ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2067 ゆンボー
最終更新:
ankoss
-
view
・ゆっくりのセリフに漢字を使用しています
_____________________________________________________________
山の中を、一匹のゆっくりが歩いている。
クタクタにつかれた黒色の帽子
所々が擦れて伸びきったリボン
色あせた金色の髪の毛
『みょんは今頃何をしてるんだろうな、だぜ……』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゆっくりシティの戦い
賢将ぱちゅりーを発端とするゆっくり史上初の独立戦争。
まりさは鍛え抜かれた少数精鋭”コマンドーゆ隊”の一員だった。
その戦いの中でまりさは重傷を負い、意識を失った。
そのまりさを助けたのがみょんである。
「…、……ん、大丈夫かみょん?」
まりさが目を覚ますと、近くにみょんがいた。
「よかったみょん!意識がもどったみょん!!」
『…ここはどこなんだぜ?』
「ここは山のゆっくりの群れだみょん。まりさが倒れてたから、うちまで運んできたんだみょん。」
『…!戦いは、ゆっくりシティは!?』
「……ゆっくりシティは壊滅。人間の圧勝だと聞いたみょん。」
『……そうなのかだぜ。』
「もう戦いは終わったんだみょん。今はゆっくり休むんだみょん。」
『…ありがとう、なんだぜ。』
「みょん!」
回復したまりさは、旅に出る事にした。
「…この群れで一緒に暮らしてもいいんだみょん。」
『いつまでも迷惑をかける訳にはいけないぜ。色々と世話になったんだぜ。』
「またいつか、会えるみょん?」
『ああ、きっとまた会いにくるぜ。』
そう言って、まりさは旅立った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから数年。
久しぶりの再会を、まりさは楽しみにしていた。
群れに到着し、みょんの家へと向かう。
トントン
家の扉をノックするまりさ。
『みょん、会いにきたんだぜ。』
だが、返事がない。
『みょん?いるのかだぜ?』
「あの…、どなたですか?」
まりさの後ろから声がした。
振り返ると、そこには若返ったみょんがいた。
『えっと…みょん…なのぜ?』
「あ、もしかしてお父さんの親友の方ですか?」
みょんの家に住んでいたのはみょんの子供だった。
話を聞くと、半年位前にゲスの集団が群れを襲ってその時にみょんはやられてしまったらしい。
『そうか…みょんはもう…』
「裏庭にお父さんのお墓があります。会ってあげてください。」
裏庭には、単純ながらも丁寧に作られた墓があった。
「お父さんはよくまりささんの話をしていました。
会える日をとっても楽しみにしていました…。」
『……遅くなっちまったぜ、みょん。』
墓で眠るみょんに話しかけるまりさ。みょんの子供は静かにその言葉を聞いていた。
しばらくして、まりさはみょんの子供に礼を言ってその群れを後にした。
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
ゆっくりの為に戦ったまりさ。
そのまりさを助けてくれたみょんが、どうしてゲスなんかにやられてしまったんだ。
善良なゆっくりが、何故、ゲスに。
まりさは悩み、苦しんでいた。
「おい、そこのゆっくり。」
「おい!とまれっていってるのがわからないの?ばかなの?」
気づいたら、まりさは別の群れの縄張りを歩いていた。
この群れのゆん察と思われるゆっくり達がまりさを包囲している。
『……?まりさに何か用なのかだぜ。』
「このむれのゆっくりじゃないね!なんだかあやしいよ!!」
「へっへっへ、ふしんなゆっくりをみつけたら”とりしらべ”をするんだぜ!!」
「よし!しょまでれんこうするよ!!」
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
バシッ!
