命短し恋せよ乙女(後編) ◆LJ21nQDqcs



「どうした!第六天魔王が名乗ったのだぞ?平伏するばかりでなく、返事をしてみせぃ!」
戦場にてただ一人佇む織田信長であったが辺りに動くものはない。
「詰まらぬ。全て死に絶えたか」
そうポツリと漏らすと、鉄の騎馬にのって逃げおおせた者共を追うべく踵を返す。

トレース、オン

干将・莫耶が信長の背に向かい猛烈な速度で迫る。
しかし命中の直前。
双刀はまるで独自の意志を持つかのようにはためくマントによって、粉砕された。

次いで新たに呼び出した干将・莫耶を携え、突進するアーチャーの熾烈なる一撃を、
信長は嘲笑をもって長大なる刀、物干し竿で弾き返す。
「奇襲とは卑怯よなぁ、弱者よ!」
「卑怯?あいにく誇りなんぞと言うものはとっくに捨てていてね!」

超長剣・物干し竿にとってクロスレンジ、つまり通常の白兵距離は死角と言ってよい。
干将莫耶のような短剣の間合いならば、なお致命的だ。
アーチャーはそれを狙い、懐に入り必殺の間合いで一撃を放つ。
また一撃、
さらに一撃、
そして一撃。
踊るように繰り広げられる、双剣の間断ない芸術的とも言える攻撃は、
しかして最早剣術を超えた領域にある信長の悪魔的技術によって、全てが短剣ごと粉砕される。

いや、そればかりではない。

払い切った全てがアーチャーに対する攻撃として転化し、襲いかかった。
しかし弓兵は軽業師のように身をそらし、飛び退り、前転し、飛びかかる。
手に持つ短剣を粉砕されては複製し、一撃を放っては粉砕されて身を躱す。

クロスレンジにおいて全く不利を感じさせず、ハンデだとでも言わんばかりに対応する信長と、
それでも懐に入り続け粉砕されようとも無限に複製し、突撃し、切り返しに反応して回避し続けるアーチャー。
傍目には互角に見えるが、その実、信長には未だ瘴気による一撃とマントによる一撃がある。
対するアーチャーはまさにジリ貧であり、攻撃の手段と防御の手段を徐々に削り取られて行く一方。

「一人で余に匹敵しようなどとは片腹痛い!せめて、うぬを五人連れて参れ!」
「誰が一人と言った!」

その瞬間、黒き閃光が信長に襲いかかる!

信長の右側より果敢に攻め続けるアーチャーの丁度逆側、
左後方より岩剣が音速を超えて放たれ、土煙が辺り一帯を覆う。
音が追いつき轟音が辺りを包むと、衝撃波が土煙を吹き飛ばした。

無論、あの程度の爆発では滅ぶに能わず。
黄色い雨合羽も健在な、左腕全てを獣毛に覆われし不屈の愛戦士。
レイニーデビル完全体、神原駿河

参戦。


実の所アーチャーにとってレイニーデビル=神原駿河は敵でしか無い。
逆もまた真なりで、神原は明確にアーチャーをも攻撃の対象としていた。
自らの腹に深々と短剣を突き刺した男を許せるほど、神原駿河は寛容ではない。
だがアーチャーの体術がそれをさせなかった。
彼の驚異的な戦場把握能力は神原が未だ健在で、近いタイミングで襲いかかってくることを察していた。
故にジリジリと、自分と神原の狭間に信長を誘導した。
第六天魔王は何故そのような移動をするのかと言う理由は分からずとも、当然意図は理解していた。
にも関わらずアーチャーの策を許してしまったのは、彼の体術がやはり超越していたからに他ならないだろう。

結果。

神原駿河の初撃は信長に見舞われた。
信長がかの者を敵と認定するには、十分過ぎるほどの強烈な一撃。
かくてアーチャーは1対2という絶望的な状況から、どうやら2対1、もしくは1対1対1の三すくみと言う
かなりマシな状況に好転させることに成功した。
一瞬とはいえ、アーチャーが信長を凌駕した瞬間である。


一方神原駿河は手綱を離された狂犬のように、見境なく両者に襲いかかっていた。
攻撃対象は二人。
自らの腹に短剣を突き刺した黒衣の男。
今しがた戦場ヶ原を殺さんとした漆黒の鎧の男。
手綱を離せばそのように見境なく暴れるであろうことは戦場ヶ原には分かっていた。

だが爆風から身を呈して自分を守った神原の姿を見て、
偶然か故意かは分からぬが、自分の唇に唇を合わせた後輩の姿を見て、
唇を離し、ポロポロと涙を流す可愛い後輩の姿を見て。

戦場ヶ原ひたぎは察してしまった。

『神原駿河』と言う存在は、抜け殻ではなく未だそこにあると言う事に。
その僅かに残った命の炎を、自分の為に激しく燃やさんとしていることに。
自分の過保護が神原駿河を、彼女が燃やさんとしている炎を、くすぶらせていると言う事に。

