あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《落宮スズキ VS 正義の味方 ジャスティスマン》
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aioricharabattle
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《落宮スズキ VS 正義の味方 ジャスティスマン》
陽炎のように揺れる空気の中、ふたりの影が対峙していた。夏の光が大地を焼き、蜃気楼のような風景が足元に広がっている。
ここは遮蔽物一つない、何もない平原。ただただ広がる草原と乾いた大地が、二人の戦場だった。
「なんだよ……またヤバいやつ来たな……」
落宮スズキはシャベルを握りしめ、じりじりと後ずさる。
広がる平原の中、風を切るように現れたのは、一見してどこか特撮ヒーローのような風貌の男――正義の味方 ジャスティスマン。
「貴様、ここで誰かに危害を加えようとしていないか?」
「は?いや、ただ立ってただけなんですけど!?」
「そうか、それは誤解だったら謝ろう……だが!君には落とし穴という卑劣な手段があると聞いている!」
「情報だよ!?いやマジで!?何その謎の情報網!?」
スズキは即座に回れ右して、全力で走り出す。足音が地を叩き、心臓の鼓動が耳の奥で鳴り響く。
頭の中では必死に逃走経路を描きながら、シャベルの先で地面を指し、能力を発動させる。
《落とし穴》
10秒後、その場所には穴が開く。だが時間がかかる以上、初手からの移動と位置取りがすべてだ。
スズキにとって逃げは戦術であり祈りであり、生き残るための本能そのものなのである。
「くそっ、10秒……10秒だけ逃げればまた穴ができる……!」
だがジャスティスマンの足取りは軽快で、しかも信じられないほど速かった。
彼の口から放たれる言葉は熱を帯びている。
彼の口から放たれる言葉は熱を帯びている。
「正義に逃走はない!待ちなさい!落とし穴マン!」
「変な名前つけるな!!」
スズキの背後で、地面がぽっかりと口を開けた。第一の落とし穴だ。
しかしジャスティスマンは助走すらつけずに跳躍し、あっさりと罠を飛び越える。
しかしジャスティスマンは助走すらつけずに跳躍し、あっさりと罠を飛び越える。
「そんな罠、この正義の飛躍で無力化できる!!」
「ちょっと待て、何そのパワーワード!?なんでそんなノリで通じちゃってるんだよ!!」
次々と地面に魔力が走り、場所指定が重なっていく。スズキは次の穴、さらにその次の穴を仕込んでいく。10秒間の猶予はもはや彼にとっての命綱だった。
ジャスティスマンは、追いすがりながらも、どこか堂々とした態度を崩さない。その姿は確かにヒーローのようで、そしてどこまでも理不尽な正義そのものだ。
「君のような者にこそ、私は正義の鉄槌を下さねばならない!!」
「いや、こっちは逃げ回ってるだけなんですけど!?むしろ変なのに巻き込まれてるんだから被害者の顔くらいしていいだろ!?」
しかしその時、スズキの中で何かが閾値を超えた。危機感が極限に達し、精神が飽和する。
その瞬間、彼の能力が本領を発揮した。
地面に、空間に、論理に、ありとあらゆる場所に――穴が出現する。物理的な穴だけでなく、相手の認識、思考、信念にまで及ぶ罠。
「ん……?今、俺は何をしていたんだ……」
ジャスティスマンの足取りが止まる。動揺が顔に走る。
正義とは何か。それを一瞬でも疑った時、その信念の鎧に亀裂が入る。彼の中にぽっかりと思考の穴が開いたのだ。
「今だ……!」
スズキは狙いすましたように、足元に第七の穴を展開させる。地面が崩れ、ジャスティスマンの片足がそこに飲まれる。
「むっ……!?」
そのバランスを崩した瞬間、次なる三つの穴が連鎖的に展開される。時間差と多重指定による奇襲――彼の十八番だ。
ズボッ!ズボズボッ!!
音とともにジャスティスマンが穴の連鎖に飲み込まれていく。
だが――
「フッ……俺ともあろうものが油断したな……だが、絶対たる正義はここで終わらない!!」
落ちる最中、ジャスティスマンは己の身体を反転させ、壁を蹴って上空にジャンプする。そして決意を確かにする正義の一声が空間に響いた。
「この程度では、正義は倒れん!!」
穴の中から強靭な叫び声がこだまする。
落とされたはずのジャスティスマンは、壁を連続でジャンプすることにによって徐々に穴から抜け出しつつあった。
落とされたはずのジャスティスマンは、壁を連続でジャンプすることにによって徐々に穴から抜け出しつつあった。
ドゴォォォン!!
次の瞬間、地面が爆ぜた。ジャスティスマンが自力で地中から飛び出し、土煙の中から立ち上がる。
「くっ……まだ、足りないのかよ……」
スズキは息を切らし、額に汗を浮かべる。だが視線は逸らさない。
得体のしれない相手ではあるが、自分の落とし穴は確かに通用している。であれば、ここから相手を倒すことも不可能ではないはずだ。
「正義とは、何度倒れても立ち上がる意志のことだ……!」
その声と共に、ジャスティスマンは再び駆け出す。スズキはさらに逃げ、次々と穴を掘りまくる。
ズポッ!ズポポポポポッ!!
しかし、その全てをジャスティスマンは踏破し最後には落宮スズキの顔面に拳を叩き込む。
「君には再教育が必要だ!正義の再教育がな!!」
その言葉を最後にスズキの視界が暗転し、意識を失ってしまった。
勝者――ジャスティスマン。