マクシオン星
工業商業都市ヘルダーラント
ヘルダーラント邸
工業商業都市ヘルダーラント
ヘルダーラント邸
ワーウルフの青年は邸の屋根上で
月夜を見上げる
月夜を見上げる
彼は静かにあの日々を思い出していた
「…こんな未来まで来ちまったっすねぇ…」
誰に掛けるわけでもなく
ただ、もう居ない誰かに対して
掛けたものだった
ただ、もう居ない誰かに対して
掛けたものだった
――――――――――――――――――――――
ー孤独の覇者ー
マクシオン 南部大陸には
『猟犬伝説』と言うものがある
―――昔々、南大陸には『狼王』という
人々を暴力で支配する獣がいました
『猟犬伝説』と言うものがある
―――昔々、南大陸には『狼王』という
人々を暴力で支配する獣がいました
狼の姿をした獣の王は人々に
労働を強制し奴隷のように扱い
神に祈ることすら許されませんでした
労働を強制し奴隷のように扱い
神に祈ることすら許されませんでした
全てが狼王のワガママに合わせた大地でした
それを憤怒した一人の騎士は
七匹の選ばれし猟犬と共にドミニオ火山の火口で圧倒的な力を持つ獣 『狼王』に挑み
多くの犠牲を払いながらも勝利しました
七匹の選ばれし猟犬と共にドミニオ火山の火口で圧倒的な力を持つ獣 『狼王』に挑み
多くの犠牲を払いながらも勝利しました
胸を剣で刺された『狼王』は
火口に落ち炎で焼かれ
苦しんでいた人々は自由を手に入れました
火口に落ち炎で焼かれ
苦しんでいた人々は自由を手に入れました
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
数千年前 マクシオン 南部大陸
この地の森の中には人に近い方向に進化した種族がいた
人間の姿をしつつ狼種の特徴を持つ ワーウルフと呼ばれる者達だった
人間の姿をしつつ狼種の特徴を持つ ワーウルフと呼ばれる者達だった
人々と狼達は交友があり
森で人々に飢えに苦しめば
狼達は人々を助け
狼達に未知の病が流行れば
人々が知恵を合わせ助け
森で人々に飢えに苦しめば
狼達は人々を助け
狼達に未知の病が流行れば
人々が知恵を合わせ助け
彼らは互いに良き隣人として
協力者として
互いに自然のバランスを保っていた
協力者として
互いに自然のバランスを保っていた
しかし、ある日中央大陸からあるものが
持ち込まれることとなる
持ち込まれることとなる
…宗教
それは人の考えを毒し
教えに従わないものは人間であろうと 狼であろうと関係なく殺していった…
教えに従わないものは人間であろうと 狼であろうと関係なく殺していった…
しかし、信者達に対し
自然と生きることを大切にしていた狼達は
最後まで考えを改める事はなかった
自然と生きることを大切にしていた狼達は
最後まで考えを改める事はなかった
ある日、人間と違う彼ら狼を
神の敵とし中央マクシオンから
軍の進軍があった
神の敵とし中央マクシオンから
軍の進軍があった
当時から機械鎧は存在しており
自然と共に生きていた彼らには抵抗手段はなく
一方的に虐殺されていくこととなる
自然と共に生きていた彼らには抵抗手段はなく
一方的に虐殺されていくこととなる
炎の森の中
一人、狼の青年が涙を流す
一人、狼の青年が涙を流す
彼は森で木の実を取りに行っていた
火の気に気付き戻ってきた時は
すでに自然に包まれ美しかった都は炎にのまれていた
火の気に気付き戻ってきた時は
すでに自然に包まれ美しかった都は炎にのまれていた
人間達は銃を手に
狼達を次々と射殺していく
狼達を次々と射殺していく
仲間達の断末魔 子供の鳴き声
彼はただ呆然と見ていることしか出来なかった
何かの羽音が響く
空飛ぶ鉄の乗り物が彼に銃口を向け発砲を行う
空飛ぶ鉄の乗り物が彼に銃口を向け発砲を行う
狼は走り森の中に逃げ込む
木々を盾に 彼はひたすら駆け抜けた
木々を盾に 彼はひたすら駆け抜けた
…が 一発の凶弾が彼の胸を貫く
彼の意識はここで途切れる
衝撃で吹き飛ばされた体は
川へ吹き飛ばされ
流されていき
