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《【飛鱗竜】ユルナ=エスフェル VS ⭐︎〈バトラー神父〉》
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《【飛鱗竜】ユルナ=エスフェル VS ⭐︎〈バトラー神父〉》
砂の匂いしかしない風が吹き荒ぶ、不毛の平原。
大地には草ひとつ生えず、地平線まで続く瓦礫のような赤土の荒野。どこまでも乾ききったその世界に、生命の鼓動はほとんど感じられない。
耳を突くような風の音の中、ただ二つの影が互いを見据えて立っていた。空には雲一つない。太陽が静かに、だが容赦なく全てを照りつけている。
その白光の中、影だけが深く濃く伸びていた。
ひとつは、漆黒の司祭服に身を包んだ男——バトラー神父。
その身に纏うのは神の代理者の装束ではなく、かつての信仰が砕けた末の暗き祈り。
背丈すら覆い隠すような、巨大な大斧「オーガストクロップス」を地に突き立て、彼は何かを祈るように目を閉じていた。
「主よ……我が祈りに背を向けたのならば……この身をもって、正しき終焉を齎さん。」
その声は、風よりも重く、風よりも鋭く、ただ一つの意志を貫いていた。
片足を踏み出す。足元の砂が乾いた音を立てる。その一歩が、静寂に風穴を穿った。
対する影は、金属光沢に包まれた異形の飛竜。【飛鱗竜】ユルナ=エスフェル。
全身を覆う無数の鱗は鋭く、まるで意思を持つ刃の如し。その瞳は、遠い雷鳴を孕んだ炎を宿しているかのように、灼熱と冷徹を内包して燃えていた。
「貴様のその力……確かめるには十分すぎる。」
声と同時に、全身の鱗が音もなく逆立つ。空間を震わせながら、鋭利な飛鱗が一斉に発射された。
ズバァッ!!
その数、数千枚。
音速を超える刃の嵐が、一直線にバトラー神父へと襲いかかる。
音速を超える刃の嵐が、一直線にバトラー神父へと襲いかかる。
風の音すらかき消す衝撃。一枚一枚が金属を容易く切断する斬撃でありながら、それがまるで無限に続くかのような圧迫感。
平原の地表が瞬時に抉れ、爆ぜ、赤土が爆風のように巻き上がる。
その中心に、バトラー神父は微動だにせず立っていた。
衣の裾が飛鱗の風圧で揺れる中、彼の瞳は閉じたまま静かに開かれた。
その眼差しは、神の慈悲でも祈りでもない。死を告げる鐘のように冷ややかで、確信に満ちていた。
バトラー神父が一歩、乾いた地を踏みしめる。
ゴウン!!
その動作だけで、彼の背丈を超える大斧オーガストクロップスが地を砕きながら振り下ろされた。
巨躯から生まれた一撃は空気を震わせ、地を割り、飛鱗の嵐を霧散させながら——
「播種。」
バシュウウウ!!
鈍く、血のような音を立てて、ユルナの身体に見えぬ力が注ぎ込まれる。
肉体が疼き、異様な熱が内側から膨れ上がった。
鱗が脈動し、赤黒く染まり、筋肉が一時的に肥大化するほどに強化される。
鱗が脈動し、赤黒く染まり、筋肉が一時的に肥大化するほどに強化される。
「貴様……ッ、この私を強化してどうするつもりだ……?」
その声は困惑と怒りが混じっていた。
明確に敵意を向けられているというのに、自身の力が増していくという矛盾。
明確に敵意を向けられているというのに、自身の力が増していくという矛盾。
バトラー神父の瞳が鋭く細められた。
「全ては収穫のため……その種は、肥えすぎたな。」
その瞬間、空気が震え、大気そのものが彼の言葉に共鳴するように揺れ動いた。
ビリッ!!
大気が裂けた。
「ならば…望み通り八つ裂きにしてくれる!」
ユルナは衝動に身を任せて相手に向かって飛びかかる。
対するバトラー神父も負けじと構え直す。斧の柄を両手で握り、頭上へと掲げた姿は、まるで殉教者のように静かで神々しかった。
「神の光よ……汝に試練を与えん。」
ズガアァァン!!
斧から放たれる光の波動が、真っ直ぐにユルナへと押し寄せる。ユルナは咆哮一つ、飛鱗の盾を幾層にも展開して迎え撃つ。
ガガガガガガ!!
飛鱗と光がぶつかり合い、互いの力が火花を上げる。光が焼き、鱗が裂き、それでも両者の攻防は一歩も譲らぬ。
バトラー神父が一歩踏み込めば、ユルナは飛び上がり、空中から斜めに鱗を射出する。
ビュッ!!
その角度を読んだ神父は斧を水平に振るい、鱗を弾くと同時に反撃の斬撃を繰り出す。
カァァァン!!
一撃がユルナの肩にかすめるが、飛鱗竜は怯まない。羽ばたき一つで距離を取り、空中から連続で飛鱗をばら撒く。
「まだまだ足りねえよ、神父様ァ!!」
どちらも致命を許さず、あらゆる角度から技と技とが交錯する応酬の連続。
荒れ果てた大地がそのたびに削れ、風が巻き、遠くから見ればまるで神話の戦いのような光景が広がっていた。
「喰らえ……飛鱗連陣!!」
ドドドドドッ!!
あらゆる方向から解き放たれる、無数の飛鱗。
それは雨の如く、だが刃の如く。
それは雨の如く、だが刃の如く。
バトラー神父は斧を大盾のように構え、猛撃の中を突き進む。
ズガァァン!!
