ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2345 まりさを探せ!
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『まりさを探せ!』 14KB
不運 自業自得 差別・格差 飾り 駆除 野良ゆ 都会 加工場 現代 独自設定 ジャンル・「救出」?
「まりさを探せ!」
羽付きあき
・加工所物
・幾つかの独自設定で保管しておりますご注意を
・謎解き?モノ
「・・・で、これがいなくなったまりさです」
・・・私の目の前で男が自身と移っているゆっくりまりさの写真を差しだした。
モチモチの小麦粉の肌に、艶艶の砂糖細工の髪・・・そして皺ひとつない帽子と金バッジ。
相当大事にされていたのだろう。
「・・・いつ頃いなくなったのでしょうか?」
「丁度ひと月前ぐらいでしょうか・・・少し目を離したすきに網戸を自分で開けて出たんだと思います・・・」
金バッジのゆっくり・・・それも殆ど外らしい外を知らないゆっくりまりさがひと月も帰ってこない。
それは恐らく街ゆっくりにでもやられたか、そのまま野垂れたかのどれかだろう。
だが、男にはそのまりさが生きていると言う確信と言うか、何かそんな物を持っているようだ。
「しかし一か月近くです。山野で迷ったと言うならまだ可能性はありますが街では・・・食料の取り方、どれが食べられるものか、"おうち"の作り方、あなたのまりさはそれを知りません。そう考えれば持って三日と考えるのが妥当でしょう」
「・・・確かにその通りです。ですがまだ一つ可能性が残っています・・・これを見てください」
男が差し出したのは雑誌であった。開いたその記事と写真に目を通したとき、なるほど可能性はまだあると私も感じた。
雑誌には「加工所のゆっくり達」と言う題名で、広い部屋に大量に集められた「街ゆっくり」や「捨てゆっくり」等の写真が載っていた。
一斉駆除の際に、一旦捕まえて加工所で処分するのである。餡子は生産すっきり用ゆっくりの食料などに再利用されると言われている。
「なるほど、確かに一定の数量が集まらなければ加工所でずっと集められたままですしね・・・それのスパンはおおよそ約一カ月。可能性があります」
「ですが問題が・・・」
「・・・"300体のゆっくり"でしょうか?」
男の顔が曇った。
加工所に一度に入れれるゆっくりの数は約300、一か月近くと言えど、それ程度の数は集まっていると見るのが普通だろう。
そして何より、恐らく「飼いまりさ」にはバッジがないだろう。
あれば拾って戻っているはずである。バッジを街ゆっくりに奪われた可能性が高い。
つまり、全く見分けのつかないゆっくり300体の中から短期間で飼いまりさを見つけ出さなければならない。
それは、容易ではないと言う事は重々承知であった。
「まりさを、見つけてもらいますか」
男が重い口を開いた。
私は席を立ちあがると男の手を取り、こう言った。
「わかりました。必ず見つけ出します」
・・・・・・
・・・
「・・・あなたはゆっくり研究の中でも特に街ゆっくりの社会性について詳しいとお聞きしました。少しお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
私の目の前には、本に埋もれる様にして僅かに露出した椅子に腰かけている老人の姿があった。
老人は、分厚い本を取り出すと、まるで辞書の単語でも探すかのようにペラペラと捲っている。
「かまいませんよ。何についてでしょうか?」
「"かいゆっくりにしてください"と言ってくるゆっくりをよく見かけます、それは全て捨てゆっくりなのでしょうか?」
「よく勘違いされる質問ですね。答えはNOです」
「・・・つまり、飼いゆっくりになった経験も存在しない街ゆっくりも混じっていると?」
老人が席を立ちあがると、立てかけてある小さな黒板にチョークで何やら図を書き始めた。
「俗に言う"アピール"と言う行動ですね。これは本来、秋の中頃からから冬までがピークを迎えます。それはつまり・・・」
老人がチョークである図を指し示した。そこには「不足」と書かれている。
「食料不足・・・ですか」
「その通りです。"おうた"も"おどり"も出来ないほどに食料不足が深刻な時の最終手段としてとらえるとわかりやすいでしょう。確かにあなたの言う通り、全てと言っていいほどのアピールをするゆっくりは"捨てゆっくり"です。ですが近年では比率が代わってきております。大体街ゆっくり、飼いゆっくりとで表すなら約7:3と言ったところでしょう」
