなければならなくなる。俺はあんたたちとは戦いたくはない。だから頼む。この殺し合いの場だけでもホル・ホースを見逃してくれないか」
「......」

承太郎の返答はなく、おじさんも現在の状況を見極める為に静観に徹し、沈黙の時間が訪れる。
その間も、まどかと明はホル・ホースの前から動こうとしない。
そんな彼らの姿を見て、ホル・ホースは感極まり震えていた。

(や...やった!ようやく信頼という種が芽吹いてくれたぜぇ~~ッ!!)

彼のソレは感動とは程遠い保身というエゴ丸出しのものであったが。

(やっぱりもつべきものは女だぜ。ここで手を出しゃ男が廃るってもんだろ、承太郎ォ)

もしも最初に出会ったのが明だけなら彼も承太郎側についただろう。
だが、不慮の事態とはいえ、自分が傷ついても無力な少女を助けようとしていたホル・ホースの姿は、明にとってはそれだけでも好評価に繋がった。
だから、ホル・ホースを見捨てることが出来ない。だから、戦ってでも止めようとしてくれる。
面倒ごとは優秀なコマに押し付け自分は安全にふんぞり返る。まさしく傍若無人な『皇帝』のカードに相応しい振る舞いだろう。

ホル・ホースはそんな歓喜の入り混じった黒い考えを表に出さず、ただ戸惑うように、冷や汗すらかきつつ状況を見守っていた。

「...名前は何だ」

沈黙の中、口を開いたのは承太郎だった。

「...宮本明」
「明、俺も無駄な争いをするつもりはねえ。お前がホル・ホースの味方をしようが、俺に敵対しないならそれでいい」
「それは、ホル・ホースを殺すつもりもないと捉えていいのか」
「好きにとりな」
「恩に着るよ」

明が微笑みを浮かべ、ホル・ホースを警戒する承太郎が構わないなら、とおじさんも構えを解く。
その背後、ホル・ホースは内心でガッツポーズを決めていた。

(や、やりぃ!これで当面の危機は脱したぜ。あとはこの息苦しい場所からさっさとトンズラしちまえばこっちのもんよ)
「あの、ホル・ホースさん...なにがあったんですか?」
「...ま、ちょいと複雑な事情ってもんがあったのさァ」

状況説明を求めてきたまどかをあしらい、どう逃げ出そうかと算段を立てようとしたときだ。

「だが」

そう区切った承太郎に、ホル・ホースは思わず「えっ」と聞き返しかける。

「そいつにはそれなりのケジメって奴をつけさせてもらうぜ。...なに、そんな堅苦しいことじゃねえ。少しばかり聞きたいことがあるだけだ」




カチッ。カチッ。


時計の針が刻む音が耳に染みる。

いま、室内にいるのは承太郎とホル・ホースの二人だけ。

机を挟み椅子に座らされるホル・ホースと、その側に立ち見下ろす承太郎。
まるで取り調べのような状況に、ホル・ホースの内心は穏やかであるはずがなかった。

(あ、明のヤロォ~、話をするだけならってあっさりと引き下がりやがって~~!!)

先ほどまではホル・ホースを庇っていた明とまどかだが、二人で話をしたいという承太郎の要望をあっさりと受理し、これまた要望どおり、他の者達と共に部屋を離れてしまった。
承太郎の仲間を撃っていたというディスアドバンテージがあり、承太郎と争いたいわけでもない二人からすれば当然なのだろうが、残された本人からしたらたまったものではない。

(だからってコイツと二人きりにして俺が無事な保障はねえだろうが!)

無論、承太郎にとっては、ここで二人との約束を無視してホルホースを殺すことは容易い。
いまこの状況ならば、ホル・ホースを殺した後は窓からでも逃げ出せば明やおじさんと戦うようなこともない。
が、それは承太郎が万全であると前提した上でだ。
目だった傷こそはないにせよ、彼にしては珍しく湿布や絆創膏を身体の至る箇所に貼っており、衣類もそこそこに汚れ傷ついている。
誰と戦ったのかはしらないが、さしもの彼一人では手に余ると判断したのだろう。
彼からしても、明とおじさんは仲間に引き入れ戦力として手においておきたいはずだ。
ならばこそ、彼らとの約束を自ら破るような真似はしない。

(って考えもあるが、絶対とは言い切れねえ...心臓に悪すぎるぜ、この距離感はよぉ)

