あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《メアリー VS メイズ》
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aioricharabattle
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《メアリー VS メイズ》
何もない平原が、重厚な緊張感に包まれていた。吹き渡る風は静かで、だがその静寂は、今まさに始まらんとする激突の幕開けを告げる序章にすぎない。
空は晴れ渡り、陽光がじりじりと地面を焦がす中、その熱をものともせず、ふたりの異形が向かい合っていた。
中央に立つのは、黒衣のカラクリ人形――メアリー。
その背後では、彼女の蜘蛛のような脚がわずかに蠢いていた。彼女の姿は、まるで童話に出てくる不気味な人形のようでありながら、底知れぬ熱を秘めていた。
対するは、漆黒の巨影――封印守護者メイズ。
三メートルを超えるその巨体は、まるで遺跡の石像が動き出したかのように静かだが、どこか禍々しい存在感を放っていた。
六本の屈強な腕が、まるで時の重みを宿すように重々しく垂れている。その不気味な沈黙が、かえって威圧感を増していた。
「熱出力、初期化完了。」
メアリーの蜘蛛脚がカチャリと音を立て、平原の草をかき分けて前進する。その動きは機械的でありながら、どこか優雅さすら漂わせていた。
体内のコイルが唸りを上げ、彼女の背からは淡い薄青の蒸気がリズムよく噴き出す。
平原に漂う緊張が一気に破られ、戦の火蓋が切って落とされた。
メイズの六本の腕が、まるで舞を舞うかのように同時に動き出す。
そのうちの一本が掌を開き、宙を握り潰す仕草を見せた。
「封印・名前の一部。」
ぞわりと空気が震え、メアリーの体が小刻みに揺れる。情報が削り取られたような感覚に、内蔵されたコンソールが警告を発する。
「……不具合検知。名前情報、部分的に不明瞭。」
だが、彼女の動きは止まらない。むしろ非常事態を察知したことでエンジンが吠えるように唸りを強めた。腕部のジョイントが回転し、機構が展開する。
「パームフレイム、発射。」
腕から放たれた青い火球が唸りを上げてメイズへと突き進む。
ドゴォン!!
火球が弾けた衝撃で床が抉れる。だがメイズは一歩も動かない。その巨躯はまるで不動の要塞だ。
「封印・記憶の一部。」
再び握り潰される空間。まるで目に見えぬ掌が現実を掴み潰すかのように、気圧が歪む。メアリーの目が一瞬かすかに揺らぎ、その焦点がぼやける。
「記憶ファイル、部分消失……戦闘記録、照合中。」
まるで空虚に放り出されたような感覚がメアリーを包み込んだ。彼女の瞳が一瞬だけ空ろになり、内部コンソールは次々とエラーコードを吐き出していた。過去の戦闘記録との照合は進まず、判断アルゴリズムが混乱を起こす。
「対象識別……不完全。状況解析……不明瞭。戦闘パターン再構築、失敗。」
蜘蛛脚がふらつく。一歩後退し、膝をつきかける。
だが、その瞬間――
ビリリッ――ッ!!
体内の予備回路が瞬時に作動し、電磁スパークが走る。蜘蛛脚が一斉にスパークし、鋭い青白い電撃がパチパチと音を立てながら地面を這う。大気が焼け、空気が振動する。
「臨時パッチ適用。暫定戦闘モードへ移行。」
その瞬間、内部の加熱圧が閾値を超え、メアリーの体が爆発的な推進力で前方へと跳ねるように加速した。蜘蛛脚が一斉にスパークし、鋭い青白い電撃がパチパチと音を立てながら地面を這う。大気が焼け、空気が振動する。
「ターボエンジン、出力最大化。空間跳躍モード、移行開始。」
メアリーの体が地面を蹴ったと同時に、爆風のような衝撃が背後を吹き飛ばす。蜘蛛脚の一本が地中に食い込み、反動を活かして宙へ跳び上がる。
ズギャァアアン!!
そのまま上空からメイズの頭上へと急降下しながら、腕部のギアが高速回転。
「連続・回転式パームフレイム、連射開始。」
バシュッ!バシュバシュバシュ!!
