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《マリィ・ロケットハート VS 朝比奈 凛(あさひな りん)》
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aioricharabattle
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《マリィ・ロケットハート VS 朝比奈 凛(あさひな りん)》
烈風が、瓦礫の山をなでるように吹き抜けた。
「いっけぇええええええええええええッ!!!」
空を裂く歓声と共に、十二発のミサイルが放射状に放たれる。
ドォォン!!
火花と爆音、衝撃と熱風——マリィ・ロケットハートの戦場は常にカーニバルのように賑やかだった。
「ド派手に行くよっ、ロケット・レヴォリューション!!」
ズバァァンッ!!
轟音と閃光が街の残骸を飲み込み、地を這う炎が濁った空気を一掃する。
煙が空を喰らい尽くし、黒煙の幕が戦場を覆う。
ミサイルの軌道は狂い咲く花のように乱れ、だがその中にも確かな意志がある。
一発一発が精密に制御され、重なり合う軌道がまるで花火職人の手による芸術のように広がっていた。
その中心に立つのは、まるで濁流の中に抗う杭のような少女、朝比奈凛。
焦げた空気と震える大地を前にしても、彼女の瞳には一分の揺らぎもない。
彼女の指が、一瞬の迷いもなく霊筆を走らせる。
「【壁】。」
バシュウッ!
筆先から放たれた一閃の文字が空中に浮かび、即座に淡く輝く障壁を形成した。
ゴォォンッ!!
炸裂する爆風が障壁を叩きつけ、まるで鐘を打つような音が戦場に響く。
透明な障壁はたわみながらも、その全てを受け止めた。熱と衝撃が押し寄せる中、凛の長い黒髪が優雅に風に踊る。
だが、彼女の足元にはすでに墨が滲み始めていた。
地面を這うように黒く広がるその染みは、第二の術の胎動を秘めた波紋のように震えている。
凛の眼差しは、その奥に潜む炎と煙を越えて、マリィの気配だけを正確に捉えていた。
視線の先には、空を割りながら突進してくる火線の奔流。
だが、凛は眉一つ動かさず、再び筆を走らせる。
「ならば——こちらも。」
「【重】。」
ズシィイイイイッ……!!
空気が、一瞬にして粘性を帯びる。
視界が歪むような重圧。まるで見えない手が天からのしかかるかのように、周囲の大気が圧し潰されていく。
視界が歪むような重圧。まるで見えない手が天からのしかかるかのように、周囲の大気が圧し潰されていく。
「なにっ……!? これ、マジで重い……っ!?」
ズゥゥン……ッ!!
地面が悲鳴をあげるように沈み込み、マリィの足元がズブリと呑まれていく。
コンクリートがまるで粘土のようにひしゃげ、脚にまとわりついた。
コンクリートがまるで粘土のようにひしゃげ、脚にまとわりついた。
「足に……鉛の鎖でも巻いたのかっての!」
膝が崩れ、バランスを取るために両腕を広げる。
ミサイルの反動で軽快に跳ね回っていた動きが、まるで無重力の逆――重力地獄の中へと引きずり込まれる。
ミサイルの反動で軽快に跳ね回っていた動きが、まるで無重力の逆――重力地獄の中へと引きずり込まれる。
「このままじゃ、飛べない……っ!」
凛の目が静かに細まり、唇が無感情なまま動く。
「動きを封じる。それが最初の一手。」
スゥゥ……と音もなく、黒い墨が地を這い広がる。
その黒はただの闇ではない。意志をもって拡張する魔の染みだった。
「次は、逃がさない。」
「【沼】。」
グジュ……ジュルルル……ジュブブブッ……!
ぶよついた地面が、突如として液体のように変化する。黒墨が粘液へと変質し、マリィの足元を引きずり込もうと蠢く。
「おっとぉ!? これはまた一段階エグいの来たなっ!」
ミチミチとブーツの縁が呑まれていく音が鳴る。沼のようなそれは、物理的な拘束だけでなく、体温すら奪うような冷たさを持っていた。
だが、マリィの目にはまだ光が宿っていた。
「でもね、凛ちゃんっ!」
ゴーグルがキラリと閃光を反射し、その下の唇が勝ち気に吊り上がる。
「そんなの——飛べば関係ないでしょーがっ!!」
ブーツの推進器が甲高く唸りを上げる。
シュゴォォオオオッ!!!