「ホル・ホース」

ついに発せられた承太郎の言葉に、ビクリと身体が震え上がる。

「いまオメーに聞きたいことはひとつだけだ。たったひとつ答えればそれで終わりだ」

たったひとつだけに答えればいい。そんな言葉を救いとは受け取れない。
なぜならそのひとつはもう察しがついているし、その答え如何にしても自分がタダではすまないと解り切っているからだ。

「DIOのスタンド能力はなんだ」

やっぱりだ。ホル・ホースの冷や汗が再びドッと湧き出した。

スタンド使いは己の能力を知られることを嫌う。
当然だ。いくら強力な能力をもっていようともタネが知られればいくらでも対策をうつことができる。
そして、DIOは一層、その能力の秘匿を重視し、限られた認めた者にしか能力を明かしておらず、口封じのためならば、エンヤ婆のような筋金入りの忠臣ですら平然と殺すほどだ。
それを、よりにもよって空条承太郎に話したと知られれば、間違いなくDIOに殺されることだろう。

(だが、俺はそもそもあいつの能力を知らねえ。知らねえが、それで承太郎が納得するとも思えねえ!)

当然、金の繋がりでしかない自分が知るはずも無く、もしうっかりDIOの能力を知ってしまえば間違いなく殺される。
だが、ここで知らないと突き通しそれで承太郎が納得するはずもない。かといって、適当な嘘でごまかせる相手でもない。
そして、いつまでも考える時間をくれる相手でもない。

「...なるほど。見上げた忠誠心だな、ホル・ホース」
「ち、ちげえ!俺は知らねえ!本当にDIOの能力なんざ知らねえんだ!!」

結局、本当のことを話すほかないのだ。

「考えてもみろよ。あのエンヤ婆でさえ口封じの為に殺すような奴だぜ、俺みたいな金で雇われた殺し屋に教えるはずもねえ」
「......」
「仮にジョセフ・ジョースターのハーミット・パープルに頭を覗かれてもヒントもなんにもでやしねえ。本当だ!」

一気に捲くし立てたホルホースの口が止まり、静寂が訪れる。
その静寂が、ホルホースにはとても重苦しくて仕方がない。
イヤに己の心臓の鼓動が響く。
裁判所に立つ被告人とはこんな気分なのかと思わざるをえなかった。

「...だろうな。オメーの言うことは尤もだ」

静寂を破り、承太郎の口から出た言葉は、ホル・ホースの顔を驚愕と歓喜に染め上げ

「奴は慎重な男だ。奴の『時間を止める能力』を知られようものなら、オメーのような忠誠心の低い男はタダじゃあすまねえだろうな」
「そ、そうだぜ承太郎!俺がDIOの能力を知った日にゃ...ぁ...」

一瞬で硬直させた。


まるでがら空きの顎にプロボクサーのアッパーを受けた気分だった。

いま、こいつはなんと?

「て、テメー承太郎、いま...なんて...」
「...奴の能力は」
「言うんじゃねえええええええ!!テメー、なんてことしやがるんだ!!!」

コレまででも散々冷や汗をかいてきたというのに、まだ吹き出る余裕があったのか。
滝のように流れる汗は、まるで失禁したかのように衣類を湿らせていく。

(ふ、ふざけんじゃねえ!いま、俺は確かにDIOの能力を知っちまった!奴にバレたら俺は間違いなく殺される!!)

先ほどまで"もし知っていたら"という仮定も思い浮かべていたため、余計に息は乱れ鼓動は更に波打ってしまう。
もし、DIOと遭遇したとき、自分は今まで通り『何も知らないままの服従者』でいられるのか。
それとも『無知を演じる道化』を気取られないようにビクビクと怯え続けなければならないのか。

(い、いや、それ以上に...)