青い火球が連続で撃ち出される。そのたびに空が揺れ、平原が爆ぜる。メイズの周囲が炎に包まれ、爆風の熱が草地を焼き払った。
だが――その中心、メイズの影はわずかに揺れていた。
黒煙の中、メイズの上半身からは幾筋かのひび割れが走っていた。そこから微かに火花が散り、装甲の一部が焦げたように変色している。
黒煙の中、メイズの上半身からは幾筋かのひび割れが走っていた。そこから微かに火花が散り、装甲の一部が焦げたように変色している。
「……耐熱検証。影響、軽微。」
メイズ自身の解析結果は冷静そのものであったが、その巨体には確かにダメージの痕跡が刻まれていた。
「…出力上昇。反撃形態に移行します。」
次の瞬間、メイズの右腕が突然地面を叩きつけるように振り下ろされた。地面が陥没し、衝撃波が放射状に広がる。落下中のメアリーの体が弾き飛ばされ、空中でぐるりと一回転。
メアリーは体勢を整えつつ、体内の熱を再度回収していた。だが、次の封印が迫る。
「封印・異能の一部。」
空間がわずかに歪み、空気がざらりと変質する。見えない檻のような圧力がメアリーの身体を包み込み、その出力の0では無かった根幹に直接干渉してくる。
「熱伝導ルート、一部遮断。システム再構成……」
それでも、メアリーは怯まない。蜘蛛脚が鋭く地面を穿ち、体内に残る熱を限界まで引き出す。
「ターボエンジン、最大稼働。」
背中の排熱口から火柱のような蒸気が噴き出す。圧縮された熱エネルギーが全身を駆け巡り、動力源が閃光を放つ。
超高速の跳躍。さらにそれと同時に空中を舞うメアリーの腹部が開き、へその位置から青白い輝きがほとばしる。
超高速の跳躍。さらにそれと同時に空中を舞うメアリーの腹部が開き、へその位置から青白い輝きがほとばしる。
「タミービーム、射出。」
レーザーのような青の閃光が、一直線にメイズを貫こうと迫る。対するメイズは六本の腕を交差させて防御を試みる。
爆音とともに光が弾け、視界が白く染まる。しかし、その爆煙の中から現れたのは、なおも健在なメイズであっただが、その姿は先ほどまでとは明らかに異なっていた。
「……確認、ダメージ中破。外装表層に70ミクロンの亀裂確認、熱伝導層への浸透も一部発生。」
漆黒の装甲にひび割れが走り、そこから微かに白煙が上がっている。
ダメージは決して無視できる程度ではなかった。確かに、青白い連射火球とタミービームによって、装甲の一部が限界値を超えていたのだ。
「耐久値、想定以上――」
だが、猛攻を仕掛けたメアリーの方も無事では済んでいなかった。
メアリーの身体から立ち上る蒸気は、もはや薄青の霧ではない。白く、激しく、まるで吹き上がる噴火のように彼女の全身を包んでいた。
メアリーの身体から立ち上る蒸気は、もはや薄青の霧ではない。白く、激しく、まるで吹き上がる噴火のように彼女の全身を包んでいた。
「最終司令発動——ヌクリア炸裂弾、カウント開始。」
直後、リング全体にサイレンのような警告音が鳴り響いた。キィィィィン……という甲高い音が空気を切り裂き、まるで避けられぬ終末を告げる鐘のようだった。
「五、四、三……」
彼女の足元に亀裂が走り、熱気が地面を炙る。蒸気が爆発的に噴き出し、周囲の空間が揺れる。
空気が震え、メイズの装甲の一部も共鳴するかのように振動を始めていた。
「対策プログラム構築中……実行に移します。」
メイズの六本の腕のうち一つがゆっくりと掲げられ、まるで重力そのものを掴み取るかのように空間を握り潰した。
「封印・異能の一部。」
ズガァン!!
空間そのものが悲鳴を上げるかのように波打ち、振動が平原全体へと伝播する。
メイズの腕に掴まれた彼女のコアが不安定に揺れ、熱の流れが一時的に乱れる。
メイズの腕に掴まれた彼女のコアが不安定に揺れ、熱の流れが一時的に乱れる。
「熱供給ルート、遮断ポイント複数検出……制御不能域への干渉確認。弾頭起動、システム接続失敗。」
コアが鳴動し、警告音が内部でこだまする。全身の循環機構が軋みを上げ、メアリーは思わず片膝をついた。
ヌクリア炸裂弾のカウントは停止し、絶体絶命かのように思われる。
ヌクリア炸裂弾のカウントは停止し、絶体絶命かのように思われる。
動かなくなったメアリーにメイズが歩み寄る。そして、その巨腕が唸りを上げて振り下ろされた――
ゴガァンッ!!
蜘蛛脚の一本が砕け飛ぶ。
「……起動熱、再収集。ボイラー、再加熱。」
だが、まだ終わってはいなかった。脚が砕けると同時にメアリーの背中から巨大な放熱板が展開し、太陽の光を全身で受ける。
「熱吸収ボディ、最大開放。」
天から降り注がれる光を喰らい、エネルギーが再起動。パイプが赤く灼け、ドレスの裾が風圧で舞う。
「再稼働完了。エネルギー充填率120%。」
メアリーが跳ねるように飛び上がり、空中で体を捻る。蜘蛛脚の先端がギア駆動で鋭く展開し、彼女の体が回転を始めた。
機械音を伴いながら、残された蜘蛛脚が遠心力を活かして鋭い軌道を描き、強烈な回転斬りを繰り出す。
ドシュゥッ!!
その鋭刃がメイズの胸部装甲に直撃。硬質な金属の音と共に、漆黒の装甲に深々と裂け目が刻まれた。
ひび割れからは火花が散り、メイズの巨体が明らかに揺らぐ。一瞬、その動作が止まり、全身に緊張が走った。
だが――
「封印・五感の一部。」
低く抑えた声とともに、空間が揺れる。見えない力がメアリーを包み込み、彼女の動きが急に鈍くなる。
「視界……聴覚……遮断……。」
音と光の情報が断絶され、彼女の戦闘演算が混乱。軌道予測も曖昧となり、まるで暗闇の中に投げ込まれたかのように動作の精度が一気に低下した。
そして、メイズは最後の一歩を踏み出し、その拳を真下から突き上げる。
ドグシャァア!!
拳がメアリーの胸部を貫き、その衝撃で彼女の身体が一瞬宙を舞った。
鋼鉄の外殻が軋み、内部機構から悲鳴のような金属音が響く。
鋼鉄の外殻が軋み、内部機構から悲鳴のような金属音が響く。
コアに直撃した打撃は、彼女の全システムに致命的な揺らぎをもたらした。
きしみを上げながら、メアリーの胸部中央から青白い光がゆらりと揺れる。
それはまるで命の灯火が風に揺れるように、今にも消え入りそうだった。
「……動作停止。」
淡々としたシステム音声が告げる。彼女の戦闘データは、ここで断ち切られた。
異形の機械人形は崩れるようにその場に膝をつき、そして沈黙した。
「勝者――封印守護者メイズ。」