「収穫。」
オーガストクロップスが掲げられた刹那——
ユルナの全身にのしかかる重圧。 筋肉が、神経が、一斉に軋む。
「が、っ……貴様……ッ!」
返されたのは、単なる強化だけではない。
身体能力の強化、痛覚の鈍化、反応速度の上昇、攻撃の鋭利化——すべてが一気に剥ぎ取られ、まるで内側から肉体が剥がされるような違和感に襲われる。
一瞬で全身の温度が下がり、視界がわずかに鈍る。
飛鱗の軌道制御も一拍遅れ、神経伝達が遅延していることを本能で理解した。
「ッ……クソッ、バフだけじゃねぇ、戦闘状態そのものを切り取ってきやがったか……!」
それでも、ユルナは咆哮する。まるでこの状況に真っ向から反抗するかのように。
「あぁいいだろう!そっちがその気ならこっちもやってやる!!」
蒼白の閃光がユルナの全身を駆け巡る。 鱗が一斉に逆立ち、鋭利さをさらに増して煌めき始める。
「環位昇華——ッ!!」
彼の咆哮とともに、大地が震える。
返された恩恵、それすらも喰らい尽くすかのように、竜としての本能が覚醒する。
返された恩恵、それすらも喰らい尽くすかのように、竜としての本能が覚醒する。
「俺の力は“借り物”じゃねえ!返されようが、引きちぎってでも喰らい尽くすッ!!」
ギィィンッ!!
飛鱗がさらに鋭く、さらに速く。
放たれたその一閃が、空を裂く音を立ててバトラー神父を襲う。
放たれたその一閃が、空を裂く音を立ててバトラー神父を襲う。
「信仰心の欠片も感じぬな。」
バトラー神父はその猛威を真正面から受け止める。
ザシュウウウ!!
大斧が軋み、ユルナの飛鱗が彼の体をかすめ、血飛沫が風に舞った。
それでも男は崩れない。
「神は沈黙すれど、我が信念は折れぬ!!」
ユルナは翼を広げ、上空から新たな飛鱗の雨を放つ。
バリバリバリバリッ!!
鋭利な鱗が地面をえぐり、削り取りながら神父の足場を崩していく。空から降り注ぐその閃光の嵐は、まるで怒れる雷神の鉄槌。
だが神父はなおも膝をついたまま、天を仰ぎ祈るように斧を高く掲げる。 その姿は殉教者ではなく、断罪者のようであった。
「これは……最期の収穫だ。」
ドォォンッ!!
眩い巨大な光輪が背後に現れ、空に裂け目を刻む。
中央からは神罰を思わせる天光の柱が降り注ぎ、オーガストクロップスを神の権能で満たしていく。
「すべての苦痛よ、我に集え。」
その呪詠とともに、斧が唸りを上げる。周囲の空間すらひび割れ、光と闇の重力が交差する。
ユルナの眼が灼けるように輝く。
彼はその一撃に、真正面から、ためらいなく突撃した。
彼はその一撃に、真正面から、ためらいなく突撃した。
「それでこそ、戦う価値がある!!」
ガガガガガガッ!!
斧撃と飛鱗が空中で激突した。凄まじい衝撃波が爆ぜ、空気が裂け、天地を震わせる中、両者は一歩も譲らない。
しかし——
カチッ。
飛鱗の発射音が止む。鱗の連続発射によってリロードが必要となってしまい、隙が生まれたのだ。
その一瞬を逃さず、バトラー神父が地を蹴った。
「神の裁きを受けよ!」
ドゴォォォォォンッ!!
神光を纏った大斧が蒼白の軌跡を描き、神速のごとき速さでユルナの胸元へと打ち込まれる。
衝突と同時に空気が炸裂し、竜の鱗が弾け飛んだ。
ユルナが咳き込み、鱗が砕ける音が乾いた風に紛れて響く。肺の奥から吐き出された血混じりの息が、赤土の大地に黒く染みを作った。
それでも彼は口角を吊り上げ、笑った。
「お前の攻撃……確かに重い。だが、俺の鱗は……まだ砕けてねぇッ!!」
バチィィンッ!!
閃光のような再生音。ユルナの全身に新たな鱗が湧き上がり、鋭く尖った飛鱗が浮かぶ。
その一枚一枚が光を反射し、まるで天空に煌めく無数の刃星のように浮かび上がる。
「終わりだァァ!!」
蒼白の光が彼の全身を包み、飛鱗は一斉に周囲へ閃光を放ちながら発射された。
ビィィィィィィィィィン!!!
五千枚の飛鱗が一つの意思のもとに空を裂き、神父を飲み込まんと迫る。
空気が悲鳴のような音を上げ、地面が震え、大気そのものが引き裂かれていく。
「……許されよ。」
バトラー神父の声は、風の中で沈んだ鐘のように響いた。
膝を突き、地面に片手をついて斧を支える。
膝を突き、地面に片手をついて斧を支える。
しかしその手には、もう力が残っていなかった。
収穫の反動、放出しすぎた信仰の炎が彼の全身を焼き尽くしていた。
収穫の反動、放出しすぎた信仰の炎が彼の全身を焼き尽くしていた。
最後の飛鱗が、迷いなく神斧を貫いた。
ガキィィィィィィン!!
衝撃とともに、神器は悲鳴を上げて二つに裂ける。
裂けた斧の破片が地に散り、同時に、神父の背へと飛鱗が突き刺さる。
その一撃は翼のように展開し、まるで断罪の天使が堕ちる瞬間のようだった。
巨躯がゆっくりと、しかし確実に崩れ落ちる。 信仰を燃やし尽くした男の影が赤土に沈んだ。
「勝者――ユルナ=エスフェル。」