「オメー...なんで奴の能力を知って、まだ無事でいやがる」
「...ソイツはテメーで考えな」

自分がDIOに体験させられた摩訶不思議な出来事も、時間を止められるなら辻褄が合う。
つまり、承太郎は確信を持って時間を止められる能力だと断言したのだ。
承太郎がDIOの能力を知っておきながら五体満足な理由はなんだ―――ホルホースは考える。



①DIOの能力を知っている者から教わった。
単純に考えるならこうだろう。
金で雇われた者は勿論、比較的忠誠心の強いエジプト九栄神の連中でも何人がDIOの能力を知っているのやら。
その九栄神も既にほとんどを承太郎たちに倒されている上に、能力を知られたという報告はあがっていない。
なら誰に教わったというのか...皆目検討がつかない。

②承太郎はDIOの能力を知った段階でこの殺し合いに連れてこられた。
ハッキリ言ってこの可能性はないだろう。
自分は確かにボインゴと組んで承太郎一行を追跡していたが、連中はDIOの館に近づいてはいたものの、確証は得ていないという段階だった。
そんな折に、気がつけばこの殺し合いのセレモニーに連れて来られていたのだから、連中がその段階でDIOの能力を知っていたとは考えにくい。

(い、いや、待てよ。確かに俺は気がついたときに巻き込まれていたが...果たして本当にその認識であっているか?本当は数日間程度は眠らされていたんじゃあねえか?)

もしも自分が数日間眠らされており、時間の感覚が狂わされていたとしたら。
その数日間のうちに承太郎たちがDIOの手がかりを掴み、何らかの拍子で能力を知ったのかもしれない。
となれば、この可能性が最も高い。


(まさか...まさかとは思うがよ...)

ありえない。しかし、広がりだした仮定はもう止まらない。
ホル・ホースの脳内は、第三の理由を既に作り上げていた。

③承太郎一行がDIOに勝利した

あのDIOを、しかも時を止めるなどというトンデモ能力を持った怪物を、ジョースター一行が倒せるなどと到底思えない。
第一、DIOも名簿に載っている以上、奴の生存はほぼ確実だ。
だが、もしも、万が一、なにかの奇跡が起こり、奴に勝利寸前まで持ち込んでいたとしたら。
確たる勝算があるからこそ、承太郎は、なおも絶望せずにDIOに立ち向かおうとしているのなら。

(お...俺は...どう動くべきだ!?DIOにつくか...承太郎につくか...)

DIOにつけば、暗殺をしくじらない限りは金は手に入る。...その代わり、奴に恐怖で支配され続けることになる。
承太郎につけば、明のような奴がいる限りは奴は手出しできず、殺し合いから抜け出しあとはトンズラこけば二度と会うこともないだろう。

支配か、自由か。

ホル・ホースの天秤が傾き始める。



明は入り口で見張りを、おじさんは棟内の警備に出ていた。
医務室にはベッドで眠る野獣先輩と、それを看る春花、相場、朧、まどかの四人、それに写真と会話する西の計6人が集っていた。

さて。看病をしようとしている四人だが、いきなりある問題に躓いていた。

「クゥーン...(子犬)」
「えっと...お尻の中に矢が入ったんだっけ...」
「...俺たちのすることはないんじゃないか?」

そう。特に外傷も見当たらない野獣先輩をどう看病すればいいのかという問題である。

野獣先輩の身体は至って健康的。しかも、苦しむどころかご満悦な表情を浮かべながら暢気に寝息を立てている。
尻から入った矢があるというが、外科医でもない彼らに矢を取り出すことなどできず。
現状、彼らに出来ることは特にないのだ。

「へー、幽霊ね。腹とかは減るの?」
『いや、そういった生理現象は無いのう。特に寿命などもないし、案外楽じゃぞ』

一方の西は、野獣先輩の看病などはそっちのけで、写真の親父、吉良吉鷹との会話に夢中になっていた。
ガンツのこともあり、死者が蘇るという事実事態は誰よりも早く受け止められたが、実際に死んでいる者と話すのはこれが初めてである。
そんな未知との遭遇が、彼の興味を煽ったのだ。

(世界の全てを知り尽くしてると思ってたが...俺の知らないことがどんどん湧いてきやがる)

やはりこの会場は面白い。
たった数時間でスタンド能力に幽霊に異能力を消す目なんて超常現象にお目にかかれたのだから。

(それに明の話じゃあ、あのホスト侍とはまた違う吸血鬼なんてのもいるらしいからな...ヤベェ、らしくなくわくわくしてきやがッたぜ)

彼ら超能力者は自分達人間と身体の構造は違うのか。
死に瀕した時、どんな悲鳴を挙げるのか。
幽霊を物理的に殺したらどうなるのか。

(っ、ヤベ、勃ちそう)

