あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《【盾王バルレラ】 VS ヴォルク》
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aioricharabattle
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《【盾王バルレラ】 VS ヴォルク》
風は穏やかに吹いていた。
何もない平原。だが、そこに立つ二人の戦士が、今まさに歴史の一頁を刻まんとしていた。
何もない平原。だが、そこに立つ二人の戦士が、今まさに歴史の一頁を刻まんとしていた。
盾王バルレラ。白銀に輝く九枚の盾を周囲に浮かべ、その威容はまるで神話の時代から現れた守護者のようだった。
その足取りには、無数の戦場を踏み越えてきた男の重みと確かさがある。一歩ごとに土がわずかに沈み込み、彼の存在の重さを大地に刻んでいく。
そして、その対面に立つのは傭兵ヴォルク。着崩した戦闘ジャケットに無造作な笑みを浮かべ、彼の手にはヴェルフフォルミング・ヴァッフェ。
刃先は螺旋状の溝を描きながら、風を裂いて煌めいている。戦場を幾度も駆け抜けてきた男の、確かな殺気がその立ち姿に宿っていた。
「──ヴォルク。お主の技量、しかと見せてもらおう。」
「へぇ、王様自らお出ましか。じゃあ、こっちも全開でいかせてもらうぜ。」
バシュッ!!
いきなりヴォルクが引き金を引いた。ヴァッフェが唸りを上げて瞬時にボウガンへと変形し、地面を削るようにして砕かれた岩塊が捻り出される。
その岩は圧縮されたエレルギーによって硬度と速度を増し、まるで砲弾のごとく音速を超えて射出された。
ガンッ!!
耳をつんざくような轟音と共に、【重壁の盾】がバルレラの前に自動でせり出した。
その分厚い壁盾は微動だにせず、直撃した岩塊の衝撃すら弾き返す。盾の表面には微かな振動が走ったが、亀裂ひとつ入らない。
「なるほど、威力はあるな。だが──」
バルレラがわずかに右足をずらし、手元の盾を静かに滑らせる。
シュルンッ。
【歪曲の盾】がくるりと音を立てて回転しながら前方へと飛び出す。その渦巻く構造が空気すら巻き込み、視界を揺らがせるような錯覚を生み出す。
「ちっ、また別の盾かよ!」
バシュバシュバシュッ!!
ヴォルクが躊躇なく続けて三発を放つ。
岩片を纏った高速弾が真っ直ぐにバルレラを狙うも、【歪曲の盾】がわずかな角度で軌道を逸らし、銃弾は左右に逸れて土煙を上げるだけに終わった。
「まだまだァッ!」
ヴォルクは咆哮とともに足を踏み込み、ヴェルフフォルミング・ヴァッフェをクポシスモードへと即座に切り替える。
刃が高速で回転し始め、空気を裂く音が耳をつんざく。螺旋状の溝が生む旋風が砂塵を巻き上げ、視界を曇らせながら彼は一直線に突撃した。
「喰らいやがれぇぇッ!!」
唸る刃がバルレラの懐へと突き込まれる。
そして、まるで巨大なドリルのように迫るその一撃を迎え撃つように、【反射の盾】がせり出した。
そして、まるで巨大なドリルのように迫るその一撃を迎え撃つように、【反射の盾】がせり出した。
ギィィィィィンッ!!
金属同士がぶつかる激しい火花が夜空のように散り、盾と刃が一進一退の押し合いを始める。盾の表面が軋みながらも、回転の力を受け止めきる。
「ならばこいつだ──M1911ッ!」
ヴォルクが叫ぶと、右手の甲から淡く光が溢れ、手のひらに拳銃が形を持って現れる。
ズドンッ!!
引き金を引いた瞬間、火花と共に弾丸が鋭く発射され、真っ直ぐにバルレラの額を狙って飛翔した。
「浅い。」
その言葉と同時に、バルレラの前方に純白の輝きが広がる。
透明な膜のような【結界の盾】が音もなく展開され、弾丸はまるで粘性を持つ空気に触れたように減速し、そのまま空中で止められた。
弾は、静かに地に落ちる。
「なら、これでどうだ!AK-47ッ!」
ヴォルクの叫びと同時に、空間を裂くような閃光と共に自動小銃が右手に現れる。その瞬間、彼の指がトリガーを引いた。
ダダダダダダッ!!
怒涛のように吐き出される7.62mmのフルメタルジャケット弾が、まるで暴風雨のようにバルレラを襲う。
「何度やろうと無駄だ。」
バルレラの盾たちは即座に反応し、周囲で旋回を始めた。歪曲の盾が銃弾を逸らし、反射の盾がいくつかの弾を跳ね返し、重壁の盾が直撃を真正面から受け止める。
「流石に、すげぇな……こりゃ防御の化け物だ。」
「でも…どんな防御にも穴はあるんだぜ。」
バキッ!
