あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《ヴォルター・グランツ VS 大野愛美》
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aioricharabattle
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《ヴォルター・グランツ VS 大野愛美》
何もない平原。ぬるい風がときおり吹き抜けるだけで、空も地も静まり返っていた。
その中央には、二人の戦士が対峙していた。
一人は異世界からの脅威と戦う孤高の戦士、ヴォルター・グランツ。
もう一人は一見普通に見える女子高生、大野愛美。
「能力発動――【暴(プリミティブ)】。」
彼女がそう呟くと肩がピクリと動き、背中が弓なりに反る。
肌が僅かに赤く染まり、筋肉の膨張と共に異様な気配を放ち始める。
目から理性の光が消え、そこには本能だけが残っていた。
「…なるほど、こういうタイプか。」
グランツが落ち着いた声で呟く。しかし、愛美は答えない。
ただ、喉の奥で野獣のように唸り声を漏らすだけ。
ヴォルターは完全に敵と化した愛美と戦うために腕時計型の変身デバイスにメダルを嵌める。
「変身――ガルドチェイサー。」
銀白の光が迸り、彼の身体が装甲に包まれる。白金の戦士が戦場に現れた瞬間だった。
その装甲は眩いほどに輝き、空気を割って生まれた重厚な音が周囲を震わせる。
変身が完了するのが先か、愛美が先手必勝とばかりに攻撃を仕掛ける。
「グァァァ!!」
ドガンッ!
愛美の拳が風を裂き、大地を砕く。
グランツはフックを使って空中へ跳躍してなんとか回避したものの、反応が一瞬でも遅れていれば致命打を受けていただろう。
「ガウッ!」
ドゴッ!バキッ!
愛美は四足歩行で地面を走り回り、地面を砕きながら暴れ狂っている。
「速い……しかも動きが読めないな。」
彼女の動きには論理が存在しない。ただ破壊だけを目的とし、あらゆる手段を本能的に選び取っている。
「理屈は無意味か…なら、こちらも直感で応じるしかないな。」
グランツは複数の方向にフックを射出し、空中を縦横無尽に飛び回る。
「ガッ!!」
愛美はその驚異の身体能力を活かしてグランツを撃墜しようと試みるが、いくらフィジカルが強いとはいえ跳躍自体は直線的なため簡単に回避されてしまう。
「チッ、無駄にすばしっこいな。」
グランツは愛美の猛攻を紙一重で回避しつつ、反撃のタイミングを探る。
だが
「グギャァ!!」
ドゴンッ!
狙ったのかたまたまか。ついに愛美の拳がグランツに直撃してしまった。
彼女の拳が一撃で腹部装甲を凹ませ、彼は空中で吹き飛ばされるが、地面に撃ち込んだフックを支えになんとか体勢を立て直す。
「ッ……!装甲越しでもこの威力とはな。直撃したら一発アウトだ。」
グランツは冷や汗をかきながらも相手の能力を冷静に分析し、さっさと決着をつけるべく必殺技の構えを取る。
上空へとフックを撃ち込み、跳躍の勢いを利用して空中から突進体勢に入った。
「ガルドストライク!!」
銀白の弾丸が一直線に地を滑り、愛美を狙って突き進む。
その勢いはまさに流星と言ったところだ。
しかし、愛美は避けるでもなく、捨て身のカウンターを決めようとしていた。
知性も戦略もない。ただ本能がそうしろと命じていた。
バシュッ!
お互いの決死の激突。その衝撃で両者ともに弾き飛ばされる。
……だが、その衝突を経て尚、両者とも倒れることなく立っていた。
「グギギ!」
彼女の瞳に言葉はない。ただ、戦いを続けたいという衝動だけが宿っていた。
「まだ立てるのか……」
グランツは愛美のタフネスに驚きながらも、戦闘態勢を崩さない。
「ギャウッ!」
愛美が一気に間合いを詰め、拳を胸部へと叩き込んだ。
グランツの骨がきしむ音が装甲の奥から響く。やはり愛美のパワーは侮れない。
「ッ……!!」
あまりの痛みにグランツの意識が混濁し、頭が真っ白になる。
しかし、その痛みが彼の最後の闘志を覚醒させた。
「これで……終わらせる!」
地面へフックを撃ち込み、愛美の脚を絡め取る。
その一瞬の拘束が勝敗を決した。
「ガルドストライク・ブレイカースラスト!!」
左手のフックで相手を近づけつつ、自身も右手のフックを相手の方向の地面に突き刺して高速移動をすることで疑似的にカウンター攻撃が放たれる。
ズゴゴゴゴゴ!!
彼の最終奥義が地を砕きながら愛美を飲み込む。
「グオオオオオッ!!」
苦痛の叫びが空に響く。だがそれでも、愛美は本能で立ち上がろうとする。
しかし、先ほどの攻撃によって膝が折れてしまったため、いくら立ち上がろうとしても立ち上がることができない。
ふと見てみると、愛美の全身は傷だらけになり、血の気が失せた唇が震えていた。
「…ここまでだ。」
グランツが静かに呟き、変身を解除する。
それと同時に愛美の凶暴化は解除され、その体は地面に倒れ伏した。
勝者――ヴォルター・グランツ。