あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《ヴォルター・グランツ VS ダンゴムシャ》
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aioricharabattle
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《ヴォルター・グランツ VS ダンゴムシャ》
何もない平原に、乾いた風が吹いていた。空には雲ひとつなく、ただ茜色の光が遠く地平線を染めていた。
地平線の彼方から現れたのは、孤独に異世界からの脅威と戦い続ける戦士——ヴォルター・グランツ。
彼の胸には正義の炎が宿っている。そして、その冷徹な瞳に迷いはない。
「今日の相手はお前か…」
低く呟いた声に、風が答えるかのように草を撫でる。
白銀のメダルを腕時計型デバイスに嵌め込み、宣言した。
「変身――ガルドチェイサー。」
閃光と共に白銀の装甲が彼の身体を包み、眼光が蒼く輝いた。
その姿はまさに鋼鉄の守護者だ。
その視線の先、対峙するのはダンゴムシャ。
2メートル近い大男は異様な雰囲気を漂わせ、全身に纏った重厚な装甲が光を反射して鈍く輝いている。
鉄の塊のようなその体には、幾度の戦いの傷跡が刻まれていた。
その視線は冷酷で、口元には人を嘲る笑みが浮かんでいた。
「ヒャッハァ……てめぇみたいなカッコつけ野郎はぺしゃんこにするに限るなァ!」
開始の合図もないまま、ダンゴムシャが吠えながら前傾姿勢に入る。
その巨体が丸まり、瞬時にローリングタックルへと移行。
ゴロゴロゴロ!
空気が震え、大地が唸る。回転するその姿は鉄球と化し、凶悪な質量がグランツを襲う
——だが。
「遅いな。」
グランツは静かに呟くと同時に、左腕のグラップリングフックを発射。
地面に突き刺さったフックが引き絞られ、彼の身体を瞬時に宙へ引き上げる。
足元を鉄球が唸りを上げて駆け抜け、風の尾が残る。
「チッ!避けやがったか!」
ダンゴムシャは即座に反転し、回転の勢いを殺すことなく急旋回して再び突撃の態勢に入る。
その動きは巧妙だが、ほんの僅かに鈍い。
その一瞬の緩みを、ヴォルターは逃さなかった。
「砕けろ。」
近くに合った岩にフックを突き刺し、それをダンゴムシャに向けて投げ飛ばす。
ドガンッ!
岩石の砕ける音が響く。並の相手であればこれだけでもノックアウトしてしまうだろう。
……しかし、土煙が晴れると、ダンゴムシャは完全に無傷のまま立っていた。
「ケッケッケ!その程度の攻撃じゃ俺様の装甲には傷一つつかねぇぞ!」
そう、彼の装甲は超硬度の特殊合金製のため、並の攻撃ではダメージを与えることすらできないのだ。
「次はこっちの番だ!くらえ!ローリングクラッシュ!」
ゴロゴロゴロ!
ダンゴムシャは再び丸まってグランツに向かって突っ込む。
先ほどは回避できた攻撃だが、今回は岩にフックを刺していたため次の行動に移るのが遅れてしまう。
ザシッ!
グランツはなんとか気合いで攻撃を間一髪避けるが、装甲の一部がダンゴムシャの攻撃によって破壊されてしまった。
「チッ、掠っただけでこの威力とはな。」
ガルドチェイサーの装甲も決して脆いわけではない。それ以上にダンゴムシャの攻撃が強烈だったのだ。
その事実が、グランツの警戒心をより高める。
「これならどうだ。ガルドストライク!」
両腕のフックが左右に発射され、地面を斜めに貫く。
そして、スリングショットの原理で一気に弾き出された白銀の戦士は、光と衝撃の塊となってダンゴムシャに迫る。
ドガアアアンッ!!
凄まじい音と共に、ダンゴムシャの装甲が軋む。そのまま二人は地面を滑走し、砂塵を巻き上げながら停止した。
まるで流星が地に墜ちたかのような衝撃が、大地に深く刻まれている。
――だが
「バーカ!だからそんな攻撃は効かねぇって言っただろ!」
グランツの必殺技と言えど、ダンゴムシャの装甲を突破することはできなかった。
「お前はもう負けるしかないんだよ!」
ダンゴムシャが反撃のタックルを放ち、グランツの体を押しつぶす。
「くっ…!なんでパワーだ。」
超パワーを持つガルドチェイサーであってもその重さを押し返すことはできないようだ。
「へっへっへ!このままぺちゃんこにしてやるよ!」
ダンゴムシャはさらに体重を掛けて威力を上げる。
「…こうなればしょうがない。奥の手だ。」
ピシュン!ピシュン!
グランツは左右にある岩にそれぞれフックを突き刺し、それを同時に引き寄せる。
ガンッ!
左右から飛んできた岩はダンゴムシャの頭部に直撃し、その振動が彼の脳を数瞬揺らす。
「…力が抜けたな。」
ダンゴムシャの意識が混濁した瞬間を狙ってグランツは脱出し、最後の必殺技の構えに入る。
「ガルドストライク・クラッシュピック!」
ドシャン!!
先ほどのプレス攻撃の際、グランツは分厚い背部の装甲とは異なり、腹部の防御が薄いことを見抜いていた。
これはその腹部の一点を狙った渾身の攻撃。
これはその腹部の一点を狙った渾身の攻撃。
「……は、腹が……ッ!」
ダンゴムシャは腹を抑えてうずくまる。
その姿は先ほどまでの自信満々な態度とは異なり、完全にツキが離れて行ってしまったかのようだ。
その姿は先ほどまでの自信満々な態度とは異なり、完全にツキが離れて行ってしまったかのようだ。
「これで決めるぞ。」
再び放たれるフック。今度はダンゴムシャの脚に絡みつき、強引に引き寄せてバランスを奪った。
「……!? クソがっ……!」
グランツはそのまま跳躍。
月を背にし、白銀の戦士が空を裂いて降りる。
「トドメだ。」
ドグシャッ!
装甲を砕くほどの打撃が、ダンゴムシャの顎を貫く。
凄まじい音とともに彼の頭部が大きく仰け反り、巨体が後方へと吹き飛ばされた。
ダンゴムシャの体はそのまま地に叩きつけられ、力なく転がる。
「……くっ、こんな……バカな……」
呻きながらも立ち上がろうとするが、すでに彼の両脚は戦意を失っていた。
グランツはゆっくりと歩を進め、倒れ伏した敵の前に立った。
「悪は負ける……そういうもんだ。」
そう告げる彼の声には一切の感情がなく、ただ真実を告げるような冷たさがあった。
勝者――ヴォルター・グランツ