だから一瞬とはいえ手綱を離してしまった。
「いきなさい」
行きなさいなのか、生きなさいなのか、逝きなさいなのか。
言った戦場ヶ原にも分からなかった。
ただ次の瞬間、神原は戦場に赴く。
愛を守らんとする為に。


戦場ヶ原ひたぎは微かに湿る唇を抑えて、身を起こした。
視線の先には、戦場ヶ原の想像と動体視力を遥かに超えるレベルで行われる、死闘。
踊るように踏み込むアーチャー、それを全て弾き返す信長。
頓着せずに巨大な岩剣を振り下ろす神原、それをマントで受け流す信長。
マイペースに攻撃を続ける神原に合わせるようにして、間隙を付いていくアーチャーであったが、
それでも信長の牙城は遥か高くそびえ、君臨している。
第六天魔王の頂きは未だ、遠い。

「万死に値するわ、神原。あとで確実に殺してあげるから、
 だからそんな黒尽くめの変態男など、倒してしまいなさい」
見ればやや離れた位置に上条当麻と、そしてC.Cがいる。
上条当麻は未だに気絶しているのか倒れたまま。
目立った傷も無いことから、とりあえずは無事であろう。
一方のC.Cは、と言えばあちこちが血でまた汚れているようだが、
死んではいないようで、ピンピンしている。
その証拠に彼女は激戦をよそに、戦場ヶ原にたったったっとスキップしながら近づいてきた。

「逃げないのか?」
不思議そうにC.Cは尋ねる。
悠然として戦場ヶ原は応える。
「あの戦いで黒尽くめの変態男を倒せなければ、どちらにせよ私たちは生きてはいないでしょうね。
 逃げ切る算段も無いし、どう行動しても無駄。ならここで観戦している方が良くないかしら?」
「そうは言っても考えているのだろう?手段を」
全てを見透かしたように語る碧髪の少女。

侮辱されたかのように思ったのか、戦場ヶ原はやや眉をひそめて応える。
「考えてないとでも思ったのかしら。
 それは遥かに侮辱ね。人間は考えることによって他者と区別されるの。
 考えていないとしたらそれは人間ではなく、ただそこに存在しているだけの置物ね」
「生憎と私にはここから逃げうる手段など考えもつかない。
 いや、私一人であるならばいくらでも手段は思いつくが、
 全員含めての逃亡手段となると、コレは最早魔法や超能力の類だな」
両者の舌鋒は、今ここに至っても衰えることを知らない。

ならば戦場ヶ原には思いつくのか、とC.Cは挑戦的で不遜で不敵な瞳で彼女を見つめる。
「一つ思いついたけど、とてもじゃないけどバカバカしいわ。
 口にするのもはばかられるわね。第一、あの二人を一度こちらに呼びつける必要があるのだもの」
「なるほど、道理を引っ込める必要がありそうだな」
そう言い終わると、この究極に相性が悪い二人の女性は、気味が悪いことに一点を見つめる。

未だ昏倒し続ける上条当麻を。

そしてまた仲がいいことに、同じタイミングで溜息を思わず漏らすのだった。
「無理ね」
「無理だな」


「どうした、魔王!減らず口の数が減ってきたぞ?流石に余裕がなくなってきたか?!」
アーチャーは身を低くして物干し竿の一撃を躱し、膝を付くほどの低姿勢でそのまま短剣を押し込む。
それを信長は手首を捻って物干し竿を回転させ容易に受けきり、そのまま対手の首を狙う。
アーチャーは膝まづく形で上体を逸らし、その一撃を空振りさせる。
さらに身体のバネを用いて飛び上がり、なおも信長に肉薄する。
一方、神原も執拗に岩剣を打ち付ける。
地面を擦りながら火花とともに繰り出される遥かに重く、鋭い一撃は、
しかして闇を凝縮したかのような瘴気で強化されたマントによって包まれ、威力を殺される。
アーチャーも神原も、人智を超えた戦士であった。
しかしその二人をもってしても、信長の鎧にすら触れることが出来無い。

これは式、デュオ、五飛と比べて、彼と彼女が劣っていると言うわけではない。
信長の瘴気の充実と、本気の度合いが先程の戦いとは違うのだ。
神原もアーチャーも必殺の一撃をくり返し浴びせている。
第六天魔王と言えど、その一撃であろうと食らえば倒されるまでは行かないまでも、
かなり危ない状況に陥るだろうことは想像に難くない。
傲岸不遜な織田信長をして、それを否定出来ないほどに二人の攻撃は熾烈なのだ。
よって鎧で受けきる、と言う発想自体が無い。
全ての攻撃は、その身で受ける前に弾き返し、粉砕し、減衰させる必要が、この戦いではあった。
確かにアーチャーの言うとおり余裕は無かったのかも知れない。
だがそれも先の戦いに比べれば、のこと。未だ信長は全力を出さずにいた。