「では、加工所に入ったゆっくり達の中からたった一体の金バッジゆっくりを見分ける為の方法はあるのでしょうか?」
老人が眉をピクリと動かした、そして開けたままであった分厚い本をぱたりと閉めるとこう答える。
「特定と言うのは不可能ですが絞り込むことは可能です。特殊な状況下において・・・特に加工所内であなたがゆっくり達に近づくと、どのゆっくりも"アピール"を繰り返すでしょう。嘘も含めてね。」
「その嘘を見破らなければならない・・・」
「そうです。具体的な方法は幾つかありますが、その飼いゆっくりの特性を利用しなければ・・・」
老人が小さなメモ帳を破ると、サラサラとボールペンで何かを書き始める。
それを私に手渡す間際にこう話した。
「一般的な見分け方です。大分絞り込めるでしょうが見つけるまでには・・・」
「いえ、十分助力になります。ありがとうございました」
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「いやあああああ!もうじっぎりじだぐないいいいい!ずっぎりいやあああああ!!」
「あでぃずのっ!あでぃずのどがいばなおぢびぢゃんがっ!ゆがあああああ!もうずっぎりはいやだわあああああ!!」
「ゆ”・・・!ゆ”・・・!お・・・ぢび・・・ぢゃん・・・れい・・・む・・・の・・・おぢ・・・び・・・ぢゃ・・・」
ベルトコンベアの端には、透明の箱に茎だけが伸びる形でゆっくりの番いが置かれていた。
れいむ種とありす種が蔓を伸ばしている。砂糖水の涙と涎をまき散らし叫ぶゆっくり、虚ろな寒天の両目で中空を見据え何かをブツブツと呟くゆっくり等がいた。
後ろ側には、多くのまりさ種やありす種がヘコヘコと底部を動かして、ヌルヌルの水飴の液体を噴出させ続けていた。
「ゆふっ・・・!ゆふっ・・・!あでぃずっ!ごべんねっ!ごべんねぇぇ・・・!」
「ぼうずっぎりじだぐないわあああああ!ゆぎいいいいい!」
「ゆはっ・・・ゆはっ・・・!もうだべだよ・・・!」
一体のまりさ種が動きを止めた、その瞬間に先のとがったロボットアームがまりさ種の後部に突き刺さり、何かを注ぎ込む。
「あぎっ!ゆぎっ!い”や”あ”あ”あ”あ”!!ぼうずっぎりじだぐないよおおおおお!ゆふっ・・・!ゆふっ・・・!ふっ・・・!ふっ・・・!」
叫んで小麦粉の皮をよじらせたまりさ種であったが、動きが止まる、小刻みにプルプルと震え始める・・・そして
「んほおおおおおおおお!!でいぶっ!でいぶっ!でいぶううううううううう!!ずっぎりずっぎりいいいいいいいい!!」
声を上げて底部をヘコヘコと再び動かすまりさ種。しかし、恍惚とした表情のまま、涙を流していた。
仮面の下からあふれ出す涙の様に私は感じた。
(ここには金バッジまりさはいないな・・・)
生産すっきり用のゆっくりは、れいぱーありすや、まりさ種、れいむ種等が担当するが、一回り大きいゆっくりがそれになる。
金バッジまりさは栄養状態がいいとは言え、恐らく一カ月の間にやせ衰えてしまっているだろう。
・・・恐らくは子ゆっくりを育てている。モチモチの小麦粉の肌や清潔な風貌は、街ゆっくりから見ればさぞや「美ゆっくり」に見える事だろう。
つまり、迷ってしまった日からそう遠くない時に、すっきりをされているはずである。
まりさ種と言う事を考えれば、れいぱーありすと言った所が一番可能性が高いか・・・
そこから導き出せば、金バッジまりさは子まりさ、ないし子ありすと一緒にいる可能性が高い。
いよいよ、ドアが開くと、そこにはガラス越しに、大量のゆっくりを見る事が出来た。
それぞれが家族単位で寄り固まっている。
風貌はどれも汚く、飾りが所々欠けているゆっくりが多々見受けられた。
小麦粉の肌も煤や泥がついて汚れている。
私がガラスを一度コンと叩くと、ゆっくり達の眼の色が変わった。
凄まじい勢いで飛び跳ねてきたり、のーびのーびで近寄ると、ガラス越しに小麦粉の顔をべチャリと付けて何かを叫び始めた。
後ろにいるゆっくり達までもが、のーびのーびを繰り返していびつな形に鳴りながら私に何かを叫び続けている。
「・・・!!!・・・!!・・・!」
「・・・!!・・・!!!!」
「・・・!!・・・!」
私は、ゆっくり達のいる場所のドアをあける。柵がしているので近づく事が出来ないが、ガラスの向こうに張り付いて殺到していたゆっくり達が、今度は私の柵に向かって群がり始めた。