狼の体は滝へと落ちていった
衝撃で吹き飛ばされた体は
川へ吹き飛ばされ
流されていき
狼の体は滝へと落ちていった
明朝 森の旅する
赤い蝙蝠と氷の竜が森の川辺を歩いていた
赤い蝙蝠と氷の竜が森の川辺を歩いていた
ふと蝙蝠が川辺に打ち上げられた
狼の青年に気付き近寄る
狼の青年に気付き近寄る
致命傷を受けてなお その狼は生きていた
まるで冥府から嫌われてるのか
先に旅立った仲間達が
この世を去るのを止めたのか…
まるで冥府から嫌われてるのか
先に旅立った仲間達が
この世を去るのを止めたのか…
しかし、このままでは狼の先が長くなかった
蝙蝠は問う
「生きたいかい?」
狼は唸るような声で肯定する
もはや言葉は言葉になってなかった
「生きたいかい?」
狼は唸るような声で肯定する
もはや言葉は言葉になってなかった
それは怒りと悲しみと恐怖
そして、何より悔しさがにじみ出ていた
蝙蝠は狼の胸に己の血で濡らした短剣を突き刺す
青い竜は呟く
「可愛そうに …永遠の命は永遠の牢獄なのに…」
「可愛そうに …永遠の命は永遠の牢獄なのに…」
蝙蝠は嗤う
「ならば牢獄を楽しむ努力をしたまえ」と
「ならば牢獄を楽しむ努力をしたまえ」と
太陽と月が二度回った頃
狼は目を覚ました
狼は目を覚ました
蝙蝠が狼に話しかける
「体調はいかがかな?」
「体調はいかがかな?」
狼は答えた
「快調っすね…俺は死んだんじゃないっすか?」
「快調っすね…俺は死んだんじゃないっすか?」
竜は狼に伝える
「ええ、生きてるわ …貴方は彼に生きたいと言ったわ 生きてどうしたいの?」
「ええ、生きてるわ …貴方は彼に生きたいと言ったわ 生きてどうしたいの?」
その問に狼は怒りを露にした
「奴らを…人間共を皆殺しにしてやるっす!!」
「奴らを…人間共を皆殺しにしてやるっす!!」
その解に蝙蝠は
「今の君には力がある 願え 強き自分の姿を 心に呼び掛ければ 『彼』は答えてくれる」
と知恵を与える
「今の君には力がある 願え 強き自分の姿を 心に呼び掛ければ 『彼』は答えてくれる」
と知恵を与える
その言葉を聞いた狼は心のそこから願い
怒りを胸に心の底から叫ぶ
怒りを胸に心の底から叫ぶ
怒る狼は炎を纏う巨人となり走り出す
その後 狼は怒りに任せ
約7日間狂い戦い暴れ
南大陸の大半を焼き払う事となる
南大陸の大半を焼き払う事となる
多くの死を積み重ね 狼は燃える世界を目にし立ち尽くす
『俺っちも結局同じだったじゃないっすか…』
与えられたのは『力』と『永遠』
それだけだった
狼は蝙蝠に問う
「これから…どうしたらいいっすかね?」
「これから…どうしたらいいっすかね?」
蝙蝠は答えた
「やりたいことを見つけるまで 僕達についてくるか?」と
「やりたいことを見つけるまで 僕達についてくるか?」と
狼は蝙蝠と竜の旅に共に行くことを決意する
彼らは多くの戦いを越え、多くの国を目にし
彼らは多くの戦いを越え、多くの国を目にし
時には互いの考えで
ぶつかり合い旅をしていった
ぶつかり合い旅をしていった
幾つの月日が経っただろう
ある日、狼は彼らに告げる
「やりたいことが出来たっす!! 故郷に帰りたいっす!!」と
「やりたいことが出来たっす!! 故郷に帰りたいっす!!」と
これは己が壊した地を作り直し
豊かにするという決意だった
豊かにするという決意だった
蝙蝠は彼を肯定した
「行っておいで…かの地は君に任せるよ」と
「行っておいで…かの地は君に任せるよ」と
狼は故郷の地に足を着ける
もう戻るつもりは無かった
人々が暮らせない地を
もう戻るつもりは無かった
人々が暮らせない地を
炎の巨人の力を纏い
何年も何年も掛け 狼は戻していった
何年も何年も掛け 狼は戻していった
やがて炎を逃れ暮らしていた人々や
他の地の人々が集まり始める
他の地の人々が集まり始める
幾年が経ち
この地は豊かな国となり
最大の立役者であり人知を越えた狼は
人々より王として崇められるようになる
この地は豊かな国となり
最大の立役者であり人知を越えた狼は