そんな一種の期待への恍惚に、西の下半身が微かに反応する。

(今回ばかりは気をつけねえェとな。空条承太郎だけじゃねえ、宮本明と葛城相手に下手にボロを出すのは悪手だ)

彼の属している東京のガンツチームは底なしのお人よしばかりだから遠慮なしに振舞えたが、あの三人は違う。
承太郎も明も、無力な者を見捨てられないお人よしな面こそあるものの、それ以上に敵に対しての冷酷さを持ち合わせている。
近い人物でいえば玄野計だが、実力は彼の比ではない。あのメンバーの中で最も近接戦に優れる風大左衛門でようやく彼らの領域だろう。
そして、葛城蓮。彼も赤首輪の参加者であることから、承太郎たちとほぼ同等の実力者であると伺える。
更に、彼からは承太郎たちとも自分とも違う、未だ体験したことのない異様ななにかを感じ取っていた。
それがなにかはわからないが、少なくともただの剣の達人ではないことは確かだ。

(俺や玄野ばりの冷静さに筋肉ダルマ並の戦闘力...敵にまわせば面倒だが、手綱を握れればカタストロフィに向けての戦力になる)

毀れそうになる笑みを掌で隠しつつ、ちら、と朧たちに目を向ける。
承太郎たちを制御するには彼らのようなお人よしの弱者が必要だろう。
でなければ、あの三人はそれぞれ赤首輪の参加者を狩って脱出して終わりになってしまう。

(しかしそうなるとあいつは邪魔だな)
「あの...」

おずおずと話しかけてきたまどかに、西はジロリと目を向けた。
その視線の鋭さに恐れを抱きつつも、まどかは意を決して口を開いた。

「わたしも写真のお爺さんと話をしてもいいですか?」
「あ?なんで?」
「き...聞きたいことがあるんです」
「...チッ」

西は舌打ちと共に写真をまどかに渡した。

『お嬢ちゃん、ワシに聞きたいこととはなんじゃ?』
「...お爺さんは、死んだ人と会話をすることはできるんですか?」
『ムッ?』
「マミさんと仁美ちゃん...わたしの友達が、放送で呼ばれたんです。もしもお爺さんが死んだ人たちと会話ができるなら、二人と会わせて欲しいんです」

まどかは、二人が死んでしまったことは理解はしているものの、まだ納得はできていなかった。
だから、たとえ更なる苦しみが待っていても、確かめられるなら確かめたいと思った。
いや、それ以上に、彼女達の声が聞きたかったのだ。
話す内容なんてまだ決めていないけれど、当たり障りのないことでもなんでもいい。
ただ、彼女達の声を聞きたかったのだ。

『あ~...すまんがそれは無理じゃ。ワシはたまたま現世に留まれただけで、他者の魂に干渉できるわけじゃないんじゃ』
「...そうですか...」
『力になれなくてすまんの』
「いえ...ありがとうございました」

二人に会えないことで意気消沈するまどか。
そんな彼女を見かねて、朧が両肩にそっと毛布をかけた。

「朧さん...?」
「無理はなさらずともよいのですよ」

朧の打算無き微笑みと与えられた温もりに、曇りかかっていたまどかの心が少しだけ晴れる。
お茶を淹れてきますね、と朧は離れる。
少し遅れて、まどかは立ち上がり朧のあとに続く。

「まどか殿?」
「わたしも手伝います」

まどかは決して吹っ切れたわけではない。
未だに悲しみを引きずっているし、ふとした拍子ですぐに沈んでしまう。
しかし、だからといって座り込んだままでなにか変わるかといえばそうでもない。
なにかしら動かなかればやっていられない。そんな想いだった。

そんな彼女の姿を見て、朧は微笑む。
いつもは伊賀の者たちに世話を焼かれ、大切に守られ、苦労をかけばかりだ。
けれど、いまはこうして自分よりも小さな子を引き連れている。
伊賀の者たちから見た自分はこんな風なのか。妹でもいたらこんな感じなのだろうか。

(私がしっかりせねば)

承太郎たちを除けば、おそらく自分が最年長だろう。
普段は守られてばかりだが、今回は自分が守らなければならない。
朧は、より一層張り切ろうと気を引き締めた。

「...強いね、鹿目さんは」
「そうだな」

春花と相場は、それぞれの感情を込めた眼差しでまどかを見つめる。

春花は、大切な者を失った悲しみの共感者として。
相場は、まるで興味がないかのような冷ややかな目で。

(ああいうタイプは野崎には毒だな。変な影響を受けなきゃいいけど)