『ゆぐぅあ!!』
「ゆふふ、うすぎたないゆっくりはみててふかいになるからせいっさいするよ!」
まりさは拷問を受けていた。
この群れのゆん察は、ゲスと同じくらいに、いやそれ以上に腐敗していた。
ヒモで木に縛られたまりさは、様々な方法で痛めつけられていた。
『ゆぅ……う……』
「つぎはなにをしていためつけようか?」
「つぎはこうするんだよー、わかるねー?」
ズバッ
木の枝をくわえたちぇんが、まりさの顔を引っかく。
『ゆぎゃああああああああ!!!』
「ゆゆ?ちょっとよわってきたんだぜ。」
「きょうはこれくらいにしてあげるよ!れいむのやさしさにかんしゃしてね!!」
まりさを木に縛り付けたまま、ゆん察はどこかへと行ってしまった。
『…ゆぅぅ……どうして……。』
辺りは暗くなり、闇の中でまりさはぼんやりと考えた。
かつて、ゆっくりの自由を守る為に人間と戦ったまりさ。
そのまりさが、どうしてこんな目に会わなければならないのか。
それも人間ではなく、ゆっくりにやられるなんて。
まりさはゆっくりの為に戦った。過酷な訓練を耐え抜き、命をかけて人間と戦った。
……あのゲス共は、まりさの敵だ。
同族にこんな事をするゆっくりは、ゆっくりの敵だ。
敵はまだいる。
まりさの戦いは、まだ終わってないんだ。
まりさの中に、深い怒りの感情が湧き上がっていた。
その目は、人間にも立ち向かうコマンドーゆ隊の目になっていた。
体を巧妙に捻り、まりさは縛られた木から脱出した。
そして一目散に走りだし、夜の闇へと消えてゆく……。
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
「あのくずまりさ、どこにいったの!!」
「にげられるとは、ふかくだったんだぜ。」
「このままじゃやばいよー、わかるねー?」
「うるざい!でいぶにさしずするなぁー!!」
ゲスゆん察はあせっていた。
ゆん察は周辺の群れのゆん察と情報を交換して、群れの安全を守っている。
もしこの事が周囲のゆん察にバレたら、自分達の命がない。
「ゆっ!いいことをおもいついたよ!」
「なんなのぜ?」
「きょうあくっ!なゆっくりがここからにげて、やまのなかにせんぷくしてるってことにするんだよ!」
「なるほどー、さすがれいむなんだねー。」
「れいむのそうめいっなずのうにこまっちゃうね!かわいくってごめんね!!」
こうして、ゲスゆん察は「凶悪犯を捕まえる」という名目で周囲のゆん察に協力を要請。
真相を知らない他の群れのゆん察も協力し、壮大な山探しが始まった。
「にげだしたのはとってもきょうあくっ!なゆっくりまりさだよ!みつけたらすぐにやっつけてね!!」
「ほかのゆっくりにもひがいがでるかもしれないから、ぜったいにみつけるんだぜ!」
山中をゆん察が捜索する。
『俺はそいつらに拷問された!だから逃げただけだ!!』
どこからか、まりさの声が聞こえてきた。
『まりさはゆっくりシティで戦ったコマンドーゆ隊にいたんだ!!
できれば同じゆっくりを傷つけたくない!だから引き下がってくれ!!』
「ゆゆっ!こいつがきょうあくはんだよ!!」
「こいつのことばをしんじたらだめなんだねー、わかるねー!」
ゲスゆん察がまりさの言葉をかき消すように騒ぐ。
『…信じてくれ!なんだぜ!』
「ゆゆっ!!あそこにいるよ!!!」
一匹のゆっくりがまりさを見つけた。
「あいつだ!あいつがにげだしたゆっくりだよ!!」
「なにしてんだよー!はやくおうんだよー!!わかれよー!!」
他のゆん察が慌ててまりさを捕まえようと走り出す。
『……それが答えか。』
まりさは森の奥へと走った。
ゆん察も次々とまりさを追う。
「これだけのかずあいてににげれるとおもってるの?ばかなの?」
「これでみんなあんしんなんだねー、わかるよー。」
ゲスゆん察は醜い顔で笑っている。
「ゆんぎゃあああああああああああ!!!!!」
森の中にゆっくりの悲鳴が響く。
「ゆゆ!?どうしたの!?」
ゲスゆん察が声のした方向へ行く。
そこには木の枝が刺さった落とし穴があり、数匹のゆん察が中で苦しんでいた。
木の枝は短く、落ちたゆん察は重傷ながらも死ぬようなケガはしていない。
「くそ~~~!!あくまででいぶたちとたたかうつもりか~~~~!!!」
「これがあいてのやりかたなんだよー!ゆだんしてるとやられるんだよー!!」
ゲスゆん察は、何がなんでもまりさを駆除しようとしていた。
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
ゆん察は苦戦していた。
まりさの姿を見つけ、追いかるとブービートラップ。