「にんげんざんだ!にんげんざんがおりでぎだよっ!」
「ゆ!ゆ!」
「まりさをかいゆっくりにしてねっ!」
「ゆ!」
「ありすはとっても!とってもとかいはだわ!おうただってうたえるしおどりだって・・・ゆがっ!」
「どいてねっ!にんげんさん!れいむとれいむのおちびちゃんだよ!とってもゆっくりできてかわいいよ!だから!だからかいゆっくりにしてね!おちびちゃんもなにかしてねっ!はやく!はやくっ!」
「ごはんしゃん!ごはんしゃんをちょうぢゃいにぇ!まりしゃちゃちはもうなんにちもごはんしゃんがたべれちぇにゃいんぢゃよ!」
「ゆ!ゆ!ゆ!」
「あでぃずのおぢびぢゃんがゆっぐりでぎなぐなっでるのおおおおお!にんげんざんっ!おでがいじばずっ!あばあばを!おれんじじゅーずざんをぐだざいっ!ずごじでいいんでずうううううう!!」
「ちゅぶれりゅううううううう!」
「ゆ!」
「ごはんさん!ごはんさんをちょうだいね!ずごじだげっ!ぼんのずごじだげでぼ・・・!」
「まりさたちをここからだしてね!」
「たすけてね!れいむたちゆっくりしたいだけだよ!」
「ゆ!ゆ!」
・・・私は思わず一歩後ろに下がった。
それを去る行為と勘違いしたゆっくり達が、鉄柵を折り倒さんとする勢いでさらに騒ぎ出す。
「まっでええええええ!まっでえええええええええ!にんげんざんんんんんんんんん!!」
「でいぶはぎんばっじのがいゆっぐりだったんだよ!」
私がその言葉に反応すると、れいむのただ一言が皮切りとなって一斉にゆっくり達が騒ぎ始めた。
「ま、まりさも!まりさはきんばっじのかいゆっくりだったんだよ!とってもすごいんだよ!」
「ありすもきんばっじよ!とってもとかいはなきんばっじだったのよ!」
「れいむはぎんばっじさんだったけどおうたがじょうずなんだよ!ゆ~!ゆゆー!ゆっくり~!」
「まりさはぎんばっじさんだけどかけっこがいちばんじょうずだったんだよっ!ゆっくりみててね!ゆ!ゆ!」
「ありすはきんばっじさんだからとってもとかいはなこーでぃねーとができるわ!みて!このかざりはしみやよごれなんかじゃないわ!これはありすがこーでぃねーとしてのよ!」
「まりさはぷらちなばっじさんだったんだよ!とってもゆっくりしたゆっくりなんだよ!だからかいゆっくりにしてねっ!」
「ありすも!ありすもぷらちなばっじさんだわ!おちびちゃんたちもきんばっじよ!」
「れいむはおちびちゃんたちもぷらちなばっじだよ!とってもゆっくりしたゆっくりなんだよ!」
どれもこれも荒唐無稽な事を口にしている。
突如跳ねて部屋の端から端まで「かけっこ」をし出すゆっくり、怒号と変わらない「おうた」を歌い出すゆっくり、汚いシミや油汚れ、そして泥に汚れたカチューシャを「こーでぃねーと」だと叫ぶゆっくり・・・
どれも殆どが具体的な事に触れず、抽象的な表現で「飼いゆっくり」であった事をアピールしている。殆どが嘘だろう。
薄汚い小麦粉の体をぐーねぐーねと動かしながら、砂糖水の涙と涎をまき散らして、砂糖細工の歯をむき出しにしてこちらに迫っている。
(・・・僕の周辺より外れて点在しているゆっくり達が本物の可能性があるってことか)
蠢く様に小麦粉の体の形を変化させこちらに群がるゆっくり達に外れているゆっくり・・・
弾き飛ばされて最後部に来たのだろう・・・可能性があるとすればこのゆっくり達だ。
しかし出遅れただけと言う可能性もある。次に行う方法で大分絞り込めるはずだ。
私はガラスの向こうにいる加工所職員に手で合図を送る。
すると部屋の壁に据え付けられていたダクトの様な場所が開き、中からチョコレートや砂糖菓子等の「あまあま」が落ちてきた。
ダクトの数は全部で3個。つまり三か所にわけてある。
「今、僕はあまあまを流した!あそこに三か所あるぞ!」
私がそう言うと、ゆっくり達の視線がダクトに釘づけになる。
一斉にダクト周辺へと集うゆっくり達、押し合いへしあいを繰り返して三か所にゆっくりの「ダンゴ」が出来上がった。
「ゆ!あまあまさんだよ!」
「これはれいむのものだよ!ゆっくりどいてね!」
「はふっ!ほふっ!ゆがっ!」
「どぎなざい!がふっはふっ!これはあでぃずのものよ!」
「ずるいよ!まりさにもわけてね!」
「ゆ!ゆ!どいて!ゆ!どいてね!」
「いやだよ!これはまりさのものだよ!」
「あでぃずも!あでぃずもぼじいわっ!ぼじいわああああああ!!」
・・・私の視線は「ダンゴ」になったゆっくり達の外側・・・つまり押し戻されたゆっくり達に神経を注いだ。