相場から見て、鹿目まどかといいう少女は自己犠牲心の強い少女だ。
傷心中なら大人しくしていればいいものの、ああして自分がお荷物になるまいと、心配をかけまいと外面だけを取り繕っている。
燃え盛る炎の中、春花の父が己の身を顧みず祥子を庇い続けたのには感銘を受けたが、まどかは別だ。
肉親や恋人のような関係が深い者ならまだしも、会って数十分の人間相手に自分を蔑ろにしてまでの献身は、尊敬を通り越して薄気味悪い。

それだけならば勝手にやっていればいいと放っておくだけだが、問題はここにいまの春花がいることだ。
彼女は、真宮たち殺害の件の負い目から、自分の命を軽視している節がある。朧を庇った際の耳の怪我がいい例だ。
そんな彼女がまどかと関わり、万が一にも自己犠牲に酔いしれるようなことがあれば目も当てられない。
彼女が愛を注ぐのは万人ではなく、この相場晄だけで充分だ。

それを防ぐには、まどかを殺してしまえばいいのだが、それで自分が下手人だと判明すれば春花の立場も怪しくなるかもしれないし、
まどかがいなくなったところで、第二、第三と別の者が現れるかもしれない。

ならばこそ優先されるのは、一刻も早い春花の脱出である。

そしてその方法は、いま手中に収めている。

「スゥー....ハァー...」

野獣先輩と呼ばれるこの赤首輪の男の殺害による脱出だ。

彼が、尻に不思議な矢が入ったという信じ難い理由で目を覚まさないでいるのは非常に好都合だ。
誰にも見られず、且つ目立つ外傷でなければ、尻に入った不思議な矢がなんらかの効果をもたらしたということで処理できる。

その為の道具は、ある。
相場の右手に握られている粒錠の毒薬。
彼がボウガン以外に支給された道具である。

(飲ませないと効果がないから、特に使い道はないと思ってたけど運が良かった)

本当にこれで死ぬかはわからないが、わざわざ殺し合いの場で支給するというのだから、本物で間違いないだろう。

(ただ殺すだけじゃ意味がない。真宮の放送を信じるなら、こいつの側に春花がいないと駄目だ)

彼の殺人計画はこうだ。
まずは眠る野獣にこっそりと毒薬を飲ませる。
苦しみ始めたところで春花を呼び、野獣に呼びかけさせる。
承太郎、ホル・ホース、おじさん、明は別の場所にいるため異変に気づいたところで駆けつけるのには時間がかかる。
残る三人だが、西はまず警戒して近寄らないだろう。
そして、朧とまどか。
この二人は春花を手伝うために駆け寄ってくるだろうが、その前に水を持ってきてほしいだの、タオルを用意してくれだのと自分が指示を出してやればいい。
写真の親父は参加者でもなければ所詮は写真なので脱出の権利はどう足掻いても手に入らないだろう。
時間を稼ぎ、その間に野獣が死ねば、計画は成功だ。

春花を含む皆はショックを受けるだろうが、『彼の死を無駄にしてはいけない』とでも言えば、否が応でも一番近くにいた春花を脱出させることになるはずだ。

(承太郎とホル・ホースがいつ戻ってくるかわからない...やるならいまだ)

春花がまどか達を見ているこの隙しかチャンスはないだろう。
相場は、そっと野獣に寄り添い、彼の口元に掌がかざされ

「お二方、お茶が入りm」

同時に、朧が己の脚に躓き、倒れた上体と共に盆と湯のみが宙を舞った。
そして、熱湯は―――野獣の脚にぶちまけられた。


「ヌゥン!ヘッ!ヘッ!ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ!!!!!」

あまりの熱さに野獣は目を見開き、我慢もできず限界まで開口し、絶叫と共に床から天井へと所狭しと跳びまわった。
その騒音のごとき声量に、皆は各々の思考すら停止させられ、ただ己の耳をふさぐことしかできなかった。

「フ ウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ン!!!!フ ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥン!!!!...ハァ」