油断はないが、愚民ごときに自分の全力を引き出せるとは思えなかったし、
事実、彼女と彼は信長の全力を今のところ引き出せていなかった。
剣とマントと瘴気。
この三つを複合させた戦いを、この島において未だ信長は本格的には試していない。
この島での制限下で、どこまで出来るのか、どこまで辿りつけるのか。
剣とマント、剣と瘴気については既に実戦で試している。
(そろそろ全力で攻撃する慣らしに入るとするか)
そのタイミングを測るための沈黙であり、全力を出させた戦士たちに対する黙祷である。
「そろそろ飽いた。第六天魔王の全力。見せてくれよう」
アーチャーの剣戟を粉砕しながら、神原の怒涛を受け流しながら、

第六天魔王・織田信長は宣言する。

空間が黒く歪むのをアーチャーは感じる。
心眼スキルが、非常に速いレベルで身の危険を知らせる。
(最早逃げるのが最上の策、と言うことか!)
だが退くことは出来無い。そのきっかけが無い。タイミングが無い。
神原駿河の爆発力も最早限界に近い。
信長はアーチャーの攻撃も神原の攻撃も、粉砕せずに身を回転させて弾き返す。
次の瞬間、マントと瘴気と超長剣が一体となって、竜巻を形成する。

「是非も無し!」

アーチャーと神原はその渦の中心に、否も応もなく引きずり込まれる。
圧倒的な手数が、暴虐が、力が、瘴気が、二人を暴力的に叩き続ける。
波状攻撃とは、飽和攻撃とは、このことだ。
神原とアーチャーは信長の絶対的なキルゾーンに脚を踏み入れてしまった。
岩剣が削り取られ、剣製が消耗していく!
物干し竿が神原の首を狙い、マントがアーチャーの首を捉えたその刹那、

「ふざけるんじゃねええええええええええええええええええええええ!!」

立ち上がる一人の少年の姿。
歩く恋愛フラグ。レベル0。無能力者。虚言使い。幻想殺し。
全てに不屈を誓い、強要するもの。

上条当麻である。


上条当麻は許せずにいた。
自分の目の前で殺し合いが行われていることに。
それが自分がどうにか出来るレベルを、遥かに超越した戦いだと言うことを認めることに。
そしてなにも出来ずに立ちすくむのが最良であると言う、幻想に。

「ふざけんじゃねぇぞ、てめぇ!なに問答無用で殺し合いをしていやがる!」

信長は上条当麻の言動に呆れて、竜巻のごとき戦闘形態を解いていた。
チャンスとばかりに打ち込まれるアーチャーと神原の攻撃を、軽くいなす。

「愚民には理解出来ぬ!我は第六天魔王!それが全てぞ!」

顔は正面の上条を見続けながらも、左右から攻め立てる二人の攻撃はしっかりと跳ね返す。
傍目にもレベルの違いは歴然であった。
「なにをしている少年!貴様などがここに割って入ったところで、なんの足しにもならん!
 少女たちを連れて即刻逃げろ!」
信長の長剣をすんでで躱したアーチャーの怒号が響く。

「織田信長、とか言ったな!確かにお前は強いよ!
 俺なんかが割って入ったところであっという間に死ぬしか無いだろうよ!
 だけどよ!なんでそんなに強いのにこんなゲームに乗っていやがる!?
 なんでこんな所で殺し合いをしていやがる?!
 首輪を付けられて、あいつらの思惑に乗って、それで魔王を名乗っていやがるのかよ!」

「小童ぁ!」

憤怒の信長は瘴気を上条に飛ばす。
地を走る瘴気が飛び跳ねて襲いかかるが、しかし上条はそれを右手で消滅させる。
信長の眉がハッキリと驚愕と興味を示す。
「そうだ、織田信長!お前は全く俺なんかより遥かに凄いよ!偉人だよ!
 ならなんで、このゲームをぶち壊そうとしやがらねぇ?!
 なんでこんなくだらねぇことを踏みつぶして、前に進もうとしやがらねぇ?!
 お前があいつらをまず始末しようともせずに、殺し合いをしているのは何故だ?!」

「我と同じ舞台に立ち、あまつさえ魔王たる余と対等の立場で話す、
 うぬのような虫けらを叩き潰すためぞ!」
それを聞いて上条当麻は遂に歩き出す。駆け出す。走り出す。

「なら言ってやる!対等だの虫けらだの、こんな状況で言うならば!
 こんなゲームに参加させられて、こんな首輪を付けられて、まだそんな幻想を言うならば!」

右手を握り、怒号を吐き出し、そして跳躍する。
アーチャーと神原は信長に対して同時に一撃を打ち込み、剣とマントで受けざるを得なくする。
残る武器は瘴気のみ。
信長は瘴気を槍の形に固定させると、上空に次々と射出する。
しかし上条当麻は右手を前に突き出し、その全てを消し去る。
空中で右手を再度握り締め、振りかぶり、そして前に押し出す。
これこそが上条当麻の代名詞。上条当麻の持つ、唯一の能力。
幻想殺し、イマジンブレイカー!

