ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2814 黒い穴
最終更新:
ankoss
-
view
『黒い穴』 36KB
制裁 自業自得 群れ 6作目 制裁物にしたつもりですが……
制裁 自業自得 群れ 6作目 制裁物にしたつもりですが……
ゆっくりの群れが暮らす林、その林に隣接する野原の片隅に大きな穴が開いていた。
いや、大きいと言うのはゆっくり視点である、人間なら腰まで無い深さだし、少し手間をかければ掘ることが出来るだろう。
しかし、バスケットボールサイズのゆっくりにとっては、落ちたら這い上がれない危険な穴であることは間違いない。
林に住むゆっくりの群れはこの野原で狩りをして生計を立てていたが、この穴がある野原の端には近寄ろうとするものが居なかった、この穴が有る場所から少し進むと大きな崖になっており、ゆっくりにとって危険であることも一因としてその辺りにはゆっくりの気配が無いのが普通であった。
そんな危険な穴のそばに、一匹のゆっくりが立っている、未だテニスボールくらいの大きさの子ゆっくりである。
その子ゆっくりは落ちたら致命的である穴も恐れず、さらに危険な崖のそばまで進むと、その先を見つめていた。
いや、大きいと言うのはゆっくり視点である、人間なら腰まで無い深さだし、少し手間をかければ掘ることが出来るだろう。
しかし、バスケットボールサイズのゆっくりにとっては、落ちたら這い上がれない危険な穴であることは間違いない。
林に住むゆっくりの群れはこの野原で狩りをして生計を立てていたが、この穴がある野原の端には近寄ろうとするものが居なかった、この穴が有る場所から少し進むと大きな崖になっており、ゆっくりにとって危険であることも一因としてその辺りにはゆっくりの気配が無いのが普通であった。
そんな危険な穴のそばに、一匹のゆっくりが立っている、未だテニスボールくらいの大きさの子ゆっくりである。
その子ゆっくりは落ちたら致命的である穴も恐れず、さらに危険な崖のそばまで進むと、その先を見つめていた。
「ゆ~おいししょうなのじぇ!」
頭には黒いトンガリ帽子、輝く金髪――ゆっくりまりさの子ゆっくりである。
子まりさが見下ろす崖の下には、綺麗なお花さんが一列に並んでおり、その花びらや葉に水滴を輝かせている。
それを見つめる子まりさは、思わずよだれを飲み込む、今すぐそっちに行ってむーしゃむしゃしてやりたいが、子まりさの居る場所は崖の上であり、お花さんがあるのは崖の下である、距離以上に絶望的な高度差が開いていた。
子まりさが見下ろす崖の下には、綺麗なお花さんが一列に並んでおり、その花びらや葉に水滴を輝かせている。
それを見つめる子まりさは、思わずよだれを飲み込む、今すぐそっちに行ってむーしゃむしゃしてやりたいが、子まりさの居る場所は崖の上であり、お花さんがあるのは崖の下である、距離以上に絶望的な高度差が開いていた。
「ゆ、まりさ、きょうもきていたのかぜ?」
そんな子まりさの後ろから声をかけてくる大きな影、こちらもまりさの様だが大きさが異なる、後ろから来たのは成体である。
「おねえしゃん!」
「ゆ、ゆ、ゆ、きょうもきているとは、おちびはみどころがあるのぜ!」
「しょうじゃよ、まりしゃはゆうきがあるんじゃよ!」
子まりさにこの場所を教えたのはこのまりさであった、大きな穴を迂回して子まりさの後ろまで来たまりさ。
「まったく、こんなあなとたかいところがこわいなんて、むれのおとなたちはこしぬけなのぜ!」
この場所は群れの住んでいる林からも近いし、この辺りは群れの狩場でもある、しかしこの崖とその手前に空いている穴だけは何故か群れのゆっくりに恐れられており、大人達は子供達に口をすっぱくしてこの場所に近づかないように言っていた。
まりさは体こそ成体と同じだが、最近に成ゆっくりになった若いまりさである、しかし同年代のほかのゆっくりより一回り大きな体をもっており。
若さゆえの無謀さというか、危険なことをしてみたい蛮勇というか、群れで恐れられるこの場所に好んで来ているのである。
子まりさはそんなまりさに憧れていた、アウトロー的なものに惹かれる年頃なのだろうか、群れの大人達には反抗するまりさの姿は子まりさには輝いて見えたのである。
まりさの方もそんな風に思われると悪い気はしない、子まりさを妹の様に思いこの場所を教えたのである。
まりさは体こそ成体と同じだが、最近に成ゆっくりになった若いまりさである、しかし同年代のほかのゆっくりより一回り大きな体をもっており。
若さゆえの無謀さというか、危険なことをしてみたい蛮勇というか、群れで恐れられるこの場所に好んで来ているのである。
子まりさはそんなまりさに憧れていた、アウトロー的なものに惹かれる年頃なのだろうか、群れの大人達には反抗するまりさの姿は子まりさには輝いて見えたのである。
まりさの方もそんな風に思われると悪い気はしない、子まりさを妹の様に思いこの場所を教えたのである。
「ゆぅ、おちびみるのぜ、あれがにんげんさんのおうちなのぜ!」
まりさが目で示す、お花さんの並んだ先、そこにはゆっくりから見れば白い山の様な物が聳え立っている。
この崖から先は人間のゆっくりプレイスである、群れのゆっくりはこの崖から先へは行かないように厳命されていた。
この崖から先は人間のゆっくりプレイスである、群れのゆっくりはこの崖から先へは行かないように厳命されていた。
「ゆぅ、しゅごいね、ゆっくちしちぇるね!」
お花さんの並んだ場所だけでなく、とても大きなおうちにも惹かれる子まりさ。
「そうなのぜ、あのゆっくりしたおうちも、おはなさんいっぱいのゆっくりプレイスもぜんぶにんげんさんがひとりじめしているのぜ!」
「ゆ、ひとりじゅめ、ひとりじゅめはゆっくちできにゃいよ!」
「そうなのぜ、おちび、おちびでもわかるのに、おさたちはにんげんさんなんかをこわがって、あそこにいかないのぜ!」
にんげんさん、その生き物を子まりさは見たことが無い、しかしこれまで聞いた事からとてもゆっくりしていない生き物だと聞いている。
何故だろう、どうしてそんなゆっくりして居ない生き物に独り占めされているゆっくりプレイスを放置しているのだろうか。
子まりさの疑問に答えてまりさが言った。
何故だろう、どうしてそんなゆっくりして居ない生き物に独り占めされているゆっくりプレイスを放置しているのだろうか。
子まりさの疑問に答えてまりさが言った。
「むれのゆっくりはこしぬけなのぜ、まりさがこんどいってあのゆっくりプレイスを、ゆっくりのものにしてやるのぜ!」
「しゅごい、おねえしゃん!そうしちゃら、まりしゃもいっちぇいい?」
「ゆ、ゆ、ゆ、もちろんなのぜ、おはなさんだけじゃなくて、あまあまもむーしゃむしゃするのぜ!」
「あのばしょだけじゃないのぜ、まりさはずっとさき、あのまちぜんぶをゆっくりのプレイスにするのぜ!」
「あのばしょだけじゃないのぜ、まりさはずっとさき、あのまちぜんぶをゆっくりのプレイスにするのぜ!」
あの大きなおうちの先には「まち」という場所があるらしい、以前に長であるぱちゅりーから聞いた話を思い出す。
以前そこで暮らしていたと言う長ぱちゅりー達はそこでとてもゆっくり出来なかったというのだ。
以前そこで暮らしていたと言う長ぱちゅりー達はそこでとてもゆっくり出来なかったというのだ。
「ゆぅ、おねえしゃん、まりしゃもいつかまちにいくよ!」
「ゆふん、いいのぜ、まぁおちびがおおきくなるころには、まちはまりさのゆっくりプレイスになっているのぜ!」
そんな話で笑いあう二匹、そろそろ戻ろうかと言うときまりさが急に言った。
「そうなのぜ、おちび、いいことをおしえてやるのぜ、そこのあなさんをみてみるのぜ!」
「あなしゃん!」
落ちないようにそろそろと穴の淵に近づく子まりさ、覗き込むと吸い込まれるような暗闇が広がっている。
「ゆ、おちないようにするのぜ!そのあなさんはすごいのぜ、そのあなさんのまわりにはおはなさんがいっぱいさくし、くろいむしさんがたくさんとれるのぜ!」
「まさに"あなば"なのぜ!」
「まさに"あなば"なのぜ!」
「ゆぅ、むししゃん?」
まりさも両親の取ってくる虫さんは好物である、しかし子ゆっくりであるまりさにとって自分で虫を取るなど難しい話で。
動きの遅い虫がすばらしい偶然から目の前に表れでもしない限りそんな事は出来なかった。
動きの遅い虫がすばらしい偶然から目の前に表れでもしない限りそんな事は出来なかった。
「まぁ、このむれではまりさくらいしかしらないのぜ、みんなそのあなさんをこわがるよわむしだし、まぁ、こんどさがしてみるのぜ!」
そう言って笑うとまりさは、子まりさに背を向けて林の方に戻って行った。
子まりさは吸い込まれるように真っ暗な穴の底を見つめていた。
子まりさは吸い込まれるように真っ暗な穴の底を見つめていた。
あれからしばらくして、子まりさの姿は再びあの穴の横にあった。
何度もこの場所に来ようと思っていたのだが、他の子ゆっくりは親に怒られるこの場所に来るのを怖がるし、大人のゆっくりに見つかれば怒られてしまう。
最近、何故かあの穴の辺りに普段は居ないはずの大人のゆっくりがうろついている事が多く、子まりさがあの穴の横に行くことが出来たのは、まりさと話をしてから随分と時間が経ってからだった。