砂糖細工の後ろ髪や、ピコピコを噛み、それを左右に振りながら前のゆっくり達をどかそうとしているゆっくり達。
拍子に飾りが取れてしまったり、帽子を落としてしまったりしても、お構いなしにあまあまに群がっていくゆっくり達は「ダンゴ」の中心部周辺にいる。
これが「街ゆっくり」だ。
はずみで飾りが取れたり、帽子を落とした外側のゆっくり達は、あまあまを諦めてでも飾りを拾いに行っていた。
また、子ゆっくりに構わずあまあまを取りに行かずに、子ゆっくりが転んだりすると、すぐさま諦め、ぺーろぺーろを始めるゆっくり。
これが「捨てゆっくり」だろう。
私が判断した捨てゆっくり達を注視していると、一体のまりさが目に付いた。
帽子が明らかに他のまりさ種よりボロボロだ。擦り切れたりしたのではない。あれは「噛み千切られ、踏みにじられ」た物だ。
周りのゆっくりに比べて一段と汚く、さらには生傷だらけである。日常的に他のゆっくりに攻撃を受けているのだろう。
そして、一体の子ありすをぺーろぺーろした後は、帽子を取り払い、その中に避難をさせようとしている。
帽子の内側の白い布の上には、赤まりさや赤ありすの帽子や飾りが、10~20個程詰まっていた。
(見つけた!)
私は鉄柵を飛び越えてそのまりさと子ありすを掴むと、ドアに向けて走り出す。
粗方「あまあま」を食べ終えたゆっくり達が、一斉に私に「アピール」をしようとなだれ込み始める。
間一髪でドアを閉めると、ゆっくり達の悲鳴が遮断されるはずの壁越しから振動となって聞こえて来たように感じた・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「ゆぎゃあ”あ”あ”あ”っ!!!!いだいっ!いだいいいいいいい!あ”あ”あ”あ”っ!ごわいよおおおお!いだいよおおおおお!!」
一体のまりさがローラーに引き潰されながら残った小麦粉の体をぐーねぐーねとさせながら何かを叫んでいる。
ブチブチと言う音がここからでも聞こえてくるのが分かる。
「にんげんざんっ!でいぶをだずげでねっ!でいぶまだもっどゆっぐりじだいよっ!おちびちゃんだぢどみんなでおうだをうだっだりぽかぽかざんをじだ・・・あぎゃあ”あ”あ”あ”あ”っ!!いだいっ!にんげんざんっ!だずげでっ!だずげでっ!だずげでえええええええ!!でいぶをだずげでねええええええええ!!」
「あ”あ”あ”あ”あ”っ!あでぃずまだじにだぐないわああああ!!あ”あ”----っ!!あ”あ”あ”あ”------っぎゃあ”あ”あ”あ”あ”!!いだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「ゆはっ・・・!ゆはっ・・・!ゆはっ・・・!ごわっ・・・!ごわいよっ・・・ゆひっ・・・ゆひっ・・・!あ”あ”----っ!!ぎだあああああああ!!いやだあああああああ!うごいでねっ!うごいでねっ!!うごいでねえええええええ!までぃざのあんよざんうごいでねっ!おでがいいいいいいいぃぃぁぁあああああぐぇぇぇぇえええええええ!!!!いだいいいいいいいいい!!ゆはっ!ゆはっ!ゆっぎいいいいいいい!!」
他のゆっくり達もローラーによってどんどんと破砕されていっていた。
私が、金バッジまりさとその子ありすを見つけた後、すぐに始まったのだ。
あのまりさが金バッジまりさだとわかったのにはいくつか裏付けがある。
最初の私自身がゆっくり達の近くに寄ったのと、あまあまを流したのは一般的なゆっくりの見分け方で。
最後にまりさが子ゆっくりにする行動と、なにより帽子の中身が決め手となった。
まりさは迷った当初、れいぱーあありすにすっきりされたのだ。
栄養状態が良かったため、すっきりしたまま餡子が吸われて潰れる事も無く、20体近くの赤ゆっくりを育てた。
しかし街と言う過酷な環境、それに対応できるはずもないまりさは赤ゆっくりの全てをゆっくりできなくさせてしまう。
問題はここからだ。
普通の街ゆっくりならば赤ゆっくりの飾りはどこかへ捨ててしまうだろう。そんなものを持っていても何の役にも立たないし、むしろデメリットの方が多いからだ。
しかしこのまりさは、そんな事は全く知らない。赤ゆっくり達の飾りを形見として持っていたのだ。
全てはまりさの優しさがこの窮地を救ったのかもしれない。
・・・加工所を後にする。後ろからは飼い主と金バッジに戻ったまりさの感謝の声が聞こえていた。
不運 自業自得 差別・格差 飾り 駆除 野良ゆ 都会 加工場 現代 独自設定 ジャンル・「救出」?
