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仁義無きネーミングウォーズ! ダイヤモンドローズVSナイトレイド ◆fCxh.mI40k


 ダイヤモンドローズ
 意味は金剛石の薔薇
 金剛石の硬さと薔薇の気品を併せ持つ。
 命名者はサリア


 ナイトレイド
 意味は夜襲。
 その名のとおり夜に生き悪を闇夜に暗殺するという、名が体を現す実例。
 その団体に所属するはアカメ



★★★★★



『どうやら精神は安定しているようだな』
「ああ、そうみたいだ」

 泉新一の目の前では先ほどまで止まる事の無い涙を流していた雪乃の姿があった。
 今のところは精神は落ち着きをみせているが、以前として顔は伏せている。
 今はそっとしておくべきという判断で新一は会えて放置している。
 むしろサリアの方が新一は扱いに困っていた。

「大丈夫よ。エンブリヲ様ならあの男もきっと生き返らせてくれるわ。だから悲しむ必要なんて無いわ」

 ということを話していた。
 しかしこのような妄言を新一は信用していない。

『あの女は正気ではない。この状況下ではあの女とは距離を取る事を勧める』
「ああ、それは分かっている。だけど……放っておいたら彼女は確実に死ぬ」
『それはやむ終えないことだろう。君は自分の身を第一に考えるべきだ』

 新一とミギーは今後の方針について話し合っているが、結論は出ない。
 あの宗教に溺れているであろう女性の同行を許す事はリスクの方がデカイ。
 もしサリアの存在が無ければ雪乃の知人であり恐らく非常に親しい仲であったであろう比企谷も死ぬことは無かった。
 しかし見捨てれば、それは間接的に彼女を殺す事を同義である。
 感情の面でサリアを救いたいと思うが、理知的に考えれば見捨てるのが正解だ。

「どうすれば良い……」

 新一は考えが纏まらずに苦悩する。
 そしてそこに、見知らぬ第三者が現れた。

「誰だっ!」

 新一は見知らぬ第三者に思わず警戒姿勢を見せる。
 だがそこに現れたのは、落ち着いた表情と赤い目をした一人の美少女だった。

「落ち着け、そっちが戦わないのなら私は戦う気はない」
「……ああそうか。それならこっちも戦う気は無いが……」
『シンイチ、安心しろ。あの女から殺意は感じられない』

 ミギーもシンイチにだけ聞こえる声のトーンで安全を伝える。
 だがそこにやはりというか、サリアが割ってはいる。

「貴方、殺し合いに乗る気は無いのね」
「そうだ。だけど乗った相手には容赦はしないぞ」
「それでいいわ。それならあなた……『ダイヤモンドローズ騎士団』に入りなさい!」
「なっ!」
「おいおい」

 新一とアカメは同時に声を挙げた。
 そしてアカメは同時にこう続ける。

「……ダイナマイトロース……肉か!?」

 アカメの中の肉好きのスイッチが入ってしまった。
 しかしその返答はサリアは切れる。

「ダイヤモンドローズよ。何よダイナマイトロースって! 馬鹿にしないで」
「ダイヤモンドローズ……ダサい気がするぞ」
「ダサい? 何よ皆して私のセンスをダサいダサいって! じゃああんたは何がカッコいいって言うのよ!」

 サリアのフリ、そしてそれにアカメは思わずこう答えた。

「ナイトレイド」

 クールでありながら、微妙に自信が混じった表情だ。
 自信が所属する組織名にアカメは誇りを持っていた。
 しかし、それに新一は戦慄を覚えた。

「なんだ。嫌な予感が……」
『シンイチ、この女も同じだ』

 感情が無いミギーでさえ、この状況はヤバイというのは感じ取れた。

「無いトレンド! 何よそれ! トレンドじゃないって自分で否定してるじゃない。 
 ダイヤモンドローズ騎士団の方がずっとカッコいいじゃない!」
「ナイトレイドだ! ダイヤなんとかの方が長い!」
「長さはいいじゃない! それにナイトレイドって何か地味よ地味!」
「地味じゃない。ダイヤモンドローズ騎士団って恥ずかしいぞ」
「なっ、恥ずかしくなんか無いわよ。それに必殺技だってあるのよ。シャイニングローズトライアングルとか色々と……」
「しゃ……長すぎて覚えられない」
「覚えなさい!」

