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修羅道を駆ける少女

24話「修羅道を駆ける少女」


E-5の草原地帯。平坦では無く台地状になっており、所々に大きな岩や茂みが点在している。

学生服に身を包んだ、茶色のセミロングの髪を持つ少女、北沢樹里は、
月明かりの下、自分のデイパックを漁り支給品を確認していた。
出てきたランダム支給品は真紅の色に塗られた大型自動拳銃と、その予備マガジン五つ。
アタリを引いた、と、樹里は笑みを浮かべる。

次に名簿を確認する。何人かクラスメイトの名前があったが、ほとんどは全く知らない名前だ。
自分の足を奪った愛餓夫、自分を保護した海野裕也、その彼女であり裕也と自分を殺害した倉沢ほのかの名前は無い。

支給品を確認し終えた所で、樹里は自分の身体を確認する。
失ったはずの足は元通りになり自由に動かせる。そしてほのかに負わされた致命傷も綺麗に無くなり、
体力も十分、まさにベストコンディションである。
何より足が元通りになり、また走れるようになった事が、彼女にとって狂喜したい程喜ばしい事だ。

(また走れるようになって嬉しいけど、また殺し合いをする事になるなんて……)

首にはめられた首輪を指でなぞりながら溜息をつく樹里。

(でも、今度はちゃんとした武器もあるし、何より自分で動ける。前回と大きく違う点がそれ)

前回の殺し合いの時、彼女は歩行手段を失い他人の保護無しでは何も行動出来なかったが、
今回はしっかり自分の足で移動する事も出来るし前回は無かった武器もある。
この殺し合いにおいて自分はどうするべきか。

ダアン!!

「!」

樹里が思案している時、辺りに銃声が響き、樹里の向いている方向の前方数メートル先にある地面が抉れた。
驚いた樹里が振り向くと、そこには銃口から煙を噴き出す拳銃を震えた両手で構えた、
長い白髪をツインテールで束ねた若い女性、ルミーア・ホワイトが立っていた。

「ご、ごめんなさい、ごめんなさい、でも、私、死にたくないの」

白髪ツインテールの女性は震えた口調で言う。その表情からは恐怖の色が滲み出ていた。

「お願い、死んで!」

そしてルミーアは手にしたリボルバー拳銃――二十六年式拳銃の引き金を引き、樹里に向けて次弾を発射する。
だが、放たれた弾丸は樹里の頬を僅かに掠めるに留まった。

「えっ、な、何で当たらないの? ちゃんと狙ってるのに」

かなり近距離で狙って発砲しているのにも関わらず命中しない事に焦るルミーア。
彼女は知る由は無いが二十六年式拳銃は命中精度がかなり低い部類に入る拳銃なのだ。
ましてや銃に関して素人な彼女が扱えば、命中率は更に低くなる。

ドォン!!

「がっ、い、痛い……!」

ルミーアの腹部に激痛が走る。樹里が持っていたカーマインエッジでルミーアの腹部を撃ち抜いたのだ。
たまらず持っていた二十六年式拳銃を落とし、腹を押さえて崩れ落ち苦しむルミーア。
樹里はルミーアに近付き、銃口を向けてこう言い放った。

「死にたくないのはアンタだけじゃないんだよ」

直後に数発の銃声が周囲に響き、ルミーア・ホワイトは呆気無く絶命した。

「ふう、やっちゃったな……とうとう」

樹里がたった今殺害した名前も知らない女性の死体を見下ろしながら言う。
思っていた程罪悪感はわかない。もしかしたら既に壮絶な殺し合いを経験しているため感覚が麻痺しているのかもしれないと、樹里は思った。
女性が持っていたリボルバー拳銃と、デイパックを拾い上げる。
彼女、北沢樹里がこの殺し合いでどう動くべきか考えていたが、出した答えは「殺し合いに乗る」だった。
地図とデバイスを取り出して確認すると、今自分がいる場所はE-5の草原地帯。西の方角に行けば市街地があるらしい。

「街なら人も集まりやすいだろうね。よし、街に行ってみよう」

樹里は荷物を引っ提げて遠くに見える街の明かりを目指し歩き始めた。



樹里がルミーアを殺害する様子を茂みの陰から目撃していた人物がいた。
黒っぽいブレザーとスカートに身を包んだ、牛の耳と尻尾、爆乳を持った少女、中村アヤである。

「やっぱり、殺し合いは始まってるんだ……!」

自分にしか聞こえない程度の小声で呟くアヤ。

「どうしよう……伊賀さんや平池さんもいるみたいだけど、殺し合いに乗っていないとも限らないし、
っていうか何より、支給品がコレじゃあ……」

アヤの視線の先にあるのは地面の上に置かれた自分のランダム支給品、
自転車のチェーンと百円ライター。
これではとてもでは無いが襲われたりでもしたら一溜りも無い。
さっきの自分と同年代ぐらいの、別の学校の制服を着た少女のように、銃を持った敵に襲われたら殺されてしまう可能性が非常に高い。
幸いあの少女は自分には気付かず街がある方角へ歩き去ったようだが。