「まりさを探せ!」
羽付きあき
・加工所物
・幾つかの独自設定で保管しておりますご注意を
・謎解き?モノ
「・・・で、これがいなくなったまりさです」
・・・私の目の前で男が自身と移っているゆっくりまりさの写真を差しだした。
モチモチの小麦粉の肌に、艶艶の砂糖細工の髪・・・そして皺ひとつない帽子と金バッジ。
相当大事にされていたのだろう。
「・・・いつ頃いなくなったのでしょうか?」
「丁度ひと月前ぐらいでしょうか・・・少し目を離したすきに網戸を自分で開けて出たんだと思います・・・」
金バッジのゆっくり・・・それも殆ど外らしい外を知らないゆっくりまりさがひと月も帰ってこない。
それは恐らく街ゆっくりにでもやられたか、そのまま野垂れたかのどれかだろう。
だが、男にはそのまりさが生きていると言う確信と言うか、何かそんな物を持っているようだ。
「しかし一か月近くです。山野で迷ったと言うならまだ可能性はありますが街では・・・食料の取り方、どれが食べられるものか、"おうち"の作り方、あなたのまりさはそれを知りません。そう考えれば持って三日と考えるのが妥当でしょう」
「・・・確かにその通りです。ですがまだ一つ可能性が残っています・・・これを見てください」
男が差し出したのは雑誌であった。開いたその記事と写真に目を通したとき、なるほど可能性はまだあると私も感じた。
雑誌には「加工所のゆっくり達」と言う題名で、広い部屋に大量に集められた「街ゆっくり」や「捨てゆっくり」等の写真が載っていた。
一斉駆除の際に、一旦捕まえて加工所で処分するのである。餡子は生産すっきり用ゆっくりの食料などに再利用されると言われている。
「なるほど、確かに一定の数量が集まらなければ加工所でずっと集められたままですしね・・・それのスパンはおおよそ約一カ月。可能性があります」
「ですが問題が・・・」
「・・・"300体のゆっくり"でしょうか?」
男の顔が曇った。
加工所に一度に入れれるゆっくりの数は約300、一か月近くと言えど、それ程度の数は集まっていると見るのが普通だろう。
そして何より、恐らく「飼いまりさ」にはバッジがないだろう。
あれば拾って戻っているはずである。バッジを街ゆっくりに奪われた可能性が高い。
つまり、全く見分けのつかないゆっくり300体の中から短期間で飼いまりさを見つけ出さなければならない。
それは、容易ではないと言う事は重々承知であった。
「まりさを、見つけてもらいますか」
男が重い口を開いた。
私は席を立ちあがると男の手を取り、こう言った。
「わかりました。必ず見つけ出します」
・・・・・・
・・・
「・・・あなたはゆっくり研究の中でも特に街ゆっくりの社会性について詳しいとお聞きしました。少しお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
私の目の前には、本に埋もれる様にして僅かに露出した椅子に腰かけている老人の姿があった。
老人は、分厚い本を取り出すと、まるで辞書の単語でも探すかのようにペラペラと捲っている。
「かまいませんよ。何についてでしょうか?」
「"かいゆっくりにしてください"と言ってくるゆっくりをよく見かけます、それは全て捨てゆっくりなのでしょうか?」
「よく勘違いされる質問ですね。答えはNOです」
「・・・つまり、飼いゆっくりになった経験も存在しない街ゆっくりも混じっていると?」
老人が席を立ちあがると、立てかけてある小さな黒板にチョークで何やら図を書き始めた。
「俗に言う"アピール"と言う行動ですね。これは本来、秋の中頃からから冬までがピークを迎えます。それはつまり・・・」
老人がチョークである図を指し示した。そこには「不足」と書かれている。
「食料不足・・・ですか」
「その通りです。"おうた"も"おどり"も出来ないほどに食料不足が深刻な時の最終手段としてとらえるとわかりやすいでしょう。確かにあなたの言う通り、全てと言っていいほどのアピールをするゆっくりは"捨てゆっくり"です。ですが近年では比率が代わってきております。大体街ゆっくり、飼いゆっくりとで表すなら約7:3と言ったところでしょう」
「では、加工所に入ったゆっくり達の中からたった一体の金バッジゆっくりを見分ける為の方法はあるのでしょうか?」
老人が眉をピクリと動かした、そして開けたままであった分厚い本をぱたりと閉めるとこう答える。
「特定と言うのは不可能ですが絞り込むことは可能です。特殊な状況下において・・・特に加工所内であなたがゆっくり達に近づくと、どのゆっくりも"アピール"を繰り返すでしょう。嘘も含めてね。」
「その嘘を見破らなければならない・・・」
「そうです。具体的な方法は幾つかありますが、その飼いゆっくりの特性を利用しなければ・・・」