「その幻想をぶち殺す!」


信長にとって許せぬことに、ただの凡夫に過ぎぬと勘定に入れていなかった少年の一撃は、
瘴気の壁を易々と突き破って、自らの身体に到達した。
流石の魔王にとってもこの能力は未知数であり、致命的な箇所への打撃は脅威であった。
よって対手の狙いを微妙にずらさんとする為に、身をよじる。
それがアダとなったのか、それが幸いであったのか。
上条当麻の幻想殺しは織田信長の首、その自由を拘束する首輪に直撃した。

キュイイイィィィィン

上条当麻の脳裏に、幻想殺しが作用したときに漂う、独特の音が響く。
(通った?!)
確かに、間違いなく、ハッキリと。
幻想殺しイマジンブレイカーは首輪に作用した。



「来なさい!神原!」
「引き上げるぞ、アーチャー!」
信長に幻想殺しの一撃が見舞われた瞬間、いやその直前。
すでに遥か後方へと走り去っていたC.Cと戦場ヶ原ひたぎが、同時に叫んだ。
言われるまでも無い、とアーチャーは未だ空中で拳を振り抜いている上条当麻を抱え、
跳躍をもって戦線を離脱する。
神原もまた、床を踏み抜く疾走をもって全力で後退した。

「させぬわァ!」
信長も幻想殺しの一撃を喰らいながらも瘴気を飛ばして、三人の前に檻を形成する
幻想殺しと言えど、物理的に言えば単なる高校生のパンチである。
その程度でひるむ第六天魔王ではない。
しかしその瘴気の檻すら、アーチャーの脇に抱えられた上条当麻によって霧散させられる。
瘴気を信頼しすぎたためか、信長の追跡は遥かに遅かった。
多少の差を付けられても女二人の足もある。
問題なく追いつけるだろうと言う慢心も、どこかにあったのかも知れない。


一方、戦場から離脱した五人は走りながらも、戦場ヶ原の悪だくみを聞いていた。
そこにアーチャーが物言いを入れる。防御陣は二重にすべきだと。
「それは受け入れられないわね。わたしの案は全員を生きて逃がす方法よ」
アーチャーの真意に気づいた戦場ヶ原が反論する。
「あぁ。だが"全員"を"生きて逃がす"ならこれが最上だ。違うか?」
アーチャーの偽悪的な微笑に、戦場ヶ原は傍らで手を繋ぐ神原の顔を見ずにはいられない。
自分を信じて疑わない忠犬のようなその目に、戦場ヶ原はポツリと呟く。
「熱き血潮の冷えぬ間に、明日の月日はないものを」
ある歌の一節。刹那の激情を能しとする青春歌。
華と散るらんとする神原に、これ以上の場はないのではないのか。
「分かったわ。でも私は諦めが悪いわよ」
戦場ヶ原は頷い"てしまっ"た。

五人の眼前は"絶望の城"が崩壊した為、地平線まで真っ更に見える。
南東の方角にひたすら走っていた戦場ヶ原ひたぎは、ついに目的地に到達する。
直線距離にすれば50メートルも無い。彼女ならば一足飛びである。
そして息付く暇もなく走りながら、ディバックを背中より外し小脇に抱えて、"ソレ"を引っ張り出す。
すなわち

【飯田線車両@咲-Saki-】

線路に車輪を当てはめ、一気に滑り落とすと、そこには二両編成の電車が現れた。
「どんな幻想だよ、コレ」
流石に呆然と立ちすくむ上条を、アーチャーはさっさと車両の中に押し込んだ。
神原を車両の上に、アーチャーを車両内に配置し、車掌室には残りニ人が押し込まれる。
飯田線車両は最大で85キロしか出せない、急勾配を意識した車両である。
よって最大速度を出せたとしても、信長を振り切ることは難しい。
要するにこの車両こそが決戦場なのだ。

やがて飯田線は走りだす。
車窓から見える景色は、徐々に速さを増していることを教える。
そして屋根の上にドスン!とした落下音が響き渡る。
「おいでなすったか。さて、神原がどれほど持ち堪えるかな」
アーチャーは車内で緊張に身をたぎらせた。


「なるほど、これが"れっしゃ"か。なかなかに頑丈で、そして力強きものよなぁ」
信長は感嘆とした表情で語る。
神原は応えない。
いや、応えること自体が最早出来無い。
洒脱なジョークと破廉恥な言葉の洪水も、最早彼女から聞くことは出来無い。
あげることが出来るのは、ただ獣のごとき咆哮のみ。
それを悲しいと思うことすら、彼女には出来無い。
その身は既にレイニーデビルのものなのだから。
そう、もはや下級悪魔との契約と、神原自身に唯一残った戦場ヶ原への愛だけが
彼女の生命を繋ぎとめていた。

「自らの言葉を持たぬか。その戦いぶり、傍若無人ぶり、本多忠勝を思い出すな。
 いや、その腕、猿か。"覇王"などと言ってはしゃぐ、あの小童をも思い出す」
信長の脳裏に浮かぶのは、愛に生きる可憐な少女とは似ても似つかない、いかつい戦国武将たち。
喋ることの出来ぬ神原に変わり、彼が饒舌になるのは、やや興奮しているためか。
「猿の分際で我の前に立ちふさがるとは笑止千万!立ちふさがるもの、全て滅ぼす!」
超長剣・物干し竿を構え、マントを翻す。
「是非も無し!」

