2巻乙ノススメ @ まんがタイムきらら
マグロちゃんは食べられたい!
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2otu_kirara
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作品情報
1巻 | 2巻 |
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作品名 | マグロちゃんは食べられたい! |
作者名 | はも |
掲載誌 | まんがタイムきららMAX |
掲載期間 | 2022年2月号~4月号(ゲスト) 2022年5月号~2024年1月号 |
単行本発売日 | 1巻:2022年12月26日 2巻:2023年12月26日 |
他作品 | |
備考 | ゲスト時のタイトルは『マグロちゃんは食べられたい❤︎』 次にくるマンガ大賞2023ノミネート |
あらすじ
マグロが大好きで堤防釣りが日課の少女・みさきの元に、キハダマグロから変身したという少女・まぐろがあらわれた!マグロに伝わる掟により、自分を釣り上げた「運命の相手」であるみさきに(物理的な意味で)食べられようとするまぐろと、それに振り回されるみさきとの新感覚お魚コメディ!
管理者レビュー
ジャンル
評価点
- 擬人化の極致。
- 本作のテーマは「マグロの擬人化」。きららにも様々なモノの擬人化があるが、マグロの擬人化は前人未踏。
- 擬人化した魚はキハダマグロ、カジキマグロ(*1)、クロマグロの3匹。それぞれの特徴を捉えたキャラデザは秀逸。
- ちなみに、キャラとしての「まぐろ」はひらがな、種族としての「マグロ」はカタカナで表記される。
- 飽きが来ないネタの数々。
- 一見すると出オチ漫画だが、「マグロの擬人化」という設定をこれでもかと活かしており、読んでて飽きが来ない。
- 魚視点で人間界のアレコレを見る様子は新鮮。「プリクラは魚拓の一種」「フルネームは分類名」など。
- マグロネタに頼りきりではなく、魚たちにとってパートナーとなる人間キャラ・テーマが一貫したストーリーなど、魅力的なポイントがたくさんある。
- 人と魚との価値観の違い。
- まぐろ(キハダマグロ)はマグロの掟に従い、自分を釣り上げたみさきに自分を食べるよう懇願してくる。「人間の姿になったマグロを食べたくない」とみさきが言っても、まぐろのアプローチは変わらない。人間として生活し、魚だった頃にはできなかった様々な経験を経ても、「みさきに食べられたい」という考えは全くブレない。
- 「捕食者と被食者」「価値観の違い」というあって当然だが実感しづらい事柄を、擬人化に落とし込むことで読み手に伝わりやすく描いている。
- 「食べられること」は死のメタファーとも捉えることができる。「食べられること」を作品タイトルにまで掲げた本作は、「不変」の象徴である日常モノへのアンチテーゼとも解釈できる。
- まぐろ以外の2匹、カジキマグロ、クロマグロの考え方・人間との接し方もしっかり描かれている。
- まぐろ(キハダマグロ)はマグロの掟に従い、自分を釣り上げたみさきに自分を食べるよう懇願してくる。「人間の姿になったマグロを食べたくない」とみさきが言っても、まぐろのアプローチは変わらない。人間として生活し、魚だった頃にはできなかった様々な経験を経ても、「みさきに食べられたい」という考えは全くブレない。
問題点
- 一部のキャラ情報(一部キャラの本名・誕生日など)が単行本特典限定。
- 現在では入手困難なものもある。
- 特典の情報を知らなくても本編を読む分には支障はないのが救い。
総評
「マグロの擬人化」という一発ネタにしか見えない設定で、しっかりきらら漫画として成立させ、「異種族間の価値観の違い」などの深いテーマ性まで盛り込まれている。1匹で様々な食べ方を楽しめる、マグロのように魅力的な作品。