8話「乱れよ、凄絶に」
エリアD-2に存在する10階建てのホテル。
8階の802号室に、学生服を着た茶色い毛皮を持つ狼獣人の青年がいた。
ノーチラスは、自分が今、なぜ生きているのかを考える。
と言うのも、彼は一度死んだはずだった。こことは違う、別の
殺し合いで。
死ぬ瞬間の、自分の心臓の音が消え、音が何も聞こえなくなり、
自分の全てが永遠に静止するあの瞬間の事は、今もはっきりと、鮮明に覚えている。
だが、現にこうして今自分は生きて、呼吸をしており、ホテルの一室のベッドに腰掛けている。
そして、今度は別の殺し合いの参加者になり、
首にはデザインこそ違えど、前回のそれと同じ機能を持った首輪もはめられている。
「参ったな。また殺し合いをする事になるとは」
ベッドに寝転がり天井を見上げながら嘆息を漏らすノーチラス。
自分だけでは無い、他にも数人のクラスメイトがこの殺し合いに参加している。
エルフィ。同じクラスメイトの間由佳に殺されかけていたのを自分が助け、途中まで行動を共にしていた。
途中で現れ去って行ったエヴィアンを追って、それっきり。二度と再会する事は無かった。
まあこの殺し合いの開催式で再会したのだが。
他にもクラス委員の猫族のサーシャ、やや攻撃的な性格の猫族ハーフのシルヴィア、
パソ通として有名な狐族のフラウ、テニス部所属のイケメンだがあまり良い噂を聞かない太田太郎丸忠信、
明るく馬鹿ばかりやってた森屋英太、陸上部のエース北沢樹里、どうも異様な雰囲気の吉良邑子がいる。
クラス全員では無く、自分を入れて9人、しかも獣人寄りというのは何か意味でもあるのだろうか。
「まあ細かい事はいいか。とにかく、また殺し合いって言うなら、俺はやるべき事は決まってるな」
ノーチラスはベッドに横たえていた身体を上半身だけ起こし、自らの決意を述べる。
「殺し合いはしねぇ。何とかして、このゲームから脱出してやる」
前回の殺し合いでも、彼は殺し合いに乗る事を拒否した。
今回もまた然り、彼は再び与えられた生を以て、再び殺し合いに抗う事を宣言する。
「そういや、支給品の確認がまだだったな」
ノーチラスはベッド下に置いてあった自分のデイパックを拾い上げ、
ベッドの上に胡坐をかきながら、デイパックのチャックを開け中身を取り出す。
地図と名簿、メモ帳、ボールペン、説明書らしき紙がセロテープで貼り付けられた小さな端末機、
電池式ランタン、2Lペットボトル入りの水二本とコッペパン四つ。
基本支給品は以上。前回の時はあったコンパスと時計が無かったが、
どうやら小さな端末機がその役割を果たしてくれるらしい。その上現在位置も分かるようだ。
そして重要なランダム支給品。
「おお、銃か。ラッキー」
それは目が覚めるような深い青色に塗装された自動拳銃と、その予備のマガジン5個だった。
説明書によれば、この青い拳銃は「コバルトアロー」という名前で、
レイ・ブランチャードという人物が自作した二丁拳銃の片割れとある。
名簿を見てみると同姓同名の名前が確認出来た。
「この人のなのか? 悪いけど、有り難く使わせてもらうぜ」
前回の支給品、金属バットより何倍もマシな支給品に気を良くするノーチラス。
「ん?」
ノーチラスはデイパックの奥に別の何かを発見する。
どうやらもう一つランダム支給品があったようだ。
「……エネマグラ??」
取り出した「それ」のパッケージに書かれていた名前と、「それ」の外見及び形状に、
ノーチラスは首を傾げる。
先程のコバルトアローのようにセロテープで説明書は添付されておらず、
代わりにパッケージの中に、恐らく元々の説明書が入っていた。
パッケージを開封し、エネマグラという名前の謎の器具と説明書、そして同じく入っていたミニサイズボトルのローションを取り出す。
そしてノーチラスは説明書を開き、内容に目を通し始めた。
「………………………………………………………………!!」
説明書に書かれている内容を目で追って黙読していくノーチラスの目の色がどんどん変わっていった。
~十数分後~
「ひぃっ…ん……くうっああああアアアアアアアアッ――――――!!
