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風紀委員の決意 ◆fuYuujilTw
私は肉丼を食べ終えて、栄養剤を飲み終えたところでした。
「あらあら、こんな状況だというのに暢気にお食事ですの?」
「!? ひいっ!」
突然声をかけられた私は思わず肉丼をもどしそうになってしまいました。
声をかけてきたのは、私よりも背丈も年齢も低い女の子。
でも、なぜだか分かりませんが、私よりもずっと大人びて見えました。
「安心してくださいな。わたくしは別に危害を加えるつもりはありませんの」
「あ、あなたは一体……?」
「ジャッジメント?」
「……ああー、あなた、見たところ学園都市の人間ではありませんわね。失礼しましたわ。風紀委員と言えば分かるのではないでしょうか?」
「風紀委員……」
私の学校に風紀委員なんていたでしょうか? 風紀委員というと、服装のチェックをしたり、通学時間を厳守させたりといったイメージがありました。確かにこの人はそんなイメージにぴったりでした。
「ところで貴方のお名前をまだ伺っていませんでしたわね」
「小泉……花陽です」
「花陽さんですか。中学生ですの?」
「いえ……高校1年生です。東京の音ノ木坂学院に通っています」
「聞いたことがないですわね……」
「そこまで進学校ってわけでもないですし、知らなくても仕方ないですよね……」
「わたくしは常盤台中学に通っているのですけど、名前くらいは聞いたことはおありでは?」
「いえ、初耳です……」
「そうですか、自分でいうのもなんですが、学園都市外部でもかなり有名だと自負していたのですがね……」
「あの、白井さん、ごめんなさい、その、学園都市って何なんですか?」
白井さんは驚いた表情で私の顔を凝視してきました。
「……失礼ですが、貴方本当に日本人ですの? 少なくとも東京に住んでいらっしゃるのであれば、知らないはずはないはずですわ」
「そういわれても……」
「ごめんなさい、ちょっと言い過ぎましたわね。平たく言うと、学園都市というのは学生の超能力を開発するために作られた
都市ですの」
「超能力?」
「ええ、なんならご覧に入れてみせましょうか?」
白井さんは私の目の前から突然姿を消しました。
「……白井さん、どういうことなんですか……?」
「わたくしはここですの」
気がつくと、白井さんは後ろに立って、私の肩をポンと叩いてみせました。
「わたくしの能力は空間移動能力ですの。分かりましたわよね?」
「…………」
私は今まで現実世界に生きていたと思っていました。でも、一瞬この世界が夢なのではないかと疑ってしまいました。今までテレビで超能力者と称する人を大勢見てきましたが、私でもうさんくささを感じていました。でも、こうやって目の前で披露されてしまうと、もう何も言うことも出来ません。
「……すごいなあ」
「いえ、わたくしなんかまだまだですわ」
私はなんか自分がつまらない人間のように思えてきました。……私には何も出来ません。少し悲しくなってきました。
「悲しそうな目をしてますわね。大方、自分に能力がないから自己嫌悪に陥っている、そんなところですの?」
「……そうです」
「仕事柄、そういう人はたくさん見てますのでね」
私は穂乃果ちゃんみたいに皆を引っ張っていく力もないし、海未ちゃんみたいに何事にも真剣でないし、ことりちゃんみたいに衣装も作れないし、にこちゃんみたいにアイドルについてものすごく詳しくないし、希ちゃんみたいに皆を見守ることもできないし、絵里ちゃんみたいにダンスもうまくないし、凛ちゃんみたいに活動的でもないし、真姫ちゃんみたいにピアノも弾けません。
「気にすることはありませんわ。大体貴方は開発も受けていない身ですもの。能力が使えないのは当たり前のことですわ。わたくしの友人にも、能力が使えない人がいますけど、その人はとても素敵な人ですの。それに、学園都市の中にも能力は使えないけど、生徒を教育するという面で活躍なさっていらっしゃる方は大勢いますの。困るのは、やけになって人様に迷惑をかけることですわ。貴方にも何か必ず取り柄があるはずですの」
「取り柄……」
私に本当に取り柄なんてあるのでしょうか。でもこの人が私のことを少しでも勇気づけてくれようとしているのは分かりました。こんな恐ろしい場で弱気になっているわけにもいきません。少しでも前を向いていけばきっと何とかなる、そう思いました。
「白井さん、私の知り合いは音ノ木坂学院に行くと思うんです」
「分かりましたわ。同行いたしますの」
「いいんですか? 白井さんだって知り合いがいるんじゃ……」
「闇雲に探したところで見つかるはずがありませんの。殺し合いに乗っている人間にでもあったら元も子もありませんわ。ひとまずは他よりも安全であろう場所に行くのが賢明ですの。今この瞬間だって襲われるかもしれないのですから」
「ありがとうございます!」
白井さんと出会えて良かった。私はそう思いました。
「困りましたわね……」
わたくしは花陽さんに聞こえないようにそう呟きました。
花陽さんはどう見てもこんな狂った場にいるべき方ではありません。
ジャッジメントとして、彼女を見逃しておくわけにはいきません。
とはいうものの、支給品はお酒。あまり贅沢を言ってはいけませんが、外れといったところでしょうか。
正直なところ、彼女を守れるかは不安があります。それと心配なのはお姉様です。
お姉様は優しすぎます。親しい人間が目の前であのように残虐に殺された事実に耐えられるのでしょうか?
最悪のシミュレーションを頭に思い浮かべます。
……そうなったら、わたくしの手で絶対に止めてみせますわ。
【B-7 346プロ /1日目/深夜】
【
小泉花陽@ラブライブ!】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:デイパック、基本支給品、スタミナドリンク×9@アイドルマスター シンデレラガールズ 、スペシャル肉丼の丼@PERSONA4 the Animation
[思考・行動]
基本方針:μ'sのメンバーを探す。
1:白井さんと同行する。
2:音ノ木坂学院に向かう。
[備考]
※参戦時期はアニメ第一期終了後
【白井黒子@とある科学の超電磁砲】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:デイパック、基本支給品、スピリタス@ PSYCHO PASS-サイコパス-
[思考・行動]
基本方針:お姉様や初春などの友人を探す。
1:花陽さんを守ってあげる。
2:音ノ木坂学院に向かう。
[備考]
※参戦時期は不明。
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最終更新:2015年07月13日 16:52