何度もこの場所に来ようと思っていたのだが、他の子ゆっくりは親に怒られるこの場所に来るのを怖がるし、大人のゆっくりに見つかれば怒られてしまう。
最近、何故かあの穴の辺りに普段は居ないはずの大人のゆっくりがうろついている事が多く、子まりさがあの穴の横に行くことが出来たのは、まりさと話をしてから随分と時間が経ってからだった。
「ゆ、ここにくるのもひさしぶりじゃよ!」
丈のある草を押しのけて穴の横まで来た子まりさは、なんだか穴の方からとてもゆっくりした気配を感じた。
「ゆぃ、こりぇは、あみゃあみゃ!」
甘い臭いに必死になって周囲を見回す、しかし臭いはするもののあまあまの姿は見えなかった。
しばらくしてあの穴から甘い臭いが流れ出していることに気が付き、覗き込んでみる。
穴の中からは確かに甘い臭いが流れ出していた、思わず飛び込もうとするが真っ暗な穴と何かゆっくり出来ない臭いがそれを阻む。
しばらくしてあの穴から甘い臭いが流れ出していることに気が付き、覗き込んでみる。
穴の中からは確かに甘い臭いが流れ出していた、思わず飛び込もうとするが真っ暗な穴と何かゆっくり出来ない臭いがそれを阻む。
「ゆぅ、あみゃあみゃほちいよ!」
下を向いて落ち込む子まりさは、自分の目の前に動くものが居るのに気が付く。
それは小さく黒い虫さんだった、その黒い虫さんが沢山列を作るように穴の中に進んでいる。
衝動的に舌で掬い取って口に運ぶ、口に入れれ噛み潰すとゆっくりとした甘さが広がった。
それは小さく黒い虫さんだった、その黒い虫さんが沢山列を作るように穴の中に進んでいる。
衝動的に舌で掬い取って口に運ぶ、口に入れれ噛み潰すとゆっくりとした甘さが広がった。
「むーちゃむちゃ、しあわしぇ~!」
必死になって掬い取る子まりさ、しかし黒い虫さんの列が途切れる事は無い、瞬く間にお腹が膨れてしまう。
「ぽんぽんいっぴゃいで、ゆっくちー、みょうちゃべりゃりぇにゃいよ!」
満腹感からまったりーしている子まりさ、しかし虫さんの列が途切れることは無い。
その時気が付いた、そうかこれがまりさお姉ちゃんの教えてくれた「あなば」なんだ。
ここなら虫さんがお腹いっぱい食べられるよ。
その時気が付いた、そうかこれがまりさお姉ちゃんの教えてくれた「あなば」なんだ。
ここなら虫さんがお腹いっぱい食べられるよ。
その日からまりさはこの「あなば」にこっそりと通う様になった、親達に見つかれば叱られることは分かりきっていたため、誰にも内緒で。
最もそれには横取りされたくないという思いもあったのだろう。
教えてくれたまりさとは、あれから会っていない。群れのゆっくりに聞いても言葉を濁されてしまう。
きっと「まち」へ行ったんだまりさは確信した。
あなばはいつでも虫さんが採れたわけでは無い、しばらくすると虫さんがあれほど採れる事は無くなってしまったが、群れのゆっくりが訪れることは少ない場所である、手付かずの草花が生い茂っており、夏になった事もあってむーしゃむしゃに困ることは無かった。
最もそれには横取りされたくないという思いもあったのだろう。
教えてくれたまりさとは、あれから会っていない。群れのゆっくりに聞いても言葉を濁されてしまう。
きっと「まち」へ行ったんだまりさは確信した。
あなばはいつでも虫さんが採れたわけでは無い、しばらくすると虫さんがあれほど採れる事は無くなってしまったが、群れのゆっくりが訪れることは少ない場所である、手付かずの草花が生い茂っており、夏になった事もあってむーしゃむしゃに困ることは無かった。
そうして他の子ゆっくりより多く食べる事になっていたまりさは、秋になり成ゆっくりに近づく頃には若ゆっくりの中では最強になっていた。
狩りに参加してもその恵まれた体から大人顔負けの戦果を稼いだまりさは、両親や群れのゆっくりに賞賛されることになる。
狩りに参加してもその恵まれた体から大人顔負けの戦果を稼いだまりさは、両親や群れのゆっくりに賞賛されることになる。
「ゆぅ~まりさはさいっきょうのゆっくりなのぜ!」
そんなわけで同じ世代のゆっくりの顔役になっていたまりさ、しかし今でもあの穴場については秘密にしていた。
大きくなり群れの大人ともよく話をするようになったまりさ達は、群れのゆっくりがあの穴をいかに恐れているか身をって感じていたのである。
大きくなり群れの大人ともよく話をするようになったまりさ達は、群れのゆっくりがあの穴をいかに恐れているか身をって感じていたのである。
(まったく、あんなところがこわいなんて、こしぬけだらけなのぜ)
そう言って群れのゆっくりを軽蔑するまりさ、しかし群れからせいっさいされるのは避けたいため表面上はあの場所には行っていない事になっていた。
そして冬を越した翌年、完全に体が成長したまりさは、うぬぼれでは無く群れで最強のゆっくりと成っていた。
春になり恋の季節、番を探そうとする若いゆっくり達の中にあって、まりさほどモテるゆっくりは居なかった。
多くのゆっくりがまりさと番に成りたいと秋波を送ってきていたが、まりさは焦って番を決めるつもりは無かった。
このモテモテの状態は心地よいものだったし、しばらく続けたいなどと考えていたのだ。
しかし、そんなまりさにもある程度の本命がいた、今までの仲の良さや外見などで目星は付けていたのである。
春になり恋の季節、番を探そうとする若いゆっくり達の中にあって、まりさほどモテるゆっくりは居なかった。
多くのゆっくりがまりさと番に成りたいと秋波を送ってきていたが、まりさは焦って番を決めるつもりは無かった。
このモテモテの状態は心地よいものだったし、しばらく続けたいなどと考えていたのだ。
しかし、そんなまりさにもある程度の本命がいた、今までの仲の良さや外見などで目星は付けていたのである。
一匹はまりさの幼馴染のれいむである、決して美形のゆっくりでは無いが昔から仲が良く気立ても良い。
「ゆぅ、まりさはとってもゆっくりしているね、つよいまりさとおさななじみなのは、れいむのほこりだよ!」
もう一匹は群れの若いゆっくりの中でも、最も美形のゆっくりであると噂されるありすである。
「ま、まりさ、ふん、どうしてもついてきてほしいなら、いってあげてもいいのよ!」
その二匹以外にも取り巻き引き連れて幸福の絶頂であるまりさ、そんなまりさは久しぶりにあの穴場を訪れていた。
その時は取り巻きも引き連れずたった一匹でである。
その時は取り巻きも引き連れずたった一匹でである。
「ゆぅ、ここにくるのもひさしぶりなのぜ!」
穴をしばらく眺めてから、崖の上に立ったまりさ、久しぶりにここからの眺めを堪能する。
視線の先にはあの白くて大きい人間さんのおうち、その先には町が広がっている。
この場所を教えてくれたまりさを思い出す、あのまりさは結局群れに戻ってくることは無かった。
視線の先にはあの白くて大きい人間さんのおうち、その先には町が広がっている。
この場所を教えてくれたまりさを思い出す、あのまりさは結局群れに戻ってくることは無かった。
「ゆぅ、おねえちゃんはきっと、まちにいったのぜ、きっとすごいプレイスをつくってるのぜ!」
そう思って視線を下げると、崖の下人間のゆっくりプレイスには色とりどりの花が咲き誇っている。
春なのでは崖の上の原っぱにも花は咲く、しかしそれらとは段違いの花の密度と色鮮やかさである。
春なのでは崖の上の原っぱにも花は咲く、しかしそれらとは段違いの花の密度と色鮮やかさである。
「ゆぅ、すごく、ゆっくりしているのぜ!ゆゅ!」
そう思って見つめていると、なんと人間のゆっくりプレイスに動いている者が居るのだ。
ゆっくりよりも大きな体を持つそれは間違えなく人間であった。灰色の体の人間はお花さんの所にしゃがみ込んで何かをしている。
ゆっくりよりも大きな体を持つそれは間違えなく人間であった。灰色の体の人間はお花さんの所にしゃがみ込んで何かをしている。
「ゆ、なんなのぜ、ぜんぜんゆっくりしていないのぜ、それによわそうなのぜ!」
はじめて見る人間に慌てたまりさも、そのゆっくりしていない外見と弱そうな雰囲気を見て落ち着く。
「あんなのを、おさたちはこわがっているのかぜ?まりささまならしゅんっさつなのぜ!」
それを疑問に思っていたが、その時気が付く、体の大きくなった今なら崖の下に行っても大丈夫なのではないか、あのまりさもそこのにんげんのおうちとお花さんのいっぱいのプレイスには行かなかったようだ。
最強の自分が行って、にんげんを追い出しあのプレイスとおうちをゆっくりのものにすべきではないか。
まりさの頭の中にはあの白いおうちを手に入れて、れいむとありす、それ以外の取り巻きを侍らせた自分の姿、たくさんのおちびちゃんに囲まれながらお花をむーしゃむしゃしている自分の姿が思い浮かんだ。
最強の自分が行って、にんげんを追い出しあのプレイスとおうちをゆっくりのものにすべきではないか。
まりさの頭の中にはあの白いおうちを手に入れて、れいむとありす、それ以外の取り巻きを侍らせた自分の姿、たくさんのおちびちゃんに囲まれながらお花をむーしゃむしゃしている自分の姿が思い浮かんだ。
「ゆゆゆ、とってもゆっくりしているのぜ!」
そうだ最強のまりさなら、そんなゆん生が相応しいのだ、この小さな群れで番を選ぶ必要なんて無い、先ずはあのプレイスを手に入れてその後はまちにもいってやる、きっとあのあまりさとも再会できるだろう!