はあああっ……らめええええ!! 死ぬう!! 気持ち良過ぎて死んじゃうううう!!」
そこにはベッドの上で、全裸になり、身体を大きく仰け反らせ、両目から涙を、口から涎を垂れ流し、
左手で自分の尻を、右手で自分の大きく硬化したデリケート・ゾーン・ジュニアを握り締める茶色の狼獣人の青年の姿があった。
デリケート・ゾーン・ジュニアも大号泣している。なぜだろう?
ノーチラスはエネマグラの説明書を読み終えるなり、早速実践に取り掛かった。
衣服を全て脱ぎ、説明書通りにエネマグラを使用した。
その結果、彼は自分の体力が続く限り絶え間無く襲い来る絶頂地獄にはまってしまい、
泣き叫び、悲鳴にも似た嬌声を大声であげながら悶え苦しみ、のた打ち回っていた。
「アッ―――――!! アアアアッ―――――!!! ヒイ―――!!
アォォォォオオオオオォォォオオオオオオォォオオオオオオン!!!」
最早今の彼の思考の中に「殺し合いからの脱出」「クラスメイトの捜索」「首輪を外す手段の模索」と言った、
正常な思考は微塵も残っていないと思った方がいい。
勿論「大声を出したら危険」という事も、今の彼は失念している。
ただ、今まで感じた事の無い、狂おしいまでの快感を味わい続けるのみ。
「ハァーッ! ハァーッ! あっあああああ゛っあああアアアアア゛!? またっ、来っ」
そしてノーチラスに何度迎えたか分からない「波」が、再び、押し寄せる。
「――――――――――――――――――――ッッッ!!!!!???!」
もはや声にならない、絶叫が部屋に響く。
身体を激しく痙攣させ、ノーチラスは完全に白目を剥き、激しくベッドの上をのた打ち回る。
「……あはっ、あへ、ヒャハハハハハ……さいこおおお……!! ふへっふへへへっ。
やっ、ああああアアアアッがっアアアアアアアアッ――――――!!」
再び悶絶するノーチラスの目からは完全に光が消え、瞳は焦点が定まらず、
だらしなく舌と涎を流し笑い始める始末。
彼はしばらく元に戻れそうに無い。
◆◆◆
ノーチラスがいる部屋がある8階とは別の階、5階の506号室に、別の参加者がいた。
水色のパーカーに灰色のカーゴパンツを着用した、まだ少年に見える顔付きの青髪の青年。名を
早野正昭と言った。
「現実感わかないなぁ。昨日はいつものように家で眠ったはずなんだけど、
起きたら『殺し合って下さい』だなんて」
机の椅子に腰掛けながら、現状に対し不平を言う正昭。
既に支給品は確認してある。名簿には自分の知り合いの名前は見当たらず、
地図とデバイスで現在位置はD-2ホテルだと言う事が分かった。
ランダム支給品は二つ。アイスピックとアルミ製の鍋の蓋だった。
アイスピックは辛うじて武器として使えそうだが、鍋の蓋は一体どうしろと言うのだろうか。
「それにしても首輪かぁ……厄介だな。内部構造さえ分かれば、何とか出来そうなんだけど」
自分の首にはめられた冷たい金属製の首輪を指で触る正昭。
彼は、精密機械の部品や構造に関して非常に豊富かつ高度な知識を保有していた。
普段の日常生活においても、精密部品製造工場に勤務し、その知識を如何無く発揮している。
なので彼は首輪を解除する自信があった。勿論、内部構造が把握出来れば、の話だが。
自分の首輪で試すのは非常に危険だった。主催者である
セイファートは「無理に外そうとしても爆発する」と言っていた。
首輪を爆破され、鮮血を撒き散らして死んだ男のようにはなりたくない。
ならばどうにかして別の参加者の首輪を手に入れる必要がある。
しかし首輪はどうやっても外れないため、首を切断でもしない限りは参加者の身体から剥ぎ取るなどという芸当は不可能だろう。
