あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
《竜胆 神威 VS **猫又幻**》
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aioricharabattle
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《竜胆 神威 VS **猫又幻**》
荒涼たる平原。草一本生えぬ大地に、風が唸りを上げて走る。 その中心で、二つの影が相対した。
「……また、面倒なことに巻き込まれたか。」
竜胆 神威がぼやく。その声には呆れと、どこか懐かしむような響きが混じっていた。
六つの尻尾が風を裂き、後方で警戒の波動を震わせる。白と黒の双瞳が目の前の剣士を見据えていた。
六つの尻尾が風を裂き、後方で警戒の波動を震わせる。白と黒の双瞳が目の前の剣士を見据えていた。
対するは、猫又 幻。
銀灰の髪が風に遊ばれ、蒼月双牙が彼の両腕に収まる。冷たく、それでいて燃えるような意志の光を宿す瞳が、静かに神威を捉えていた。
銀灰の髪が風に遊ばれ、蒼月双牙が彼の両腕に収まる。冷たく、それでいて燃えるような意志の光を宿す瞳が、静かに神威を捉えていた。
「なら、手早く終わらせましょう。あなたほどの相手なら。」
その声はまるで月光のように澄み、だが確かな熱を帯びていた。
ゴォッ――!
風が暴れ狂い、平原を刃のように切り裂いていく。その激流の中心で、神威の背から黄金の閃光がほとばしった。
鎧のような光が彼の身体を覆い、白と黄の二重光輪が背後に出現する。まるで太陽と雷霆を併せ持ったかのようなその姿に、大気すら神の降臨を恐れたかのように震えた。
「出し惜しみは無しだ!!」
咆哮が空を突き抜ける。
その声と同時に、天の力が解放される。無から創られし光が、神威の四肢に流れ込み、筋肉を奔流のように膨らませる。
黄金の鎧はただの装飾ではない。それは無限の魔力を受け止め、循環させ、昇華する神の加護そのもの。
神威が一歩を踏み出す。
その足が地を砕き、半径数十メートルの大地が盛り上がって爆ぜた。
目には見えぬ衝撃波が走り、空間に肉眼で確認できるほどの亀裂が生まれる。
風が逆巻き、空気が悲鳴を上げる。
次元が捻れ、時がわずかに遅れる。
その全てが、“ただ一歩踏み出した”だけの結果だった。
その全てが、“ただ一歩踏み出した”だけの結果だった。
同時、幻の瞳が妖しく輝く。
「……祟り目。」
その声は風よりも冷たく、影よりも深かった。次の瞬間、神威の視界に濁った黒い靄が染み出す。
視線が交わった刹那、空気がひときわ冷え、彼の頭蓋に鈍く重たい衝撃が走る。
まるで数千本の見えぬ針が脳の隅を掠め、鋭く、じわじわと精神を削り取っていくような感覚。
耳元では誰かの囁き声が響いている。
否、それは幻の呪詛の残響。怨念のようにまとわりつき、神威の意思を試すように、執拗に絡みつく。
意識の端がかすかに震える。
だが――神威の表情は、変わらなかった。
「その程度の精神干渉、何千年目だと思ってる……ッ!」
その言葉とともに、地が揺れる。
ズガァンッ!!
神威の拳が稲妻のように放たれる。
空間を裂く轟音とともに、拳が突き出される。空気が爆ぜ、地面がその余波でひび割れる。拳圧だけで周囲の木々がなぎ倒されるほどの威力――まさしく神撃。
だが、その拳が捉えたのは幻の姿ではなかった。
風のように消え、影のように現れるその幻は、瞬時に姿を幾つにも分裂させる。
五体、いや十体。
否、それ以上。
彼の姿が無数に分裂し、空間を埋め尽くす。仮面をつけた同一人物が、異なる角度、異なる間合い、異なる気配で神威を包囲する。
「幻影の孤影――」
その言葉と共に、世界が静寂に包まれる。
刹那、空間そのものが切り裂かれるように、斬、斬、斬……!