ひとしきり叫び終えスッキリした野獣は、涅槃の如き表情を浮かべ、数秒沈黙。

「ふざけんな!!人が気持ちよく寝てたのに頭にキますよ!!」

そして、鬼のような形相で咆えた。

「ドッキリにしてもやりすぎだってはっきりわかんだね。犯人は早く名乗り出てホラホラホラホラ」

寝起きだというのにペラペラと捲くし立てる野獣に圧され、一同は呆然としてしまう。

「なんだよドッキリ仕掛けといて怒られるの初めてかよ。責任(ケツ)もたれたことしかねえのかよ誰かによ」

バ ァ ン!!(大破)

ドアを蹴飛ばし部屋に転がり込むのは、騒ぎを聞きつけやってきたのはおじさんと明だった。

「なに騒いでんだオイオラァ!!」
「!...あんたの仕業っすか。女子供にあんな危ないドッキリ仕掛けさせといて自分は高みの見物とはACceedの器もたかがしれますね」
「アァ!?」

野獣の冷ややかな視線と言葉に、おじさんのこめかみに青筋が走る。
彼の殺気を感じ取った明は、慌てておじさんを羽交い絞めにして動きを止めた。

「ウ゛ゥ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!ウ゛ゥ゛ゥ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!」
「落ち着け葛城!」

火花を散らしあう野獣と葛城に、自然と場の空気も張り詰めたものとなる。
今は明が押さえ込んでいるが、もし拘束が解ければどうなるかわかったものではない。
そんな重圧の中、朧が震える手を掲げた。

「お...お茶を零したのは...私でございます」
「は?(威圧)」
「自分の足に躓き...どうか...お許しを...」
「ふぁっ!?」

目に涙を溜めながら土下座をする朧に、野獣は思わず面を食らいかけよった。

「泣かないでくれよな~頼むよ~」

野獣は肩膝をつき己の目線を相手に合わせたうえで、慰めるように熟練の手つきで朧の頭を撫でる。

「ちょっとビックリしたけど大したことはないからホラホラホラホラ」

野獣は立ち上がり朧の頭から手を離し、両手を頭の後ろで組み腰を左右に振り始めた。
自分は健在であるという、彼なりのアピールだった。

「人間は失敗してなんぼだし、このくらいのミスならまあ多少はね?」

息もつかせぬ程の早さで繰出される慰めの言葉に朧の涙も引き、それを確認した野獣も王者の風格を漂わせる微笑を浮かべ頷いた。

「...落ち着いたか、葛城」
「フゥー、フゥー...もういい歳だからね、おじさんも」

ひとしきり吼えて気が紛れたおじさんは、引き止めてくれた明に軽く頭を下げ、小田○正のような笑顔を見せた。

「な、なにがあったってんだ?」

騒ぎを聞きつけやってきたホル・ホースと承太郎。
前者はただ困惑し、後者は一筋縄ではいかなさそうなこの面子に小さくため息をついた。

「...やれやれだぜ」




(間違いない...この男、空条承太郎じゃ)

吉鷹は、写真の中からチラチラと様子をうかがい、ゴクリと唾を飲み込んだ。

西丈一郎達と会話をしている最中、承太郎の名前は出ていたが、それが本物かどうかは己の目で確かめるまでは判断できずにいた。
そしてその目で見てわかった。この男は確かに空条承太郎だと。
だが、それにしては若い。己の知る承太郎も三十歳近くにしては若々しい顔立ちではあるが、それにしても若いのだ。
その上で、この男は己の知る空条承太郎と同一人物であるという、奇妙な感覚に陥っていた。

(何より奇妙なのは、ここの連中が誰一人として吉影の名に反応を示さなかったことじゃ)

もしも、承太郎が、この会場の誰もを傷つかせることなく殺し合いを破壊しようという聖人染みたことをのたまうならばわかる。
が、ホル・ホースへの対応を見る限り、とてもそうとは思えない。
敵対している者には容赦はしない。そんな純粋なスタンド使いらしい思考の持ち主だ。
ならば、吉影については多少なりとも言及してしかるべきだが、なにも話した様子はない。
なにか企んでいるのか?それとも主催に記憶でも消されているのか。あるいはなにかもっと別の...?