物干し竿を横薙ぎに振るった信長は違和感を感じた。
先程の戦、この猿めはこちらの攻撃にあわせ、あの岩剣を振るいこちらの攻撃ごと潰してみせた。
だが今はそれはない。
いや、防御自体を捨てている!
神原の身体をやすやすと切り裂く超長剣。
だが神原はそれを意に介そうともせず、前に押し出て岩剣を振り回す。
それをマントで受け流しながら、信長は敵の真意に気がついた。
この猿はこちらが剣とマントの二刀流であることに対抗するために、
防御を捨てて攻撃一辺倒に打ち込むつもりなのか、と。
「詰まらぬ!死兵なぞは雑兵が相手すべき生兵法ぞ!」
信長の攻撃はどれも二の太刀要らず。一撃必殺である。
それをただ喰らって反撃をしようなどと、単なる自殺行為だ。
打ち合いなどではなく、一方的な虐殺でしか無い。

だが神原は勝算をもってこの戦い方を選んだ。
いや、既に勝算など計算できる状態ではない。
レイニーデビルの本能が、この戦法を選んだ。
列車の屋根へ赴く神原に向かって戦場ヶ原が語った言葉がある。

「神原、哀れな姿になってまでわたしに尽くしたいと言うのなら、
 ここであいつの足を、死ぬ気で止めなさい」

望むところだった。
もし神原に意識があったのならば、一も二もなく首を縦を振ったことであろう。
もはやこの身は先輩、戦場ヶ原ひたぎへの愛で出来ている。
だから信長の足止めをするのに、命など要らなかった。
信長を止めることが先輩への愛を表現することになるからだ。


運転室にて前方を見やる戦場ヶ原は、何故可愛い後輩を死地に送り出したのかと自問自答していた。
あのような言葉をかければ、神原駿河は本当に命をかけてしまうだろう。
ならばなぜ。
「いいのか?」
C.Cが問う。それ以上は言わない。
おそらくは、いや、まさしくその質問の意図は今戦場ヶ原の胸中にあるものと同じであろう。
「えぇ。全員が生き残る方法は僅かとは言え、コレしか無いのだもの」
アーチャーがこのプランを受けたのは、単純により多くのものが確実に生き残る案だったからだ。
"全員"が生き残るなどと言う絵空事を信じてはいない。
だが上条当麻は信じて疑わない。
よって列車の上で行われている戦闘が、傍目には一方的な虐殺になっていることなど想像もしていない。
ある程度まで踏ん張ったら、無理をすることなく車両内部に降りてくる。
そうするであろうと聞いていたし、アーチャーがここにいるのは二段構えの防御陣ゆえと聞いていた。

だから多少の間の抜けた問答を戦場ヶ原と繰り広げていた。
「それにしても、戦場ヶ原、さん。」
「なにかしら上条くん。運転している彼女の邪魔にならない程度でお願いするわ」
C.Cは器用にもレバーを操って電車を運転する。初めて見る操作系にも関わらず、その様子に躊躇はない。
「こんな便利なものを支給されていたのなら、わざわざ駅であんな長い間待つ必要は無かった、と
 上条さんは思うんですがねぇ?」
「愚問ね、上条くん。私が列車を運転出来ると思っているのかしら?
 それにどこで事故が起きたのか分からない状況で、列車を走らせるなどといった愚行を
 私がするとでも思っているのかしら?」
上条は押し黙るしか無かった。

そして車両は目的地にあと少しで到達する。
D-6駅。真田幸村が横死した、運命の場所へ。


何度打ち込まれただろうか。
神原の身体はもはやぼろぼろであった。
全身に切り傷を負い、欠損した部位も数多い。
だが、捨て身の攻撃は遥かに数は少ないものの、信長にクリーンヒットを与えていた。
レイニーデビル完全体、神原駿河の一撃は鋭く、そして重い。
常人ならば両断されているであろうその攻撃を、信長は三度にわたり受けていた。
気合で立ってはいるものの、疲れ知らずの信長が、休養を欲するほどにダメージを蓄積させた。

今また信長の一撃が振るわれ、神原が同時に信長へと岩剣を振るう。
神原が右肩口から斬られ、信長はマントによって減衰したものの完全ではなく、岩剣は腹部を強打する。
思わず膝をつきそうになったのは、信長の方であった。
常ならば狂気の言葉を奏でる口元に、今は一筋の血筋が滴っていた。
どうやら内臓へのダメージは深刻らしい。肺にダメージが至るのも時間の問題であろう。
信長にとって、許されざるべき事態である。
対手の表情はまぶかに被った着物によって見えぬが、おそらくは壮絶な笑みをでも浮かべているのだろう。
しかしここまで攻撃に耐える敵というのも本多忠勝以来である。
この華奢であろう身体の何処に、そのような耐久力が秘められているのか。