 サリアとアカメの激戦は続いた。
 互いのプライドと尊厳を掛けた意地と矜持のぶつかり合い。
 だが勝負は意外なところで水入りとなる。

「いい加減にしてっ! 下らないことで比企谷君の死を茶化さないで!」

 雪乃の言葉だ。
 涙交じりの言葉。
 それには二人も言葉が止まる。

 アカメは何となく雪乃の気持ちが分かる。
 最愛の人が亡くなったのなら、そばで下らない口論をしてはいけないだろうと感情で分かる。
 しかし、サリアは違う。

「大丈夫よ。エンブリヲ様なら生き返らせ……」
「黙った方が良い」

 サリアの発言をアカメは強引に手でふさいだ。
 モガモガとサリアの声無き声が聞こえるが、アカメは無視した。

 そして暫らくの沈黙が流れ、落ち着いた頃、雪乃が立ち上がった。

「ごめんなさい。もう大丈夫。それにいつまでもじっとしていられないわよね。行きましょう」
「ああ。雪ノ下が大丈夫ならもう行こう。それで何処に行く?」
「そうね……ここからならイェーガーズ本部というところが近いのかしら? 名前からして、
 大根騎士団と関係がありそうだから、エンブリヲって人に会えるかも……」
「駄目だっ!」

 そこでアカメは叫んだ。
 今までと違う、本気の叫びだった。

「そこは危険だ。ダイナマイトロース騎士団とは関係が無い。行ったら駄目だ」
「そう。じゃあ……少し遠いけど図書館にしましょう。何か情報が集められるかもしれないわ」
「分かった」

 アカメも頷く。
 そして全員で出発するという、時だった。
 新一が大事な一言を発した。

「アカメ。サリアが……」
「えっ!」

 アカメは気付いた。
 サリアの口を押さえっぱなしだったことに。
 しかも鼻も一緒に塞いでいたのだろう。
 酸欠で気絶していたのだ。

「しまった。どうしたら……」
「俺が担ぐよ」

 新一は仕方ないといった様子でサリアを担ぐ。
 そして一向が歩きだす、そこで再度、次は雪乃がアカメに呟いた。

「アカメさん。ナイトレイドだけど……大根騎士団よりはマシよ」

 アカメの表情が笑顔になった。

【F-4/一日目/深夜】

【アカメ@アカメが斬る!】
[状態]:健康
[装備]:美樹さやかの剣@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品一式
[思考]
基本:悪を斬る。
1:図書館に向かう
2:泉新一、雪ノ下雪乃、サリアと一緒に行動する
3:タツミとの合流を目指す。
4:悪を斬り弱者を助け仲間を集める。
5:村雨を取り戻したい。
[備考]
※参戦時期は不明。
御坂美琴を雷を扱う帝具使いと思っています。

【美樹さやかの剣@魔法少女まどか☆マギカ】
 その名のとおり魔法少女状態のさやかが使う剣。
 極僅かではあるが魔力が込められている。


【泉新一@寄生獣 セイの確率】
[状態]:疲労(小) ミギーにダメージ(中) サリアを担いでいる。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム品1~3
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:図書館に向かう
2:後藤、田村、浦上、血を飛ばす男(魏志軍)を警戒。
3:イェーガーズ本部には向かわない

【雪ノ下雪乃@やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】
[状態]:健康、八幡が死んだショック(若干落ち着いている)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、MAXコーヒー@やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
    美少女聖騎士プリティ・サリアンセット@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞、ランダム品0~1
[思考]
基本方針:殺し合いからの脱出。
1:図書館に向かう
2:知り合いと合流
3:サリアよりはアカメの方が信用できる?(ネーミングセンスなど含め)


【サリア@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】
[状態]:右肩負傷、左足負傷(応急処置済み) 気絶
[装備]:シルヴィアが使ってた銃@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞
[道具]:基本支給品、ランダム品0~2
[思考・行動]
基本方針:エンブリヲ様と共に殺し合いを打破する。
1:エンブリヲ様を守る。
2:1の為のチームを作る(ダイヤモンドローズ騎士団)。
3:エンブリヲ様と至急合流。
4:アカメにナイトレイドよりダイヤモンドローズ騎士団の方がネーミングセンスが良いと納得させる。
5:アンジュ達と会った場合は……。
※参戦時期は第17話「黒の破壊天使」から第24話「明日なき戦い」Aパート以前の何処かです。



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020:悲しみを斬る アカメ 049:輝【くのう】
021:こうして彼らのまちがった殺し合いが始まる。 サリア
雪ノ下雪乃
泉新一
最終更新:2015年05月27日 22:50