あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《ダディー VS カスミオオトカゲ》
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aioricharabattle
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《ダディー VS カスミオオトカゲ》
汚染区域——古びた工場跡は錆びた鉄骨と崩れかけたコンクリートで埋め尽くされ、空気は黄色く濁った毒霧に包まれていた。
化学物質が染みついた地面はじめじめと湿り、時折、遠くでパイプが爆ぜる音が響く。視界は最悪、五メートル先すら見通せない。建物の残骸はところどころ崩れており、足を踏み外せば鋭利な鉄片に体を裂かれるだろう。
空は重く曇り、薄暗い空間に毒霧が溶け込んで、まるで全てが溶解するような錯覚を覚える。
その霧の中、二つの影が揺らめいていた。
一方は【ダディー】。背が高く、がっしりした体にミリタリージャケットを羽織り、腰には二丁のカスタムされたハンドガンが揺れている。
百発百中の射撃技術を持つ彼は、目の前の霧すらものともせず、冷静に敵を待っていた。優しげな顔の奥には、鋼のような意志が宿っている。
学習能力が高い彼は、一度見た攻撃には即座に対策を練ることができるが、毒霧がまとわりつくこの環境ではその判断力さえ鈍らされていた。
「霧の向こうには……キモいオオトカゲか。油断できねぇな。」
彼の相手は【カスミオオトカゲ】。全長2メートルの巨大なトカゲだ。
体中の鱗から淡い紫色の毒霧を吐き出し、壁や鉄骨をするすると登る姿は不気味そのもの。
臆病な性格のため直接攻撃は好まず、毒霧に包まれながら敵をじわじわと追い詰める。吸い込めば泥酔したように意識がぼんやりし、最後には呼吸が止まる。
さらに、毒霧が地面や壁を腐食させるため、ダディーの立つコンクリートの足場も刻々と侵されていく。
「シュウウウ……」
オオトカゲは音もなく壁を這い、霧をさらに濃くした。視界がますます悪化していく。
しかし——
「この空気の流れ……見えたぜ。」
ダディーは片膝をつき、ハンドガンに手をかけた。目は霧の流れを細かく追っている。
わずかな空気の動き、霧の揺らぎ、そして遠くで聞こえる微かな爪音。それら全てを繋ぎ合わせることでカスミオオトカゲの位置を把握する。
風がわずかに変わったその瞬間——
突如鋭い影が鉄骨の上から滑るように降りてくる!カスミオオトカゲの強襲だ!
「来たッ!」
ダディーは即座に銃を撃った。乾いた銃声が響き、弾丸が霧を切り裂く。しかし、カスミオオトカゲは素早く横に跳び、弾丸は空を裂く。
「チッ、速ぇな……次は外さねぇぞ。」
汚染された霧がさらに濃くなる。かつて設置されたのであろうガイガーカウンターから大音量で音が鳴り、周囲に霧の危険性を知らしめる。
そんな中、カスミオオトカゲは地面を這い、ダディーの背後を狙って忍び寄る。この環境で生まれ育ったこの生物にとって、毒霧なんぞただの空気となんら変わりはない。
しかし、人間であるダディーにとってはその通りではない。毒霧はじわじわとダディーの鼻と口から入り込み、彼の意識をじわじわとぼかしていった。
銃の引き金にかけた指先は少しずつ痺れ、視界の端がにじみ始める。
「くそっ……毒のせいだ……落ち着け……冷静に……。」
頭がくらくらする中、ダディーは何者かが発したかすかな音を聞き逃さなかった。カスミオオトカゲが再び壁を駆け上がり、今度は真上から急襲してきたのだ。
「甘いぜ……!」
ダディーは気合いでぼやける視界を振り払い、音の方へと銃を向ける。一発、二発、三発——
「ギャギャッ!!」
三発目の弾丸がカスミオオトカゲの肩に命中した。その巨体が霧の中で揺れ、鉄骨をつたいながら地面に落下する。衝撃で毒霧が一瞬だけ揺らぎ、ダディーはその姿をはっきりと確認した。
「動きが鈍った……これなら簡単に当てられるぜ……。」
ダディーは揺れるカスミオオトカゲに銃口を向けた。この一発で全てが決まることだろう。
カスミオオトカゲは傷から血のような毒液を垂らし、必死に霧をさらに濃くして逃げ道を作ろうとする。しかし、傷を負ったことで動きは鈍く、その霧の壁も完全ではない。
「今度こそ逃がさねぇ。」
ダディーは全ての思いを込めて静かに引き金を引いた。
——パンッ。
汚染区域全域に一発の銃声が響いた。何者かが倒れる音が聞こえる。
——パンッ。
汚染区域全域に一発の銃声が響いた。何者かが倒れる音が聞こえる。
この勝負、勝ったのはカスミオオトカゲであった。ダディーはカスミオオトカゲをあと一歩のところまで追い込んだが、最後の最後に毒で倒れてしまったのである。
カスミオオトカゲの勝因を挙げるとするならば、自らのテリトリーに持ち込み、直接攻撃ではなく毒により衰弱を狙った点であろう。
——勝者:カスミオオトカゲ
——勝者:カスミオオトカゲ