老人が小さなメモ帳を破ると、サラサラとボールペンで何かを書き始める。
それを私に手渡す間際にこう話した。
「一般的な見分け方です。大分絞り込めるでしょうが見つけるまでには・・・」
「いえ、十分助力になります。ありがとうございました」
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「いやあああああ!もうじっぎりじだぐないいいいい!ずっぎりいやあああああ!!」
「あでぃずのっ!あでぃずのどがいばなおぢびぢゃんがっ!ゆがあああああ!もうずっぎりはいやだわあああああ!!」
「ゆ”・・・!ゆ”・・・!お・・・ぢび・・・ぢゃん・・・れい・・・む・・・の・・・おぢ・・・び・・・ぢゃ・・・」
ベルトコンベアの端には、透明の箱に茎だけが伸びる形でゆっくりの番いが置かれていた。
れいむ種とありす種が蔓を伸ばしている。砂糖水の涙と涎をまき散らし叫ぶゆっくり、虚ろな寒天の両目で中空を見据え何かをブツブツと呟くゆっくり等がいた。
後ろ側には、多くのまりさ種やありす種がヘコヘコと底部を動かして、ヌルヌルの水飴の液体を噴出させ続けていた。
「ゆふっ・・・!ゆふっ・・・!あでぃずっ!ごべんねっ!ごべんねぇぇ・・・!」
「ぼうずっぎりじだぐないわあああああ!ゆぎいいいいい!」
「ゆはっ・・・ゆはっ・・・!もうだべだよ・・・!」
一体のまりさ種が動きを止めた、その瞬間に先のとがったロボットアームがまりさ種の後部に突き刺さり、何かを注ぎ込む。
「あぎっ!ゆぎっ!い”や”あ”あ”あ”あ”!!ぼうずっぎりじだぐないよおおおおお!ゆふっ・・・!ゆふっ・・・!ふっ・・・!ふっ・・・!」
叫んで小麦粉の皮をよじらせたまりさ種であったが、動きが止まる、小刻みにプルプルと震え始める・・・そして
「んほおおおおおおおお!!でいぶっ!でいぶっ!でいぶううううううううう!!ずっぎりずっぎりいいいいいいいい!!」
声を上げて底部をヘコヘコと再び動かすまりさ種。しかし、恍惚とした表情のまま、涙を流していた。
仮面の下からあふれ出す涙の様に私は感じた。
(ここには金バッジまりさはいないな・・・)
生産すっきり用のゆっくりは、れいぱーありすや、まりさ種、れいむ種等が担当するが、一回り大きいゆっくりがそれになる。
金バッジまりさは栄養状態がいいとは言え、恐らく一カ月の間にやせ衰えてしまっているだろう。
・・・恐らくは子ゆっくりを育てている。モチモチの小麦粉の肌や清潔な風貌は、街ゆっくりから見ればさぞや「美ゆっくり」に見える事だろう。
つまり、迷ってしまった日からそう遠くない時に、すっきりをされているはずである。
まりさ種と言う事を考えれば、れいぱーありすと言った所が一番可能性が高いか・・・
そこから導き出せば、金バッジまりさは子まりさ、ないし子ありすと一緒にいる可能性が高い。
いよいよ、ドアが開くと、そこにはガラス越しに、大量のゆっくりを見る事が出来た。
それぞれが家族単位で寄り固まっている。
風貌はどれも汚く、飾りが所々欠けているゆっくりが多々見受けられた。
小麦粉の肌も煤や泥がついて汚れている。
私がガラスを一度コンと叩くと、ゆっくり達の眼の色が変わった。
凄まじい勢いで飛び跳ねてきたり、のーびのーびで近寄ると、ガラス越しに小麦粉の顔をべチャリと付けて何かを叫び始めた。
後ろにいるゆっくり達までもが、のーびのーびを繰り返していびつな形に鳴りながら私に何かを叫び続けている。
「・・・!!!・・・!!・・・!」
「・・・!!・・・!!!!」
「・・・!!・・・!」
私は、ゆっくり達のいる場所のドアをあける。柵がしているので近づく事が出来ないが、ガラスの向こうに張り付いて殺到していたゆっくり達が、今度は私の柵に向かって群がり始めた。
「にんげんざんだ!にんげんざんがおりでぎだよっ!」
「ゆ!ゆ!」
「まりさをかいゆっくりにしてねっ!」
「ゆ!」
「ありすはとっても!とってもとかいはだわ!おうただってうたえるしおどりだって・・・ゆがっ!」
「どいてねっ!にんげんさん!れいむとれいむのおちびちゃんだよ!とってもゆっくりできてかわいいよ!だから!だからかいゆっくりにしてね!おちびちゃんもなにかしてねっ!はやく!はやくっ!」
「ごはんしゃん!ごはんしゃんをちょうぢゃいにぇ!まりしゃちゃちはもうなんにちもごはんしゃんがたべれちぇにゃいんぢゃよ!」
「ゆ!ゆ!ゆ!」
「あでぃずのおぢびぢゃんがゆっぐりでぎなぐなっでるのおおおおお!にんげんざんっ!おでがいじばずっ!あばあばを!おれんじじゅーずざんをぐだざいっ!ずごじでいいんでずうううううう!!」
「ちゅぶれりゅううううううう!」
「ゆ!」
「ごはんさん!ごはんさんをちょうだいね!ずごじだげっ!ぼんのずごじだげでぼ・・・!」