ゆん察の被害は時間と共に大きくなっていったが、奇跡的に死者の報告はなかった。
「いちどてったいしたほうがいいわ。みんなとってもつかれているわよ。」
応援に来たゆん察署長のぱちゅりーがゲスゆん察に提案する。
「ゆぎぎ……。あのクズがぁ…。」
「なにがなんでもしまつするんだよー!わかれよー!」
引き下がらないゲスゆん察。
「とにかく、いったんほんぶへもどりましょう。」
ぱちゅりーになだめられながら、ゲスゆん察達は本部へと引き返した。
「なにかいいさくせんはないの?だれかかんがえつかないの?ばかなの?」
本部で作戦会議をするゆん察。
だれもコマンドーに勝てるとは思えず、何もいわない。
「しょちょう、おきゃくさまがいらっしゃいましたが…。」
署長と呼ばれたゲスゆん察のれいむが、部下のゆっくりを睨みつける。
「いまはだいじなはなしをしてるんだよ!!そんなのもわからないの!?」
「ですが……」
「コマンドーゆ隊をなめていると、全滅するみょん。」
そこに現れたのは、この地域のゆん察をまとめる”ゆん察庁”のトップ。みょんだった。
「ちょ、ちょうかん!?」
「ちょうかんがどうしてこんなところに!」
ゲスゆん察は思わぬ来客に動揺している。
「なにやら凶悪なゆっくりがこの山に潜伏していると聞いたから、来てみたんだみょん。
あのトラップは間違いなく”コマンドーゆ隊”のゆっくりが仕掛けたものだみょん。」
「しかし、ちょうかん。ゆん察にもたくさんひがいがでてるんだよ!
いまさらみすごすことなんでできないよ!!」
ゲスゆん察のれいむは、長官に抗議した。
「それもわかってるみょん。だから、みょんが説得してみるみょん。
……コマンドーゆ隊はとっても優秀なゆっくりが集まっていたはず。
こんな事件を起こすはずがないのだが……きみたち、何か心当たりはないか?」
全てを見透かしているような目で、ゲスゆん察を見つめるみょん。
「しっ、しらないよ!れいむたちはなんにもわるくないよ!!」
「……そうか。」
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
まりさは小さな洞穴の中に隠れていた。
いつ、どこから連中が襲ってくるのか。
まりさは気を張って待ち構えていた。
「まりさ!聞こえるか!!聞こえるなら返事をしてくれ!!」
どこからか、みょんの声が聞こえてくる。
なつかしい声に少し気がゆるむ。
だが、あのゆん察にみょんはいなかったはずだ。
「ゆん察は君に攻撃をしない!私が約束する!だから返事だけでもしてくれ!!」
みょんがまりさを呼んでいる。
でも、この声を信じてもいいのだろうか?
まりさは悩んだ。
「私は昔、特殊ゆ隊の隊長だった!コマンドーゆ隊の君の上司だ!!頼む!返事をしてくれ!!」
かつて人間と一緒に戦った仲間…!
まさか、まりさ以外にもあの戦いを生き抜いたゆっくりがいたとは。
まりさの心が大きく揺れ動いた。
『……本当なのか!!』
まりさは叫んだ。
「ああ!本当だ!!君達の活躍はしっかりと覚えている!!
あの戦いで私以外に生き残った者がいるとは信じられない!君に会いたい!姿を見せてくれ!!」
『……本当にゆん察は攻撃してこないのか?』
「ああ!私が約束する!!これ以上犠牲を出したくない!!私を信じてくれ!!」
『……今からそちらへ行く!』
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
みょんの前に、まりさが姿を現した。
「私は、特殊ゆ隊隊長のみょんだ!かつての戦友に会えて、本当にうれしいぞ!」
『コマンドーゆ隊所属、まりさ!ただ今到着しました!』
みょんを見たまりさの目は、冷徹な獣の目から温情深いゆっくりの目になっていた。
「まりさ、よくあの戦いを生き残ったな。正直驚いているよ。」
『私を助けてくれたゆっくりがいて、彼には色々と世話になりました。』
「いい友人だったようだな。ところでまりさ。きみはどうしてこんな事をしたんだ…?」
『それは、』
「ゆあああああああああ!!!」
突然、れいむがまりさに体当たりで襲い掛かった。
油断しきっていたまりさは、れいむの攻撃を避けきれずに吹っ飛ばされた。
止めを刺そうと、まりさに向かって大きくジャンプするれいむ。
「しねえええええええええええ!!!!!!!」
『くっ…!』
近くに落ちていた木の枝を投げるまりさ。
れいむの体に木の枝が突き刺さる。
「ゆがあああああああああああああああ!!!!!」
隙を見て、ゆん察署の中へ逃げ込むまりさ。
「このぐずがああああああ!!ゆるざないぞおおおおおお!!!」
正気を失ったれいむがまりさの後を追う。
「ゆん察全員に命令する!