一瞬でマリィの体が浮き上がる。両足を揃えてミサイルに跨り、炎を纏った尾を引きながら、空中へと一直線に突き進んだ。その飛び姿はまるでロケットに魂を宿した少女そのものだった。
「お空はフリーなんだよ、セニョリータァァッ!!」
その叫びと共に、ミサイルが青空を引き裂くように爆音を立てる。
ズバババッ!! キュゴォォッ!!
だが、凛の指先は冷静だった。白磁のような手が静かに筆を操り、次の術式を描き出す。
「【乱】。」
突風が奔流のように走る。文字から生じた風は生き物のように唸りを上げ、空を切り裂く。
空中のミサイルが次々に軌道を狂わされ、渦を巻く風に飲まれて翻弄される。それに伴い、マリィの姿勢が崩れた。
「うわっと!? でもねぇ……回転しながら撃てばいいんじゃーん!」
身体を傾け、ミサイルと共にスピンをかける。
「いっくよぉぉおお!!」
マリィがミサイルを纏うように回転しながら連射を開始した。鮮やかな紅、眩い金、怪しげな紫——色とりどりの弾頭が空中に美しく描かれた螺旋の中を飛び出し、風の渦を切り裂くように炸裂していく。
ドガァンッ! キィン! パパパパーン!!
空が、まるで祝祭の夜のように輝いた。
「くらえくらえーっ! ロケット花火モードぉぉッ!!」
凛は眉ひとつ動かさず、だがその瞳にかすかな閃きが走った。筆先に、全神経を集約させていた。
その指先はまるで命の鼓動と連動しているかのように震え、墨の重み一滴一滴までもを計算している。
その指先はまるで命の鼓動と連動しているかのように震え、墨の重み一滴一滴までもを計算している。
「……今。」
ドンッ!
空中で爆炎が咲き、火の粉が乱舞する中、マリィの姿が一瞬、視界から消えた。まるで蜃気楼のように揺らぎ、炎の帳に隠れる。
「【穿】。」
ピシュウウ……ッ!
筆先から、黒き墨のしずくが空を切り裂くように飛翔する。それは静かに、鋭く、そして確実に——音すら飲み込むような沈黙の中で、一条の黒い閃光が風を裂いた。
だが、その瞬間、爆炎の向こうから何かが突き抜けた。
「——そーれ、どっかーん!!!」
爆風の中から飛び出したマリィが、炎を纏い、まさに自らミサイルと化して凛へ突撃していた。その姿はまるで隕石。凄まじい勢いで空間を切り裂き、紅の尾を引きながら一直線に迫る。
「なっ……!?」
墨弾は、マリィの残した影を穿っただけだった。一瞬の差。それが全てだった。
「次はもっと惜しかったねー! でもさ、こっちのロケットは……いっつも、予測不能なのさっ!!」
ドガァアアアン!!
鋼鉄をも打ち砕くような轟音。凛の【壁】が瞬時に起動するも、その展開すら追いつかぬ速度で、マリィの身体が突き刺さるように衝突。
バギィィン!!
凛の身体は浮かび、地面を擦りながら後方へと吹き飛ばされる。その瞬間、風が止まり、戦場に一瞬の静寂が訪れた。砂煙が舞い、静寂が戻る。
「ふぅー、ちょっと本気出しちゃった!」
凛は地面に倒れ伏したまま、誰に言うでもなく呟く
「……予測不能、か。なるほど、厄介な相手だ。」
だがその唇にも、かすかな笑みが浮かんでいた。無謀とも思えるその動きの奔放さに、戦士としての敬意すら芽生えていた。
「勝者――マリィ・ロケットハート。」