あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《『螺祟(ルオスイ)』 VS ホープレス(inフロスト)》
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aioricharabattle
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《『螺祟(ルオスイ)』 VS ホープレス(inフロスト)》
無風の空、地平線まで続く何もない大地。
ただひたすらに沈黙が支配するその平原に、異形の影が二つ。
「……面白い。まさか地上で“お前”と会えるとはな。」
歯車が軋むような声とともに、身体の至るところで渦巻く螺旋がきしんだ。
その名は――螺祟(ルオスイ)。
その名は――螺祟(ルオスイ)。
彼の四方へと飛び出した捻れた角が、風もない空気を唸らせる。
彼の眼前、薄ら笑いを浮かべて佇む帽子の男がいた。
彼の眼前、薄ら笑いを浮かべて佇む帽子の男がいた。
「ふふふふふ……やだなぁ。地上の神様が落っこちてきたって噂は聞いたけど……まさかこんな腐った景色の中で会えるなんてね。」
目元まで深く被った、ストライプのシルクハット。その帽子の目が、ぎょろりと不自然に蠢く。
男――ホープレス(inフロスト)が舌なめずりをした。
「俺は神だ。貴様ごとき、塵が這いずり回って得た力など、全て螺旋の中で潰す。」
ズゥウン……ッ!
地面が呻き声をあげるように軋んだ。
その中心、螺祟の足元からじわじわと濃密な“圧”が漏れ出す。
その中心、螺祟の足元からじわじわと濃密な“圧”が漏れ出す。
まるで世界そのものが彼の存在を拒絶するかのように、大地が波打ち、円を描いて捻じれ始めた。
その波紋は空間の構造をも乱し、空の色が一瞬だけ軋むように揺らめく。
空の光さえ、捻れの螺旋に吸い込まれるように歪んでいく。
上も下もなく、遠近すら判別不能となった世界の只中に、螺祟は無言で立っていた。
その足取りは、一歩ごとに世界を削るかのように重く、そして神性の確信に満ちていた。
「おお、すごぉい……。でもね、俺、“歪んだもの”って、むしろ好きなんだよ。」
フロストの口角が不気味に吊り上がる。彼の視線の先に広がるのは、常識を嘲笑う異形の光景。
それは彼の固有魔法――《私の世界》。
ズルズル……パチリ。
足元から現れたのは、肉のような組織に繋がれた“目玉”。
それがゆっくりと空間を這い、天井も地面も区別なく、瞼なき血走った瞳が次々に出現する。
数十、数百、いや数千の目が、螺祟を中心に視界を侵食する。
その視線は感情を持たず、ただ“見る”という行為そのものに意味を与えようとしていた。
天も地も、辺り一面が監視する悪意のようなものに覆い尽くされていた。
しかし――
「見せかけだな。」
バギィッ!
螺祟が掌をゆっくり掲げると、その中心から空間が引き裂かれるように捻じれた。
時間と空間の法則が絡まり合い、目玉の群れごと世界がひっくり返される。
時間と空間の法則が絡まり合い、目玉の群れごと世界がひっくり返される。
次の瞬間、全ての“瞳”が悲鳴も上げずに渦へと呑み込まれ、魔法空間は瓦解。
固有魔法《私の世界》は、螺祟の“捻れ”によって再構築されることすら叶わず、概念ごと破砕された。
「俺の螺旋は、幻視すらも砕く。」
「へぇ。じゃあこれはどう?」
パチン。
パチン、と指が鳴らされると同時に、フロストの背後空間が複層的にひび割れた。
そこから現れたのは、大小様々な歯車と時計。重力を無視して浮遊し、時の概念そのものを視覚化したかのような、狂気に近い陳列。
針が音もなく一斉に静止し、次の瞬間、空間全体の“動き”が消えた。
《死んだ世界へようこそ》
空気が凍結する音すら失われ、万象が沈黙する。
時間が完全に止まった。
時間が完全に止まった。
──ただ一人、フロストを除いて。
彼の身体が液体のように伸び、腕が蛇のように滑らかに伸長し、螺祟の胸部を突き刺す……かに見えた。
「……ふざけた真似を。」
ガギィン!!
瞬間、突き刺さった腕を中心に、時間ごと凍結していた空間が逆流するように激しく捻れた。
その捻れは時間・空間・構造・意志すらも巻き込む破壊。
フロストの腕が“逆に折れ”、魔術的干渉の系統も逆順に解体され、術式ごと反転する。
返礼のように、血飛沫が散った。
「ぐはッ……ククク。いいね……!」
フロストはその場で踏みとどまり、笑った。
破損した腕から血が地面に滴り落ちた瞬間、彼の肉体情報が暴走的に更新され、異常な再生と増幅が起こる。
《ディフェンド スピリット》が起動。防衛本能を越えて、神性に対する“憤怒”の形で彼の出力が跳ね上がる。
「まさか……?」
「さて、神様。そろそろ死んでもらうよ。」
ズズウゥ……ッ!!