(空条承太郎...敵に回せば恐ろしいことこの上ないが、味方につければこれほど頼もしい存在もいない...どうにか吉影の力になるよう誘導できんものか)

全ては愛する息子のために。
父親は独り静かな戦いへと臨む。




【H-3/一日目/早朝/病院】




【野獣先輩@真夏の夜の淫夢派生シリーズ】
[状態]:背中の皮膚に少し炎症、疲労(大)、身体の中に矢@ジョジョの奇妙な冒険が入っている。気絶
[装備]:吉良吉廣の写真@ジョジョの奇妙な冒険、
[道具]:基本支給品×1、不明支給品×0~1
[思考・状況]
基本行動方針:気の向く(性欲を満たす)ままに動く
1:状況を把握する
2:吉良と左衛門犯したい...犯したくない?
[備考]


※毒物をぶち込まれると即死性ではないかぎり消化・排出することができる。排出場所は勿論シリ。
※殺し合いを認識しました。
※吉良(川尻の顔)と左衛門の顔をそれぞれKMR、遠野に似てると思い込んでいます。
※吉鷹の持っていた矢@ジョジョの奇妙な冒険が野獣先輩の尻の中へ吸収されました。異変があるかはヨクワカンナイケドネ




【虐待おじさん@真夏の夜の淫夢派生シリーズ】
[状態]興奮、頬にダメージ(小) 疲労(小)
[装備]日本刀詰め合わせ@彼岸島
[道具]基本的支給品、鞭と竹刀とその他SMセット(現地調達品)、吉良吉廣の写真@ジョジョの奇妙な冒険。
[思考]
基本:可愛い男の子の悶絶する顔が見たい。殺しはしないよ。おじさんは殺人鬼じゃないから。
0:情報交換をする。
1:殺し合いが進んでいるようなので、なるべく主催を倒すために行動する。
2:また会ったらラ・ピュセルを調教する。 元の世界で平野店長やタクヤさん(KBTIT)と共に調教したい。
3:あのウニ頭の少年(上条)も可愛い顔をしているので調教する。
4:気合を入れ直すためにひでを見つけたらひでを虐待する。
[備考]
※参戦時期はひでを虐待し終わって以降
※ラ・ピュセルを女装した少年だと思っています


【吉良吉鷹の写真@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]健康
[思考]
基本:息子(吉良吉影)の有利になるように動く。
0:情報交換をする。
1:眼前の承太郎が自分の知る承太郎かどうかを確かめる。もしも吉影の力になるのなら...?




【宮本明@彼岸島】
[状態]:雅への殺意、右頬に傷。
[装備]:ドラゴンころし@ベルセルク
[道具]: 不明支給品0~1
[思考・行動]
基本方針: 雅を殺す。
0:情報交換をする。
1:吸血鬼を根絶やしにする。
2:ホル・ホース及びまどかとしばらく同行する(雅との戦いに巻き込むつもりはない)
3:邪魔をする者には容赦はしない。
4:隊長...まさかな


※参戦時期は47日間13巻付近です。
※シェンホアと情報交換をしました。



【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(大)、精神的疲労(大)、失禁
[装備]: 女吸血鬼の服@現地調達品、破れかけた見滝原中学の制服
[道具]: 不明支給品0~1、小黒妙子の写真@ミスミソウ
[思考・行動]
基本方針: みんなと会いたい。
0:情報交換をする。
1:ほむらとの合流。さやか、杏子が生きているのを確かめたい。
2:明とホル・ホースと同行する。
3:あの子(ロシーヌ)の雰囲気、どこかで...?
4:マミさん...仁美ちゃん...そんな...


※参戦時期はTVアニメ本編11話でほむらから時間遡航のことを聞いた後です。
※吸血鬼感染はしませんでした。
※シェンホアと情報交換をしました。


【ホル・ホース@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:疲労 (大)、精神的疲労(絶大)、失禁、額に軽傷、スズメバチの毒液による腫れ
[装備]:吸血鬼の服@現地調達品、いつもの服、ポッチャマ...のヌイグルミ@真夏の夜の淫夢派生シリーズ、
[道具]:不明支給品0~1、大きめの葉っぱ×5
[思考・行動]
基本方針: 脱出でも優勝でもいいのでどうにかして生き残る。できれば女は殺したくない。 
0:嬢交換をする。
1:しばらく明を『相棒』とする。
2:DIOには絶対に会いたくない。
3:まどかを保護することによっていまの自分が無害であることをアピールする(承太郎対策)。
4:そういやこいつら、スタンドが見えているのか
5:DIOと承太郎...いざという時にはどっちにつきゃあいいんだ!?