レイニーデビルは下級悪魔である。
尤も下級と言えど、決して劣っているわけではない。
知能を持たぬからこそ下級悪魔なのだ。
悪魔の本分は人を騙し、翻弄し、魂をすすることである。
故に悪魔の階級は主に知能の優劣によって決められているのであろう。
この下級悪魔レイニーデビルの耐久力、我慢強さは眼を見張るものがあった。
さらに神原自身の不屈の精神により、
レイニーデビルはなかなか彼我の実力差に絶望することが出来ずにいた。

神原駿河、およびレイニーデビルが観念した瞬間、かの悪魔は契約を放棄して宿主から抜け出る。
だが神原駿河は観念しない。
だから神原駿河は諦めない。
故にレイニーデビルは契約を放棄出来無い。
そして列車は最終地点に到着する。
作業用ハロ達が必死になって復旧活動を続けるD-6駅へ、速度を変えずに突っ走る。


「頃合だな。列車から離れるぞ」
アーチャーは運転室に赴き、C.Cと戦場ヶ原ひたぎを脇に抱える。
「ちょっとまてよ!?神原がまだ降りてきてないぞ!」
上条当麻が案の定反抗する。
プランの底に潜む真意を、彼だけが飲み込めずにいた。
「彼女は自らが捨石になることを選んだ。その意志を無にするな、上条当麻」
C.Cが上条に告げる。
無論それで引き下がる上条ではない。
「馬鹿野郎!そんなことがゆ」
アーチャーによる当て身が上条の身体をくの字に曲げた。
そのままアーチャーの腕の中で四肢をぶらんと下げる。

「ここまで予想通りの行動をするとはな」
アーチャーが皮肉に顔を歪ませる。
「仕方ないわ。それが上条くんなのだもの。
 でも、私達までその厳しさを共有することは、無いわ」
「説得する時間も、共有する時間も、今はない、と言うことか」
C.Cは珍しくも戦場ヶ原の思考を理解した。
「同調しないで頂けるかしら。今は少し気が立っているの」
そういって彼女は自分を脇に抱えようとするアーチャーを拒絶した。
「私は神原が降りてくるまで待つわ」
アーチャーは呆れ顔で反論する。
「女、このまま行けば列車は横転するぞ?」
「私は当然生き残る。神原も連れて行く。全部出来なければ気が済まないの。
 最初に言わなかったかしら?私は諦めが悪いの」
強欲の限りを彼女は発揮する。
「なるほど。では理想に抱かれたまま死ぬわけだな」
「運が悪ければそうなるかしらね」
アーチャーの皮肉など戦場ヶ原にとっては些事である。彼の方など見もせずに言い放つ。
瞬間、当て身が炸裂し、戦場ヶ原も意識を失う。
「生憎とこちらは全員生きて帰らすために行動していてね」
彼はそう言うと気絶した二人を脇に抱え、C.Cをおんぶして最早横転するのみの列車から跳躍して離れる。
そして近くのビルの屋上に跳び乗った。

見れば列車は切り結ぶ二人を屋根に乗せたまま横転し、
作業車や作業場、ハロ達を大量に巻き込んで大爆発を起こしていた。
アーチャーが最後の仕上げをするべく、千里眼を発動して目標を見定めると、
弓を出現させ、同時に剣をつがえる。
一瞬にして剣を射撃に適した形態に変形させ、魔力を集中する。
そして気合とともに射出する。
「偽・螺旋剣(カラドボルグ)!」


横転した列車の傍らでなおも信長と神原は組み合っていた。
信長が地に足を付けることによって、形勢は大きく傾いた。
瘴気によって大幅に切れ味と威力を増したマントによって、岩剣を遂に両断して無力化すると、
瘴気を凝縮したかのような真黒き超長剣によって神原の首は跳ね飛ばされた。
無残に転がる神原の首。
信長はようやくと激戦が終わったことを確信し、刀をついて一息を入れた。

しかし、である。
神原の首を拾い上げる手が、信長の目に映る。
その腕を、
その肩を、
その胸元を
信長は見覚えがあった。
当然であろう。
それは首を失った神原自身であった。

首を失えば人は死ぬ。
そのような自明のことにいちいち突っ込む人間はいない。
しかし神原駿河は行動をもってそれに反論した。
その不屈の精神は、かような幻想など打ち砕き、首を抱えて岩剣を振りかぶる。
「まやかしがぁっ!」
首を跳ねて死なぬのならば、魂魄全てが抜き出るまで切り刻むのみ!

