あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《正義の味方 ジャスティスマン VS ヒビキ》
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aioricharabattle
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《正義の味方 ジャスティスマン VS ヒビキ》
太陽は高く、地平線の彼方まで続く空と大地を焼きつけていた。
澄み切った青空の下、風はなく、雲一つない空の下、ただ静寂だけが辺りを支配していた。その無音の世界に、まるで異物のように、ふたつの存在が対峙する。
何もない平原、その中心。乾いた土の上に立つのは、正義の化身――ジャスティスマン。
彼の姿はまるで教科書に出てくるようなヒーローの理想像であり、その立ち姿には微塵の迷いもない。全身からは規律と信念が漂い、正義という概念そのものが具現化したような存在だった。
彼の姿はまるで教科書に出てくるようなヒーローの理想像であり、その立ち姿には微塵の迷いもない。全身からは規律と信念が漂い、正義という概念そのものが具現化したような存在だった。
「正義とは常にそこに在るべきものだ。君がこの場に立つ理由…説明してもらおうか!」
声は澄んでいて力強く、聴く者の心を否応なしに正すような響きを持っていた。その声はまるで鐘のように空気を震わせ、静寂を砕いた。
その声に応じたのは、目の前の少女――ヒビキ。
身長160センチ、細身ながらも引き締まった身体に、彼女は恐れも迷いもなく立っていた。
肩を軽く回し、呼吸を整えながら、無駄のない動きで身構える。
「説明して納得するタイプには見えないけど、まあいいわ。」
その言葉には皮肉でも挑発でもない、ただの事実としての響きがあった。
「私はあなたの正義を疑ってる。ただそれだけ。」
静かな口調。だがその中に潜む芯の強さが、平原の空気を震わせた。
「なんだと……!?私の正義を疑うだと!?その発言自体が、正義の否定だ!」
怒気をはらんだ声が響いた刹那、ジャスティスマンが動いた。まるで矢のように、一直線に地面を蹴って突進する。
その速度は並の視力では捉えられず、拳は音を裂き、風圧を伴ってヒビキへと突き進む。
「――遅い。」
ヒビキの足元にほんのわずかな振動が走った。彼女は一歩を踏み出し、その一瞬の衝撃を体内に吸収する。
彼女の能力――受けた衝撃を蓄積する力がそこで静かに発動する。
ジャスティスマンの拳が届く直前、ヒビキは身体を捻った。まるで自然の流れに身を任せるかのような滑らかさで重心を回し、その勢いを乗せた回し蹴りがジャスティスマンの脇腹に炸裂した。
「ぐぉっ!?」
だが、その一撃を受けたにもかかわらず、ジャスティスマンは一歩も引かない。むしろその攻撃を利用するかのように、彼女の腰を掴み返す。
「受けたならば返すのみ!これぞ正義のカウンター!!」
叫びと共にジャーマンスープレックスの要領でヒビキを地面へ叩きつけた。
大地が震えるほどの衝撃が走り、乾いた土が爆ぜ、砂塵が宙を舞った。
だが次の瞬間――
「なっ……!?」
ジャスティスマンの背後に、風が走る。さきほど確かに地面へ叩きつけたはずのヒビキが、そこにはいない。
「衝撃、ちゃんと返したわよ。」
背後から低く落ち着いた声が響いた。
ヒビキは地面に叩きつけられる衝撃を瞬時に吸収し、それを反動に使って逆に跳ね起きることでジャスティスマンの背後へと回っていたのだ。
彼女はそのまま跳躍、全身をバネのように使い、溜め込んだ衝撃を踵に込めて放つ。
「――これが、私の正義よ。」
渾身のかかと落としがジャスティスマンの肩口に直撃した。轟音と共に、彼の身体が地面へ叩きつけられる。
しかし、地に伏せながらもジャスティスマンは拳を握る。
「正義は、絶対に……屈しない……!」
彼は立ち上がる。全身が痛みに軋んでもなお、正義という名の旗を掲げるかの如く、再び前を向いた。
ヒビキの眉がわずかに動く。
「しぶといわね。でも、正義ってそんなに単純?」
再び彼女が突っ込む。拳と蹴りが交錯し、何度も何度も衝撃が交わる。その度にヒビキは衝撃を蓄える。
平原は衝撃音と砂塵に包まれた。ジャスティスマンの拳は鋼のように重く、正義という信念が込められていた。
それに対し、ヒビキの拳は経験と技術に裏打ちされた冷静な力。双方が互いを押し切れず、互角のぶつかり合いが続く。
やがてヒビキは、軽く跳ねるような足取りで後退した。肩で息をしながら、目を細める。
「そろそろ限界でしょ。あなたの正義も。」
「正義に限界などない!」
叫ぶと同時に、ジャスティスマンは全身の力を振り絞って突進する。それは彼の信念を全て注ぎ込んだ渾身の拳だった。
しかし、ヒビキは微笑を浮かべた。
「――全部まとめて返させてもらうわ。」
ジャスティスマンの拳が命中するよりも速く、ヒビキの拳が炸裂する。
ドゴンッ!!
ジャスティスマンの胸に地鳴りのような衝撃が走る。その衝撃は彼の体を一気に貫き、背中まで風圧が突き抜けた。
だが、それでも正義の使者は倒れない。その胸に揺るぎない正義がある限り。
「ふ……いい拳だった……だが、正義とは……倒れてなどいられない……!」
その言葉と共に、ジャスティスマンが地を蹴る。
ヒビキもまた、それに対抗するように大地を踏み込む。
力と力、意志と意志がぶつかる、ただの平原が決戦のフィールドとなったその瞬間――
爆発するような衝撃が天地を裂いた。
砂塵の中で、二人の影がぶつかり合う。拳と膝、肘と蹴りが嵐のように交錯し、打撃音が鳴り響く。
ジャスティスマンの拳がヒビキの腹部に突き刺さるも、それを衝撃として吸収したヒビキはその勢いのまま拳に蓄え、逆に強烈なアッパーを返す。
「うおおおおおおおおおおお!!!」
ジャスティスマンの叫びが空に轟く。痛みに悶えながらも、彼はまだまだ倒れない。
反撃とばかりに放たれた力任せの拳がヒビキの防御を砕いてその身体を吹き飛ばしたが、彼女は空中で回転して着地の衝撃すら動力に変えて再び踏み込む。
「――今のが私を倒せるラストチャンスだったわね。」
ヒビキの膝が瞬間的な衝撃で爆発的に加速し、ジャスティスマンの腹部にめり込む。
「ぐっ……まだ……まだ正義は……!!」
彼の拳が振り下ろされる。しかし、その拳が届く直前、ヒビキの拳が真っ直ぐに伸びた。
光速にすら感じる一閃。
その一撃が、全ての勝負を決した。
ジャスティスマンの身体が空中に跳ね上がり、そしてゆっくりと、崩れるように地に伏した。
「あなたの正義が間違ってるとは思わない。でも、それだけじゃ届かないものもあるのよ。」
ヒビキはそう呟き、拳を下ろした。
勝者――ヒビキ。