「まりさたちをここからだしてね!」
「たすけてね!れいむたちゆっくりしたいだけだよ!」
「ゆ!ゆ!」
・・・私は思わず一歩後ろに下がった。
それを去る行為と勘違いしたゆっくり達が、鉄柵を折り倒さんとする勢いでさらに騒ぎ出す。
「まっでええええええ!まっでえええええええええ!にんげんざんんんんんんんんん!!」
「でいぶはぎんばっじのがいゆっぐりだったんだよ!」
私がその言葉に反応すると、れいむのただ一言が皮切りとなって一斉にゆっくり達が騒ぎ始めた。
「ま、まりさも!まりさはきんばっじのかいゆっくりだったんだよ!とってもすごいんだよ!」
「ありすもきんばっじよ!とってもとかいはなきんばっじだったのよ!」
「れいむはぎんばっじさんだったけどおうたがじょうずなんだよ!ゆ~!ゆゆー!ゆっくり~!」
「まりさはぎんばっじさんだけどかけっこがいちばんじょうずだったんだよっ!ゆっくりみててね!ゆ!ゆ!」
「ありすはきんばっじさんだからとってもとかいはなこーでぃねーとができるわ!みて!このかざりはしみやよごれなんかじゃないわ!これはありすがこーでぃねーとしてのよ!」
「まりさはぷらちなばっじさんだったんだよ!とってもゆっくりしたゆっくりなんだよ!だからかいゆっくりにしてねっ!」
「ありすも!ありすもぷらちなばっじさんだわ!おちびちゃんたちもきんばっじよ!」
「れいむはおちびちゃんたちもぷらちなばっじだよ!とってもゆっくりしたゆっくりなんだよ!」
どれもこれも荒唐無稽な事を口にしている。
突如跳ねて部屋の端から端まで「かけっこ」をし出すゆっくり、怒号と変わらない「おうた」を歌い出すゆっくり、汚いシミや油汚れ、そして泥に汚れたカチューシャを「こーでぃねーと」だと叫ぶゆっくり・・・
どれも殆どが具体的な事に触れず、抽象的な表現で「飼いゆっくり」であった事をアピールしている。殆どが嘘だろう。
薄汚い小麦粉の体をぐーねぐーねと動かしながら、砂糖水の涙と涎をまき散らして、砂糖細工の歯をむき出しにしてこちらに迫っている。
(・・・僕の周辺より外れて点在しているゆっくり達が本物の可能性があるってことか)
蠢く様に小麦粉の体の形を変化させこちらに群がるゆっくり達に外れているゆっくり・・・
弾き飛ばされて最後部に来たのだろう・・・可能性があるとすればこのゆっくり達だ。
しかし出遅れただけと言う可能性もある。次に行う方法で大分絞り込めるはずだ。
私はガラスの向こうにいる加工所職員に手で合図を送る。
すると部屋の壁に据え付けられていたダクトの様な場所が開き、中からチョコレートや砂糖菓子等の「あまあま」が落ちてきた。
ダクトの数は全部で3個。つまり三か所にわけてある。
「今、僕はあまあまを流した!あそこに三か所あるぞ!」
私がそう言うと、ゆっくり達の視線がダクトに釘づけになる。
一斉にダクト周辺へと集うゆっくり達、押し合いへしあいを繰り返して三か所にゆっくりの「ダンゴ」が出来上がった。
「ゆ!あまあまさんだよ!」
「これはれいむのものだよ!ゆっくりどいてね!」
「はふっ!ほふっ!ゆがっ!」
「どぎなざい!がふっはふっ!これはあでぃずのものよ!」
「ずるいよ!まりさにもわけてね!」
「ゆ!ゆ!どいて!ゆ!どいてね!」
「いやだよ!これはまりさのものだよ!」
「あでぃずも!あでぃずもぼじいわっ!ぼじいわああああああ!!」
・・・私の視線は「ダンゴ」になったゆっくり達の外側・・・つまり押し戻されたゆっくり達に神経を注いだ。
砂糖細工の後ろ髪や、ピコピコを噛み、それを左右に振りながら前のゆっくり達をどかそうとしているゆっくり達。
拍子に飾りが取れてしまったり、帽子を落としてしまったりしても、お構いなしにあまあまに群がっていくゆっくり達は「ダンゴ」の中心部周辺にいる。
これが「街ゆっくり」だ。
はずみで飾りが取れたり、帽子を落とした外側のゆっくり達は、あまあまを諦めてでも飾りを拾いに行っていた。
また、子ゆっくりに構わずあまあまを取りに行かずに、子ゆっくりが転んだりすると、すぐさま諦め、ぺーろぺーろを始めるゆっくり。
これが「捨てゆっくり」だろう。
私が判断した捨てゆっくり達を注視していると、一体のまりさが目に付いた。
帽子が明らかに他のまりさ種よりボロボロだ。擦り切れたりしたのではない。あれは「噛み千切られ、踏みにじられ」た物だ。
周りのゆっくりに比べて一段と汚く、さらには生傷だらけである。日常的に他のゆっくりに攻撃を受けているのだろう。
そして、一体の子ありすをぺーろぺーろした後は、帽子を取り払い、その中に避難をさせようとしている。
帽子の内側の白い布の上には、赤まりさや赤ありすの帽子や飾りが、10~20個程詰まっていた。
(見つけた!)
