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《緋咲(ひさき) カグヤ VS エレメントマスター》
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aioricharabattle
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《緋咲(ひさき) カグヤ VS エレメントマスター》
陽も高く昇った空の下、どこまでも平坦な草地が広がっていた。
風はなく、雲もない。まるで世界が二人の戦いだけを待っていたかのような静寂。
風も草も囁かぬ中、カグヤが一歩、前へ出る。その動きに呼応するように、対峙するフードの男――エレメントマスターの手の甲で、四つの菱形がゆっくりと赤く染まった。
「始める。」
その言葉と同時に、彼の足元から轟音とともに火柱が噴き上がった。
ゴォオオオッ!
大地が一瞬で焼け焦げ、草は燃え尽き、灰すらも宙に舞う。
熱気が空気を歪ませ、視界を揺らす中、火の壁が生き物のように蠢きながら蛇行し、うねり、カグヤへと伸びていく。
「無駄な熱量ね。」
カグヤはまったく動じず、足元から紅の霧を噴き出させた。
その霧は風もない空間を裂くように広がり、瞬く間に形を変える。
ギィィィンッ!
火炎が断ち割られ、左右へと大きく分かれる。
そこに現れたのは、赤黒く光る血液を凝縮し硬化させた盾――「凝血結界」。
その表面はまるで硝子のように滑らかで、美しくも恐ろしい意志を感じさせた。
「ファイア、切替。」
低く発せられた男の声と同時に、火が嘘のように収束する。手の甲の紋章が青く光り、周囲の空気が一気に冷え込んだ。
ザァアアアア……
地面の露、彼女の呼吸から滲む湿気さえも引き寄せられ、水が空中で踊るように集まり始める。
やがて、それは刃の形をとり、空一面に無数の氷水の矢となって浮かんだ。
やがて、それは刃の形をとり、空一面に無数の氷水の矢となって浮かんだ。
「ウォーター、貫通。」
バシュゥウウッ!
その一言で、空を覆う水刃が一斉に放たれた。降り注ぐそれは雨ではない。あまりにも鋭く、あまりにも密で、まるで暴風雨が意志を持って牙を剥いたかのようだった。
カグヤはその場に静かに立ち、袖の端を摘まむと、指先を滑らせて自らを傷つけた。細く、鋭く、まるで儀式のような動作だった。
ピッ……
流れ出た血液は空中で弧を描きながら広がり、紅の飛沫はすぐさま硬質な質感を持った鎖へと変貌する。
それは重力を無視するかのように彼女の周囲を渦巻き、警戒心を剥き出しにして空間を包囲した。
それは重力を無視するかのように彼女の周囲を渦巻き、警戒心を剥き出しにして空間を包囲した。
「血鎖――」
ジャラァンッ!
音とともに、鋭利な水刃が降り注ぐも、鎖はそれを正確に打ち払う。
ぶつかり合うたびに金属的な音が響き、血と水の力が空中で激しく衝突し、絡み合い、やがて霧となって溶け消えていく。
その防御の刹那、エレメントマスターの気配が途切れた。
代わりに風の轟きが響き、空気が切り裂かれる。
「ストーム。」
一陣の風が視界を遮ると同時に、彼の姿が掻き消える。
バシュッ!
次の瞬間、カグヤの真横を突風の如き影が駆け抜ける。
草が撫で切られ、空気が引き裂かれたような音が響いた。彼のものはただの加速ではない。軌道を変え、風の壁の中に身を溶け込ませ、角度を変えながらカグヤの視界の死角を次々と突いてくる。
ピュウウウッ!
右から、左から、そして再び背後から――まるで幻影のように姿を現し、刃のような風圧が頬を掠める。
「……速い。」
その言葉は感情ではなく、分析の声だった。
カグヤは瞬時に呼吸を整え、右手を掲げ、血液を三本の刃へと変える。それは短く鋭い、投擲に最適な形状だった。
カグヤは瞬時に呼吸を整え、右手を掲げ、血液を三本の刃へと変える。それは短く鋭い、投擲に最適な形状だった。
シャッ!シャッ!シャッ!
一条目は風を切って彼の腕へ向かい、二条目は空を裂きながら空振り、そして三条目が彼の脚をかすめ、赤い線を描く。
ピチャッ……
その赤が地面に一滴、滴った瞬間、カグヤの瞳に微かな光が差す。
「その血、借りるわ。」
掌を差し出すと、男の血液が空中で赤い紐となって走る。
それは即座に新たな刃となり、男の懐へ突き刺さろうとした。
「ランド。」
次の瞬間、足元から土柱が鋭く突き上がり、血刃を押し返すようにして軌道を逸らす。
カグヤの身体も、それによりわずかに浮かされ、数歩後方へと揺らぐ。
しかし、彼女の目にはそれすらも織り込み済みだった。
「紅月、円舞。」
呟きと同時に、ドクン、と重く心臓が鳴った。その一拍に呼応するように、彼女の背後に真紅の輪が浮かび上がる。
血の輪はゆっくりと回転を始め、やがて赤い光を帯びて高速回転へと移行する。
その回転の中から、無数の血の矢が飛び出すように放たれた。
その回転の中から、無数の血の矢が飛び出すように放たれた。
ビシュゥンッ!ビシュゥンッ!
鋭く空気を裂き、血の弾丸が矢の如く前方へと連射される。
それは単なる直線ではなく、軌道を曲げ、追尾し、逃れんとする相手を絡め取る蛇の群れのようだった。
それは単なる直線ではなく、軌道を曲げ、追尾し、逃れんとする相手を絡め取る蛇の群れのようだった。
「ガード。」
エレメントマスターが短く告げると同時に、水の盾が彼の前に展開される。
だが、その結界は血弾の雨に飲み込まれ、まるでガラスのように次々と砕けていく。
ドンッ、ドドドンッ!
一発、また一発と容赦なく血弾が放たれる。しかし、完全なる直撃には至らなかった。
エレメントマスターはわずかに身体を捻り、残った力で風の魔法を瞬時に展開する。
「第二防壁、ストーム・シェルター。」
ブワアアアッ!
彼の周囲に螺旋状の風の盾が発生し、いくつかの血弾を逸らす。空気の渦が怒涛の勢いで巻き上がり、血の軌道を乱す。
……それでも、完全に防ぎきるには力が足りなかった。 貫通した数発の血弾が彼の身体を穿ち、重力に引かれるように後方へと押し飛ばされる。
ドンッ、ドドドンッ!
男の身体が砂塵とともに空中に舞い上がる。
巻き上がる塵の幕の中、黒いマントが大きく翻り、その姿がかすかに揺らめく。
空気には焼け焦げた血の匂いが混じり、戦場の余韻のように漂った。
煙の中、彼は膝をついていた。フードの影から血が滴り、手の甲の紋章は微かに光を失いながらも、なお静かに脈動していた。
「これが……『混血ノ契』か。」
その言葉には驚きと、僅かな敬意が滲んでいた。
カグヤは無言で歩を進めた。
足音ひとつが、やけに大きく聞こえる。
「あなたのエレメント、優秀だった。でも同時に一つしか使えないなら、私はその隙を突くだけ。」
そのまま彼女は背を向け、戦闘の終わりを告げるように歩み去る。
彼女の背後で、エレメントマスターは静かに拳を握りしめた。
敗北を認めながらも、再び立ち上がる機会を胸に誓うように。
風が吹いた。
それはようやく世界が動き出した証のように、草を揺らした。
空には一筋の白い雲が流れていた。
「勝者――緋咲 カグヤ。」