あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《ネウ VS 冥迷》
最終更新:
aioricharabattle
-
view
《ネウ VS 冥迷》
何もない平原に、ひときわ風の強い瞬間が訪れた。
靴音を静かに響かせながら現れたのは、一人の男。
深紅のシャツの上に白のコックコートを羽織り、左腕には焼き印のような紋章が刻まれている。整った笑みを浮かべて、彼は手を胸元で重ねた。
深紅のシャツの上に白のコックコートを羽織り、左腕には焼き印のような紋章が刻まれている。整った笑みを浮かべて、彼は手を胸元で重ねた。
「お初にお目にかかります。 臨場レストランのオーナーネウと申します 本日は貴方様との戦いを元に、新しい料理を作ろうと思い相対した次第です 勿論私も手を抜くつもりは毛頭ありません お互いに死力を尽くしましょう もし臨場レストランにご興味がありましたら、いつでもいらしてください お待ちしております」
返答はなかった。
だが、次の瞬間、空気がざわめき、目に見えぬほど微細な波動が大気を震わせる。
だが、次の瞬間、空気がざわめき、目に見えぬほど微細な波動が大気を震わせる。
その波動の中心から、二つの影がじわりと染み出すように現れた。
冥と迷。
どちらも無表情な羊の仮面を被っており、まるで感情の欠落を象徴するようだった。
どちらも無表情な羊の仮面を被っており、まるで感情の欠落を象徴するようだった。
女の冥はタイトスカートをなびかせ、両手に握った包丁を逆手に構えたまま、静かに腰を落とす。
男の迷は猫背気味の姿勢で、手にした鋏を奇妙なリズムでカチカチと鳴らしながらネウを見据えている。
「チチ……チチチ……」
それはまるで言語のようで、ただの雑音のようでもあった。
突如、迷の足元から影が黒く膨張する。影に潜って移動する能力《シープケイヴ》が発動したのだ。
影の中へと一瞬にして姿を沈めた迷が、わずかに遅れてネウの背後からぬっと浮かび上がる。
音も気配もないままに振り下ろされた鋏の刃は、光すら裂くように真っ直ぐに迫った。
ガキンッ!
甲高い金属音と共に火花が炸裂する。
その刃を防いだのは、ネウの背に浮かび上がった小さな魂の結晶だった。 光の粒が宙を舞い、不可視の干渉が空間に波紋を残す。
「乱暴な歓迎ですね。」
跳び退いた迷を逃すまいと、ネウの掌から見えざる力が奔流のように放たれた。
それは視覚では捉えられないが、魂を持つ者なら誰しもが直感で理解する“核心への干渉”。
その一撃は迷の内奥にある魂の核を震わせ、まるで神経を直接針で突かれたかのような激痛を生む。
「グ……ッ!」
迷の身体が一瞬、痙攣したように硬直した。
だが、その隙を狙って、冥が素早く距離を詰める。彼女の両手に握られた包丁が、躊躇なく交差し、《クロスネス》が発動した。
二本の刃が×の軌跡を描き、ネウの首元を目掛けて風を裂いた。
ザンッ!
「なるほど、そう来ましたか。」
ネウは一歩も退かず、片足を軸に体を旋回させ、ギリギリの間合いで刃を回避し、空いた右掌を冥の胸元へそっと添える。
まるで料理の皿を整えるような、静かな所作だった。
「失礼、ここに一つ、魂を戴きます。」
ピシィン!
……何かが割れるような音が響く。 冥の動きが唐突に止まり、包丁を握った腕が落ちた。
魂に直接干渉された衝撃が、肉体ではなく“存在そのもの”に作用し、まるで命の一部を剥ぎ取られたかのような空虚を彼女にもたらしていたのだ。
しかし彼らは怪異。命すらもあいまいな存在であるため、それでも倒れることは無い。
「……。」
突如、ネウの視界全体が歪んだ。地平線まで見通せるはずの平原が濁った水の中のように揺らぎ、そこかしこに冥と迷の姿が無数に現れた。
無数の幻影を相手に見せる技、《シープグロース》だ。
その中には人形のようにぎこちない動きをするものもいれば、実体と見紛うほどに鋭く俊敏な挙動を見せる影も混じっている。
錯覚と幻覚と恐怖が一体となり、まるで舞台の幕裏から迫る黒い群れのようにネウを取り囲んだ。
「……ふむ、これは、なかなか芸術的ですね。」
ネウは静かに目を閉じた。一歩、風の吹く方へと足を進める。
そして、肺いっぱいに風を吸い込むと、次の瞬間、全身から淡く揺らめく霊的な波が放射状に広がった。
ブワッ!