私は鉄柵を飛び越えてそのまりさと子ありすを掴むと、ドアに向けて走り出す。
粗方「あまあま」を食べ終えたゆっくり達が、一斉に私に「アピール」をしようとなだれ込み始める。
間一髪でドアを閉めると、ゆっくり達の悲鳴が遮断されるはずの壁越しから振動となって聞こえて来たように感じた・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「ゆぎゃあ”あ”あ”あ”っ!!!!いだいっ!いだいいいいいいい!あ”あ”あ”あ”っ!ごわいよおおおお!いだいよおおおおお!!」
一体のまりさがローラーに引き潰されながら残った小麦粉の体をぐーねぐーねとさせながら何かを叫んでいる。
ブチブチと言う音がここからでも聞こえてくるのが分かる。
「にんげんざんっ!でいぶをだずげでねっ!でいぶまだもっどゆっぐりじだいよっ!おちびちゃんだぢどみんなでおうだをうだっだりぽかぽかざんをじだ・・・あぎゃあ”あ”あ”あ”あ”っ!!いだいっ!にんげんざんっ!だずげでっ!だずげでっ!だずげでえええええええ!!でいぶをだずげでねええええええええ!!」
「あ”あ”あ”あ”あ”っ!あでぃずまだじにだぐないわああああ!!あ”あ”----っ!!あ”あ”あ”あ”------っぎゃあ”あ”あ”あ”あ”!!いだいいだいいだいいだいいだいいだいいだいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「ゆはっ・・・!ゆはっ・・・!ゆはっ・・・!ごわっ・・・!ごわいよっ・・・ゆひっ・・・ゆひっ・・・!あ”あ”----っ!!ぎだあああああああ!!いやだあああああああ!うごいでねっ!うごいでねっ!!うごいでねえええええええ!までぃざのあんよざんうごいでねっ!おでがいいいいいいいぃぃぁぁあああああぐぇぇぇぇえええええええ!!!!いだいいいいいいいいい!!ゆはっ!ゆはっ!ゆっぎいいいいいいい!!」
他のゆっくり達もローラーによってどんどんと破砕されていっていた。
私が、金バッジまりさとその子ありすを見つけた後、すぐに始まったのだ。
あのまりさが金バッジまりさだとわかったのにはいくつか裏付けがある。
最初の私自身がゆっくり達の近くに寄ったのと、あまあまを流したのは一般的なゆっくりの見分け方で。
最後にまりさが子ゆっくりにする行動と、なにより帽子の中身が決め手となった。
まりさは迷った当初、れいぱーあありすにすっきりされたのだ。
栄養状態が良かったため、すっきりしたまま餡子が吸われて潰れる事も無く、20体近くの赤ゆっくりを育てた。
しかし街と言う過酷な環境、それに対応できるはずもないまりさは赤ゆっくりの全てをゆっくりできなくさせてしまう。
問題はここからだ。
普通の街ゆっくりならば赤ゆっくりの飾りはどこかへ捨ててしまうだろう。そんなものを持っていても何の役にも立たないし、むしろデメリットの方が多いからだ。
しかしこのまりさは、そんな事は全く知らない。赤ゆっくり達の飾りを形見として持っていたのだ。
全てはまりさの優しさがこの窮地を救ったのかもしれない。
・・・加工所を後にする。後ろからは飼い主と金バッジに戻ったまりさの感謝の声が聞こえていた。