そうと決まるとまりさの行動は早かった、崖の下に降りられる道を探し――簡単に見つかった。
れいむやありすにもこっそり計画を話した。
れいむやありすにもこっそり計画を話した。
「ゆぅ、ほんきなのまりさ、にんげんのプレイスにいくなんて!」
「そ、そうね、とかいはなのはいいわね、でも、だいじょうぶなの?」
「だいじょうぶなのぜ、まりさはむれさいっきょうのゆっくりなのぜ、にんげんもいちころなのぜ!」
「あのおおきなおうちをてにいれたら、れいむとありすをしょうたいするのぜ、あまあまやおはなさんもいっぱいなのぜ!」
「そのとき、まりさのずっといしょにゆっくりするあいてもきめるのぜ!」
「あのおおきなおうちをてにいれたら、れいむとありすをしょうたいするのぜ、あまあまやおはなさんもいっぱいなのぜ!」
「そのとき、まりさのずっといしょにゆっくりするあいてもきめるのぜ!」
「わ、わかったよ、まりさならあんしんだよ!」
「そうね、とかいはなおうちを、き、きたいしているわ!」
計画の実行の機会を崖の上で覗うまりさ、にんげんはゆっくりにとっておちびちゃんでも理解出来る「おうちせんげん」すら理解できない哀れな生き物だと言う。
それならば、にんげんが居るときにいって力ずくで叩きのめしあのおうちを奪うしかあるまい、まぁ、泣いて奴隷にしてくださいと懇願したら許してやろう。
そんなまりさの横には一匹の子れいむがつき従っていた、幼馴染れいむの妹である。
群れ最強のまりさが姉の幼馴染であると聞いて最近くっついて来るようになったのだ、最初はれいむへの義理から面倒を見ていたまりさだが、こうやって小さい子に慕われるのは取り巻きに賞賛されるのとは違ったゆっくりである。
何だかんだと面倒を見ていた、その子れいむはこの穴場まで着いてきていたのだ、親から言われているのか最初はここに来るのを怖がった子れいむだが、まりさが行くのを見ると着いてくるようになり、今では普通にここまで来れるようになった。
まりさは子れいむに崖の上で、自分の計画を聞かせる、子れいむの尊敬するような視線に気を良くしたまりさ、
それならば、にんげんが居るときにいって力ずくで叩きのめしあのおうちを奪うしかあるまい、まぁ、泣いて奴隷にしてくださいと懇願したら許してやろう。
そんなまりさの横には一匹の子れいむがつき従っていた、幼馴染れいむの妹である。
群れ最強のまりさが姉の幼馴染であると聞いて最近くっついて来るようになったのだ、最初はれいむへの義理から面倒を見ていたまりさだが、こうやって小さい子に慕われるのは取り巻きに賞賛されるのとは違ったゆっくりである。
何だかんだと面倒を見ていた、その子れいむはこの穴場まで着いてきていたのだ、親から言われているのか最初はここに来るのを怖がった子れいむだが、まりさが行くのを見ると着いてくるようになり、今では普通にここまで来れるようになった。
まりさは子れいむに崖の上で、自分の計画を聞かせる、子れいむの尊敬するような視線に気を良くしたまりさ、
「ゆぅ、れいむ、これはひみつなのぜ、そのあなさんをのぞいてみるのぜ!」
子れいむは素直に穴の淵まで進み中を覗いている。
「おちるんじゃないのぜ!ゆ、れいむそのあなんさんはあなばなのぜ、そのあなさんのよこではくささんがいっぱいむーしゃむしゃできるし、くろくてちいさなむしさんも、いっぱいとれるのぜ!」
子れいむに言ってから、もう一度崖に寄って下を見てみると、なんとお花さんの横にあの灰色のにんげんさんが居たのだ。
「ゆ、い、いまなのぜ!」
まりさは、崖の下に降りられる道へ急いだ。
崖から降りられる道は、固い石さんで作られており、段々になっている、その段差を一つ飛びで飛び降りるまりさ、初めて群れの掟破りである崖から先に行ったのに何の感慨も無かった。。
しかし、まりさは焦っていた、あのにんげんが逃げる前にお花さんの場所に行かなくてはならないのだ。
もっともこの場にゆっくりけーねでも居れば「ルビコンがわをこえる」ぐらいの話が出たかも知れない。
しかし、まりさは焦っていた、あのにんげんが逃げる前にお花さんの場所に行かなくてはならないのだ。
もっともこの場にゆっくりけーねでも居れば「ルビコンがわをこえる」ぐらいの話が出たかも知れない。
回り込む形であの崖の下の場所に走るまりさ、息が切れているが辿り着いたとき、あの人間はまだ花の横にしゃがんでいた。
まりさは息を整えると、目の前の人間に向き直り胸を張って宣言した。
まりさは息を整えると、目の前の人間に向き直り胸を張って宣言した。
「ここを、まりさのゆっくりプレイスにしてやるのぜ、かんしゃしてさっさとでていくのぜ!」
人間はまりさに気が付くが、何も言わずにジッと見つめている。
やはりにんげんはおうち宣言を理解できないようだ、しかしそれは想定の範囲内である。
やはりにんげんはおうち宣言を理解できないようだ、しかしそれは想定の範囲内である。
「ゆ、おうちせんげんをりかいできないなんて、あわれなのぜ、まりさがちからでおしえてあげるのぜ!」
そうだ、元々力ずくで奪うつもりだったでは無いか、永遠にゆっくりさせないように気をつけなければ。
「ゆぅ、ないてあやまればどれいにしてやるのぜ!!!」
まりさはにんげんの向けて渾身の体当たりを放つ、自分の顔にも打撃の衝撃が響くがまりさは歯を食いしばってこれに耐える。
決まった、今は放ったのはまりさのゆん生の中でも特に切れの良い一撃だった、もしかしたら人間は永遠にゆっくりしてしまったかも知れない、罪なことをしたものだ、永遠にゆっくりさせるつもりは無かったのに。
衝撃で少し後ろに跳ね返ったまりさは、自分のダメージを顔を左右に振ることで追い出す。
そして人間を睨みつける、目の前には倒れ付した人間が……
居なかった、人間はまりさが攻撃する前と同じ格好でこちらを見つめている。
決まった、今は放ったのはまりさのゆん生の中でも特に切れの良い一撃だった、もしかしたら人間は永遠にゆっくりしてしまったかも知れない、罪なことをしたものだ、永遠にゆっくりさせるつもりは無かったのに。
衝撃で少し後ろに跳ね返ったまりさは、自分のダメージを顔を左右に振ることで追い出す。
そして人間を睨みつける、目の前には倒れ付した人間が……
居なかった、人間はまりさが攻撃する前と同じ格好でこちらを見つめている。
「ゆがぁ、わるあがきするんじゃないのぜ、もういちどくらわせてやってもいいのぜ!」
激昂するまりさに、スックと立ち上がる人間、その顔がゆっくりより何倍も高いところに上がる。
まるで天から見下ろされているようである、弱そうに見えた人間が自分よりも遥かに高いところに居ることに驚くまりさ。
まるで天から見下ろされているようである、弱そうに見えた人間が自分よりも遥かに高いところに居ることに驚くまりさ。
「な、なにかもんくがあるのぜ?いまあやまびゅ」
人間の顔に合わせて視線を上げていたまりさの顎に、信じられないような衝撃が襲う、回転する視界、痛みから閉じてしまった目を見開くと、視界には真っ青な空が広がっている。
「ゆ、ゆ、ゆ、ゆぅ!?」