魂の周波、それは視覚や聴覚を超えた感覚の触手だった。周囲の空間を舐めるように走るその波動は、幻影と実体のわずかな差異すら見逃さずに捉える。
心を無にし、存在の真贋だけを見抜く感性に一点集中。わずかに重みを持った気配、一つだけ重心のぶれない影……
「いましたよ、本物が。」
ネウの指先がわずかに動き、目を開いた瞳が迷の正体を射抜いた。
「貴方が本物ですね。」
狙い澄ました魂の一撃が、迷の仮面を砕く。
しかし、その瞬間、割れた仮面の奥から《デスイーター》が飛び出す。
ガブリ。
呪いの噛みつきがネウの肩に深々と食い込み、彼の体からふわりと漂っていた霊気の波動が途切れ、空気が一気に重苦しく沈んだ。
「……っ、なるほど、こう来ましたか……。」
ネウの表情がわずかに歪む。
彼の体内に流れていた霊的な波長が寸断され、料理を通して魂に干渉する力が封じられていく。
彼の体内に流れていた霊的な波長が寸断され、料理を通して魂に干渉する力が封じられていく。
指先から放たれていた感覚の触手が、ぷつり、ぷつりと切れていく感覚。まるで大切な調理器具を次々に砕かれていくかのような喪失だった。
「私の“包丁”を奪う……あなたたち、なかなかの手練れですね。」
魂を扱う能力にも大きく制限がかけられてしまい、かつて喰らった魂の記憶と力——それらの“レシピ”にアクセスできなくなってしまった。
霊的な流れが堰き止められ、さらにネウの周囲を無数の幻影が再び取り囲む。
冥と迷はまるでまな板の上の鯉のようになったネウを前にして、鋏と包丁で一斉に襲い掛かる。
ザシュッ!ブチッ!ズガズガッ!
皮膚が裂かれ、肉を割られ、血を啜られる。
出血量はもうとっくに致死量を超えており、通常であれば確認するまでもなく死亡しているだろう。
だが、相手は魂を扱う料理人である。そう簡単に終わってくれるほどヤワではない。
「さて、ここからどう立て直しましょうか……少々、創作のしがいがありそうですね。」
ネウは苦しげな息をつきながらも、手のひらで自らの胸元を押さえる。
鼓動が弱々しく、しかし確かに残っていることを確認すると、彼は静かに目を閉じた。
そんな彼を尻目に、トドメの《ブリッジシープ》が発動する。
ギュッ!
上空から降ってきた縄が彼の首に絡みつき、一気に空へと引き上げる。呼吸が苦しくなる。
《ブリッジシープ》によって意識を刈り取られ、ネウはわずかに瞳を閉じた——はずだった。
通常ならば意識を失うはずの苦痛と絶望の淵。 しかし、魂の料理人であるネウにとって、気絶は単なる“死”の模倣ではなかった。
意識を手放したことで、彼の魂はより純粋な核心、根源へと接続されていく。かつて供した魂たちの記憶、味、感情、それらが一斉に甦り、渦を巻いた。
(……ああ、これは、まさしく“原点”だ。)
縄に締め上げられた肉体が動かずとも、魂は静かに、確かに覚醒し始める。
ネウの瞳がゆっくりと開き、その光は深く澄み渡っていた。
ネウの瞳がゆっくりと開き、その光は深く澄み渡っていた。
その瞬間、大地から黒煙のような霊気が立ち昇る。
彼の足元から、過去に料理として供された魂たちの残滓が蠢き始めた。
彼の足元から、過去に料理として供された魂たちの残滓が蠢き始めた。
「……まだ、私の料理は終わっていませんよ。」
《ソウルアーカイブ》。
かつて喰らった魂たちの記憶と力を一時的に召喚し、即興の料理として融合させる奥の手だ。
無数の魂が影を貪り、迷と冥の《シープケイヴ》の逃げ場を奪っていく。
幻影は次々と霊気に呑まれ、残る本体も霊気に包囲されていく。
幻影は次々と霊気に呑まれ、残る本体も霊気に包囲されていく。
ネウの手元には、魂を模した器が浮かび、その中心で輝く核心を彼は静かに摘み取った。
「貴方がたの敗因は、逃げ道を閉じたことです。」
逃げ場のない影の海の中、無数の魂が迷と冥の肉体を包囲し、微細な干渉を始める。
魂に喰われ、霧散していく二体の怪異。
ネウは立ち上がり、煙の中からそっと歩み出る。
「ええ、これは……濃厚な魂の香りがします。メインディッシュにふさわしい素材ですね。」
「勝者——ネウ。」