あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《月詠(月光) VS 銀月の剣士 ソニア》
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aioricharabattle
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《月詠(月光) VS 銀月の剣士 ソニア》
夜の体育館は静まり返っていた。天井の高い空間に響くのは、かすかな足音と、互いに向かい合う二つの影の呼吸音だけ。
「やれやれ、こんなところに呼び出されるとはねぇ……お嬢さん、夜更かしはお肌に悪いよ?」
背の高い武士がゆるく微笑む。包帯に覆われた胸を隠すように腕を組み、腰には一本の刀。声は穏やかで、どこかのんびりしている。しかし、その笑顔の裏に潜む冷たい光は隠しきれない。彼こそ、刀の付喪神・月詠。
その体は既に朽ちたかつての持ち主の死体——月光の刃により動かされている傀儡だ。
一方、彼に対峙するのは銀色の光を帯びたレイピアを構える少女。深い紺色の外套に身を包み、冷ややかな視線を向ける賞金稼ぎ、ソニア。
「戯言は結構。それとも、その死体人形で時間稼ぎをするつもり?」
彼女は手にした短銃を月詠に向ける。微かな魔力が銃口に集まり、小さな魔法弾が光を灯していた。
「おっと怖いねぇ。まあ、僕としてもこの体に傷がつくのは勘弁してほしいなあ……」
その瞬間——。
ソニアが引き金を引く。魔法弾が空間を裂くように放たれ、月詠の頭部を狙った。
だが、月詠はすでに動いていた。
死体を操っているにしては異常なまでに俊敏な動きで、魔法弾を紙一重で回避する。床に着地したと同時に刀を抜き、月光の銀色の刃が鈍い光を放つ。
「さすがに速いわね、でもまだまだ本気じゃないでしょう?」
月詠が柔らかく笑みを浮かべる。しかし、その裏では冷徹な思考が巡る。彼は火を恐れていた。ソニアの魔法弾が炎を帯びていた場合、この死体もろとも焼き尽くされる可能性があるからだ。
「行くわよ——『エアブレード』!」
ソニアが唱えると同時に、レイピアに魔力の刃が宿り、空気を切り裂く一閃が飛ぶ。月詠はそれを見極め、寸前で跳び退く。彼女の動きは速い。だが——
「甘いよ、お嬢さん。」
月詠は逆にソニアの懐へ踏み込み、刃を横薙ぎに振る。月光の軌跡が銀色に閃く。
しかし、次の瞬間——
ソニアの体が、ぼやけるように歪んだ。
「っ!?」
月詠の刃は確かに彼女を斬ったはずだった。しかし、それは幻影だった。空間魔法による分身。
「……これが君の技、ってわけか。」
ソニアは死角から土の魔力を纏わせたレイピアを構え、地面に突き刺す。
ドゴゴゴッッ!!
大地が急激に隆起し、体育館の床を突き破ってあちこちに飛び出す。
「こんなにデコボコならお得意の踏み込みも効果は半減ね。」
ただでさえ体育館という遮蔽物のない閉鎖空間であるにも関わらず、居合のための踏み込みさえもまともにできなくなってしまった。
だが、月詠は余裕気に呟く
「そりゃあか弱いお嬢さんがお相手ですからね、このぐらいのハンデでちょうどいいですよ。」
事実、現在追い込まれているのは月詠の方である。だが、ここで露骨に狼狽えれば余計に隙を突かれてしまう。ただの虚勢であったとしても、今の状況では悪手ではない。
「減らず口を!」
ソニアは短銃を月詠に向けて放つ。だが、そう簡単には命中しない。
「狙いが雑になってますよ。深呼吸でもしたらどうです?」
月詠はそう語りかけると同時に床を突き破った岩を切り裂き、ソニアに向けて蹴り飛ばす。
「あんたこそ戦い方が雑じゃない。」
ソニアは短銃で岩を撃ち砕き、月詠に向けて再び照準を合わせようとした。
……だが、月詠はもう先ほどの地点にはいなかった。
「下手な戦い方だと思いました?残念、囮ですよ。」
そう言い切るのが先か月詠の斬撃がソニアに降りかかる。
「なんのこれしき!」
ソニアは急いで防御しようとするが、もう間に合わない。刀が彼女を確かに斬る。
「やっと一撃入れられましたよ……流石にこれぐらいは耐えますよね?」
月詠は刀に付いた血を払い、冷徹に言い放つ。
「舐めんじゃないわよ。こんぐらいかすり傷に決まってるじゃない。」
ソニアは回復魔法によって傷をある程度治すが、流石にダメージは大きい。
「そうですか…では、もう一撃行かせていただきます!」
月詠は高速の居合でソニアを横一文字に両断した……かに思われた。
ブンッ!
何故か刀は空を切る。月詠は驚きつつも考察を続ける。
(…先ほどの幻影魔法?いや、今回は完全に姿が消えている……。)
(…先ほどの幻影魔法?いや、今回は完全に姿が消えている……。)
その時、体育館の天井から声が響く。
「こっちよ人間もどき。」
月詠は直感的に理解した。ソニアは空間魔法によって自分を体育館の天井にワープさせ、攻撃を回避したのだ。
「恐らくあなたの考察は正解よ。でも、もう遅いわ。」
ソニアはすでに別の位置に立ち、短銃を構えていた。周囲に淡い光の穴が次々と開く。その穴の向こうには、無数のレイピアが宙に浮いている。
「終わらせる。——『ディメンションシュート』!」
その言葉と共に、空間の穴を通じて無数のレイピアが一斉に飛び出す。まるで空間ごと切り裂かれるような猛攻。
月詠は全身の力を使い、回避に徹する。だが、次第に逃げ場がなくなるのを悟る。
月詠は全身の力を使い、回避に徹する。だが、次第に逃げ場がなくなるのを悟る。
「まずいねぇ、これは……!」
レイピアが月詠の肩を貫く。刃が肉体を貫通する感触に月詠は顔を歪める。死体とはいえ、この体が損傷すれば戦いは終わる。
「……まだ、終わらないさ。」
しかし、月詠は最後の賭けに出る。彼は刀を逆手に持ち、ソニアの立つ位置に向かって全力で投げ放つ。刀は一直線に彼女へ飛ぶ——
「甘い。」
ソニアは冷たく笑う。その瞬間、魔法弾が刀に命中する。
刹那——
月詠の体が、崩れ落ちた。
月詠の体が、崩れ落ちた。
「刀が離れたら、ただの死体に戻る……そういうことね。」
床に崩れた元の持ち主の体。その横で、魔力の光を帯びたレイピアが月詠の刀——月光を押さえ込んでいた。
体育館は、再び静寂に包まれた。
体育館は、再び静寂に包まれた。
勝者:ソニア