「私、運動神経鈍いし……ああ、殺されるしか無いのかな。
嫌だよぅ、死にたくない……グスングスン」

アヤは体育座りしたままスンスン泣き始めてしまった。
スンスン泣いたのは小学生の時友人達と一生懸命作った秘密基地に、
薄汚い野良狼が住み付いてしまった時以来だった。


【ルミーア・ホワイト@オリキャラ  死亡】
【残り  41人】


【一日目/深夜/E-5草原】

【北沢樹里@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:健康、市街地に向け移動中
[装備]:カーマインエッジ@オリジナル(8/14)
[所持品]:基本支給品一式、カーマインエッジの予備マガジン(5)、二十六年式拳銃@SIREN(4/6)、
ルミーア・ホワイトのデイパック
[思考・行動]:
0:殺し合いに乗り、優勝を目指す。
1:市街地へ向かう。回収したデイパックの中身の確認もしたい。
2:クラスメイトとは出来れば会いたくは無い。
3:足、元に戻って嬉しいな。
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
※中村アヤの存在に気付いていません。

【中村アヤ@オリキャラ】
[状態]:健康、嗚咽、死への恐怖
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品一式、自転車のチェーン、百円ライター@SIREN(燃料残り:100%)
[思考・行動]:
0:死にたくない。
1:これからどうしよう。
2:クラスメイト(伊賀榛名平池千穂)は……。


※E-5一帯に銃声が響きました。
※E-5草原にルミーア・ホワイトの死体が放置されています。ルミーアの装備及びデイパックは、
北沢樹里が回収しました。


≪オリキャラ紹介≫
【名前】ルミーア・ホワイト
【年齢】21
【性別】女
【職業】大手家電メーカー事務員
【性格】基本的に明るいが、臆病な部分もある
【身体的特徴】白髪の長い髪をツインテールにまとめている。青い瞳。身体付きは中の上
【服装】OLっぽいスーツ
【趣味】買物、昼ドラ鑑賞
【特技】ブラインドタッチ
【経歴】ごく普通の家庭に生まれごく普通の人生を歩んできた
【備考】一般人

【名前】中村アヤ(なかむら・あや)
【年齢】18
【性別】女
【職業】高校生
【性格】おっとりしている、泣き虫
【身体的特徴】ハーフ牛獣人。桃色の長髪に牛の耳と角、尻尾。当然爆乳でスタイル抜群、可愛らしい
【服装】学校の制服である黒っぽいブレザーとスカートに白いニーソ
【趣味】映画観賞
【特技】記憶力はかなり良い
【経歴】高校一年の時の宿泊学習で伊賀榛名と同じ部屋だったが、
深夜に榛名に寝込みを襲われる(性的な意味で)
【備考】運動神経が著しく悪い上に手先が不器用、おまけに勉強も苦手だが、
なぜか記憶力だけは抜群


≪支給品紹介≫
【カーマインエッジ@オリジナル】
ガンナーであるレイ・ブランチャードが愛用する二丁拳銃の内の一つ。
レイが自作し、赤色に塗装された大型自動拳銃で、45ACPに酷似した実弾を使用する他、
レイ自身の魔力を弾丸にして発射する事も可能。
但しレイの魔力しか受け付けないようにセッティングしてあるので、
レイ以外の魔力を持った者や、魔力を持たない者が使用する際は実弾射撃しか出来ない。
ダブルカラムを採用し装弾数は多め。

【二十六年式拳銃@SIREN】
旧式の中折れ式リボルバー拳銃。
ゲーム中においては羽生蛇村にテレビ番組の撮影で訪れた元アイドルのリポーター・美浜奈保子が使用する。
現実の二十六年式拳銃は命中精度が悪いとの事だが……。

【自転車のチェーン】
自転車の駆動部に使われる頑丈なチェーン。
振り回す事で武器としても使えるが、腕などに巻き付ける事で防具にもなる。

【百円ライター@SIREN】
燃料が切れたら廃棄する方式の簡易ライター。
ゲーム中においては「ライター」と表記され、羽生蛇村小学校折部分校教諭・高遠玲子が、
屍人の手から教え子・四方田春海を救うのに使った。




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GAME START 北沢樹里 NEXT:嬉しさ噛み締める
GAME START ルミーア・ホワイト GAME OVER
GAME START 中村アヤ NEXT:ぱらいぞうにまうづ

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最終更新:2010年01月25日 01:28
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