人々より王として崇められるようになる
しかし、彼は人に心を開くことはなかった
己の欲望で簡単に他者を蹴落とし
適当な理由で略奪を繰り返す人々
自分達と違うからと言う理由だけでその命を奪う人類に彼は心底毛嫌いしていた
適当な理由で略奪を繰り返す人々
自分達と違うからと言う理由だけでその命を奪う人類に彼は心底毛嫌いしていた
王を望まれながら
狼は一人だけ城に引きこもってしまう
狼は一人だけ城に引きこもってしまう
彼らが祭り上げた
形だけの王が居なくても
なにも問題なく世界は回った
形だけの王が居なくても
なにも問題なく世界は回った
数えきれない月日が流れ
狼の功績は風化していく
狼の功績は風化していく
やがて人々からこの廃城には
歳を取らない不死の獣の化け物が暮らすと
言われるようになる
歳を取らない不死の獣の化け物が暮らすと
言われるようになる
人々は時より
窓から外を見下ろす不老の狼を
恐れ 怯えるようになった
窓から外を見下ろす不老の狼を
恐れ 怯えるようになった
やがて彼が整えた大地に誰も感謝しなくなった
当たり前な物に人は感謝することはない
当たり前な物に人は感謝することはない
この地に再び人々が豊かに暮らせるようになったのが彼のおかげだと忘れ去り
ただ、単に存在している狼を
不気味がり恐れ距離を取っていった
不気味がり恐れ距離を取っていった
どれ程の月日が流れただろう
虚無な月日を過ごしていた狼に
ある日一人の少女が声をかけた
ある日一人の少女が声をかけた
「狼さん狼さん…いま何をしてるの?」
狼は答えなかった
人の子に答える義理など無いと考え「あっちへ行け」と無視をした
人の子に答える義理など無いと考え「あっちへ行け」と無視をした
明くる日
また少女は狼の元へ来る
「狼さん狼さん…なんでいつも寂しそうな顔してるの?」
また少女は狼の元へ来る
「狼さん狼さん…なんでいつも寂しそうな顔してるの?」
狼は答えなかった
例え答えたとしても理解しないと思い「あっちへ行け」と追い払った
例え答えたとしても理解しないと思い「あっちへ行け」と追い払った
また明くる日
少女は狼の元へ来る
「狼さん 狼さん 何でいつも貴方は一人なの?」
少女は狼の元へ来る
「狼さん 狼さん 何でいつも貴方は一人なの?」
狼は答えないつもりだった
例え答えたとしても
気味悪がられるだけだと知っていた
知っていたからこそ我慢ならなかった
気味悪がられるだけだと知っていた
知っていたからこそ我慢ならなかった
「このガキッ!!」
狼は拳を振り上げる
少女は怯え身を守るようにしている
その姿に狼が拳を振り下ろすことはなかった
静かに腕を戻し狼は少女に答える
「…一人だからっすよ …この世界でたった一人だからっす…」
その姿に狼が拳を振り下ろすことはなかった
静かに腕を戻し狼は少女に答える
「…一人だからっすよ …この世界でたった一人だからっす…」
狼は静かに池の水を覗き込む
耳のはえた顔 黒い獣の尾
耳のはえた顔 黒い獣の尾
これを見る度に 自分は彼らと違い
彼らは自分達を家族を皆殺しにした存在だと認識させられる
彼らは自分達を家族を皆殺しにした存在だと認識させられる
少女は水鏡を見る狼に近寄る
殺されるかも知れなかった相手に
殺されるかも知れなかった相手に
彼女は手を差しのべた
「それじゃあね…私が友達になってあげるね」と
「それじゃあね…私が友達になってあげるね」と
それが狼には光に見えた
しかし、彼は素直になれなかった
彼の心の城はそれほどまでに高かった
しかし、彼は素直になれなかった
彼の心の城はそれほどまでに高かった
ただ、「勝手にするといいっす」と狼は返す
それから少女は毎日のように狼の元に通うようになった
その少女を人々は不気味がる
狼も「もういいっすよ…あんたの人生を大切にしてほしいっす」と少女に諭すが
彼女は「いやよ、勝手にやってるんだから」と返した
狼は彼女との距離を縮めようとしなかった
狼は知っていたからだ
あの1線を越えたら
本当の永遠の苦しみが待っていると
あの1線を越えたら