風が音を立てぬまま、皮膚を裂こうとする。不可視の斬撃が、時計の針よりも速く神威を襲う。
どこから、何が、何度目の斬撃か。目視では到底追えず、感覚すら欺かれる。
斬風が頬を掠め、衣の端を切り裂き、重力すら乱されるような錯覚に陥る。時間の流れが歪む感覚すら錯覚でしかないのか。
斬風が頬を掠め、衣の端を切り裂き、重力すら乱されるような錯覚に陥る。時間の流れが歪む感覚すら錯覚でしかないのか。
空間が千切れ、天地が反転する。
だが、神威の左目が光る。
審美眼。万象の理を見透かす、断罪の瞳。曖昧な現実を剥ぎ取り、幻想と真実を見極めるその瞳が、濁りなき視界で一点を射抜いた。
偽りの幻影たちが崩れ落ち、たった一つの“本体”だけが、風の裏に取り残されていた。
「本体は――そこだッ!」
バシュウッ!!
鱗の尻尾が一本、正確に幻の側頭部を打ち据える。
硬質な音と共に、その一撃は雷鳴のように鳴り響いた。
打撃と共に幻の身体が空に跳ねる。その身体は数回転しながら宙を舞うが、次の瞬間、霧のように解け、形を失っていく。
空中で消えたその残響が空気を歪ませ、神威の背後に冷気の気配が広がる。
背後から、紅ではなく蒼の焰。
灼熱ではなく、凍てつくような霊性を孕んだ、蒼炎の柱が噴き上がる。
「蒼炎の舞……逃さない。」
その言葉と共に、空を切り裂いて現れるのは三日月型の斬撃。
蒼く、鋭く、揺らめきながら軌跡を描く光の刃。
それは一つでは終わらない。幾十、幾百という斬撃が、連なる波のように押し寄せ、世界を塗り潰す。
それは一つでは終わらない。幾十、幾百という斬撃が、連なる波のように押し寄せ、世界を塗り潰す。
空が裂ける。風が逃げる。大気がその密度を保てず歪むほどの連撃。
「層:風障壁×風流変位×断絶風塊──三重。」
神威の周囲に、三重の風層が音を立てて展開される。
第一の障壁は炎を撥ね、第二は軌道を捻じ曲げ、第三が衝突と同時に斬撃を反転させる。
それは風の盾にして刃、世界を裂く術に対抗するために練り上げられた式。
弾けた蒼炎が空へと散り、火の粉が光雨のように降る中、
霧の中からぬるりと現れる影。
霧の中からぬるりと現れる影。
幻が再び姿を現す。
その気配は霊体のように薄く、それでいて濃厚な圧を帯びている。
その気配は霊体のように薄く、それでいて濃厚な圧を帯びている。
「幻視共鳴。」
その言葉と同時に、神威の視界が、微かに揺れる。
先ほど破った幻影──その残響が、記憶の底から泡のように浮かび上がる。
視界の端が滲み、色彩が歪み、形の境界線が曖昧になっていく。
脳に直接打ち込まれるような感覚。
頭蓋の裏側に針を刺されたような感覚が走り、思考が一瞬だけ霞んだ。それはただの幻ではない。 記憶と感覚を混濁させる、精神への干渉。
神威の眉が一瞬だけぴくりと動く。
だが、意識は落ちない。否、落としてなるものかという鋼の精神が、胸の奥で静かに燃えていた。
だが、意識は落ちない。否、落としてなるものかという鋼の精神が、胸の奥で静かに燃えていた。
瞬間、神威の右目が赤く染まった。その眼はただの色彩の変化ではない。
神威に刻まれた異能――〈凶兆眼(きょうちょうがん)〉。
この目が赤く染まったとき、彼の内に眠る“制圧因子”が解放される。
それは対象に向けて、一瞬だけ物理法則の優先順位を上書きするという破格の能力。
質量、速度、慣性、重力――それらすべてが神威の意志の下に編成される。
この瞬間、彼が発した一言は単なる威圧でも脅しでもない。
「吹っ飛べ。」
その命令は、理そのものに刻まれる。
ゴォォォォン!!