全員装備を外して待機!何があっても絶対に攻撃してはならない!!
いいか、これは命令だぞ!!」
みょんはその場にいるゆん察に命令した後、ゆん察署へと入っていった。
すでに太陽は沈み、丸い月が空に輝いている。
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
「でてこいいいいい!!ゲスまりさああああああ!!!!」
れいむは一人で叫んだ。
(ゆぎぎ…あのまりさのせいで、れいむはゆっくりできないよ!
ここはれいむのむれなんだよ!だかられいむはなにをしていいんだよ!!
いままで、ほかのゆっくりはみんなれいむのいうことをきいてきたのに!!
あのまりさのせいで、ぜんぶがだいなしになっちゃうよ!!
れいむをゆっくりさせられないまりさはせいっさいするよ!!!)
カタッ
右側から物音がした。
「そこがああああああああ!!!」
音のした場所目がけて体当たりをするれいむ。
しかし、そこには何もなかった。
「ゆぅー、ゆふーっ」
息を荒げるれいむ。
「あんのくずが…」
ブスッ
れいむの背中に、木の枝が突き刺さる。
その枝は見事に中枢餡を貫通した。
自分に何が起きたのかもわからず、れいむはその場に倒れて永遠にゆっくりした。
『はーっ、はーっ……』
まりさは倒れたれいむをただ見つめる。
「終わったか。」
ビクンッ!
突然の声に驚き、慌ててれいむの体から木の枝を引き抜くまりさ。
振り向くと、そこにはみょんがいた。
「まりさ、もうやめるんだ。」
『まだだ!まだコイツの仲間がいる!』
「まりさ。このままだと君も死ぬぞ。」
『ヤツらが一方的に俺に拷問をしてきたんだ!』
「わかっている。後で彼らの処分を検討する。
……だから、もう終わりにしよう。」
『……終わり、だと…?』
「ああ、戦いはもう終わったんだ。」
『何も終わってない!
何も、終わってないんだ!!
俺はゆっくりの為に、みんながゆっくりできるよう命をかけて戦った!!
まりさを助けてくれたみょん……みょんは優しくしてくれた…まりさはとっても立派だって……。
でも、街に出てみろ!!兵隊はバカだ、愚かだって言いたい放題だ!!!
戦場を見た事もない連中が俺達を、命をかけて戦った兵士を見下すんだ!!
ヤツらの為に俺は、みんなは戦っていたのか……ッ!!』
「時代は変わる。世間では過去の出来事になっているんだ。」
『ヤツらにはな!!
今の世界は腐ってる!!ゆっくりがゆっくりを殺しているんだぞ!!
…みょんも、ゲスに殺されちまった……。
何でだ!!何故みょんが死ななきゃいけないんだ!!!!
どうしてゲスが生きている!!!』
「まりさ。私にとって君はあの戦場で共に戦った最後の友だ。失いたくない。」
『そうだ……戦場には、居場所があった。
特別なすぃーにも乗れたし、おいしいあまあまもたくさんもらえた!!
あそこじゃあ、親友がたくさんいた!!
あそこには親友がいたんだ!頼れる上司もいた!!
みんなが親友だった……
それなのにどうだ、ここには何もない…
なんにも……ないんだ………』
まりさは投降した。
みょんに支えられながら外へと歩くまりさ。
夜が明け、太陽の光が彼らを照らす……
_____________________________________________________________
・anko1874 永久機関?