※参戦時期はDIOの暗殺失敗後です。
※赤い首輪以外にも危険な奴はいると認識を改めました。
※吸血鬼感染はしませんでした。
※シェンホアと情報交換をしました。
※DIOの能力を知りました。

【西丈一郎@GANTZ】
[状態]:健康
[装備]:ポンの兄の拳銃@彼岸島
[道具]:不明支給品0~1
[思考・行動]
基本方針:赤首輪の参加者を狙い景品を稼ぐ。装備が充実したら赤首輪の参加者を殺すなり優勝なりして脱出する。邪魔する者には容赦しない。
0:嬢交換をする。
1:相場は利用できるだけ利用したいが、戦力にあてができれば捨てる。
2:いまは準備を整える。
3:岡が死んだので使えそうな手ごまを探したい。現状の有力候補は承太郎、明、葛城(虐待おじさん)。


※参戦時期は大阪篇終了後。
※承太郎、春花、朧と情報交換をしました。


【相場晄@ミスミソウ】
[状態]:右肩にダメージ、承太郎への嫉妬と春花がなびく可能性への不安
[装備]:真宮愛用のボウガン@ミスミソウ ボウガンの矢×1
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0~1
[思考・行動]
基本方針: 春花と共に赤い首輪の参加者を殺し生還する。もしも赤い首輪の参加者が全滅すれば共に生還する方法を探し、それでもダメなら春花を優勝させて彼女を救ったのは自分であることを思い出に残させる。
0:情報交換をする。
1:春花を守れるのは自分だけであり他にはなにもいらないことを証明する。そのために、祥子を見つけたら春花にバレないように始末しておきたい。
2:赤い首輪の参加者には要警戒且つ殺して春花の居場所を聞き出したい。
3:俺と春花が生き残る上で邪魔な参加者は殺す。
4:青い髪の女(美樹さやか)には要注意。悪評を流して追い詰めることも考える。
5:カメラがあれば欲しい。
6:西はなにかこの殺し合いについて関与しているのか?
7:空条承太郎と鹿目まどかは始末したい。最低でも、春花とは切り離したい。


※参戦時期は18話付近です。
※承太郎、春花、朧と情報交換をしました。



【朧@バジリスク~甲賀忍法帳~】
[状態]:腹部にダメージ(中)、疲労(中~大)
[装備]:リアカー(現地調達品)
[道具]: 不明支給品1~2
[思考・行動]
基本方針:弦之介様と会いたい 
0:情報交換をする。
1:脱出の協力者を探す。
2:陽炎には要注意。天膳にも心は許さない。
3:天膳が呼ばれたが...正直信じられない。


※参戦時期は原作三巻、霞刑部死亡付近。
※春花、承太郎と情報を交換しました。
※天膳はまた蘇るのだろうと思っています。
※西、相場と情報交換をしました。



【野崎春花@ミスミソウ】
[状態]:右頬に切り傷・右耳損傷・出血(中)、頭部から消毒の匂い
[装備]:ベヘリット@ベルセルク
[道具]:不明支給品0~1
[思考・行動]
基本方針:祥子を救い、佐山流美を殺す。その後に自分も死ぬ。
0:情報交換をする。
1:祥子、相葉の安全を確保する。
2:小黒さんは保留。



※参戦時期は原作14話で相場と口付けを交わした後。
※朧の眼が破幻の瞳であることを知りました。
※朧、承太郎と情報を交換しました。
※西、相場と情報交換をしました。


【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:疲労(大)、全身にダメージ、出血(止血処置済み)、帽子から消毒の匂い
[装備]:
[道具]: 不明支給品1~2
[思考・行動]
基本方針:殺し合いを破壊する。主催者の言いなりにならない。
0:情報交換をする。
1:ある程度休憩をとったら行動を開始する。
2:DIO・先程の化け物(ゾッド)には要警戒。
3:相場には警戒。西にも要注意。
4:ホル・ホースは監視する。

※参戦時期は三部終了後。
※朧の眼が破幻の瞳であることを知りました。
※春花、朧と情報を交換しました。
※西、相場と情報交換をしました。


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野崎春花
空条承太郎
西丈一郎
相場晄
宮本明
鹿目まどか
ホル・ホース
療養提案おじさん 虐待おじさん
野獣先輩
最終更新:2021年08月06日 23:45