自分の状況が信じられないまりさ、蹴られたのである、そんな事とは知らないまりさだが全身から襲う痛みに動けないでいる。
なんだこれは、まりさは夢を見ているのか、にんげんはまりさの攻撃で永遠にゆっくりさせたはずじゃ無かったのか。
痛みと状況に混乱してしまう、その時まりさは頭に違和感を感じた、いや何かゆっくり出来ないのだ。
お帽子だ、まりさの素敵なお帽子さんが無いのだ。先ほどの衝撃で脱げてしまったらしい。
なんだこれは、まりさは夢を見ているのか、にんげんはまりさの攻撃で永遠にゆっくりさせたはずじゃ無かったのか。
痛みと状況に混乱してしまう、その時まりさは頭に違和感を感じた、いや何かゆっくり出来ないのだ。
お帽子だ、まりさの素敵なお帽子さんが無いのだ。先ほどの衝撃で脱げてしまったらしい。
「ゆぐ、ま、まりざのすてぎなおぼうじさん、ゆっくりしないででてくるのぜ!」
痛む体を動かして周りを見回しお帽子を探す、あった、まりさからだいぶ遠いが、お花さんに引っかかっている。
「ゆ、おぼうしさんをとりにいくよ……」
まりさが体をずーりずーりと動かし始めたとき、影が差した。人間であるあの後何もしてこなかった人間が横に来ていたのである。
人間はまりさの髪を掴むと胸の高さまで持ち上げる。
人間はまりさの髪を掴むと胸の高さまで持ち上げる。
「ゆぎぃ、はなすのぜ、はなすのぜ、まりさはおぼうしさんをとりにいくのぜ!」
無言の人間、しかしもう一方の手に何か細い物を持っている、カチィ、そんな音と共にその先端に炎が灯る。
「ゆぅ、なんなのぜ!?なんだかそれはゆっくりできないのぜ!」
その細いものがまりさの下に移動した。
「ゆ!ゆぎぃ、ゆぎぎぎぎ、いじゃいいじゃい、やめるのぜ、いぎぎぎぎ!」
人間は無表情に手を動かしている、まりさの足元で激痛が移動する、周囲に香ばしい香りが漂った。
「ゆひー、ゆひー、い、いじゃいのぜ、まりさになにするのぜ!」
グラリと周りの風景が移動する、まりさを掴み上げている人間が移動を始めたのだ。
掴まれているまりさは、見る方向を帰ることが出来ないが、人間が動いたことによって見える方向が変わった。
まりさの視界に自分のお帽子が映る。
掴まれているまりさは、見る方向を帰ることが出来ないが、人間が動いたことによって見える方向が変わった。
まりさの視界に自分のお帽子が映る。
「ゆぎ、ゆ、まりさのすてきなおぼうしさん!かえってきてね、かえってきてね!」
そんなまりさの声に答えるように、お帽子に近づいて行く。
「ゆぅ、まりさのおぼうしさん、おにいさんありがとう、はやくまりさをおろしてね!」
現状を忘れた様な発言をするまりさ、人間はそんなまりさに構わず、まりさを掴み上げている手とは逆の手でお帽子を掴み上げた。
「ゆ、おぼうしかえしてね、おぼうしがないとゆっくりできないよ!」
お飾りが無い状態が影響しているのか、言葉遣いも変わってしまったまりさが喚き続けるが、それを無視して人間はゆっくりと歩き始めた。
しばらく騒いでいたが、反応の無さに怯えたのか疲れきってしまったのか、静かになるまりさ。
人間のゆっくりとした歩みで、掴まれているまりさもゆっくりと空中を進んでいく。
ゆっくりお決まりのおそら~を言うことすら出来ずに黙り込むまりさ、しばらくすると進んでいるのが自分がもと来た道であると分かる。
先ほど一段飛ばしで降りてきた石の道さん、今度は上ることになり、視界がぐらぐらと揺れる、揺れが収まった時、周りを見てみるとそこはあの崖の上であった。
しばらく騒いでいたが、反応の無さに怯えたのか疲れきってしまったのか、静かになるまりさ。
人間のゆっくりとした歩みで、掴まれているまりさもゆっくりと空中を進んでいく。
ゆっくりお決まりのおそら~を言うことすら出来ずに黙り込むまりさ、しばらくすると進んでいるのが自分がもと来た道であると分かる。
先ほど一段飛ばしで降りてきた石の道さん、今度は上ることになり、視界がぐらぐらと揺れる、揺れが収まった時、周りを見てみるとそこはあの崖の上であった。
「ゆ、もりさんにかえしてくれるのかぜ……?」
自分の故郷ともいうべき場所に戻り、すこし落ち着くまりさ、都合のいい希望を口にするが、人間は相変わらず黙ったままである。
無言の人間はさらに進み、気が付けば着いた場所は、まりさが良く来ていたあの崖の上――穴場であった。
人間はあの大きな穴の横にまりさを置く、久しぶりの地面の安心感とあんよの痛みがまりさを襲う。
無言の人間はさらに進み、気が付けば着いた場所は、まりさが良く来ていたあの崖の上――穴場であった。
人間はあの大きな穴の横にまりさを置く、久しぶりの地面の安心感とあんよの痛みがまりさを襲う。
「ゆぎぃ、いぎぎ、ゆ、なんでぴょんぴょんできないのぜ!」
痛みと恐怖から逃げ出そうとしたまりさは、自分のあんよが動かせ無いことにやっと気が付く。
「どうしてなのぜ、まりさのしゅんっそくのあんよさん、うごくのぜ、さいっきょうのあんよさんならできるのぜ!」
騒ぐまりさを放置して林の方に立ち去る人間、安堵しかけたまりさも、その手に自分のお帽子があるのに気が付くと焦りだす。
「ゆ、まりさのおぼうしさんかえすのぜ、おぼうしさんかえしてね、おぼうしをかえせ!!!」
人間は立ち去り、崖の上にはまりさ一匹が残された、崖とは逆方向を向かされているせいで、まりさの視線の先には原っぱとその奥にある林が見える。
「ゆ、ゆ、まりさのおぼうしさん、どこにいったのぜ……」
ゆっくりにとって命でもあるお飾りを奪われ、意気消沈するまりさ、自慢のあんよも動かすことが出来ない。
しかし、まりさには希望があった、今いるの場所の背後にはあの「あなば」が有るはずである、ここで虫さんをむーしゃむしゃすればあんよさんも治るだろう、そうしたら林に戻って群れの仲間達を引き連れてあのにんげんに復讐してやれば良い。
そうだ、まりさがやられたのは油断していたからだ、そうでなければあんな弱そうなにんげんに負けるわけが無い。
報復を誓うまりさ、そうと決まればさっそく虫さんを探さなければ、痛むあんよに力を入れて周囲を見回す。
と、その時、林の方からあの人間がこちらに来るのが分かった、今は不味い、そう思ったまりさは人間の背後に沢山のゆっくりが、群れのゆっくり達が居るのに気が付き安堵する。
しかし、まりさには希望があった、今いるの場所の背後にはあの「あなば」が有るはずである、ここで虫さんをむーしゃむしゃすればあんよさんも治るだろう、そうしたら林に戻って群れの仲間達を引き連れてあのにんげんに復讐してやれば良い。
そうだ、まりさがやられたのは油断していたからだ、そうでなければあんな弱そうなにんげんに負けるわけが無い。
報復を誓うまりさ、そうと決まればさっそく虫さんを探さなければ、痛むあんよに力を入れて周囲を見回す。
と、その時、林の方からあの人間がこちらに来るのが分かった、今は不味い、そう思ったまりさは人間の背後に沢山のゆっくりが、群れのゆっくり達が居るのに気が付き安堵する。
(ゆ、むれのみんながにんげんをせいっさいしてくれたのぜ、にんげんがあやまって、どれいになればかんだいにゆるしてやるのぜ!)