・anko1885 ドスとなった人間
・anko1908 ゆん月殺法
・anko1913 奇形児
・anko1924 バトル・ゆワイヤル
・anko1955 S1GP
・anko1961 ゆ虐の基本
・anko1967 ブラックゆンジェルズ
・anko1985 スタンドゆっくり
・anko1990 続・スタンドゆっくり
・anko2008 俺と水上まりさとこれからの夏
作者:お受験あき
_____________________________________________________________
・パロディ作品を書くつもりが、ずいぶんとオリジナルな展開に……
・「ゆっくりシティの攻撃」「ゆっくりシティの戦い」の外伝的な作品になってしまいました。
・ゆンボー(まりさ)の設定を作る為にゆっくりシティを書いたのは内緒
・読者さんがゆっくりできる作品を書けるようになりたいです。
感想、改善点などを教えていただけると、作者が少し成長するかもしれません
_____________________________________________________________
山の中を、一匹のゆっくりが歩いている。
クタクタにつかれた黒色の帽子
所々が擦れて伸びきったリボン
色あせた金色の髪の毛
『みょんは今頃何をしてるんだろうな、だぜ……』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゆっくりシティの戦い
賢将ぱちゅりーを発端とするゆっくり史上初の独立戦争。
まりさは鍛え抜かれた少数精鋭”コマンドーゆ隊”の一員だった。
その戦いの中でまりさは重傷を負い、意識を失った。
そのまりさを助けたのがみょんである。
「…、……ん、大丈夫かみょん?」
まりさが目を覚ますと、近くにみょんがいた。
「よかったみょん!意識がもどったみょん!!」
『…ここはどこなんだぜ?』
「ここは山のゆっくりの群れだみょん。まりさが倒れてたから、うちまで運んできたんだみょん。」
『…!戦いは、ゆっくりシティは!?』
「……ゆっくりシティは壊滅。人間の圧勝だと聞いたみょん。」
『……そうなのかだぜ。』
「もう戦いは終わったんだみょん。今はゆっくり休むんだみょん。」
『…ありがとう、なんだぜ。』
「みょん!」
回復したまりさは、旅に出る事にした。
「…この群れで一緒に暮らしてもいいんだみょん。」
『いつまでも迷惑をかける訳にはいけないぜ。色々と世話になったんだぜ。』
「またいつか、会えるみょん?」
『ああ、きっとまた会いにくるぜ。』
そう言って、まりさは旅立った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから数年。
久しぶりの再会を、まりさは楽しみにしていた。
群れに到着し、みょんの家へと向かう。
トントン
家の扉をノックするまりさ。
『みょん、会いにきたんだぜ。』
だが、返事がない。
『みょん?いるのかだぜ?』
「あの…、どなたですか?」
まりさの後ろから声がした。
振り返ると、そこには若返ったみょんがいた。
『えっと…みょん…なのぜ?』
「あ、もしかしてお父さんの親友の方ですか?」
みょんの家に住んでいたのはみょんの子供だった。
話を聞くと、半年位前にゲスの集団が群れを襲ってその時にみょんはやられてしまったらしい。
『そうか…みょんはもう…』
「裏庭にお父さんのお墓があります。会ってあげてください。」
裏庭には、単純ながらも丁寧に作られた墓があった。
「お父さんはよくまりささんの話をしていました。
会える日をとっても楽しみにしていました…。」
『……遅くなっちまったぜ、みょん。』
墓で眠るみょんに話しかけるまりさ。みょんの子供は静かにその言葉を聞いていた。
しばらくして、まりさはみょんの子供に礼を言ってその群れを後にした。
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
ゆっくりの為に戦ったまりさ。
そのまりさを助けてくれたみょんが、どうしてゲスなんかにやられてしまったんだ。
善良なゆっくりが、何故、ゲスに。
まりさは悩み、苦しんでいた。
「おい、そこのゆっくり。」
「おい!とまれっていってるのがわからないの?ばかなの?」
気づいたら、まりさは別の群れの縄張りを歩いていた。
この群れのゆん察と思われるゆっくり達がまりさを包囲している。
『……?まりさに何か用なのかだぜ。』
「このむれのゆっくりじゃないね!なんだかあやしいよ!!」
「へっへっへ、ふしんなゆっくりをみつけたら”とりしらべ”をするんだぜ!!」
「よし!しょまでれんこうするよ!!」
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
バシッ!