となると首輪は死亡した参加者から入手する、と言う事になるが、そこが問題であった。
正昭自身は殺し合いに乗る気など全く無いし、人を殺すのも嫌だったからだ。
「どうしたもんかなぁ……はぁ……」
椅子の背もたれに背を預け、両手を後頭部の所で組んで溜息をつく正昭。
「とにかく、しばらくはこの部屋にいよう。下手に動くと危ないし」
武器も貧弱なので、殺し合いに乗っている者に襲われたら一溜りも無い。
正昭はしばらくこのホテルの一室に留まる事にした。
【一日目/深夜/D-2ホテル】
【ノーチラス@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:全裸、強力過ぎる快楽による精神崩壊、ドライオーガズム中
[装備]:エネマグラ
[所持品]:基本支給品一式、コバルトアロー@
オリジナル(14/14)、
コバルトアローの予備マガジン(5)、ミニローション(残り48ml)
[思考・行動]:
0:(思考不可能)
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
※D-2ホテル8階802号室にいます。ノーチラスの大声は部屋のすぐ外の廊下、802号室の入口付近にしか漏れていません。
※精神崩壊しましたが、オーガズムが終われば治ります。
※ノーチラスの衣服は802号室内に散乱しています。
【早野正昭@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品一式、アイスピック、鍋の蓋
[思考・行動]:
0:殺し合いはしない。人も殺さない。首輪を外す。
1:首輪のサンプルが欲しい。
2:しばらくこの部屋(D-2ホテル5階506号室)に留まる。
[備考]:
※D-2ホテル5階506号室にいます。
≪オリキャラ紹介≫
【名前】早野正昭(はやの・まさあき)
【年齢】21
【性別】男
【職業】精密部品工場勤務
【性格】温厚だが行動力はある
【身体的特徴】青髪。少年のような童顔で中肉中背
【服装】水色のパーカーに灰色のカーゴパンツ
【趣味】ツーリング
【特技】機械の精密機器に詳しい
【経歴】小学2年の時に野良犬に左手を噛まれ、今でも傷が残っている
【備考】大抵の精密機械なら、基盤や多少の内部構造を見れば、どうにでもいじる事が出来る。
童顔で、中学生ぐらいに間違われるのがちょっと悩み
≪支給品紹介≫
【コバルトアロー@オリジナル】
ガンナーであるレイ・ブランチャードが愛用する二丁拳銃の内の一つ。
レイが自作し、青色に塗装された大型自動拳銃で、45ACPに酷似した実弾を使用する他、
レイ自身の魔力を弾丸にして発射する事も可能。
但しレイの魔力しか受け付けないようにセッティングしてあるので、
レイ以外の魔力を持った者や、魔力を持たない者が使用する際は実弾射撃しか出来ない。
ダブルカラムを採用し装弾数は多め。
【エネマグラ】
前立腺をマッサージするための器具。
元来は医療目的のために開発されたが、前立腺を刺激する事で多大な性的快感を得られるという事実が広まり、
「大人の玩具」としての側面も持つようになった。
実体験談によると、余りの快感に、泣き叫んだり、気絶する事もあるとか。
【アイスピック】
氷を割るための調理器具。先端が尖った太い針のような形状で、刺突に使う事も出来る。
【鍋の蓋】
アルミ製の鍋の蓋。映画版「バトルロワイアル」では七原秋也が盾のように使っていたが……。
最終更新:2010年02月10日 01:52