群れの仲間があのにんげんを倒してくれた、これで自分も助かる。まりさの心に灯った希望の火種が大きな炎になる。
そうだ、いままでが間違いだったのだ、最強のまりさがこんな所で終わるわけが無い、群れの仲間に助けられたのは業腹だが、まりさのために群れの仲間が動くのは当たり前である。さぁ、あのにんげんをどうやって制裁してやろうか。
そうだ、いままでが間違いだったのだ、最強のまりさがこんな所で終わるわけが無い、群れの仲間に助けられたのは業腹だが、まりさのために群れの仲間が動くのは当たり前である。さぁ、あのにんげんをどうやって制裁してやろうか。
目の前までやって来る人間、その背後には群れのゆっくり達……まりさの頭にお帽子が乗せられる。
「ゆ、じじい、やっとはんせいしたんだね、どれ……」
調子よく言葉を続けようとするが、背後のゆっくり達の視線に気が付いてしまう。
自分を助けに来てくれるはずだった、仲間のはずの群れのゆっくり達――子供たちこそ居ないが殆どがこの場に居る――からの視線は、冷たい敵意を含んだものだった。
自分を助けに来てくれるはずだった、仲間のはずの群れのゆっくり達――子供たちこそ居ないが殆どがこの場に居る――からの視線は、冷たい敵意を含んだものだった。
「ゆ、み、みんな、なんなのぜ?」
後ろの後ずさろうとするが、足の痛みから失敗する、群れの仲間の視線からは怒り、悲しみ、失望様々な物が溢れている。
その視線に怯えるまりさの前に、二匹のゆっくりが進み出た。
その視線に怯えるまりさの前に、二匹のゆっくりが進み出た。
「ゆ、おとうさん、おがあざん!」
まりさの両親であった、一人っ子のまりさをいつも優しく育ててくれた両親、かっこいい父まりさ、やさしい母れいむ、まりさが群れの若いゆっくりの中で最強になるととても喜んでくれて二人。
その二人が今は悲しそうな表情をでまりさを見つめている。
その二人が今は悲しそうな表情をでまりさを見つめている。
「ゆぅ、おとうさん、おかぁさん、たすけてほしいのぜ、まりさのあんよさんいたいいたいなのぜ!」
助けを求めるまりさ、父まりさはとても悲しそうな顔で、母れいむは涙を流している。口を開こうとした母れいむを、その後ろから、長ぱちゅりーが止めた。
「おとうさん、おかあさん!ゆぎゃああああああ!」
その二匹を……人間の足が踏み潰した。
「おどうざん、おがあざん、ゆがあああ、なにずるのぜぇ!!!」
怒りの声を上げるまりさ、まりさの脳裏には踏み潰される瞬間の両親の、悲しいような微笑んでいるような顔が焼きついていた。
「ゆがああぁ、みんななにじでるのぜ、ごのじじいをぜいっざいずるのぜ!」
まりさの怒鳴り声にも群れのゆっくりたちが動くことは無い、いや、多くは涙を流したり、悲しい目をしているが、まりさに向ってくるのは敵意だけである。
両親を踏み潰した人間は、その亡骸を乱暴にけり、まりさの後ろにやる。
両親を踏み潰した人間は、その亡骸を乱暴にけり、まりさの後ろにやる。
「ゆがぁ、おどうさんとおがあさんになにをするんだぜ!」
やはり無言、まりさの前に戻った人間の後ろから、さらに二匹のゆっくりが現れた、いや彼女達は自分から出てきたわけではない、それぞれ背中を二匹の長の側近に抑えられ、連行されるようにまりさの前に連れてこられたのである。
それは、あの幼馴染れいむと美形ありすであった、どちらも涙を流している。
懐かしい顔に安堵するまりさ、
それは、あの幼馴染れいむと美形ありすであった、どちらも涙を流している。
懐かしい顔に安堵するまりさ、
「ゆ、れいむ、ありす、よかったのぜたすけてほしいのぜ!」
助けを求めるまりさ、その時幼馴染れいむが目を見開いた。
「ふ、ふざけるなぁ!おまえの、おまえのせいで、れいむがこんなところにいるんだぞ、なにがさいっきょうだ、おまえのせいでれいむが、れいむが……」
大声でまりさを責める幼馴染れいむに圧倒される、
「い、いやよぉぉ、なんでありすが、こんないなかもののまりさなんてしらないわ、ありすはかんけいないわぁぁ!!!」
隣のありすが悲鳴を上げる、逃げ出そうと身をよじるがしっかりと押さえつけられているため、無駄な努力である。
「ゆ、れいむ、ありす、おちつくのぜ!」
「ふざげるな、おまえがえいえんにゆっぐりずればいいんだ、れいぶはかんけいないよ、あ、やめてねやめてね!」
「ありすはとかいはよぉ、こんないなかもののせいで、えいえんにゆっくりしていいわけないわぁ、いや、たすけて、おねがい!」
「れいむ、ありす、どうしたの……ゆあぁぁ!!!」
まりさの目の前で再び起きる惨劇、命乞いをする幼馴染れいむと美形ありすは再び無造作に足を振り下ろした人間に踏み潰される。
「ゆがぁぁぁ、れいむ!ありす!どうじでなのぜ、どうじでこんなごと、みんあどうじでだまっでるのぜ!」
まりさの叫び声に、群れのゆっくりからの敵意がいっそう厳しくなる。
二匹の遺体も、先ほどと同じ様にまりさの後ろに運ばれる。
長ぱちゅりーとなにやら話しをしている人間、そしてまりさの方にやってくる。
二匹の遺体も、先ほどと同じ様にまりさの後ろに運ばれる。
長ぱちゅりーとなにやら話しをしている人間、そしてまりさの方にやってくる。
「ゆぎ!やめてね、まりさを、やめてね、やめてね!」
とうとう自分が永遠にゆっくりさせられるのか、恐怖に怯えるまりさ、人間はそんなまりさのお帽子を掴み取ると、まりさの背後に放り投げた。
「いやだよ、いやだよ、おとうさん、おかあさん、れいむ、ありす、たすけてね!」
既にお飾りを心配する余裕も無くなっている。
人間に掴み上げられるまりさ、再び視界が高くなる、最初から今まで無表情を崩さなかった人間は、今回も同じ様に無表情で手を離した。
一瞬の浮遊感、まりさの体は重力に引っ張られ落下する、その途中の群れのゆっくり達が見える、相変わらずの敵意に満ちた冷たい眼の者、かなしそうな者様々な視線がまりさに突き刺さる、まるで永遠のような群れのゆっくりの視線との邂逅、それが終わるとまりさは自分が穴の中に入ったのが分かった。
青い空がどんどん遠ざかり、青い円がどんどんと面積を狭める、逆にまりさの視界の中で勢力を伸ばすの闇である。
人間に掴み上げられるまりさ、再び視界が高くなる、最初から今まで無表情を崩さなかった人間は、今回も同じ様に無表情で手を離した。
一瞬の浮遊感、まりさの体は重力に引っ張られ落下する、その途中の群れのゆっくり達が見える、相変わらずの敵意に満ちた冷たい眼の者、かなしそうな者様々な視線がまりさに突き刺さる、まるで永遠のような群れのゆっくりの視線との邂逅、それが終わるとまりさは自分が穴の中に入ったのが分かった。
青い空がどんどん遠ざかり、青い円がどんどんと面積を狭める、逆にまりさの視界の中で勢力を伸ばすの闇である。
「ゆびぃ、ゆぐ……」
地面に叩き付けられ、その痛みにうめくまりさ、普通なら落とされれば永遠にゆっくりしてしまう高さも、何か背中に当たる柔らかいもののせいで無事であった。
「ゆぐ、ゆぐ、ここは?」
周囲を見回し、闇しか無いことに気がつくと、上を向くまりさ、わずかに見える青空が遠い。
失ってしまった明るい場所と青空を懐かしむように、まるで何かに祈るかの様に、ジッと上を見続けるまりさ。