そう決断し、刀を振り上げた信長の目に一本の矢が映る。
それは信長のやや後方に突き刺さり、大爆発をまたもや起こす。
数棟のビルが爆発により瓦解し、押し倒され、信長の後方に巨大なバリケードを築く。
それを見た瞬間、神原駿河は遂に前のめりにどう、と倒れた。
ゴロゴロと転がる首に映る表情は満足気で、何処か微笑んでいるようにも見える。
「奴らなにが目的で、あのような」
そう思った信長は先程の放送で告知された立ち入り禁止エリアを思い出す。

『三時間後、午後三時以降より立ち入り禁止エリアが三つ増加します。
 今回の閉鎖エリアは【A-2】【C-7】【D-6】の三箇所です。』

信長は慌てて自らの居場所を確認出来る《でばいす》を取り出して確認する。

【D-6】 14:59:59

「なにぃ?!」
驚愕する信長の耳に、機械的な警告文が響き渡る。

立ち入り禁止区域に入りました。速やかに退去して下さい。
立ち入り禁止区域に入りました。速やかに退去して下さい。
立ち入り禁止区域に入りました。速やかに退去して下さい。

信長は辺りを見回す。
周囲は倒壊したビルで立ち塞がれていた。
「賢しいわ!」
倒壊したビルを飛び越えようとした刹那、脚を掴まれて信長は一瞬立ち止まる。
振り返り見れば、首のない神原駿河のもはや悪魔の抜けて綺麗になった左腕が信長の脚を掴んでいた。
否。掴まれたのでない。既に掴まれていたのだ。
巨大に膨れた左手が、元の細い小さな神原の左手に戻った為か。
僅かに掴むには足りなかった信長の脚を、神原駿河の左手は今、掴んでいた。
「小娘えええええええええええええええええええええええ!」


次の瞬間、三度の爆音がD-6駅を蹂躙した。

【E-6北部/住宅地/一日目/午後】

C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュR2】
[状態]:疲労(小)、健康
[服装]:血まみれの拘束服
[装備]:
[道具]:基本支給品一式 阿良々木暦のマジックテープ式の財布(小銭残り34枚)@化物語
    ピザ(残り60枚)@コードギアス 反逆のルルーシュR2 オレンジハロ@機動戦記ガンダム00
[思考]
基本:ルルーシュと共に、この世界から脱出。
   不老不死のコードを譲渡することで自身の存在を永遠に終わらせる――?
1:さてスザクは何処に行ったのやら
2:ルルーシュと合流する
3:利用出来る者は利用するが、積極的に殺し合いに乗るつもりはない
4:正直、ひたぎとは相性が悪いと思う
5:………それでもまぁ少しは慰めてみようか
[備考]
※参戦時期は、TURN 4『逆襲 の 処刑台』からTURN 13『過去 から の 刺客』の間。
※制限によりコードの力が弱まっています。 常人よりは多少頑丈ですが不死ではなく、再生も遅いです。

【アーチャー@Fate/stay night】
[状態]:健康 魔力消費(中)
[服装]:赤い外套なし、hollowスタイル
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1(確認済み)、臙条家の鍵@空の境界、虎竹刀@Fate/stay night 、聖骸布X2@

[思考]
基本:本当の“答え”を見つけ出す。
1:この場において過去の改竄は無駄。
2:単独行動を取り情報を集めながら衛宮士郎を捜し出す。
3:2の過程でルルーシュ、アーニャ、ユーフェミア、を見付けたら3回目の放送なら象の像へ集うよう伝える。
5:臙条家の鍵の合う場所を探す。
6:荒耶、赤毛の男(サーシェス)に対し敵意。
[備考]
※参戦時期は衛宮士郎と同じ第12話『空を裂く』の直後から
※凛の令呪の効果は途切れています
※参加者は平行世界。またはそれに類する異界から集められたと考えています。
※デイパックの容量に限界が無いことに気付きました。
※「絶望の城」は殺し合いを促進させるための舞台と考えています。
※「臙条家の鍵」は何らかの重要施設、武器が隠されている扉を開けるものと考えています。
※スザク、幸村、暦、セイバー、デュオ、式の六人がチームを組んでいることを知りました。
※スザク、駿河、レイと情報交換を行いました。「絶望の城」については伏せてあります。
※聖骸布の上着が幻想殺しによって壊れました。 一応布自体はまだ残っています。

【戦場ヶ原ひたぎ@化物語】
[状態]:疲労(小)ポニーテール、気絶中
[服装]:直江津高校女子制服
[装備]:文房具一式を隠し持っている、ヘアゴム スフィンクス@とある魔術の禁書目録、
    アーサー@コードギアス 反逆のルルーシュR2、あずにゃん2号@けいおん!
[道具]:支給品一式 X2 不明支給品(1~3、確認済) 、バールのようなもの@現地調達
[思考]
基本:阿良々木暦と合流。二人で無事に生還する。主催者の甘言は信用しない。
 0:神原…
 1:上条当麻に協力。
 2:ギャンブル船にはとりあえず行かない。未確認の近くにある施設から回ることにする。
 3:正直、C.C.とは相性が悪いと思う
 [備考]
 ※登場時期はアニメ12話の後。
 ※安藤から帝愛の情報を聞き、完全に主催者の事を信用しない事にしました。
 ※安藤の死亡によりギャンブル船に参加者が集められているかは怪しいと考えています。