天地を貫く轟音と共に、衝撃が炸裂した。
神威と幻、双方が遥か彼方へ吹き飛ぶ。その瞬間、空が音を立てて引き裂かれた。
神威と幻、双方が遥か彼方へ吹き飛ぶ。その瞬間、空が音を立てて引き裂かれた。
雲が千切れ、蒼穹に亀裂が走る。地平線が歪み、大地がめくれ上がる。衝撃波が地を滑り、森林をなぎ払い、数里先まで砂塵の竜巻が立ち上がる。
その中心にいた神威の周囲には、未だに風圧の残響が残り、空間が歪み続けていた。
この一撃はただの衝撃ではない。
「命令」そのものを、物理に直接叩きつけたのだ。その瞬間、天地の理が一時的に神威の支配下に置かれ、あらゆる抗いが無意味となる。
風は逆巻き、大地は震え、空気中の粒子ですら神威の“意思”によって支配される。物理を超えた“概念の一撃”――それは文字通り、存在そのものを弾き飛ばす暴威だった。
だが。
それほどの一撃を受けながらも、先に体勢を立て直したのは幻だった。
その身体は土煙の彼方からすでに姿を現し、袴の裾を翻しながら、地を蹴って再び距離を詰める。
まるで最初から吹き飛ばされることすら計算の内だったかのように、姿勢に迷いはない。
砂塵を抜けて現れるその姿は、影法師のように揺らぎながらも、確固たる殺意を内包していた。
「九尾・幻影終幕斬。」
影が九つ、尾が揺らめき、そのすべてが剣士と融合する。
それは単なる幻影や写し身ではない。
それぞれが独立した存在でありながら、同時に一人の剣士として統合されているという矛盾。
それぞれが独立した存在でありながら、同時に一人の剣士として統合されているという矛盾。
九つの意志が一つの刃となり、あらゆる可能性がこの瞬間に収束していく。
その異常な融合の果てに現れるのは、「世界の否定」だった。
目の前の現実が、音もなく溶け始める。色彩が剥げ落ち、風景が塗り替えられ、神威の視界がじわじわと軋むように、曖昧になる。
「世界が……崩れて……?。」
言葉にして初めて、彼は自らの認識すら揺らいでいることに気づいた。
重力の感覚が反転し、上下の境が曖昧になり、空間の縫い目がまるで綻びた布のようにほどけていく。
風の音が消え、光がねじれ、五感すべてが鈍く、同時に鋭くなるという矛盾した感覚。
それでも神威は、微かに笑っていた。
「なら、こっちも“世界”で返すさ。」
彼の中で、何かが決壊する音がした。魔力が爆ぜ、空気を震わせ、彼の存在が“術”そのものへと変質していく。
「世界創生。」
その言葉と共に、空間そのものが裏返った。
天地が反転し、因果が逆流し、全ての事象が“再び始まり”へと向かって流れ出す。
まるで世界を一枚のキャンバスと見なしたように、神威の魔術は塗り替えを開始する。この異能は、破壊でも創造でもない。
それは、“定義”の書き換え。
相手の否定に対し、自らの肯定を以て応じる、極めて能動的な世界干渉能力だった。
幻の足元から重力が暴れ、空が逆巻き、剣を振るう感覚すら奪われる。
天空は漆黒に染まり、無数の光輪が幻を締め付けるように旋回する。
「くっ……!?。」
神威は天地龍皇へと変化した。
白銀の刀が風を切り裂き、黒鉄の剣が虚空の深淵を飲み込む。
双剣を構えたその姿は、まるで天と地を統べる王者の如し。その瞳には十字の光が煌煌と燃え上がっていた。
「層・十重──貫通、遮断、拒絶、絶対、斬壊、散霧、無影、瞬絶、必中、連鎖……!」
神威の周囲に浮かび上がる魔術式は、幾重にも重なった十層の層で構成されている。それぞれが異なる役割を持ち、相手のあらゆる防御や攻撃を粉砕し、無効化する複雑かつ緻密な魔力の結晶だ。
蒼月双牙の刃が、その圧倒的な魔力の壁にかろうじて触れるが、力の差は歴然としていた。
「行くぞ!!」
神威の全魔力が一点に集約され、十層の輝きはやがて一本の純白の光柱となって天空へと突き刺さる。
幻の瞳が大きく見開かれ、息を呑む。
「ああ……これは、負けの未来……。」
轟音と共に、空が裂けるように割れ、平原に巨大な穴が開いた。
地面は大地の深淵へと崩れ落ち、天と地の境界がゆがみ、まるで世界の軸が狂ったかのようだった。
轟く轟音の余韻が消え、静寂が訪れる。
そこに残ったのは、膝をつき剣を背にした幻と、揺るぎなく立つ神威の姿だけだった。
「終わったか……ふぅ。」
神威は肩をゆっくりと回し、夜空を見上げた。
「ま、そこそこ楽しかったぜ。」
「勝者――竜胆 神威。」