『ゆぐぅあ!!』
「ゆふふ、うすぎたないゆっくりはみててふかいになるからせいっさいするよ!」
まりさは拷問を受けていた。
この群れのゆん察は、ゲスと同じくらいに、いやそれ以上に腐敗していた。
ヒモで木に縛られたまりさは、様々な方法で痛めつけられていた。
『ゆぅ……う……』
「つぎはなにをしていためつけようか?」
「つぎはこうするんだよー、わかるねー?」
ズバッ
木の枝をくわえたちぇんが、まりさの顔を引っかく。
『ゆぎゃああああああああ!!!』
「ゆゆ?ちょっとよわってきたんだぜ。」
「きょうはこれくらいにしてあげるよ!れいむのやさしさにかんしゃしてね!!」
まりさを木に縛り付けたまま、ゆん察はどこかへと行ってしまった。
『…ゆぅぅ……どうして……。』
辺りは暗くなり、闇の中でまりさはぼんやりと考えた。
かつて、ゆっくりの自由を守る為に人間と戦ったまりさ。
そのまりさが、どうしてこんな目に会わなければならないのか。
それも人間ではなく、ゆっくりにやられるなんて。
まりさはゆっくりの為に戦った。過酷な訓練を耐え抜き、命をかけて人間と戦った。
……あのゲス共は、まりさの敵だ。
同族にこんな事をするゆっくりは、ゆっくりの敵だ。
敵はまだいる。
まりさの戦いは、まだ終わってないんだ。
まりさの中に、深い怒りの感情が湧き上がっていた。
その目は、人間にも立ち向かうコマンドーゆ隊の目になっていた。
体を巧妙に捻り、まりさは縛られた木から脱出した。
そして一目散に走りだし、夜の闇へと消えてゆく……。
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
「あのくずまりさ、どこにいったの!!」
「にげられるとは、ふかくだったんだぜ。」
「このままじゃやばいよー、わかるねー?」
「うるざい!でいぶにさしずするなぁー!!」
ゲスゆん察はあせっていた。
ゆん察は周辺の群れのゆん察と情報を交換して、群れの安全を守っている。
もしこの事が周囲のゆん察にバレたら、自分達の命がない。
「ゆっ!いいことをおもいついたよ!」
「なんなのぜ?」
「きょうあくっ!なゆっくりがここからにげて、やまのなかにせんぷくしてるってことにするんだよ!」
「なるほどー、さすがれいむなんだねー。」
「れいむのそうめいっなずのうにこまっちゃうね!かわいくってごめんね!!」
こうして、ゲスゆん察は「凶悪犯を捕まえる」という名目で周囲のゆん察に協力を要請。
真相を知らない他の群れのゆん察も協力し、壮大な山探しが始まった。
「にげだしたのはとってもきょうあくっ!なゆっくりまりさだよ!みつけたらすぐにやっつけてね!!」
「ほかのゆっくりにもひがいがでるかもしれないから、ぜったいにみつけるんだぜ!」
山中をゆん察が捜索する。
『俺はそいつらに拷問された!だから逃げただけだ!!』
どこからか、まりさの声が聞こえてきた。
『まりさはゆっくりシティで戦ったコマンドーゆ隊にいたんだ!!
できれば同じゆっくりを傷つけたくない!だから引き下がってくれ!!』
「ゆゆっ!こいつがきょうあくはんだよ!!」
「こいつのことばをしんじたらだめなんだねー、わかるねー!」
ゲスゆん察がまりさの言葉をかき消すように騒ぐ。
『…信じてくれ!なんだぜ!』
「ゆゆっ!!あそこにいるよ!!!」
一匹のゆっくりがまりさを見つけた。
「あいつだ!あいつがにげだしたゆっくりだよ!!」
「なにしてんだよー!はやくおうんだよー!!わかれよー!!」
他のゆん察が慌ててまりさを捕まえようと走り出す。
『……それが答えか。』
まりさは森の奥へと走った。
ゆん察も次々とまりさを追う。
「これだけのかずあいてににげれるとおもってるの?ばかなの?」
「これでみんなあんしんなんだねー、わかるよー。」
ゲスゆん察は醜い顔で笑っている。
「ゆんぎゃあああああああああああ!!!!!」
森の中にゆっくりの悲鳴が響く。
「ゆゆ!?どうしたの!?」
ゲスゆん察が声のした方向へ行く。
そこには木の枝が刺さった落とし穴があり、数匹のゆん察が中で苦しんでいた。
木の枝は短く、落ちたゆん察は重傷ながらも死ぬようなケガはしていない。
「くそ~~~!!あくまででいぶたちとたたかうつもりか~~~~!!!」
「これがあいてのやりかたなんだよー!ゆだんしてるとやられるんだよー!!」
ゲスゆん察は、何がなんでもまりさを駆除しようとしていた。
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
ゆん察は苦戦していた。
まりさの姿を見つけ、追いかるとブービートラップ。
ゆん察の被害は時間と共に大きくなっていったが、奇跡的に死者の報告はなかった。
「いちどてったいしたほうがいいわ。みんなとってもつかれているわよ。」
応援に来たゆん察署長のぱちゅりーがゲスゆん察に提案する。
「ゆぎぎ……。あのクズがぁ…。」
「なにがなんでもしまつするんだよー!わかれよー!」
引き下がらないゲスゆん察。
「とにかく、いったんほんぶへもどりましょう。」
ぱちゅりーになだめられながら、ゲスゆん察達は本部へと引き返した。
「なにかいいさくせんはないの?だれかかんがえつかないの?ばかなの?」
本部で作戦会議をするゆん察。
だれもコマンドーに勝てるとは思えず、何もいわない。
「しょちょう、おきゃくさまがいらっしゃいましたが…。」
署長と呼ばれたゲスゆん察のれいむが、部下のゆっくりを睨みつける。
「いまはだいじなはなしをしてるんだよ!!そんなのもわからないの!?」
「ですが……」
「コマンドーゆ隊をなめていると、全滅するみょん。」
そこに現れたのは、この地域のゆん察をまとめる”ゆん察庁”のトップ。みょんだった。
「ちょ、ちょうかん!?」
「ちょうかんがどうしてこんなところに!」
ゲスゆん察は思わぬ来客に動揺している。
「なにやら凶悪なゆっくりがこの山に潜伏していると聞いたから、来てみたんだみょん。
あのトラップは間違いなく”コマンドーゆ隊”のゆっくりが仕掛けたものだみょん。」
「しかし、ちょうかん。ゆん察にもたくさんひがいがでてるんだよ!