【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康、気絶中
[服装]:学校の制服
[装備]:
[思考]
基本:インデックスを助け出す。殺し合いには乗らない。御坂の遺体は必ず連れて帰る。
 0:………
 1:戦場ヶ原ひたぎに同行。阿良々木暦を探す。戦場ヶ原ひたぎと3匹の猫の安全を確保する
 2:インデックスの所へ行く方法を考える。会場内を散策し、情報収集。
 3:壇上の子の『家族』を助けたい 。
 4:そういえば……海原って、どっちだ……?
[備考]
※参戦時期は、アニメ本編終了後。正体不明編終了後です。


第六天魔王・織田信長は、爆発して散ってしまった神原駿河の首に、未練があった。
人の身でありながら、ここまで魔王の身体を傷つけた者は、おそらくこの少女が最初で最後であろう。
敵ながらもその戦いぶりは、やはり見事であった。
出来れば丁重に葬ってやりたいと言う気持ちは、信長と言えど僅かばかりあった。

だが、それよりも信長の心にあるのは、首輪による主催側からの拘束より解放されたと言う実感であった。
未だ首に首輪はあるが、その機能の殆どを信長は相殺した。
この首輪には魔術的な仕掛けと、技術的な仕掛けが施してある。
その両方を封じなければ、首輪の爆破装置からは免れぬ。
しかし魔王は偶然にもそれを成し遂げた。

魔術的機構。
これは上条当麻の一撃により沈黙した。
あれを首輪で受けた事は、今思えば僥倖と言う他ない。

次に機械的な機構。
これについては全くの偶然の産物。
信長の鎧は本来、金に輝いているはずである。
しかし現在は瘴気によって黒く染まっている。
なぜか。
瘴気が光の全てを吸収し、閉じ込めてしまっているからである。
そして瘴気は、どうやら光だけではなく、ある種の信号も吸収する。
すなわち首輪に対する爆破信号。


いずれもただの偶然、幸運と片付けることが出来るだろう。
だが、それらが積み重なって魔王は今なお健在。
何らかの意志が彼に生きよと告げているようであった。
最早、拘束具は拘束具にあらず。

第六天魔王は無人となったD-6駅を悠然と歩く。
首輪による強制力は封じた。
あとは島に残る虫けらどもと、主催者を一掃するのみ。
「…皆殺しだ」
信長の高笑いだけが辺りに響き渡った。

【D-6/駅/一日目/午後】
【織田信長@戦国BASARA】
[状態]:健康、全身に裂傷、腹部に大ダメージ、疲労(大)
[服装]:ギルガメッシュの鎧、黒のマント
[装備]:物干し竿@Fate/stay night、マシンガン(エアガン)@現実
[道具]:基本支給品一式、予備マガジン91本(合計100本×各30発)、予備の遮光カーテンx1 、マント用こいのぼりx1
    電動ノコギリ@現実 トンカチ@現実、その他戦いに使えそうな物x?
[思考]
基本:皆殺し。
1:いざ戦場へ ……。
2:目につく人間を殺す。油断も慢心もしない。
3:信長に弓を引いた光秀も殺す。
4:首輪を外す。
5:もっと強い武器を集める。
6:ちゃんとした銃器を探す。
8:高速の移動手段として馬を探す。
9:余程の事が無ければ臣下を作る気は無い。
[備考]
※光秀が本能寺で謀反を起こしたor起こそうとしていることを知っている時期からの参戦。
※ルルーシュやスザク、C.C.の容姿と能力をマリアンヌから聞きました。どこまで聞いたかは不明です。
※視聴覚室の遮光カーテンをマント代わりにしました。
※トランザムバーストの影響を受けていません。
※思考エレベータの封印が解除されましたが、GN粒子が近場に満ちたためです。粒子が拡散しきれば再び封印されます。
※瘴気によって首輪への爆破信号を完全に無効化しました。
※首輪の魔術的機構は《幻想殺し》によって破壊されました。


神原駿河にとって戦場ヶ原ひたぎとはどのような人物であったのか。

先輩であり、敬愛する人間であり、陸上部のエースであり、
ヴァルハラコンビの片割れであり、エロの師匠であり、

だがやはり、一言で言うならば『最愛の人』であった。

例え命にかけても、魂を悪魔に売ってでも守りたかった最愛の人。
言葉も失い、理性も失い、それでもなお、守りたいと願い続けた。
その無事を命をかけて、見守ることが出来て。



神原駿河は満足だった。


【神原駿河@化物語 死亡】


時系列順で読む


投下順で読む


194:命短し恋せよ乙女(前編) 戦場ヶ原ひたぎ :魔王信長(前編)
194:命短し恋せよ乙女(前編) 上条当麻 :魔王信長(前編)
194:命短し恋せよ乙女(前編) アーチャー :魔王信長(前編)
194:命短し恋せよ乙女(前編) C.C. :魔王信長(前編)
194:命短し恋せよ乙女(前編) 神原駿河 GAME OVER
194:命短し恋せよ乙女(前編) 織田信長 :魔王信長(前編)


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年02月18日 23:31