人間は立ち去ったのか、その後音沙汰が無く、群れのゆっくり立ちの声も聞こえなくなった。
しばらくして、自分を取り戻したまりさ、
失ってしまった明るい場所と青空を懐かしむように、まるで何かに祈るかの様に、ジッと上を見続けるまりさ。
人間は立ち去ったのか、その後音沙汰が無く、群れのゆっくり立ちの声も聞こえなくなった。
しばらくして、自分を取り戻したまりさ、
「ゆぐぐ、なんどがじで、なんどがじで、おそとにでないど!」
脱出の手段を考えるが、遥か遠くの空はとてもゆっくりの跳躍では脱出できないことを教えていた、傷付いた今のまりさのあんよでは言わずもがなである。
「ゆ……ゆゆゆ、なんだがあまあまのにおいがするよ!」
その時、自分を取り巻く甘い臭いに気が付く。
「あまあまさん、どこなのゆっくりしないででてきてね!」
動くことは出来ないが何とか体を捻る、すると後から漂う臭い。
「ゆぅ、ゆっくりできないにおいだよ、やめてね、くさいよ、はやくどこかにいってね!」
「ゆ!!!」
「ゆ!!!」
その時気が付いてしまう、自分の足元に有るものが何なのか、その下から臭いを出しているものがいったい何なのか。
「まりさのすてきなおぼうしさん、ゆぅ、よかったよ、でもくさいくさいはどこかにいって……ゆびぃ!!!」
足元で潰れている帽子の下から見えるもの、それはゆっくりの頭だった。潰れたゆっくりの頭の一部が見えている。
恐る恐るそれに目をやったまりさは、その正体に気が付いてしまう。
帽子の影からはみ出す赤いリボン、その横に飛び出すもみ上げ。もう一方には金髪が纏わり着いたカチューシャ。
恐る恐るそれに目をやったまりさは、その正体に気が付いてしまう。
帽子の影からはみ出す赤いリボン、その横に飛び出すもみ上げ。もう一方には金髪が纏わり着いたカチューシャ。
「れ、れいぶぅ、あじす!」
穴に落とされた自分を受け止めてくれたもの、それの正体に気が付く、体を虫が這い回るような怖気がまりさを襲った。
そして気が付く、あの人間に潰され蹴飛ばされた幼馴染れいむと美形ありすがここに居たのだ、そうだ……つまり……
そして気が付く、あの人間に潰され蹴飛ばされた幼馴染れいむと美形ありすがここに居たのだ、そうだ……つまり……
「お、おどうざん、おがあざん!!!ゆ、ゆっぐりでぎないー!!!」
知らず知らずのうちに涙が溢れる。まりさはゆっくり出来ない地面から目を逸らす様に頭上を、遥か遠くの空を見た。
まりさの顔に影が差す、差し込む光と逆行でよく見えないが、ゆっくりのシルエットである。
まりさの顔に影が差す、差し込む光と逆行でよく見えないが、ゆっくりのシルエットである。
「むきゅ……まりさ……」
「ゆ、おさ!」
その声でまりさは上に居る相手が分かった、この林の群れの長のぱちゅりーである。
「お、おさ、たすけてほしいのぜ!」
絶望の中に垂らされた蜘蛛の糸、そのか細い糸を逃すまいとまりさは噛り付いた。
「むきゅ……だめよ、まりさ。どうしてあんなことをしたの?」
「わからないのぜ、まりさはなんにもわるいことしてないのぜ、ぜんぶ、あのにんげんがわるいのぜ!」
「まりさ、どうして"おきて"をやぶったの……?」
ぱちゅりーの冷静な声が穴の中に響く、冷徹な様で一片の悲しみを含んだ声がまりさに染み込む。
「お、おきてなのぜ……?」
「そうよ、まりさ。"崖さんから降りてはいけない"おちびちゃんのころから教えたでしょ?」
「ゆ、ゆぐ……」
「悲しいことだけど、もうまりさは許されないは……れいむとありすの事もあるし……」
「そ、そうなのぜ、なんでれいむとありすが!?」
「ごめんなさいね、あれは私達の恥でもあるから、でも貴方達にも教えておくべきだったわ……後悔している」
「ゆ?」
「……!もう時間のようね、まりさこんな事を言えた義理じゃ無いかも知れないけど……出来るだけ早く永遠にゆっくりできるよう……祈ってるわ」
そう言って踵を返すぱちゅりー、再びまりさの居る穴の底まで光が差す。
「ぱ、ぱちゅりー……?」
ぱちゅりーの態度に疑問を抱くまりさ、そんなまりさを他所に新たなゆっくりが穴の上に現れた。
それは四匹のゆっくりだった、穴を四方向から覗き込んでいる、れいむ、まりさ、まりさ、ありす。
ごく一般的なゆっくりだが、まりさにはそのゆっくり達に見覚えがあった。
それは四匹のゆっくりだった、穴を四方向から覗き込んでいる、れいむ、まりさ、まりさ、ありす。
ごく一般的なゆっくりだが、まりさにはそのゆっくり達に見覚えがあった。
「ゆ、れいむとありすの……!」
幼馴染れいむと美形ありすの両親である。特に幼馴染れいむのおうちは、まりさのおうちの直ぐ近くであったため、まりさもその両親は見知っていたし、子ゆっくりの時はその母れいむに預けられた事もあった。
気が優しく、お歌の上手な母れいむだった、まりさは自分の母れいむと比べて怒られたこともある。
いつもニコニコと笑っていた、そんな母れいむの顔には、隠しようの無い怒りが張り付いていた。
いや母れいむだけでは無い、その番の父まりさも、アリスの両親のまりさとありすも、鋭い目つきでこちらを睨んでいる。
気が優しく、お歌の上手な母れいむだった、まりさは自分の母れいむと比べて怒られたこともある。
いつもニコニコと笑っていた、そんな母れいむの顔には、隠しようの無い怒りが張り付いていた。
いや母れいむだけでは無い、その番の父まりさも、アリスの両親のまりさとありすも、鋭い目つきでこちらを睨んでいる。
「どうして、どうしてれいむのおちびちゃんが、えいえんにゆっくりさせられるんだ!」
「おまえのせいで、まりさのかわいいおちびちゃんが!」
「ありすは、まりさのちびはむれでいちばんゆっくりしていなのぜ、おまえのせいで!」
「このいなかもの、おまえなんか、おまえなんかとつきあわせるんじゃなかった!」
穴の上から響き渡る罵声、音だけでは無い、明らかな悪意がまりさのところに届く。
「ゆ、ゆ、ゆ、な、なんなのぜ?まりさがなにをしたのぜ?」
見に覚えの無い悪意に、思わず疑問の声がまりさから上がった。
その言葉は親達の怒りに油を注ぐ。
その言葉は親達の怒りに油を注ぐ。
「このろくでなし、おまえが、おまえがにんげんさんをおこらせるから!」
「おまえがおきてをやぶったから、まきぞえでおちびちゃんが、せいっさいされたのぜ!」
「がけからおりちゃだめなんて、おちびちゃんでもしってるのぜ!」
「このいなかもの、おまえのせいで!」
「ゆ?ま、まりさのせいなのぜ、まりさの……?」
「そうだよ、れいむのおちびちゃんも、ありすのおちびちゃんも、おまえのおとうさんとおかあさんも……」
「ぜんぶ、おまえがおきてをやぶって、にんげんさんのところへいったから、せいっさいされたんだよ!」
「それなのに、なんでおまえだけいきのこってるんだ!」
「ぜんぶ、おまえがおきてをやぶって、にんげんさんのところへいったから、せいっさいされたんだよ!」
「それなのに、なんでおまえだけいきのこってるんだ!」
「ゆ!まりさのせいなのぜ?」
まりさは何かで殴られたかの様な衝撃を味わった。まりさのせいなのか……おとうさんもおかあさんも、れいむもありすも皆まりさのせいであんな目に遭ったのか?