その言葉と同時に、金属が欠ける音が響いた。
【歪曲の盾】の表面に命中した弾丸が、盾の縁を抉るようにして砕け、微細な亀裂を刻み込み続けたことによって、彼の強固な盾を破壊することに成功したのだ。
「神盾の一つを……抜いたか。」
バルレラが低く呟く。
「ハッ、ようやくその仏頂面に傷を付けられたな、王様。」
ヴォルクの嘲笑と共に、空気が震えた。
彼はヴァッフェの刃を回転させると、その勢いに乗じて後方へバク転。その空中姿勢のまま、腰のホルスターから二丁の拳銃を引き抜く。
「お次はこれだ、ベレッタとデザートイーグル──受けてみな!」
トリガーが引かれると同時に、金属の咆哮が空気を引き裂いた。
ズダダダダダッ!!
左右の銃口から火線が交差しながらバルレラを狙い撃つ。その精密な手元操作は、乱射とは程遠い、意志を持った弾道。
対するバルレラも黙っていない。両肩から【予備の盾】がせり出し、回転しながら銃弾の雨を逸らしていく。
だが、ヴォルクの弾はただの牽制ではない。絶え間ない発砲の合間に、隙間を見つけては実弾の軌道を巧妙に変化させ、盾の死角を探るように飛翔していた。
「そこだッ!!」
一発──ヴォルクの狙い済ました一弾が、バルレラの胸前の【軽量の盾】の縁を擦るようにして、わずかに軌道を逸らしながら通過する。
バルレラが身を翻し、反射的に【重壁の盾】をその方向に向けるも──
バルレラが身を翻し、反射的に【重壁の盾】をその方向に向けるも──
「甘ぇッ!」
ヴォルクがその反動を利用して地面を蹴り、低空滑走でバルレラの懐へと飛び込む。
「この距離なら盾は意味ねぇなッ!!」
回転するヴァッフェを今度は斬撃形態に変形させ、刃先をバルレラの膝元へ振り抜く。
キィン!!
【膝装の盾】が自動展開されてその攻撃を受け止めるが、その衝撃で一瞬バルレラの足元が揺らいだ。
「お前の守り、確かに硬い。でもな──攻めは、こっちの専売特許だ!」
叫びと共に、全力の跳躍。ヴァッフェの回転が音の壁を破り、雷鳴のような一閃と共に──盾と盾の隙間に狙い澄ました一撃が突き刺さる!
ズガァンッ!!
破砕音。バルレラの【反射の盾】が割れ、光の粒となって霧散した。
だが、その瞬間。 バルレラの右手がすっと腰の後ろに伸びた。隠されていた大盾──【神盾ナインヒル】が抜かれ、空気を震わせて振り抜かれる。
「報いを受けよ!」
咄嗟に飛び退こうとするヴォルク。しかし、王の反撃の一撃は彼の肩口を掠め、衝撃で体勢が崩れる。
「チッ、やるじゃねぇか……!」
バルレラはすかさず足を踏み込み、盾の残骸を踏み越えながら追撃。空中に跳び上がりながら、大盾を振り下ろす。
「王の一撃を受けよ!!」
ドンッ!!
大盾を叩きつけた衝撃波が地面を裂き、衝撃波の余波が広がってヴォルクの周囲を襲う。
だがヴォルクも負けじと回転しながら跳ね退き、土煙の中から抜け出して次の攻勢へと移る。
「これで終わらせてやるッ!!」
怒声と共に、彼は全身のバネを使って跳躍。その体勢のまま空中でヴァッフェを両手で構え直すと、今度は刃先を前に突き出す形で真下に落下するように急降下。
バルレラの頭上に展開されていた【重壁の盾】が間に合わず、斜めの軌道から降下してくるヴォルクの鋭い突きがその端を裂く。
「ぐっ──!」
バルレラが後退するも、すでにヴォルクの攻撃は始まっていた。
刃の軌跡が幾重にも空間を刻み、盾と盾の間、ギリギリの隙間を縫って連撃が叩き込まれる。
欠けた【歪曲の盾】でかろうじて数撃を逸らすも、それぞれの盾がすでに限界に近づいていた。
「受けきれるかよ、これをッ!!」
ヴォルクが地面を蹴り、バルレラの背後に回り込む。
その機動力と殺気に、バルレラの反応が一瞬遅れた──その刹那。
ヴァッフェの刃が回転音と共に、【結界の盾】を貫通。きらめく火花と共に盾が粉砕され、破片が風に舞う。
「──終いだッ!!」
最後の一撃。ヴォルクはヴァッフェを片手に、もう片方の手に再び拳銃を生成する。
至近距離で、バルレラの胸元に銃口を突きつける。
ドンッ。
火薬の閃光と共に放たれた一弾が、バルレラの鎧の隙間を撃ち抜いた。
「ぐっ……見事だ……」
バルレラの膝が、地に沈む。
彼の周囲を巡っていた全ての盾が、まるで役目を終えたかのように光の粒となって霧散していった。
「勝者――ヴォルク。」