いまさらみすごすことなんでできないよ!!」
ゲスゆん察のれいむは、長官に抗議した。
「それもわかってるみょん。だから、みょんが説得してみるみょん。
……コマンドーゆ隊はとっても優秀なゆっくりが集まっていたはず。
こんな事件を起こすはずがないのだが……きみたち、何か心当たりはないか?」
全てを見透かしているような目で、ゲスゆん察を見つめるみょん。
「しっ、しらないよ!れいむたちはなんにもわるくないよ!!」
「……そうか。」
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
まりさは小さな洞穴の中に隠れていた。
いつ、どこから連中が襲ってくるのか。
まりさは気を張って待ち構えていた。
「まりさ!聞こえるか!!聞こえるなら返事をしてくれ!!」
どこからか、みょんの声が聞こえてくる。
なつかしい声に少し気がゆるむ。
だが、あのゆん察にみょんはいなかったはずだ。
「ゆん察は君に攻撃をしない!私が約束する!だから返事だけでもしてくれ!!」
みょんがまりさを呼んでいる。
でも、この声を信じてもいいのだろうか?
まりさは悩んだ。
「私は昔、特殊ゆ隊の隊長だった!コマンドーゆ隊の君の上司だ!!頼む!返事をしてくれ!!」
かつて人間と一緒に戦った仲間…!
まさか、まりさ以外にもあの戦いを生き抜いたゆっくりがいたとは。
まりさの心が大きく揺れ動いた。
『……本当なのか!!』
まりさは叫んだ。
「ああ!本当だ!!君達の活躍はしっかりと覚えている!!
あの戦いで私以外に生き残った者がいるとは信じられない!君に会いたい!姿を見せてくれ!!」
『……本当にゆん察は攻撃してこないのか?』
「ああ!私が約束する!!これ以上犠牲を出したくない!!私を信じてくれ!!」
『……今からそちらへ行く!』
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
みょんの前に、まりさが姿を現した。
「私は、特殊ゆ隊隊長のみょんだ!かつての戦友に会えて、本当にうれしいぞ!」
『コマンドーゆ隊所属、まりさ!ただ今到着しました!』
みょんを見たまりさの目は、冷徹な獣の目から温情深いゆっくりの目になっていた。
「まりさ、よくあの戦いを生き残ったな。正直驚いているよ。」
『私を助けてくれたゆっくりがいて、彼には色々と世話になりました。』
「いい友人だったようだな。ところでまりさ。きみはどうしてこんな事をしたんだ…?」
『それは、』
「ゆあああああああああ!!!」
突然、れいむがまりさに体当たりで襲い掛かった。
油断しきっていたまりさは、れいむの攻撃を避けきれずに吹っ飛ばされた。
止めを刺そうと、まりさに向かって大きくジャンプするれいむ。
「しねえええええええええええ!!!!!!!」
『くっ…!』
近くに落ちていた木の枝を投げるまりさ。
れいむの体に木の枝が突き刺さる。
「ゆがあああああああああああああああ!!!!!」
隙を見て、ゆん察署の中へ逃げ込むまりさ。
「このぐずがああああああ!!ゆるざないぞおおおおおお!!!」
正気を失ったれいむがまりさの後を追う。
「ゆん察全員に命令する!