呆然とするまりさ、そんなまりさに上から悪意が追い討ちをかける。
呆然とするまりさ、そんなまりさに上から悪意が追い討ちをかける。
「さっさとえいえんにゆっくりしてね、すぐでいいよ!」
「ゆぐ!」
「ほうとうなら、まりさがじきじきにせいっさいしたいのぜ!」
「うぎぃ!」
「おまえがわめいても、ありすはもどってこないのぜ!」
「ゆぎ!」
「こんないなかもの、らくにえいえんにゆっくりさせてあげないわ!」
「ゆびぃ!」
悪意の篭った言葉だけでは無い、上の四匹は言葉と共に小さな石を投下したのだ。
落下して来た石がまりさの体に突き刺さる、まりさは悲鳴を上げることしか出来ない。
落下して来た石がまりさの体に突き刺さる、まりさは悲鳴を上げることしか出来ない。
まりさは痛みの中で自問していた、まりさのせいなのか、まりさはただゆっくり出来るゆっくりプレイスを手に入れようとしただけなのに。
まりさが人間を追い出し、あのプレイスを手に入れれば、れいむもありすもおとうさんもおかあさんも皆ゆっくり出来るはずだったのに、なのにあのにんげんが……
しかし、現実としてそのゆっくりさせたかった皆は、まりさの下で永遠にゆっくりしている。
まりさが人間を追い出し、あのプレイスを手に入れれば、れいむもありすもおとうさんもおかあさんも皆ゆっくり出来るはずだったのに、なのにあのにんげんが……
しかし、現実としてそのゆっくりさせたかった皆は、まりさの下で永遠にゆっくりしている。
「まりさは……ゆぎぃ!」
まりさの頭に新しい石が刺さる、零れ出る餡子、体に響く激痛、まりさは永遠にゆっくりする事を覚悟した……しかし、その後に新しい石が降ってくることは無い。
恐る恐る上を見ると、れいむとありすの両親達は居なくなっており、青い空が広がるだけだった。
恐る恐る上を見ると、れいむとありすの両親達は居なくなっており、青い空が広がるだけだった。
「ゆ、まりさ……ゆるされたの……?」
久々の真っ青な空と日の光の暖かさにゆっくりとするまりさ、しかし、その希望を裏切る様に新たな影が現れた。
「ゆ、こいつだみょん、こいつのせいでありすが!」
「ゆるせないよー、ぜったいこうかいさせてやるよー!」
「まりさたちのアイドルを……ゆるせないのぜ!」
群れの若いゆっくり達である、ありすに引かれていた者たちなのだろう、皆尖った石を口に咥えている。
「ゆ、ゆ、ゆ……ゆっくりできないー!!!」
あの穴が空いている場所から、林の自分のおうちに戻る道すがら、長ぱちゅりーはあのまりさの冥福を祈っていた。
あのまりさは同年代の中でも体が大きく、身体能力にも優れていたため、将来は長とは言わなくても群れの首脳部に迎え入れられるかもと期待していたのだが。
残念な結果になってしまった、毎年何故かあんなゆっくりが現れるのだ、やはり子ゆっくりの頃からあの"制裁"に参加させるべきかも知れない。
子ゆっくりには刺激が強すぎると、秘されているあの制裁を公開すべきかどうか、考えをめぐらせるぱちゅりー、しかしあれを無くす訳には行かない。
この群れがこの林で暮らすために、人間さんを怒らせる訳には行かないのだから。
ぱちゅりーは自分達がこの林に逃げ込んできた、もう随分と昔の事を思い出していた。
あのまりさは同年代の中でも体が大きく、身体能力にも優れていたため、将来は長とは言わなくても群れの首脳部に迎え入れられるかもと期待していたのだが。
残念な結果になってしまった、毎年何故かあんなゆっくりが現れるのだ、やはり子ゆっくりの頃からあの"制裁"に参加させるべきかも知れない。
子ゆっくりには刺激が強すぎると、秘されているあの制裁を公開すべきかどうか、考えをめぐらせるぱちゅりー、しかしあれを無くす訳には行かない。
この群れがこの林で暮らすために、人間さんを怒らせる訳には行かないのだから。
ぱちゅりーは自分達がこの林に逃げ込んできた、もう随分と昔の事を思い出していた。
ぱちゅりー達、この群れの長老世代は皆町で暮らしていた野良ゆっくりである。
捨てられた飼いゆっくりなどでは無く、親も野良ゆっくりで生まれた時からの生粋の野良ゆっくり達にとって町とはゆっくり出来ない場所であった。
不安定な食料事情、いつ失われるかも分からないおうち、突如として襲ってくる一斉駆除、人間や大きなスィーによる襲撃。
様々な要因で、ゆっくり達は常に死の危険に曝されていた。ぱちゅりー達野良ゆっくりの中で姉妹と一緒に成ゆっくりまで成長できたものは一人も居ない。
親だって、生まれた時から片親が普通、自分が子ゆっくりの頃の死に別れるほうが多いくらいである。
そんな地獄に生きる町ゆっくりにとって、話に聞いた野生――森で暮らしているゆっくりはまさに天国で暮らすようなものだった。
もちろん身近には、もっとすばらしい生活を送っている飼いゆっくりが居る。しかしその座を得ることの難しさと、それを得ようとした者が人間にどんな目に合わされたか、数々の事例で学習した町ゆっくりにとっての希望、それが森のゆっくりである。
しかし、自分達の行動範囲に森など存在しない、そう考え諦めていたぱちゅりーの元に、狩りに出ていたちぇんから森を見つけたという報告がされたとき、仲間たちは歓喜した。
森、そこへ行けばゆっくりとした生活が送れると。
人間に悟られないように、仲間達をいくつかの組に分けてその場所に移動させるぱちゅりー、移動の過程でおよそ半分のゆっくりが永遠にゆっくりしたが、辿り着いた場所はまさに森であった、とても広い赤黒い土の大地、その先には石で出来た崖が有り、崖の先には木々が見える。
何とか上れる場所を見つけ上がった崖の上は、草花が咲き誇る野原と、その奥にある林というゆっくりの生存にもってこいの場所であった。
捨てられた飼いゆっくりなどでは無く、親も野良ゆっくりで生まれた時からの生粋の野良ゆっくり達にとって町とはゆっくり出来ない場所であった。
不安定な食料事情、いつ失われるかも分からないおうち、突如として襲ってくる一斉駆除、人間や大きなスィーによる襲撃。
様々な要因で、ゆっくり達は常に死の危険に曝されていた。ぱちゅりー達野良ゆっくりの中で姉妹と一緒に成ゆっくりまで成長できたものは一人も居ない。
親だって、生まれた時から片親が普通、自分が子ゆっくりの頃の死に別れるほうが多いくらいである。
そんな地獄に生きる町ゆっくりにとって、話に聞いた野生――森で暮らしているゆっくりはまさに天国で暮らすようなものだった。
もちろん身近には、もっとすばらしい生活を送っている飼いゆっくりが居る。しかしその座を得ることの難しさと、それを得ようとした者が人間にどんな目に合わされたか、数々の事例で学習した町ゆっくりにとっての希望、それが森のゆっくりである。
しかし、自分達の行動範囲に森など存在しない、そう考え諦めていたぱちゅりーの元に、狩りに出ていたちぇんから森を見つけたという報告がされたとき、仲間たちは歓喜した。
森、そこへ行けばゆっくりとした生活が送れると。
人間に悟られないように、仲間達をいくつかの組に分けてその場所に移動させるぱちゅりー、移動の過程でおよそ半分のゆっくりが永遠にゆっくりしたが、辿り着いた場所はまさに森であった、とても広い赤黒い土の大地、その先には石で出来た崖が有り、崖の先には木々が見える。
何とか上れる場所を見つけ上がった崖の上は、草花が咲き誇る野原と、その奥にある林というゆっくりの生存にもってこいの場所であった。
「むきゅ、みんな、ぱちゅたちはついにもりにたどりついたわ!」
そんなぱちゅりーの宣言で始まった林での生活は快適なものだった、林は野原から安定して採れる食事、何より恐怖の存在である人間さんが見当たらない事が最大の幸運であった。
しかしそんな幸せな生活にもひびが入る、しばらくすると崖の下、あの土しかなかった平らな場所に人間さんが出入りするようになったのだ。
人間を恐れて、こっそりと見守る林のゆっくり達、そんな彼女達にお構いなく人間や巨大なスィーが出入りし、次の春には白くて巨大な人間のプレイスが作られていた。
ゆっくり達は、人間に何かしようとは思わなかった。人間の恐ろしさは町で骨身に染みていたし。
人間が崖の上のゆっくりのプレイスに手を出すことは無かったからだ。
困ったことに成ったのはその後である。崖の下、人間のおうちの手前に人間達がお花を植えだしたのだ。
町で暮らしていたぱちゅりー達は、それが人間の作ったものであり、手を出せば危険だあると理解していた。
しかし林で生まれた子供達はそんな事が理解できない、数匹がお花さんに惹かれて崖を下りお花さんを採って来ると、ぱちゅりー達、群れの首脳部は恐怖に襲われた。
このパターンは何度も町で見ていたのだから、この次にあるのは人間さんの報復か一斉駆除である。
人間と戦うか?不可能である、逃げるか?この場所を失うわけには行かない、そんな選択肢を迫られたぱちゅりー達が決めたのは、無条件降伏であった。
ぱちゅりーとその側近数匹が永遠にゆっくりさせられる覚悟で人間さんの下を訪れたのだ。
幸い目の前に現れただけで永遠にゆっくりさせられる事も無く、話を聞いてもらう事が出来たので、ぱちゅりーは自分達の事情を全て話した。
元町の野良ゆっくりであった事、人間さんに逆らう気は少しも無いこと、出来ればあの場所で暮らさせて欲しいこと。