本当の永遠の苦しみが待っていると
その優しさが辛かった
その無邪気さが苦しかった
いつしか彼女の幸せを
考えている自分がいた
だから何度も何度も追い払おうとした
時には暴力と暴言も吐いた
その無邪気さが苦しかった
いつしか彼女の幸せを
考えている自分がいた
だから何度も何度も追い払おうとした
時には暴力と暴言も吐いた
「同情なんてするなよ!! お前には決して解らないだろ!!」
しかし、彼女は決して狼の元を離れようとしなかった
「だって、私がいなきゃ貴方は一人に戻っちゃうでしょ?」
ただ、そう言い返して
彼女は何度も狼に立ち向かった
彼女は何度も狼に立ち向かった
この距離感でどれ程の月日が流れただろう
日に日に老いていく彼女に
狼は小言を言いつつも世話をする
狼は小言を言いつつも世話をする
何故か胸が締め付けられるようだった
わかっている
わかっているんだ
ある朝 光指すカーテンの元
狼は静かに一人の老婆の横たわる
ベッドの隣で腰を掛けていた
狼は静かに一人の老婆の横たわる
ベッドの隣で腰を掛けていた
彼女が不意に話し始める
「狼さん…貴方に謝らないといけないことがあるの…」
「狼さん…貴方に謝らないといけないことがあるの…」
狼は彼女の方を見る
「…別にいいっすよ」声が震える
「…別にいいっすよ」声が震える
彼女はその抑止を無視し続ける
「本当はね…昔話…知ってたの……貴方が……何度も置いてかれて…一人になったんだって… 」
彼女は悲しくとも優しい顔をしていた
本当は彼女は苦しいんだと狼には分かる
瞳から涙が流れたが泣き声をあげることはなかった
ここで声をあげれば彼女の心残りになってしまう
ただ、ただこの時が来たと言う現実に堪える
瞳から涙が流れたが泣き声をあげることはなかった
ここで声をあげれば彼女の心残りになってしまう
ただ、ただこの時が来たと言う現実に堪える
「ありがとう…狼さんはやさしいね…これからは一人ボッチにならないように…ね…」
狼は咄嗟に手を伸ばす
「っ!!行くな…いくんじゃ…」
「っ!!行くな…いくんじゃ…」
力なき手
さっきまで動いていたすべての時が止まった
そんな気がした
さっきまで動いていたすべての時が止まった
そんな気がした
泣いたのだろうか…
叫んだのだろうか…
どれ程の時が経ったのだろうか…
叫んだのだろうか…
どれ程の時が経ったのだろうか…
ただこの運命から逃げたかった
この恐れていた感情が爆発したのだけは
悠久の時を越え今も胸に刻まれている
この恐れていた感情が爆発したのだけは
悠久の時を越え今も胸に刻まれている
『愛してる』この言葉だけを
彼女に伝えられなかった
彼女に伝えられなかった
伝えれば絶対に苦しむと思っていた
ただただ
『もう失うのが怖かった』
だから絶対に口にしたくなかった
だから距離を取っていた
だから距離を取っていた
なにも言わなければ他の人間みたいに彼女が自分の幸せを探しに行くと思っていた
一番大切にしなければ苦しむことなど無いと信じていた
暫くし 狼は城に火を放ち立ち去っていく
その狼の瞳は無気力な頃とは違う
人類と向かい合う
決意を秘めた瞳だった
決意を秘めた瞳だった
今まで逃げていた狼は多くの人を助け
他者を虐げる強者を討ち
己が逃げてきた数世紀近くの
日々の清算を行っていく
他者を虐げる強者を討ち
己が逃げてきた数世紀近くの
日々の清算を行っていく
やがて巨悪に立ち向かうその姿は
汚職や実力支配により
汚職や実力支配により
奴隷のように扱われた人々の希望となり
解放戦争へと発展することとなる
解放戦争へと発展することとなる
数年後、戦争に勝利した解放軍により
新たな指導者として狼を人々は斡旋し
狼は王になる決意をした
新たな指導者として狼を人々は斡旋し
狼は王になる決意をした
後に『狼王』と呼ばれる存在が
生まれた瞬間だった
生まれた瞬間だった
狼王は人々の生活を豊かにする事
理不尽や悪を滅する事に尽力していく
理不尽や悪を滅する事に尽力していく
唯一、彼の傲慢は宗教の禁止だった