全員装備を外して待機!何があっても絶対に攻撃してはならない!!
いいか、これは命令だぞ!!」
みょんはその場にいるゆん察に命令した後、ゆん察署へと入っていった。
すでに太陽は沈み、丸い月が空に輝いている。
………………………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………
…………………………………………
…………………………
「でてこいいいいい!!ゲスまりさああああああ!!!!」
れいむは一人で叫んだ。
(ゆぎぎ…あのまりさのせいで、れいむはゆっくりできないよ!
ここはれいむのむれなんだよ!だかられいむはなにをしていいんだよ!!
いままで、ほかのゆっくりはみんなれいむのいうことをきいてきたのに!!
あのまりさのせいで、ぜんぶがだいなしになっちゃうよ!!
れいむをゆっくりさせられないまりさはせいっさいするよ!!!)
カタッ
右側から物音がした。
「そこがああああああああ!!!」
音のした場所目がけて体当たりをするれいむ。
しかし、そこには何もなかった。
「ゆぅー、ゆふーっ」
息を荒げるれいむ。
「あんのくずが…」
ブスッ
れいむの背中に、木の枝が突き刺さる。
その枝は見事に中枢餡を貫通した。
自分に何が起きたのかもわからず、れいむはその場に倒れて永遠にゆっくりした。
『はーっ、はーっ……』
まりさは倒れたれいむをただ見つめる。
「終わったか。」
ビクンッ!
突然の声に驚き、慌ててれいむの体から木の枝を引き抜くまりさ。
振り向くと、そこにはみょんがいた。
「まりさ、もうやめるんだ。」
『まだだ!まだコイツの仲間がいる!』
「まりさ。このままだと君も死ぬぞ。」
『ヤツらが一方的に俺に拷問をしてきたんだ!』
「わかっている。後で彼らの処分を検討する。
……だから、もう終わりにしよう。」
『……終わり、だと…?』
「ああ、戦いはもう終わったんだ。」
『何も終わってない!
何も、終わってないんだ!!
俺はゆっくりの為に、みんながゆっくりできるよう命をかけて戦った!!
まりさを助けてくれたみょん……みょんは優しくしてくれた…まりさはとっても立派だって……。
でも、街に出てみろ!!兵隊はバカだ、愚かだって言いたい放題だ!!!
戦場を見た事もない連中が俺達を、命をかけて戦った兵士を見下すんだ!!
ヤツらの為に俺は、みんなは戦っていたのか……ッ!!』
「時代は変わる。世間では過去の出来事になっているんだ。」
『ヤツらにはな!!
今の世界は腐ってる!!ゆっくりがゆっくりを殺しているんだぞ!!
…みょんも、ゲスに殺されちまった……。
何でだ!!何故みょんが死ななきゃいけないんだ!!!!
どうしてゲスが生きている!!!』
「まりさ。私にとって君はあの戦場で共に戦った最後の友だ。失いたくない。」
『そうだ……戦場には、居場所があった。
特別なすぃーにも乗れたし、おいしいあまあまもたくさんもらえた!!
あそこじゃあ、親友がたくさんいた!!
あそこには親友がいたんだ!頼れる上司もいた!!
みんなが親友だった……
それなのにどうだ、ここには何もない…
なんにも……ないんだ………』
まりさは投降した。
みょんに支えられながら外へと歩くまりさ。
夜が明け、太陽の光が彼らを照らす……
_____________________________________________________________
・anko1874 永久機関?
・anko1885 ドスとなった人間
・anko1908 ゆん月殺法
・anko1913 奇形児
・anko1924 バトル・ゆワイヤル
・anko1955 S1GP
・anko1961 ゆ虐の基本
・anko1967 ブラックゆンジェルズ
・anko1985 スタンドゆっくり
・anko1990 続・スタンドゆっくり
・anko2008 俺と水上まりさとこれからの夏
作者:お受験あき
_____________________________________________________________
・パロディ作品を書くつもりが、ずいぶんとオリジナルな展開に……
・「ゆっくりシティの攻撃」「ゆっくりシティの戦い」の外伝的な作品になってしまいました。
・ゆンボー(まりさ)の設定を作る為にゆっくりシティを書いたのは内緒
・読者さんがゆっくりできる作品を書けるようになりたいです。
感想、改善点などを教えていただけると、作者が少し成長するかもしれません