自分達の命を懸けて行った交渉は、何とか実を結んだ。崖の上の野原と林に限る形で生活する事を認められたのだ。
もちろんいくつかの条件をつけられた、その範囲から出ないこと、おちびちゃんは胎生妊娠で生むことなど様々だが。
その中でも最大のものが、あの「制裁」だった、崖の下に行かないことを群れの掟として徹底し、それに反したゆっくりに課される制裁。
罪を犯したゆっくりの親ゆっくりと妻や子を先に目の前で制裁し、犯ゆ自身は動けなくしてあの穴の中に落とす、恐るべき罰であった。
ぱちゅりーは帰るとき自分とすれ違った、れいむとありすの両親の顔を思い出す。
あのまりさには番が居なかったが、れいむとありすとはそれなりの関係はあった、何らかの形で人間にそれがバレ、もし匿ったとでも思われたら群れの最後である。
どちらか一方だけでも揉める事になっただろう、あの二人には申し訳ないが群れのためである。
人間の定めた制裁は、穴に落とした後の犯ゆについては決まっていない。しかしぱちゅりーにはあのまりさの末路が見えていた。
親達だけでは無く、ありすの方は群れの中でも美形で有名であり懸想していたゆっくりも多いことだろう。
ぱちゅりーは再度、まりさの冥福を祈り、出来るだけ早い雨の到来を願った。
しかしそんな幸せな生活にもひびが入る、しばらくすると崖の下、あの土しかなかった平らな場所に人間さんが出入りするようになったのだ。
人間を恐れて、こっそりと見守る林のゆっくり達、そんな彼女達にお構いなく人間や巨大なスィーが出入りし、次の春には白くて巨大な人間のプレイスが作られていた。
ゆっくり達は、人間に何かしようとは思わなかった。人間の恐ろしさは町で骨身に染みていたし。
人間が崖の上のゆっくりのプレイスに手を出すことは無かったからだ。
困ったことに成ったのはその後である。崖の下、人間のおうちの手前に人間達がお花を植えだしたのだ。
町で暮らしていたぱちゅりー達は、それが人間の作ったものであり、手を出せば危険だあると理解していた。
しかし林で生まれた子供達はそんな事が理解できない、数匹がお花さんに惹かれて崖を下りお花さんを採って来ると、ぱちゅりー達、群れの首脳部は恐怖に襲われた。
このパターンは何度も町で見ていたのだから、この次にあるのは人間さんの報復か一斉駆除である。
人間と戦うか?不可能である、逃げるか?この場所を失うわけには行かない、そんな選択肢を迫られたぱちゅりー達が決めたのは、無条件降伏であった。
ぱちゅりーとその側近数匹が永遠にゆっくりさせられる覚悟で人間さんの下を訪れたのだ。
幸い目の前に現れただけで永遠にゆっくりさせられる事も無く、話を聞いてもらう事が出来たので、ぱちゅりーは自分達の事情を全て話した。
元町の野良ゆっくりであった事、人間さんに逆らう気は少しも無いこと、出来ればあの場所で暮らさせて欲しいこと。
自分達の命を懸けて行った交渉は、何とか実を結んだ。崖の上の野原と林に限る形で生活する事を認められたのだ。
もちろんいくつかの条件をつけられた、その範囲から出ないこと、おちびちゃんは胎生妊娠で生むことなど様々だが。
その中でも最大のものが、あの「制裁」だった、崖の下に行かないことを群れの掟として徹底し、それに反したゆっくりに課される制裁。
罪を犯したゆっくりの親ゆっくりと妻や子を先に目の前で制裁し、犯ゆ自身は動けなくしてあの穴の中に落とす、恐るべき罰であった。
ぱちゅりーは帰るとき自分とすれ違った、れいむとありすの両親の顔を思い出す。
あのまりさには番が居なかったが、れいむとありすとはそれなりの関係はあった、何らかの形で人間にそれがバレ、もし匿ったとでも思われたら群れの最後である。
どちらか一方だけでも揉める事になっただろう、あの二人には申し訳ないが群れのためである。
人間の定めた制裁は、穴に落とした後の犯ゆについては決まっていない。しかしぱちゅりーにはあのまりさの末路が見えていた。
親達だけでは無く、ありすの方は群れの中でも美形で有名であり懸想していたゆっくりも多いことだろう。
ぱちゅりーは再度、まりさの冥福を祈り、出来るだけ早い雨の到来を願った。
あれから数日、まりさは未だ生きていた。いや、もはや日の当たる場所に出ても、誰もゆっくりまりさとは認識してくれないかも知れない。頭から顔にかけていくつのも石が刺さり潰れ、目を背けたくなる有様である。
しかし、まりさにとって幸運か不幸か、ゆっくりにとって致命的な水を運ぶ雨が降る事は未だ無く、まりさに止めを刺す存在は居なかった。
既に片目は潰れ、残った一方の目で周囲を見つめ自分を永遠にゆっくりさせてくれる存在を心待ちにするまりさ。
その心の中には、憎しみ、悲しみ、怒り、後悔、様々な感情が渦巻いていた。
穴の上から差し込む日の光、まりさには分からないが外は正午であり、丁度天頂に座する太陽から穴の中に最大の光がもたらされる。
光で明るくなった穴の中、その壁に一列に続く黒いもの――あの小さくて黒い虫さんを見つけたまりさは全てを理解した。
あぁ、そうなのだ、だからここは「あなば」だったのだ、まりさはこの時初めて、あれ以来再会していないあのまりさが何処へ行ったのか理解した。
しかし、まりさにとって幸運か不幸か、ゆっくりにとって致命的な水を運ぶ雨が降る事は未だ無く、まりさに止めを刺す存在は居なかった。
既に片目は潰れ、残った一方の目で周囲を見つめ自分を永遠にゆっくりさせてくれる存在を心待ちにするまりさ。
その心の中には、憎しみ、悲しみ、怒り、後悔、様々な感情が渦巻いていた。
穴の上から差し込む日の光、まりさには分からないが外は正午であり、丁度天頂に座する太陽から穴の中に最大の光がもたらされる。
光で明るくなった穴の中、その壁に一列に続く黒いもの――あの小さくて黒い虫さんを見つけたまりさは全てを理解した。
あぁ、そうなのだ、だからここは「あなば」だったのだ、まりさはこの時初めて、あれ以来再会していないあのまりさが何処へ行ったのか理解した。
「ゆ、おねえちゃん……×××……」
まりさの最後の言葉は、言葉の形をとっていなかった。もはや喋れないまりさに小さな死神が近づいていた。
ゆっくりの群れが暮らす林、その林に隣接する野原の片隅に大きな穴が開いていた。
いや、大きいと言うのはゆっくり視点である、人間なら腰まで無い深さだし、少し手間をかければ掘ることが出来るだろう。
しかし、バスケットボールサイズのゆっくりにとっては、落ちたら這い上がれない危険な穴であることは間違いない。
いや、大きいと言うのはゆっくり視点である、人間なら腰まで無い深さだし、少し手間をかければ掘ることが出来るだろう。
しかし、バスケットボールサイズのゆっくりにとっては、落ちたら這い上がれない危険な穴であることは間違いない。
その穴に近づく小さな影、ゆっくりれいむの子ゆっくりである。
「ゆゆ~ん、れいみゅはこんにゃあにゃこわきゅにゃいよ!」
「まっちゃく、こんにゃあにゃぎゃきょわいにゃんちぇ、みんなよわむしじゃね!」
「まっちゃく、こんにゃあにゃぎゃきょわいにゃんちぇ、みんなよわむしじゃね!」
上機嫌な子れいむは穴の横まで来て、穴を覗き込もうとして何かに気が付く。
「ゆ、きょれはむししゃん、むーちゃむちゃ、しあわしぇー!」
「きょんにゃむししゃんが、たくしゃん、きょきょは"あなば"なんじゃね!」
「きょんにゃむししゃんが、たくしゃん、きょきょは"あなば"なんじゃね!」
後書き
ここまで読んでいただき、有難うございました。
以前にお蔵入りにしたネタの再利用になります、ネタとしては「群れに制裁させる」です。
もしどなたかとネタが被っていたらごめんなさい。
楽しんでいただければ幸いです。
ここまで読んでいただき、有難うございました。
以前にお蔵入りにしたネタの再利用になります、ネタとしては「群れに制裁させる」です。
もしどなたかとネタが被っていたらごめんなさい。
楽しんでいただければ幸いです。
過去作品
anko2700 そして新記録
anko2703 ゆっくり公民 ~奴隷制~
anko2720 ゆっくり公民 ~カースト制~(前編)
anko2721 ゆっくり公民 ~カースト制~(中編)
anko2722 ゆっくり公民 ~カースト制~(後編)
anko2764 ゆっくり公民 ~農奴制~(春)
anko2765 ゆっくり公民 ~農奴制~(夏)
anko2766 ゆっくり公民 ~農奴制~(秋)
anko2767 ゆっくり公民 ~農奴制~(冬)
anko2802 ゆっくり公民 ~奴隷解放~(前編)
anko2803 ゆっくり公民 ~奴隷解放~(中編)
anko2804 ゆっくり公民 ~奴隷解放~(後編)
anko2703 ゆっくり公民 ~奴隷制~
anko2720 ゆっくり公民 ~カースト制~(前編)
anko2721 ゆっくり公民 ~カースト制~(中編)
anko2722 ゆっくり公民 ~カースト制~(後編)
anko2764 ゆっくり公民 ~農奴制~(春)
anko2765 ゆっくり公民 ~農奴制~(夏)
anko2766 ゆっくり公民 ~農奴制~(秋)
anko2767 ゆっくり公民 ~農奴制~(冬)
anko2802 ゆっくり公民 ~奴隷解放~(前編)
anko2803 ゆっくり公民 ~奴隷解放~(中編)
anko2804 ゆっくり公民 ~奴隷解放~(後編)
挿絵:○○あき