彼の活躍により人々の生活水準が上がり
贅沢な暮らしが行えるようになっていった
贅沢な暮らしが行えるようになっていった
しかし、それを面白く思わない者達も居た
それが搾取する側の人間達や獣の彼を気味悪がった人々であった
それが搾取する側の人間達や獣の彼を気味悪がった人々であった
他国も含め多くの勢力が彼を暗殺する計画を経て実行することになる
これが後のドラミニ火山での狼王暗殺であり
お伽噺の部分で語られる内容である
お伽噺の部分で語られる内容である
しかし、このお伽噺も捏造された内容であり
事実は騙し討ちにすぎなかった
事実は騙し討ちにすぎなかった
ドラミニ火山が噴火するかもしれない
と話された狼王は人々を護るため
本来の力を使えば
噴火を止められると群衆に語り掛ける
と話された狼王は人々を護るため
本来の力を使えば
噴火を止められると群衆に語り掛ける
火山に一人で行くと言う狼王を兵士達は抑止し
着いていくと言い放った
着いていくと言い放った
一人ではないと説得され根負けした狼王は
兵士達を連れドラミニ火山へ赴く
兵士達を連れドラミニ火山へ赴く
火山山頂にたどり着くも
噴火するような様子はなかった
噴火するような様子はなかった
狼王は「ん?おかしい…」
と呟くが 一撃の弾丸が彼を討ち貫く
と呟くが 一撃の弾丸が彼を討ち貫く
胸部を押さえつつ狼王が振り替えると
兵士達が化け物を見る目で
一斉に銃を構えていた
兵士達が化け物を見る目で
一斉に銃を構えていた
更に山の至るところから
他国製も含め多数の機械鎧が立ち上がる
他国製も含め多数の機械鎧が立ち上がる
場所は違うがあの日と同じだった
違うのは灼熱の火口 煮えたぎる溶岩
違うのは灼熱の火口 煮えたぎる溶岩
熱さも痛みを感じた場所も全て同じだった
狼は悲しみと諦めに近いものを感じる
これを怒りと感じない
時点で既に何かが変わっていたのだろう
これを怒りと感じない
時点で既に何かが変わっていたのだろう
狼王は炎の巨人となり彼等と戦った
激戦の果て
当時の最高戦力と対等に渡り合うも
数の差と積み重なる戦闘により
傷が癒え無くなっていく
当時の最高戦力と対等に渡り合うも
数の差と積み重なる戦闘により
傷が癒え無くなっていく
やがて、一騎の機械鎧の剣が
炎の巨人の胸を貫き
7機の犬型機械鎧に様々な部位を引き裂かれ
炎の巨人は溶岩へと落ちていく
炎の巨人の胸を貫き
7機の犬型機械鎧に様々な部位を引き裂かれ
炎の巨人は溶岩へと落ちていく
ふと、最後に狼はある言葉を思い出す
『これからは一人ボッチにならないように…ね…』
「…ごめん… やっぱり俺は一人みたいっす…」
それが業火に消える狼王の最後の記憶だった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あれから何年経ったのだろうか
生きる事から解放されたと
思った自分が
再び現世で息をしている
思った自分が
再び現世で息をしている
それもこれもあの日
異邦人になる
異邦人になる
運命に逆らう選択をしたからだ
そして、多くの命を奪った分
生き続けなくてはならない
生き続けなくてはならない
それが彼らに対する贖罪であり
一人の愛した人を幸せにする
勇気の無かった
弱い自分への罰なのだから
勇気の無かった
弱い自分への罰なのだから
狼は月夜に吠える
月光が優しく静かに彼を照らしていた
Ep END
―
――
―――
――
―――
…ふと、月夜に優しい風が吹く
ひどく懐かしい香り
狼の目から何故か涙が溢れる
狼の目から何故か涙が溢れる
この『永遠』はこの身を地獄の業火で焼いても
君に触れることも抱き締めることも許さない
君に触れることも抱き締めることも許さない
この『愛してる』という気持ちを君に伝えても
答えを聞く時は永遠に来ない
答えを聞く時は永遠に来ない
だから 悠久の時の果てに誰かを愛し
一緒になれたら…
一緒になれたら…
その時は胸を張って君に伝えよう
『ありがとう…愛していた…
そして…さようなら』と
そして…さようなら』と