フロストの身体の中心から、極端な密度を持つ異質な波動が放出される。
その場の重力が歪み、空間が沈むように変形する。
そして彼の指先から滲み出たものは、構造崩壊の魔術。
《捻れねじれネジレネジル》発動。
触れた空間そのものが捻れ、捻れた先にあった物質・存在・概念が“保持できずに”壊れていく。
それは物理法則の否定であり、秩序の瓦解であり、捻れに触れた時点で『あったもの』が消えていく超構造。
その力は、神すらも否応なく引きずり込む暴威だった。
「俺の力を……真似たつもりか。」
螺祟が呻く。その身体にはすでに数ヶ所の傷が刻まれ、権能の渦が明らかに不安定に揺れていた。
彼の右肩からは黒い霧のようなものが漏れ、捻じれが微細に振動していた。
彼の右肩からは黒い霧のようなものが漏れ、捻じれが微細に振動していた。
「お前……まさか……俺の“螺旋”を――」
「“見たくない”から消しただけさ。」
にやりと口角を上げ、ストライプのシャットハットに沈んでいた目が、まるで眠るように音もなく閉じられる。
ボウッ!
次の瞬間、視界が切り取られた。
まるで画布に描かれた世界の一部が、誰かの意思で“塗り潰された”かのように。
神の力が、一部だけ不可視となる。
消えた視界は、そのまま現実からも“認識”を奪われ、物理的存在ごと無かったことにされる。
それは法則の抜去、歴史の修正、神性の連続性をも断ち切る――“否定”そのもの。
「これが……! 貴様の“否定”か……!!」
ズドオオオンッ!!
――だが、その瞬間。
空間の深奥から、裏返るような異音が走る。
螺祟の全身を纏うように広がった捻れの渦が、消えた領域の“残響”を辿り、時間軸ごと巻き戻していく。
存在を覆っていた“無”に指を差し込むように、渦は掻き乱し、消えた要素を断片ごと回収していく。
そして――螺旋が織り上げる。
『失われた存在』を素材にして、再び世界を捻じり直す。
その再構築は、単なる復元ではない。
螺祟の権能によって織り直された“世界”は、過去の履歴すら書き換える精密な捻れ。
まるで神が神を上書きするように。
それは、否定の上に君臨する“否定の否定”だった。
螺旋は、存在の痕跡すら捉え、再び捻じって編み込む。
螺旋は、存在の痕跡すら捉え、再び捻じって編み込む。
それは世界の残響すらも素材として織り上げる、神の編纂。
「なっ、そんなバカな……! 見なかったことにしたはず……!」
「“否定”を否定する――それが俺の、絶対なる『螺旋』だ。」
グワァアアアン!!
全ての空間が、重力と常識を裏切るように一挙に歪んだ。
空間の織目が崩れ、上下左右の概念が融解する。その中心で、シャットハットの目が悲鳴のように見開かれ、視界が万華鏡のようにねじれた。
ストライプの帽子が、まるで自我を持つかのように震え、逃れようとするように跳ね上がる。
だがその動きは拒絶というより、世界からの追放宣告に等しい。
「ギッ……あ、ああ……やめ……! やめろォォッ!!」
ドシュウウゥッ!!
フロストの身体が、螺旋という名の呪詛に巻き込まれる。皮膚が裏返り、骨が逆方向にねじ曲がり、筋繊維は裂けた布のように飛び散る。肉体は内側から破裂し、魂の輪郭までもが軋んだ捻れの中に溶けていく。
終焉の瞬間、帽子の奥に沈んでいた“目”がかすかに閉じられた。
それは敗北の諦観ではなく、存在の抹消を自覚した者の絶望だった。
シャットハットは目を見開いたまま、静かに、燃え尽きる。その灰は浮かび上がることすら赦されず、渦の中心に吸われ、世界の裏側へと沈んでいった。
「貴様のようなものは、“世界”には不要だ。」
全てが静寂に包まれる。暴走していた空間は静かに鎮まり、風が再び空をなぞるように吹き始めた。
ひび割れていた大地は律動に従い、自らを癒やすように閉じていく。
ひび割れていた大地は律動に従い、自らを癒やすように閉じていく。
先ほどまで戦場であったはずの場所には、もはや“戦い”の痕跡すらない。螺旋の律に支配された空間が、記憶すらもねじ曲げていた。
地平線の彼方まで続く静寂は、讃歌のように澄み渡る。それは神――螺祟の勝利を告げる、世界の呼吸。
神は倒れなかった。
「勝者――螺祟。」